報復の連鎖、国際社会は自制を促すことしかできず、島岡美延です。戦争の中にいる子どもたちはどれほどの恐怖か。
この7歳の少年は、教会の権力争いに巻き込まれた――。映画『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(26日公開)』をご紹介します。1つの誘拐事件を巡り世界中で論争が起こり、スピルバーグ監督が映画化を構想するも断念したという史実。イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督がついに映画化。
1858年、ボローニャのユダヤ人街、モルターラ家に兵士たちが押し入る。枢機卿からの命令は、7歳のエドガルドが何者かに洗礼を受けたという理由で連れ去ること。両親はあらゆる手をつくして息子を取り戻そうとする。国際的なユダヤ人社会に支えられ、モルターラ家の戦いは政治的な局面を迎える。教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するため、エドガルドの返還を頑なに拒む――。
ママに会いたいと泣いた7歳の少年は、教会の中で「教育されて」青年になっていく、その恐ろしさ。
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