アンネイ手帖

キモノや着付け、暮らしの覚え書き。

ウィローパターンのお話

2009-12-07 | 日記
sumomoさんから「実家にあったよ」とメールをいただきました。

そう、けっこうその辺にある絵柄です。


これがね~物語、それも悲恋というか、、、悲恋だなやっぱ。
1つの食器で語られる物語の絵柄なのでございます。

その昔、
中国のたいそうお金持ちの家に、クーン・セと言うとても美しい女の子がいました。


その子に恋をしたのが、雇われの男の子、チャン。
クーン・セとチャン、もちろん身分の違いで許されない恋です。
家からは猛反対をされます。
チャンと会えないように、離れに幽閉されたクーン・セ。
それを憐れんだ召使いが、
2人の手紙を小鳥に運ばせたり小川に流したりして届けます。
でも、それもとうとう見つかってしまいます。
家を出て逃げる2人と、追いかける父親の図。

怖い~鞭持ってる~

舟で小さな島に渡り、しばしの幸福に包まれる二人。
しかし、ついに父親の手が伸び、チャンは殺されてしまいます。
悲しいかなクーン・セも後を追い、海に身を投じてしまうのありました。

この船頭さんは亡骸を探していると言う説もあります。。。

この世で結ばれることが叶わなかった2人は
鳥に姿を変え、いつまでも幸せにこの絵の中・・・


というような物語です

これが本当ではありません。
いくつか違った物語が語られているようです。
まぁそれも悲恋。

当時シノワズリに憧れる欧州の方々がこの絵と物語を好んだので、
ウィローパターンの絵柄が流行したらしいのです。
スポードやウェッジウッドも作っていましたし、
大正時代以降でしょうか、日本からもたくさん輸出されていたようです。
あ、made in JAPANの鳥は、ふっくら可愛いお顔なんですよ

少しずつ絵柄の違いはあるものの、
一番の特徴は「柳 Willow」


オールドノリタケなどは、彩色された手書きの食器もあるようですが、
ほとんどは「印判」というプリントです。
古いものなどは、これが手作業で押されるので、歪みがあったりして
探すとなかなかおもしろいのでした

柳、楼閣、島、2羽の鳥。
もし見つけたら、この物語を思い出してくださいね