鱧の美味しい季節になるんですよ。
味にうるさい京ですからね。
この季節感のある語りがいいですわ。
いちいち説明を受けないとすんなり飲み込めないワタクシどもですが、そんな雰囲気も好き。
美味しいものを美味しくなるまで待つってこと。
それが季節を楽しむってことなんだと思います。
トマトソースですか。
器にドドッと注がれた濃いピンク色の液体。
いや、もっととろみがありますね。
聞けば自家製の梅ソースなのだとか。
ああ…、思い出しても口の中によだれが溜まってきます。
さあ、いよいよ鱧の登場ですよっ。
「軽くあぶりでよろしいか。」
って聞かれたような気がするなぁ。
もうね、ワタクシも結構酔っ払っていますから。
そこんところの会話は雰囲気での記憶。
だから全然違ってたかも知れませんなぁ。
ただね、気持ち良く飲めていたのには変わりありません。
炙られた鱧。
さて、梅ソースでいただきます。
「たっぷり付けてよ。たっぷり。」
ううーん、ジュワッと口の中に広がる酸味。
そして旨味。
北海道人にはなかなか馴染みのない味ですわ。
そう言えばポン酢だって働き始めてから知った味だもの。
深みを理解するにはまだまだ時間がかかりそうです。
そしてもうひと切れ。
ああ…、これが旨味なんだな。
初めはひとくちで頬張った鱧も、次はちょこっとにしてみます。
パクっ、サッと反応出来るほど器用な舌をもつワタクシではありませんが、頭の中にピピッと感じ始めたね。
時差があるのは美味くて飲み過ぎた冷酒のせいかなぁ。
この味を理解出来ないと京料理は語れないのかもな。
酸味の中の旨味。
そういう点では美味い梅干しを食べる機会も少ないかもね。
ああ、また唾液が…。
飲んで食べて喋りまくって…。
あ、カメラオヤジもそれに負けないくらいの頻度でした。
この日はワタクシの誕生日。
いくつになったのかは…、まぁ十分いい年ですわ。
ホロホロと酔わせていただいた幸せな嬉しい一日になりました。
お伊勢さんに参拝して、すし久でたらふく食べて、そして祇園で晩ご飯だもの。
こんな中身の濃い一日ってあったのかな。
加茂茄子。
美味しゅうございました。
家族はもうお腹がパンパン。
ギブアップ寸前でございます。
しかしまだまだ出てくるの。
銀ムツの西京焼き。
これがね、美味かったぁ。
もう何とも言えない。
魚って手を加えないとダメだな、って思えました。
活には活の良さがあるんだけどさ。
技には技の深さがあるね。
自然の豊かさと人間の知恵。
そのどちらも味わえる幸せ。
それが旅なんだな。
そうそう。
ご紹介が遅れましたけどね。
ワタクシどもの席の隣に森本太郎さんがいらっしゃいました。
ほら、ザ・タイガースの…。
これはこれは、お忍びですか。
宇治の先輩はザ・タイガースの大ファンなのだとか。
前にも同席したことのある話を聞かせてもらったことがあったなぁ。
それが今日もとは…。
ワクワク感がこちらにも伝わってきます。
おかげで随分と楽しいお酒にワタクシどもも混ぜてもらいました。
嬉しかったなぁ。
記念写真もお願いしちゃいました。
あら、知らないうちに梅ソース完食です。
ごちそうさまでした。
さて、次は…。
メニューには無いんだけどね。
オムライスも美味しいの。
だって。
そう言われちゃぁ…。
さて、どうしよう。
如月たかし、まだまだ続きます。