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約束は破られた!自らの伴侶となるはずだった存在を破壊された『怪物』はヴィクターの屋敷へと向かいます。
そこにはヴィクターの婚約者が居るのです。
屋敷に忍び込んだ『怪物』はヴィクターの婚約者に出会います。
『怪物』の恐ろしい姿にも怯まないヴィクターの婚約者は『怪物』に名前を尋ねます。
『お名前は何というの?』
『名前は・・・付けてもらえなかった!!!』(←これも実に悲しい言葉です!)
『怪物』はヴィクターの婚約者にこれまでの経緯を打ち明けます。『怪物』に同情するヴィクターの婚約者。
安心するように言った『怪物』ですが、突然襲いかかり、ヴィクターの婚約者を犯し、殺してしまいます。
そう、とうとう『怪物』はヴィクターから『嘘をつくこと』を学んだのでした。
すべてに絶望した『怪物』は北極へ向かいます。人間の住まない地で一生を終える決心をしたのです。
そしてヴィクターもまた『怪物』を追って北極へ向かいます。『怪物』との決着をつけるために。
遭難したヴィクターを救ったのは何と『怪物』でした。
『怪物』はヴィクターに『決着をつけにこい』と言い残して去ります。
立ち上がったヴィクターが弱弱しく『怪物』の後を追うシーンで劇は終わります。
どうです。凄い話でしょう。実はこれこそが原作に最も近い『フランケンシュタイン』です。
皆さんの中の『フランケンシュタインの怪物』像が覆ったんじゃないでしょうか?
これまで見て来たように、この話は新しい『失楽園』だったのです。
それにしても『怪物』よりも『人間』の方がずっと恐ろしい存在ですね。
(この項終わり)
2018,10,22追記 この原作となった小説を「実際にやっちゃった」科学者がいた(!)というのをTVで放映してました→フランケンシュタインの誘惑E+『人体蘇生 / ロバート・コーニッシュ』。恐ろしいことです。