(その1からの続き)
※H.P.ラヴクラフト『インスマスの影』新潮文庫
なお、表題の絵は『幽霊の悪魔(チェンソーマン)』です。念のため。
では書評に戻ります。
※H.P.ラヴクラフト『インスマスの影』新潮文庫
第2話『ダンウィッチの怪』
いよいよヨグ・ソトース神の登場です。
異世界への門を司る邪神・・・と言ってもこの話、邪神自体は登場しません。
登場するのはヨグ・ソトース神が白子の女に生ませた息子です。なお、この本ではヨグ・ソトホート神と表記されています。
これは作者ラヴクラフトが「人間には発音できない名前」を何とか書き記そうと努力したためで、何と発音するのか未だに定説がないのです(笑)。
山羊を思わせる顔つきをした、どこか人間離れした外見の息子は異常な速さで成長し、自らの出生について調べるさなか怪死します。実はその息子には不可視の兄弟がいるようだ、というのがストーリー。
何かの拍子にチラと垣間見れることがあるその姿は『幽霊の悪魔(チェンソーマン)』に似ているらしいのです。
ただし顔は半分しかないらしいです。
左右どっちなのか、はたまた下半分なのか判然としないのですが、半分はまだ異次元に留まっているのかもしれません。
この怪物が撃退されるまでがこの話ですが、父親であるヨグ・ソトホート神はどうしているのでしょう。今もきっと異次元からこの世界を窺っているのでしょう。
あなたもクトゥルー神話のおどろおどろしい世界に触れてみませんか❓
入門用として最適の一冊です。
おすすめします。
(つづく)