ご存知ラングドン教授シリーズの第3作・・・なのですが、このシリーズは、第1作の『ダ・ビンチ・コード』から、どんどん原作の出来が悪くなっている気がする(今回の原作は読んでませんが・・・映画を観る限りまったく読む気にならなかったデス!)。だいたい第1作にしてからが『これ、わざわざダ・ビンチと結びつける必要あったの?』という暗号の羅列を追っていくと・・・という話でしたが『イエス・キリストの子孫がいる!』という虚実とりまぜながら『いかにも』ってストーリーで楽しめました。しかしながら、この第3作に至っては『ダンテによるモチーフを散りばめただけで、別に地獄篇とは関係ナイぢゃない!』とツッコミを入れたくなるようなストーリーです。
※ボッティチェリの地獄の見取り図(↑)NERV本部みたいだ!!!・・・いえ、こっちが先です。
あらずじは・・・、ラングドン教授が病院で目を覚ますところから始まり、本人は短期の記憶喪失でこの何日か何をしていたのかハッキリしないまま、殺し屋に襲われ、フレンツェの街中を逃げ回るハメになり、手にしていたペンライト型プロジェクターに仕込まれていたボッティチェリの地獄の見取り図から謎を追ってヴェネツィアへ、そしてイスタンブールへ・・・というものなのですが、私なんかは『インターネットの発達した現在、実際に現地へ飛ぶ必要がホントにあるの?』と思ってしまいます。『監視カメラと防犯装置で厳重に管理されているはずのダンテのデスマスクの裏に、重要な手掛かりとなる文字が書かれている』なんてシーンには『犯人はいつどうやって書いたんですかぁ?』と思ってしまいました。
これらの3都市に実際に行ったことがある私は『ヴァザーリの回廊だ!』→『サンマルコ広場だ!』→『ローマ時代の地下貯水池だ!』と、知っている場所が出てきて楽しめましたが、知らない人にとっては『一体これは何じゃろね?』状態ではナイでしょうか?
煉獄のシーンを再現したラングドン教授の幻想(ヴィジョン)のシーンは面白かったのですが、その他はイマイチですなあ。特に人類の半数を死なせるウイルスが安っぽいビニール袋に入って吊られているナンてラストの設定には『東南アジアで売っている砂糖入りの緑茶ぢゃあるまいし、億万長者の犯人がナンてショボい仕掛けを・・・』って哀れを催してしまいました。
『地獄篇とは関係ナイ』と書きましたが、ストーリー自体は、別の設定でも何の問題もナイのです。例えば・・・『志賀直哉の初版本に隠された暗号を追って尾道から大山へ(暗夜行路)、明らかになった陰謀は「城崎温泉の源泉に世界を滅ぼすウイルスが入った時限爆弾が仕掛けられている」というものだった!』としても全然オッケー!こうするとTVサスペンス2時間ドラマになっちゃいますが、この方が『女湯から一斉に逃げ出す湯治客たち』というシーンが撮影できるのでウケそうです。全体としては『壮大なロケをしてTVサスペンス2時間ドラマ程度のストーリーを撮っちゃったね。ご苦労さん。』というのが見終わった私の感想です。
今回の判定は『お金を払って観る価値ナシ!』地上波TV放映されてから観れば充分です。
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>東南アジアの砂糖入り緑茶
大ウケしました!
どんどんレベルが低下してますね。
「マンガで見る日本史」のほうがシシ?
文句いいつつ観てしまうような気がします。
「間違い探しゲーム」感覚で!
世界の人口の半分を淘汰する気があるのなら、自分自身の命も運命に任せる覚悟が必要ですよね。
確かに・・・そうでした。展示品ではありますが、所有権だけ犯人の億万長者に移っていたのでしたね(それでも難しいとは思いますが・・・)。