ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

Hibriduz Jazz @国際連合大学中庭

2018-10-14 23:37:34 | ワールド・ミュージック
10月14日(日)、表参道の国際連合大学中庭で開催された「青山パン祭り」にて、ホンジュラスのジャズ・バンド、イブリドゥス・ジャズ(Hibriduz Jazz)のライヴを観てまいりました!!

キーボード×2、サックス×3、トロンボーン×3、トランペット×4、フルート、ベース、ドラムス、パーカッションという大所帯。カリブ海に面する中米の国らしいラテン系ビッグバンド。司会の方曰く、ジャズとホンジュラスの民族の音楽である”Punta”を混ぜて演奏し、それは世界初のミックスと言われているそうです。

そのサウンドは、パーカッションのリズムも強烈なラテンジャズ。ホーンのアンサンブルと熱いソロ、そしてグルーヴィーなエレキベースが良かったですね。序盤は、民族的と言うよりジャズ色が濃い印象でしたが、中盤から男性シンガーが加わると、一気にローカル色と言いますか、トロピカルな雰囲気が出てきて面白かったです。またこのシンガーさんが良い声してらっしゃるんですよ。

あと、メンバーの皆さんはツアーTシャツのような飾らない出で立ちなんですけど、一人だけもの凄くドレッシーに着飾っている方がいらして、始めは演奏に加わらなかったんですが、途中からパーカッションを叩いたり、歌を歌ったり、踊ったり、ホラ貝のような大きな貝を吹いたりと大活躍。彼の歌声はアフリカ色が強く、まるで民族の祭りのようで盛り上がりましたね。ダンスも格好良かった!!

私は恥ずかしながら、”Punta”という音楽を良く知らないんですけど、それでもホンジュラスという未知なる国のミュージシャン達が奏でる独創的なジャズ、とても楽しかったです。


イベントの余興とは思えない、およそ1時間30分というたっぷりなライヴを披露してくれたイブリドゥス・ジャズ。パン目当てで来たお客さん達も、大所帯のラテン系ビッグバンドの演奏に思わず足を止め、ステージ前には大勢のお客さん達が集まり、思い思いに楽しんでいました。


ライヴも最高でしたし、パンも美味しかったです!!

BOKANTÉ @六本木ヒルズ

2018-10-10 00:04:22 | ワールド・ミュージック
10月1日から8日まで、J-WAVEの開局30周年を祝って六本木ヒルズにて開催された「J-WAVE 30th ANNIVERSARY FESTIVAL TOKYO SOUND EXPERIENCE」。六本木ヒルズアリーナと大屋根プラザの2カ所で、連日魅力的なフリーライヴが繰り広げられました。その最終日、10月8日には、大屋根プラザの「JAZZ ON THE HILL 」に、ボカンテが登場。この「JAZZ ON THE HILL はJ-WAVEと同じく30周年を迎えるブルーノート東京がコラボしたステージ。

この日、ボカンテは2ステージの出演だったんですけど、残念ながら私は所要があって、1stステージしか見れませんでした。ですが充分楽しませては頂きましたけどね。さて、このボカンテ、あのスナーキー・パピーのベーシストにして中心人物のマイケル・リーグによる別プロジェクトです。今回はブルーノート東京での公演のための来日で、そのメンバーは9人編成のようですが、この日は小さなステージでのフリーライヴということもあり、選抜6人で登場。

マイケル・リーグはベースではなく、11弦の民族楽器のようなギターを弾いていました。ベースを弾くのはルイス・ケイトー。この人は、ドラマーとしても一流なマルチミュージシャンで、ジョン・スコフィールド、マーカス・ミラー、ボビー・マクファーリン、ア・トライヴ・コールド・クエスト、タリブ・クウェリなどと仕事を来た人。もちろんスナーキー・パピーともセッションを重ねている。そんなルイス・ケイトーとリズム隊を組むのはスナーキーパピーのパーカッション奏者、小川慶太。ギタリストにスナーキー・パピーのクリス・マックイーン。そしてヴォーカリストには、スナーキー・パピーの「Family Dinner Vol.1」に参加し注目を集めたマリカ・ティロリエン。そして私のお目当て、と言っても良いラップ・スティールのルーズヴェルト・コリアーです。彼はセイクリッド・スティール出身で、2017年には、ビル・ウィザースのカヴァーライヴを演ったThe New Stew のメンバーとして来日もしています。

さて、そんな選抜ボカンテのステージ。最新作「WHAT HEAT」から「All The Way Home」、「Fanm」、「Chambre à Échos」を披露してくれました。「All The Way Home」も「Fanm」も、リズムやフィーリングなどどちらもアフリカ色が濃い印象。そこへルーズヴェルト・コリアーのブルージーなスティール・ギターが絡んでいく。ファンキーな「Fanm」はスティール・ギターのリフも含めて格好良かったですね〜。ワールド・ミュージック的な哀愁に、デルタ・ブルースっぽい魔力が滲むスローの「Chambre à Échos」も秀逸でした。私はルーズヴェルト・コリアーの目の前を陣取ってかぶりつきで見ていたんですけど、随所で見せるブルージーなフレーズに酔いしれました。カントリーな麗しさとは違う、ゴスペル・ルーツな黒いフィーリングが堪りませんでした。

ですが、このステージの主役はシンガーのマリカ・ティロリエンでしたね。クレオール~フランス語を駆使しするという彼女ですが、そのスピリチュアルな歌声が、彼らのサウンドをエモーショナルに彩っていました。特に「Chambre à Échos」の叙情的な歌唱には聴き惚れましたね。また雰囲気がチャーミングで、華やかでした。あと小川慶太さんを中心にしたリズムが良かったですね!この小川慶太さん、黒田卓也さんを中心にしたJ-Squadのメンバーでもあるんですよね。もっと聞きたかった〜!


あ〜、2ndも見たかったな〜。



Omar Sosa & Yilian Cañizares @六本木ヒルズ

2018-10-06 12:39:41 | ワールド・ミュージック
10月5日、六本木ヒルズで開催中の「TOKYO SOUND EXPERIENCE」JAZZ ON THE HILL にて、オマール・ソーサ & ジリアン・カニサレスのライヴを観てまいりました。30分づつの2ステージ、堪能させて頂きました。

”鍵盤の魔術師”とも評されるアフロ・キューバン・ピアニスト、オマール・ソーサ。そしてハバナに生まれスイスをベースに活躍しているという新鋭女性ヴァイオリニストのジリアン・カニサレス。2人は今年コラボレーション作品をリリースしたばかり。オマール・ソーサの盟友パーカッション奏者グスターボ・バージェスを加えたトリオで登場。

まずスタイリッシュな衣装に身を包んだジリアン・カニサレスのモデル並みにすらっとした容姿に驚きましたね。アフロなのかカーリーなのかよく分からないフワッフワな髪型も格好良い!!オマール・ソーサの白い民族的な衣装との対比も面白い。彼女は身をくねらせ、スキャットしながらヴァイオリンを弾く。それはクラシカルでもあり、とてもジャジーでもあり、とてもエモーショナル。オマール・ソーサに向き合い、掛け合うように即興を重ねていく。オマール・ソーサは流石に魔術師の異名を取るだけあって、多彩なタッチでイメージ豊かな情景を描き出していく。そしてグスターボ・バージェスが様々なパーカッションを持ち替えながら、サウンドに抑揚を加えていく。

1stステージではコラボ作から「Duo de Aquas」や「Dos Bendiciones」などをやっていましたが、スタジオ録音とはまるで別物のようにイマジネイティヴな広がりを見せていく演奏に引き込まれましたね。ジリアン・カニサレスのスピリチュアルな歌声にも痺れました。3人の織りなす演奏は、リズムのニュアンスなど、とてもヴァリエーション豊かでしたが、どちらかと言えばメロウな印象。ですが、それが完全に覆されたのが2ndステージでした。

いきなりオマール・ソーサが激しい足踏みでリズムを取りながら登場。大地のリズムのような演出に客席から大きな手拍子が巻き起こるなか始まった2ndステージ。1stステージからギアを入れ替えたような灼熱のキューバン・グルーヴ。オマール・ソーサのピアノも華やかな音色で跳ねまくる、これぞキューバなタッチといった感じ。観客にサビを歌わせて、それをリズムにオマール・ソーサも前へ出てきてジリアン・カニサレスと一緒に踊ったり。

本編最後の曲ではグスターボ・バージェスがマラカスを振るんですけど。これがまた凄かったですね〜。マラカスであんなに多彩なリズムを生み出せるのか?っていう。中身の砂?をあんな風にコントロール出来るもんなんですね。振り方と言うか、テクニックと言うか、神業でしたね。ホント素晴らしかったです。もちろん、トリオとしての演奏も最高で、3人共まるで身体全体から音楽が溢れ出るかのようでした。そんな熱の入った演奏に会場も盛り上がる!

そしてアンコール。しっかり本編30分演ってのアンコールですからね。そんな本当のアンコールはキューバのリズムが強烈な、多分「El Churrero」という曲。観客達も立ち上がって踊り出す。最後はサビを大合唱。するとオマール・ソーサも前へ出てきて踊り出す。それに応えるように大きな手拍子。会場の盛り上がりも最高潮になった時、メンバー達は踊りながらステージを去っていきました。

いやはや、キューバの哀愁と、熱気溢れるグルーヴ。最高でした!!



2018 10.4 LIVE : OMAR SOSA & YILIAN CAÑIZARES 'AGUAS Trio' featuring GUSTAVO OVALLES


↑こちらは、この前日の10月4日に新宿 Brooklyn Parlorで行われたライヴの模様のようです。六本木ヒルズの2ndステージ本編最後にやったのは多分この曲。ジリアン・カニサレス、素敵ですよね? そしてグスターボ・バージェスのマラカス、凄いですよね〜。オマール・ソーサのピアノもキューバらしくて良いですね。3人ともテンション高くて素晴らしい。会場もとても良い雰囲気ですね。親密感があって。こっちも観たかったな~。


そしてこのトリオ、10月6日、7日はブルーノート東京でライヴがあるようです。

ジョイス・モレーノ with special guest シコ・ピニェイロ @六本木ヒルズ

2018-10-03 23:37:32 | ワールド・ミュージック
10月2日、六本木ヒルズアリーナにて開催された「NIPPON EXPRESS SAUDE! SAUDADE ...30th Anniversary Carnival」を観てまいりました。こちらは、J-WAVE の開局30周年を記念したイベントの一つで、開局当時から続いている番組「SAUDE! SAUDADE ...」の30周年記念プログラム。出演はSaigenj 、そしてジョイス・モレーノ&シコ・ピニェイロです。私はかなり端ながら最前列で堪能させて頂きました〜。

滝川クリステルさんのMCのもと、まずはSaigenj が登場。この人は本当に日本人なのか?と思う程、南米の空気を感じさせる抜群のリズム表現に驚きました。ギターの爪弾きとヴォイス・パーカッションを交えて、音として鳴っている以上のリズムを感じさせるような、そのキレの半端なさはとてもファンキーでしたね。ファルセットを交えた歌もとてもソウルフルで、フルートのソロも聴かせてくれたり、短い時間ながら、盛り沢山のパフォーマンスで楽しませてくれました。

そしてこの日の主役、ジョイス・モレーノの登場です。デビュー50周年という、ブラジルが誇る至宝級の女性シンガー。日本にも何度もいらしているのでお馴染みですよね。バックのメンバーはトゥチ・モレーノ(ドラムス)、エリオ・アルヴェス(ピアノ)、ロドルフォ・ストロエテール(ベース)の3人で、後半からゲストに注目のギタリスト、シコ・ピニェイロ(ギター)が加わります。ジョイスのギター・カッティングにバンドが入った瞬間、そのリズム・アンサンブルの複雑さに、私のような凡人は一瞬、訳が分からなくなりましたね。でも徐々にその南米的リズムに耳が慣れてくると、ただただそのグルーヴに吸い込まれていくよう。さすがに匠達が奏でるグルーヴはスウィンギーでしたね。いやはや奥深いですよ〜。そしてジョイスの暖かくも爽やかな歌声が素晴らしかったですね、独特のスキャットが心地良い。メロウな曲での柔らかな歌声にもうっとりでしたね。前半は「Não Muda Não」とか、最新作「50」からの曲を中心にやってたのかな? とは言え「50」というアルバムは、彼女のデビュー50年を記念して50年前のデビュー・アルバムをセルフカヴァーした作品だそうですけどね。

後半は、軽快な「Mingus, Miles & Coltrane」とか、スピード感溢れる「Penalty」なんかが印象的でしたね。そしてゲストとして登場したギタリスト、シコ・ピニェイロがまた凄かった! アンサンブルに寄り添うようにジャズ寄りのフィーリングを注入し、リズムに絡むフレーズや、ジョイスの歌に呼応するようなオブリガードが美しかったですね〜。このギタリストは相当にやりますよ!!

終盤、圧巻だったのは「Feminina」。名曲ですね〜。ジョイスの力強く張りのある歌声と、複雑に絡み合いながら高みへ登って行くようなリズム、流麗に舞うようなエリオ・アルヴェスのピアノとシコ・ピニェイロのギター、祝祭のような華やかさが会場を包み込みました。いや〜、素晴らしかったですね。

アンコールも含めて、およそ1時間、六本木の街に響くブラジルの歌とリズム。極上の一時でした〜。



さて、これで終わりではありません、この数十分後には、同じく六本木ヒルズの、今度は大屋根プラザにて、なんとシコ・ピニェイロのソロライヴがあったんです。ソロと言っても、エリオ・アルヴェスのピアノとのデュオでしたけどね。私もジョイスのステージが終わって、アリーナから大屋根プラザへ急ぎ、ちゃっかり最前列ほぼど真ん中で堪能させて頂きました。

今度はギターとピアノだけですので、リズムの呼吸まで伝わってきそうな親密感が素敵でしたね。エリオ・アルヴェスはジョイスのステージでも随所で美しいピアノ・ソロを聞かせてくれましたが、ここでもシコ・ピニェイロのギターとの絡みは至極の一言。そして主役のシコ・ピニェイロですよ!先ほどよりさらにジャジーに、ビタースウィートなギターを存分に聞かせてくれました。ギターソロでは予測不可能なフレーズの連続で、それを流麗に高速で紡いで行く。目の前で繰り広げられるその運指の巧みさと、リズムのキレに”うっとり”と”興奮”の連続でしたね。まだ若く見える甘いマスクで、遠くを見るような表情で弾く姿も印象的でした。

そして最後にはスペシャルゲストとして、ジョイスがステージに登場しましたから驚きました。2曲で歌ってくれて、これはもう本当に贅沢でしたね。鳴り止まない拍手に予定には無かったというアンコールまでやってくれて、タイムテーブルの30分を大幅に越えるおよそ45分間、極上のブラジリアン・ジャズでした。

やっぱ南米って、凄いな〜!!



さて、10月1日~8日の8日間、六本木ヒルズでは「J-WAVE 30th ANNIVERSARY FESTIVAL」の一環として、「TOKYO SOUND EXPERIENCE」が開催中。このジョイス・モレーノ、シコ・ピニェイロなどを皮切りに、明日以降、orange pekoe、Little Glee Monster、オマール・ソーサ、iri、WONK、渡辺香津美、Ovall、大江千里、RIRI、BONNIE PINK、七尾旅人、BOKANTÉ、藤原さくら、ねごと、寺井尚子、ゴスペラーズ、などなど。多彩なアーティスト達が出演されるようです。しかも無料ですからね。

今週は六本木ヒルズが熱い!!

ダイメ・アロセナ @JAZZ AUDITORIA

2017-05-02 18:23:24 | ワールド・ミュージック

4月30日は、ユネスコが提唱する「INTERNATIONAL JAZZ DAY」でしたが、それに関連して、淡路町のワテラスでは、入場無料のジャズ・イベント「JAZZ AUDITORIA」が開催されました。4月28日から30日までの3日間に渡って、ブルーノート東京オールスタージャズオーケストラ、渡辺香津美、小沼ようすけ&グレゴリー・プリヴァ、ブラック・ボトム・ブラス・バンド、挾間美帆 plus 十 などなど、国内外のアーティストによるステージが連日繰り広げられました。私の注目は、最終日に登場したキューバの若き歌姫、ダイメ・アロセナです! 私はミーハー魂を炸裂させ、最前列で堪能させて頂きました。

登場と同時に拍手歓声に包まれるダイメ・アロセナ。体格はありますが、思いのほか小柄。な真っ白なワンピースが可愛らしい。1曲目は最新作「CUBAFONIA」から「Eleggua」。ダイメ・アロセナのふくよかな歌声が野外に良く映える。バック・バンドはホルヘ・ルイス・ラガルサ・ペレス(p)、ラファエル・アルダマ(b)、ラウル・ヘレーラ・マルティネス(ds)というトリオ。タイト且つグルーヴィーに、ラテンとジャズの狭間を行き来するような演奏が格好良い!!

セットリストは最新作「CUBAFONIA」からの曲が中心。スピリチュアルな歌声を聴かせたデビュー作「Nueva Era」から一転、2nd作となる最新作「CUBAFONIA」はビッグ・バンドを従えよりアフロ・キューバンなグルーヴを全面に出した意欲作でした。そして今回のライヴでは、そのビッグ・バンド・サウンドをコンパクトなコンボに置き換えたような、キューバのリズムをベースにしながらも、ジャズやR&Bのフィーリングも多分に感じさせる、そんなダイメ・アロセナの世界が色濃くでたパフォーマンスでした。

ジャジーな色彩の濃い「Madres」から、「Negra Caridad」や「Valentine」といったローカル色を感じさせるダンス・ナンバーへ。「Valentine」では始める前に、簡単なチャングイ(ソンのルーツとされるリズム)のダンス・レッスンがあったり。そしてカリブの風を感じるような愛らしさの「Maybe Tomorrow」。どことなくチープな音色で郷愁をそそるホルヘ・ルイス・ラガルサ・ペレスの鍵盤が良い味わいでした。そして後半のダイメ・アロセナのエモーショナルなR&B的歌唱がまた素晴らしかった!! ダイメ・アロセナはとてもチャーミングな人で、その動きや表情などで、常に明るいヴァイヴをステージ上に満たしてくれる。観客達はそんな彼女の魅力に釘付けだったことと思いますが、それ以上に圧巻だったのは、やはり彼女の歌唱です。泉のようにたっぷりとした声量豊かなその声はとても神秘的でありながら人間的な暖かさに溢れている。ラテン・フレイヴァーはもちろん、時にR&B的に、時にジャジーに。スキャットなんかも聴かせてくれる。しっとりとしたスロー・ナンバー「Todo Por Amor」の味わいも絶品でした。そして終盤は「Mambo Na’ M À」、「La Rumba Me Llamo Yo」といった、曲名に”マンボ”や”ルンバ”が入ってることからも分る通りのダンス・ナンバーで盛り上がる。ダイメ・アロセナのダンスもキュート! 最後は観客達も総立ちで踊る!!

もちろんこれで終わりではありません。アンコールに応えて、デビュー作から2曲。口ひげが印象的なラウル・ヘレーラ・マルティネスの長尺ドラムソロを交えた「El Ruso」に続き、「Don't Unplug My Body」へ。今度はベーシストのラファエル・アルダマが6弦ベースでグルーヴィーなソロを聴かせてくれる。そしてダイメ・アロセナがサビを観客達とコール&レスポンスし、それがだんだんエスカレートして、もの凄くセクシーな声で歌い始めて、ちょっとドキドキしちゃいましたね。

いやはや、ダイメ・アロセナの圧倒的な歌声と、ラヴリーな魅力で駆け抜けた1時間弱。キューバのリズムを内包しながらもモダンなグルーヴを聴かせてくれるバンドも良かった!!



この日のセットリスト↓

01. Eleggua
02. Madres
03. Negra Caridad
04. Valentine
05. Maybe Tomorrow
06. Todo Por Amor
07. Mambo Na’ M À
08. La Rumba Me Llamo Yo
-----------------------------
09. El Ruso
10. Don't Unplug My Body



Daymé Arocena(vo)
Jorge Luis Lagarza Perez(p)
Rafael Aldama(b)
Raul Herrera Martinez(ds)




開演前、ダイメ・アロセナの入場整理券を貰うための列。なかなかの人気でした。




そして終演後にはサイン会。とても人懐っこい方で、ファンの一人一人にハグをされていました。もちろん私も。

ノラ・ジョーンズ探検隊 その13

2017-04-14 22:21:23 | ワールド・ミュージック
SUPHALA / THE NOW

故アラ・ラカ、そしてその息子ザキール・フセインという、インドが誇る世界最高峰のタブラ奏者達に師事し、伝統を継承者しつつも、常に冒険を続けてきた女性タブラ奏者スファラ。彼女が05年にリリースした2nd作が「THE NOW」。このアルバムの1曲目「Transport」にノラ・ジョーンズがフィーチャーされています。

ノラ・ジョーンズがインド音楽?と驚かれるかもしれませんが、ノラのお父様はシタールの大家ラヴィ・シャンカール(アラ・ラカ、ザキール・フセイン親子も伴奏を務めていた)ですし、妹さんのアヌーシュカ・シャンカールもシタール奏者とし活躍し、ノラとも共演している程なので、そういう繋がりがあってもおかしくはありませんよね。ですがこのスファラ、実はニューヨークで活躍するタブラ奏者でして、この数年前にはDJロジックがローパドープから出したアルバム「THE ANOMALY」(ジョン・メデスキやエリック・クラズノーなども参加)にゲスト参加していたりもするので、そういうニューヨーク人脈からの繋がりと考えた方がすっきりするかもしれません。

さて、この「THE NOW」は、スファラのタブラが縦横無尽にグルーヴを紡ぎつつ、独特の情緒を演出するヴァイオリンやトロンボーン、フルートなど、そして打ち込みのビート及びシンセ音がフューチャリスティックな世界を作りあげる、多分にクラブ仕様なタブラ in ニューヨーク的作品。ノラ・ジョーンズが参加した「Transport」は、タブラの細かいビートにサイケデリックな意匠が絡むトライバルなダンスナンバー。ノラの歌は、歌と言うより、即興かつ本能的に言葉を発しているかのようでもあり、声そのものをサンプリングしていじってるようでもある。どちらにしろ、ディレイ&エコー的なエフェクト処理をされたノラの声が幻覚のように飛び交うという、ノラ参加作品のなかでもかなり珍しいタイプ。それゆえ、ノラの歌声が醸す繊細な情緒など微塵もありません…。

ですが私は、初期の頃のノラの歌声って、どことなく陶酔感があって、うっすらとサイケ的だとすら思っていますので、これはその魔力を増幅したようでもあり、特にヘッドフォンで聴くと、タブラのビートと共にノラの声が脳内をグルグル回るようで、なかなか刺激的です。





~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 12.11.08 ノラ・ジョーンズ@日本武道館(2012年の来日公演レポ)

 12.10.15 ノラ・ジョーンズ探検隊 その1(RAY CHARLES / GENIOUS LOVES COMPANY)
 12.10.16 ノラ・ジョーンズ探検隊 その2(THE DIRTY DOZEN BRASS BAND / MEDICATED MAGIC)
 12.10.21 ノラ・ジョーンズ探検隊 その3(VA / LIVE FROM BONNAROO)
 12.10.23 ノラ・ジョーンズ探検隊 その4(CHARLIE HUNTER / SONGS FROM THE ANALOG PLAYGROUND 他)
 12.10.31 ノラ・ジョーンズ探検隊 その5(RODNEY CROWELL / KIN: SONGS BY MARY KARR & RODNEY CROWELL)
 12.11.08 ノラ・ジョーンズ探検隊 その6(VA / THE LOST NOTEBOOKS OF HANK WILLIAMS)
 12.11.14 ノラ・ジョーンズ探検隊 その7(JIM CAMPILLONGO / AMERICAN HIPS 他)
 12.12.25 ノラ・ジョーンズ探検隊 その8(VA / A VERY SPECIAL ACOUSTIC CHRISTMAS 他)
 13.06.06 ノラ・ジョーンズ探検隊 その9(JESSE'S BOX / JESSE HARRIS AND THE FERDINANDOS 他)
 13.11.09 ノラ・ジョーンズ探検隊 その10(VINICIUS CANTUARIA / INDIO DE APARTAMENTO)
 16.04.11 ノラ・ジョーンズ探検隊 その11(JOEL HARRISON / FREE COUNTRY)
 16.04.13 ノラ・ジョーンズ探検隊 その12(ADAM LEVY / GET YOUR GLOW ON)

BUIKA @ブルーノート東京

2017-03-30 17:25:55 | ワールド・ミュージック
少し前の話で申し訳ありませんが、3月4日、ブルーノート東京にてブイカを観てまいりました! もう何年も前に、BSか何かでモントルー・ジャズ・フェスティヴァルの模様を放送していまして、そこで初めてブイカを目にし、その声を耳にして以来、一度は生で観てみたいと思い焦がれてはや数年、ついに念願かなって初の生ブイカでした! 私が見たのはこの日の2ndショー。整理番号3番だったので、最前列ほぼド真ん中で堪能してまいりました!!

スペイン、マジョルカ島に生まれ、両親は赤道ギニア共和国出身というブイカ。フラメンコに根ざしたその圧倒的な歌声から、アメリカの公共ラジオ局NPRが選ぶ「史上最高のヴォーカリスト50人」のひとりにも名を連ねているとか。さて、今回のメンバーは、サンティアゴ・カニャダ(トロンボーン、キーボード)、ヘスス・デ・ロサリオ(フラメンコ・ギター)、ホスエ・ランキオ(フラメンコ・ベース)、ラモン・ポリーナ(パーカッション)、ピラーニャ(パーカッション)、そしてブイカのヴォーカルという布陣。パーカッションの二人はほぼカフォンでしたね。一人はドラムセットを組んでいましたが、カフォンに座っていたので、概ねツイン・カフォンの印象。そのリズムに絡む哀愁のフラメンコ・ギター。そしてトロンボーンの寂れた音色が良い雰囲気を醸していました。

そして何と言ってもブイカの歌唱ですよ!!真っ赤なドレスに身を包み、ステージ中央に敷かれた絨毯の上で裸足で歌うブイカ。フラメンコらしいハスキーな哀愁から一気に感情を爆発させる。カンテって言うんですか?もう、鳥肌立ちまくり。かと思えばダンサブルに弾け、天を突き抜けるかのように高く高く翔け登るように歌う。その声の生々しい美しさは筆舌に尽くし難く、その強靭な喉と自由奔放な表現力の前に、全ての聴衆はひれ伏すしかありません。


エモーショナルの赴くままに溌剌とした昂揚感で歌い上げる「Santa Lucia」、楽曲の美しさと伸びやかな歌声が胸を締め付けられるほど感動的な「Tu Volverás」、イタリアのトラディショナルな舞踏曲をベースにしていると思われる「Pizzica」、瞬発力抜群のスキャットからディープなフラメンコの世界に誘う「jodida pero contenta」などなど。アルバムでは、R&Bやラテン、レゲエなど多彩な色彩を見せてくれるブイカですが、ステージでは圧倒的にフラメンコであり、時折アフロが顔を覗かせつつ、うっすらとジャズを纏っている。そして圧巻は「Siboney」。ロックとかアヴァンギャルドとかって表現したくなる程にフリーキー且つ攻撃的な前半から、一気に高揚感抜群のサビへ開ける展開を、唯一無比の声力で駆け抜けるように歌い上げるブイカ!! もう素晴らし過ぎます!

アンコールはスパニッシュな哀愁たっぷりな「No habrá nadie en el mundo」。そして「Ojos Verdes」。特に、正真正銘の最後の曲となった「Ojos Verdes」の素晴らしさと言ったら!! 前半はほぼアカペラで歌われるんですけど、まるで魂の咆哮とも言えそうな歌声は、そのフラメンコな節回しと共に、ブイカの移ろいゆく感情そのもののように、言葉は分らずとも一言一句が胸に突き刺さるよう。これぞ本物の歌!! その圧倒的な表現力と歌力に、ただただ聴き惚れ、ただただ感動するしかなす術がありませんでした。そして後半はバンドが入ってアフリカンな朗らかさで終わるという、ライヴならではの大団円。観客達もスタンディング・オベーションで拍手喝采。ああ、本当に素晴らしかった!!


それにしても今回、最前列でブイカを聴けたことは、ホントに一生モンの体験でしたね。それぐらい凄いシンガー。ライヴが終わって、1ヶ月近くが経とうとしていますが、こうやってレポを纏めていると、あの時の感動が昨日のことのように思い出されますからね。全身全霊から歌とリズムが溢れ出すようなブイカ。まるで笑みが満面からこぼれ出すような笑顔もとても印象的でした。

いやはや、現在最高のシンガーの一人であることは間違いないです!!







この日のスペシャル・カクテル。残念ながら私はお酒が苦手なので飲めませんでしたけど…。

チコ&ザ・ジプシーズ @ブルーノート東京

2015-12-29 09:34:10 | ワールド・ミュージック
11月28日、ブルーノート東京にて、元ジプシー・キングスのチコ・ブーチキー率いるチコ&ザ・ジプシーズを観てまいりました! 私が見たのはこの日の1stショー。正直な話、チコ&ザ・ジプシーズもジプシー・キングスもあまり良くは知らないのですが、一度生で観てみたかったんですよね~。やっぱりこういう音楽はライヴで体験しないと!


さて、まずステージに現れたのは、ドラムス、エレキベース、ピアノ、そしてヴァイオリンの4人。彼らが流麗な演奏を繰り広げる中、いよいよギタリスト達が登場。ステージ前方にアコースティック・ギターを持った5人のギタリストが並ぶ様はそれだけで圧巻!

序盤は「Allegria」「Baila Me」などアップ・テンポなナンバーで盛り上がる。陽性なラテンのノリが気持ち良い!そして噂には聞いていたリード・ギタリスト、ケマのプレイが素晴らしい!超絶的な早弾きを駆使し、流麗且つ哀愁溢れる旋律を、見事な音色で聞かせてくれる。しかも表情一つ変えずに弾き倒す。そこにまた異国の凛々しさを感じさせられたり。そしてヴォーカルのモーニン。彼はグループの中でも最もフラメンコを感じさせるスタイルで、そのハスキーな歌声と圧巻の小節回しははまさにジプシー!!ホント素晴らしい歌声でしたね。

一方、「Amor de Mis Amores」を歌うホセはハリのある艶やかな歌声で観客を圧倒する。いやもう惚れ惚れしました。そしてもう一人、この日のセットリストの中でも異色と言えるフォーキーな感触の「Petingo」を歌ったカッサカ。これがまた良い声なんですよ!柔らかくて伸びやか、そしてソウルフル! 途中で「千の風になって」を日本語で歌い始めたのには驚きました~。

ケマのギターが枯れた情緒を紡ぎだすインスト「Pharaon」、モーニンの小節回しにピーウィーの哀愁溢れるヴァイオリンが絡む「Madre mia」、観客も手拍子や「オレ!」という掛け声で盛り上がった「Todos Ole!」などなど。これでもか!と南仏ジプシーの粋を堪能。まさに土地に根ざした血の濃さに身も心も打ちのめされる快感。

そして雰囲気が変わったのは、ピーウィーによるヴァイオリン・ソロ。まるで踊るようにロマンティックな旋律を披露した彼の姿には、フランスらしい洒落たセンスを感じさせられました。そしてジャン・ヴィンセント・アバードのピアノ・ソロへ。先ほどの「Todos Ole!」でラテンのリズムを繰り出していた彼とはまるで別人のようにエレガント&クラシカル。しかも曲はディズニー映画「アラジン」の「A Whole New World」ですから。ですがそのメロディーにモーニンを中心にバンド・メンバー達がフラメンコな手拍子やリズムを加えていくから堪らない。これがまた格好良いんですよ!!さらにリズムはタンゴ的になりピアソラの「Libertango」へ。ピーウィーのヴァイオリンとケマのギターが驚異の掛け合いを見せる。この辺りのクロスオーバーな流れにワールドミュージックって凄いな!と感じさせられましたね。

そして待ってましたの「inspiration」。鬼平犯科帳のあの曲です。これこそ私が最も聴きたかった曲であり、おそらくここに集まったほとんどの方達にとってそうだったのでは?と思わせられる程、始まるや否や大拍手が巻き起こる。ケマのギターから紡がれる、その哀愁のメロディと滲みる異国情緒。これはホント美しかった!生で聞けて良かった~。

さらにイーグルス「Hotel California」、シャキーラ「Waka Waka (This Time For Africa)」のカヴァー。個人的に「Hotel California」はツボでしたね~。切ないメロディーがジプシー色に塗り替えられたアレンジと、キレのある歌&演奏は最高でしたね。


そして終盤は「Djobi Djoba」「Bamboleo」、アンコールに「Volare」と、ジプシーキングス時代の代名詞とも言える超有名曲を畳み掛ける。もう最高!!観客達も総立ちで踊り、歌い、叫ぶ。ブルーノートとは思えない熱狂的な盛り上がり! 特に最後の「Volare」はまさに会場が一体となった幸福感。ホセによる、ジプシー・キングスとはまた違う、まるでオペラのべルカントの様な歌唱も素晴らしかった!!

いや~、流石のステージでしたね。演奏や歌の素晴らしさは言わずもがなですが、ライヴバンドとしてのポップさとか、エンターテイナー性の高さにも驚きました。しかもそれでいて、南仏とか、ジプシーとか、そういった土着の情緒はこってり濃厚なんですから!堪りませんよね~。そして、決してオレが!オレが!と前へ出ることはなく、常に柔和な表情でギターを弾き、全体を統べるチコ・ブーチキー。その存在感あってのチコ&ザ・ジプシーズでした!

シェウン・クティ@渋谷クアトロ

2012-12-30 17:48:26 | ワールド・ミュージック

また随分と前の話で申し訳ありませんが、11月20日、渋谷クアトロにてシェウン・クティ&エジプト80のライヴを観てまいりました。夏にフジロックで観たばかりでしたが、あの時は昼の野外ステージ、しかも山の中という開放感抜群のシチュエーションでしたからね。そこでのまるで大地が揺れるようなアフロビートはホント最高でした。それ故に今回のようなライブハウスという狭く暗い密室でのアフロビートというのもまた気になるのです。一体どれほど濃密なのか?体験してみたくなった次第であります。

で、結果から先に言ってしまいますと、とんでもなかったです。まさに灼熱のグルーヴ地獄。密室でのアフロビートってこんなにもディープなのか!押し寄せるリズムが幾重にも重なってフロア中に充満する感じ。会場中がアフリカン・スピリッツの熱気でムンムンでしたよ! だって序盤から「Zombie」ですよ! シェウンの父であり、アフロビートの創始者でもある偉大なるフェラ・クティが残した名曲。堪りませんね~。

まずは何はともあれシェウン・クティですよ! 彼の統率力と言うか、カリスマ性が半端無い。背が高く精悍な体つきで、上半身を振り回すように踊り、歌い、サックスを吹く。彼の存在感がステージをグイグイと引っ張っていく。バックのメンバー達もそんなシェウンのオーラに亡きフェラの面影を感じているのかもしれませんね。そのシェウンが率いるエジプト80は父フェラが生前率いたバック・バンド。ドラムス、ギター、ベース、各種パーカッション、ホーン隊、とにかく大所帯。ステージ狭しと彼らが並ぶ様だけでもかなり押しが強い様相ですが、そんな彼らが繰り出す鋼のように強靭で、ドロドロと反復するリズムの応酬は濃密そのもの。そしてそれに切れ込むように入ってくるギラついたホーンリフ。格好良い~!!

最新作から「Slave Masters」、「Mr. Big Thief」、「The Good Leaf」など、オリジナルなアフリカン・グルーヴがポリリズミックに押し寄せる。ステージの右端にはひたすら踊りながら球状のパーカッションをじゃらじゃら鳴らしている人がいる。この人の愛嬌あるダンスがまた妙に“いなた”くて堪らない。そして左端には原始的なアフリカ産カウベルのようなものをただただコンコン、コンコン叩いてる人も居る。たかがカウベル、されどカウベルですよ。このひたすら鳴り続けるキンコン、キンコンが次第に脳内をグルグル回り始める。それはもうアフリカン・グルーヴの陶酔感に飲み混まれた証拠。

でもステージ上で最もアフリカンなのは二人の女性ダンサーですよ! 黒光りする肌を強調するような露出の多い白い衣装、頭から前身をビーズで飾り付け、目の回りに施された虹色の大きなペインティングが一際目を惹く。いかにもアフリカン。彼女達は観客に背を向けて激しく腰を振る。そのスピードとキレが半端無い。セクシーと言うより圧倒的に格好良い!! ほとんど腰振りっ放しなイメージですが、一応ダンスとして振り付けもある。でもそれはまるで子供がじゃれあってるようであり、それがまたいかにも土着な雰囲気を醸す。踊るだけではなくコーラスもしますが、ハモるとかいうのではなく、ひたすら合いの手のような感じで、その反復がまた陶酔感を誘う。そういった部分もひっくるめてこの女性ダンサーの存在全てが格好良い! 私なんかは8割型この2人ばかりを観てましたからね。まあ、それは過去2回フジロックで観た時も同じでしたけどね…。

新作からのスピリチュアルなタイトル・ナンバー「Rise」も良かったですね。ダンスビートだけではない深みを見せてくれました。終盤の「You Can Run」では上半身裸となったシェウンのサックス・ブレイクが炸裂! この曲は盛り上がりますよね~。それにしてもシェウンの煽動力は流石としか言いようがないですね。この頃には完全にバンドも観客も一体となってアフロビートの渦の中でしたから。こういう親密感はやはりライヴハウスじゃないとね。シェウンの演劇めいたコミカルなアクションも印象的。

アンコールは前作から「Mosquito Song」。まずはバンドメンバーと女性ダンサーが登場。シェウンが居ないせいか、ダンサー達が大はしゃぎ。メンバー達と戯れるように踊りまくり。とにかく楽しそう。中央でダンサーとホーン隊の人達とが折り重なるように踊る様は、ちょっと昔懐かしのランバダとか思い出したり。そんなやりたい放題な現場に現れたシェウンがその様子を見てあきれ顔。そんなことも含めてアンコールならではの祝祭感。もう観てるこっちも楽しくてしょうがない。そしてラストの「Mosquito Song」の濃密度がまた凄まじかった! もうクラクラしちゃいましたね。

終わったあとはまるで台風一過のように茫然自失かつ幸福感一杯の晴れやかさ。アフロビートってなんだ!? フジロックとはまた違う、クラブ公演ならではのとんでもない濃密体験。最高でした!!

*既に記憶が曖昧です。曲目等間違いがありましたらごめんなさいね。


メンバーの足下に有ったこの夜のセットリスト↓