THE DECOYS / SHOT FROM THE SADDLE
9月28日、ドニー・フリッツ&ザ・デコイズを観てきました。場所は渋谷O-EAST。当日券も出ていたようですが、見た感じは満席状態でした。先日の渋谷タワレコでのインストア・ライヴもそうでしたが、開演までの待ち時間、年期とこだわりを滲ませる客層からは、本物の南部サウンドへ期待感がひしひしと伝わってくるようでした。
*以下、完全なネタバレになりますので、これからライヴを観に行かれる方は読まないことをお勧めいたします。
トムス・キャビン代表、麻田浩さんの挨拶に続いて紹介されたのは、オープニング・アクトのカラ・グレインジャー。日本でもこの9月にデビュー作が発売になったばかりというオーストラリア出身の美人シンガー・ソング・ライターだそうです。土っぽいスライド・ギターを滑らせながら歌う様は、なるほどフライヤーに「ボニー・レイットを彷彿させる」と紹介されるだけのことはありました。サポートは男性ギタリスト(兄弟?)唯一人と言うデュオ形態のライヴでしたが、前半のルーツ色豊かな味わいから、後半のスライド・バーを外したフォーキーな色合いまで、なかなか聴かせてくれました。これからの活躍が楽しみですね!
そして、いよいよドニー・フリッツ&ザ・デコイズですが、まずはザ・デコイズのみが登場。元COWBOYのスコット・ボイヤー(G)を中心に、リトル・リチャードのバックも務めていたと言うAMAZING RHYTHM ACESのケルヴィン・ホリー(G)、パーシー・スレッジやグレッグ・オールマンのバックを務めたN.C. サーマン(KEY)、そしてマスル・ショールズ・リズム・セクションのレジェンダリー・ベーシスト、デヴィド・フッド!! さらにドラムスのマイク・ディロンを加えた5人編成です。まさに現在のマスル・ショールズを伝える5人集といった感じ。今回のドニー・フリッツの来日公演は、あのドニーが観れることが楽しみなのはもちろんですが、このバックバンドのデコイズに期待していた人も多いと思います。もちろん私もなのです。
ステージは彼らのアルバム「SHOT FROM THE SADDLE」のタイトル曲からスタート。1発目の出音から先日のインストアとは全く別物と思い知らされました。とにかくリズムの重心が低く太いのです。さらにメリハリが効いてる上に懐が深い。ドラムスが加わるだけでこうも変わるのか?と。インストアでのドラムス抜きの緩い感じもアレはアレで南部集プンプンで良かったんですけどね。それにしてもこのドラムスのマイク・ディロンはパワフルで安定感もあってかなり良い!そして何と言ってもデヴィッド・フッドのベースですよ!出音が大きい!ズンズンと腹に来る低音はこれぞサザン・グルーヴ!!
バンドの中心は元COWBOYのスコット・ボイヤー。彼の歌声もソウルフル且つカントリー・フレイバーに溢れていてかなり良い感じでした。2曲目は「Love And Happiness」。アル・グリーンですか!? AMAZING RHYTHM ACESもやってますが、言わばマスル・ショールズからの、メンフィスはハイ・サウンドへのエールといったところでしょうか? 続いてスコット・ボイヤーのCOWBOY時代の名曲「Please Be With Me」。エリック・クラプトンが「461 OCEAN BOULEVARD」で取り上げたことでも知られる美しいスロー・ナンバーですね。この曲には日本人ギタリストのクニオ・キシダがアコースティックなスライド・ギターで参加し、哀愁のメロディに華を添えました。ちなみにこの人、失礼ながら邦アーティストにめっぽう弱い私はよく知らなかったのですが、マスル・ショールズでアルバム制作などもしている有名な方だそうですね。
そのクニオ・キシダがレスポールに持ち替え、歪んだ爆音でスライドを弾きまくったのが「Statesboro Blues」。もう完全にオールマン・ブラザーズ・バンドですよ! そう言えば、デュアン・オールマンは60年代にマスル・ショールズのフェイム・スタジオでセッション・ギタリストをやっていて、デヴィッド・フッドと共にアレサ・フランクリンなんかの名作に携わってたんですよね。ちなみにドラムスのマイク・ディロンはデッキー・ベッツのバンドで叩いていた人だとか。なるほど~。で、この曲はそのマイク・ディロンがヴォーカルをとっていました。なかなかの迫力。そしてクニオ・キシダは充分過ぎる存在感を残して去っていきました。
続くケルヴィン・ホリーのソリッドなギターをフューチャーした曲は「Mary Had A Little Lamb」だったでしょうか? 似たような曲が結構ありそうなので曖昧なんですけど…。でもスティーヴィー・レイ・ボーンが好きそうな感じはしましたよね。レイ・ボーンよりはまろやかですけど、そのキレ味はかなりなものでした。何て言うか、テレキャスらしい音で気持ちよかったです。ちなみにこの曲はケルヴィン自らマイクをとりました。見た感じの人柄そのままなふくよかでソフトな良い声でした。
そしてデコイズ単体としてのラストを締めるスローは「Oh, Lucky Me」。AMAZING RHYTHM ACESですか?良い曲ですね~。枯れた味わいのスコット・ボイヤーの歌に絡むケルヴィン・ホリーのしっとりとしてブルージーなスライド・ギターが最高でした!決して派手ではないんですがジワっとくるんです。この人、相当な職人肌ですよ!
そしていよいよスコット・ボイヤーに紹介され、本日のメイン、ドニー・フリッツが登場です。このオープニング・アクトがあって、バック・バンド単体の演奏の後、満を持して主役が登場するという、なんかサザン・レビューを観ているかのような構成が良かったですね。これにはワクワクさせられました。そしてそのドニー・フリッツ、先日のタワレコではTシャツにキャップというラフな姿でしたが、今夜はちゃんとジャケットを着ています。上下黒でビシッと決めております。そしてサングラスが格好良いです!
1曲目は「Sumpin' Funky Going On」でファンキーにスタート!!
…おっと、なんか長くなってしまったので、続きは次回。
*一応、メモを取りながら観ていたんですけど、曲目等間違っていましたらごめんなさいね。
*写真のアルバムは01年リリースのザ・デコイズのアルバム「SHOT FROM THE SADDLE」。アダルトな雰囲気のタイトル曲「Shot From The Saddle」で始まり、サザン・グルーヴが気持ち良い「 Nadine」や「24-7-365」、スワンピーなロックン・ロール「Get Down」、さらにオールマン・ブラザーズ・バンド「Melissa」、プロフェッサー・ロングヘア「Her Mind Is Gone」のカヴァーなどなど。ゲストにドニー・フリッツはもちろん、スプーナー・オールダム、ボビー・ウィットロック、マスル・ショールズ・ホーンズなどが参加した、フェイム・レコーディング・スタジオ録音。しかしこの日のライヴではタイトル曲しか演りませんでした…。終演後のサイン会でメンバー5人のサインを頂きました。
9月28日、ドニー・フリッツ&ザ・デコイズを観てきました。場所は渋谷O-EAST。当日券も出ていたようですが、見た感じは満席状態でした。先日の渋谷タワレコでのインストア・ライヴもそうでしたが、開演までの待ち時間、年期とこだわりを滲ませる客層からは、本物の南部サウンドへ期待感がひしひしと伝わってくるようでした。
*以下、完全なネタバレになりますので、これからライヴを観に行かれる方は読まないことをお勧めいたします。
トムス・キャビン代表、麻田浩さんの挨拶に続いて紹介されたのは、オープニング・アクトのカラ・グレインジャー。日本でもこの9月にデビュー作が発売になったばかりというオーストラリア出身の美人シンガー・ソング・ライターだそうです。土っぽいスライド・ギターを滑らせながら歌う様は、なるほどフライヤーに「ボニー・レイットを彷彿させる」と紹介されるだけのことはありました。サポートは男性ギタリスト(兄弟?)唯一人と言うデュオ形態のライヴでしたが、前半のルーツ色豊かな味わいから、後半のスライド・バーを外したフォーキーな色合いまで、なかなか聴かせてくれました。これからの活躍が楽しみですね!
そして、いよいよドニー・フリッツ&ザ・デコイズですが、まずはザ・デコイズのみが登場。元COWBOYのスコット・ボイヤー(G)を中心に、リトル・リチャードのバックも務めていたと言うAMAZING RHYTHM ACESのケルヴィン・ホリー(G)、パーシー・スレッジやグレッグ・オールマンのバックを務めたN.C. サーマン(KEY)、そしてマスル・ショールズ・リズム・セクションのレジェンダリー・ベーシスト、デヴィド・フッド!! さらにドラムスのマイク・ディロンを加えた5人編成です。まさに現在のマスル・ショールズを伝える5人集といった感じ。今回のドニー・フリッツの来日公演は、あのドニーが観れることが楽しみなのはもちろんですが、このバックバンドのデコイズに期待していた人も多いと思います。もちろん私もなのです。
ステージは彼らのアルバム「SHOT FROM THE SADDLE」のタイトル曲からスタート。1発目の出音から先日のインストアとは全く別物と思い知らされました。とにかくリズムの重心が低く太いのです。さらにメリハリが効いてる上に懐が深い。ドラムスが加わるだけでこうも変わるのか?と。インストアでのドラムス抜きの緩い感じもアレはアレで南部集プンプンで良かったんですけどね。それにしてもこのドラムスのマイク・ディロンはパワフルで安定感もあってかなり良い!そして何と言ってもデヴィッド・フッドのベースですよ!出音が大きい!ズンズンと腹に来る低音はこれぞサザン・グルーヴ!!
バンドの中心は元COWBOYのスコット・ボイヤー。彼の歌声もソウルフル且つカントリー・フレイバーに溢れていてかなり良い感じでした。2曲目は「Love And Happiness」。アル・グリーンですか!? AMAZING RHYTHM ACESもやってますが、言わばマスル・ショールズからの、メンフィスはハイ・サウンドへのエールといったところでしょうか? 続いてスコット・ボイヤーのCOWBOY時代の名曲「Please Be With Me」。エリック・クラプトンが「461 OCEAN BOULEVARD」で取り上げたことでも知られる美しいスロー・ナンバーですね。この曲には日本人ギタリストのクニオ・キシダがアコースティックなスライド・ギターで参加し、哀愁のメロディに華を添えました。ちなみにこの人、失礼ながら邦アーティストにめっぽう弱い私はよく知らなかったのですが、マスル・ショールズでアルバム制作などもしている有名な方だそうですね。
そのクニオ・キシダがレスポールに持ち替え、歪んだ爆音でスライドを弾きまくったのが「Statesboro Blues」。もう完全にオールマン・ブラザーズ・バンドですよ! そう言えば、デュアン・オールマンは60年代にマスル・ショールズのフェイム・スタジオでセッション・ギタリストをやっていて、デヴィッド・フッドと共にアレサ・フランクリンなんかの名作に携わってたんですよね。ちなみにドラムスのマイク・ディロンはデッキー・ベッツのバンドで叩いていた人だとか。なるほど~。で、この曲はそのマイク・ディロンがヴォーカルをとっていました。なかなかの迫力。そしてクニオ・キシダは充分過ぎる存在感を残して去っていきました。
続くケルヴィン・ホリーのソリッドなギターをフューチャーした曲は「Mary Had A Little Lamb」だったでしょうか? 似たような曲が結構ありそうなので曖昧なんですけど…。でもスティーヴィー・レイ・ボーンが好きそうな感じはしましたよね。レイ・ボーンよりはまろやかですけど、そのキレ味はかなりなものでした。何て言うか、テレキャスらしい音で気持ちよかったです。ちなみにこの曲はケルヴィン自らマイクをとりました。見た感じの人柄そのままなふくよかでソフトな良い声でした。
そしてデコイズ単体としてのラストを締めるスローは「Oh, Lucky Me」。AMAZING RHYTHM ACESですか?良い曲ですね~。枯れた味わいのスコット・ボイヤーの歌に絡むケルヴィン・ホリーのしっとりとしてブルージーなスライド・ギターが最高でした!決して派手ではないんですがジワっとくるんです。この人、相当な職人肌ですよ!
そしていよいよスコット・ボイヤーに紹介され、本日のメイン、ドニー・フリッツが登場です。このオープニング・アクトがあって、バック・バンド単体の演奏の後、満を持して主役が登場するという、なんかサザン・レビューを観ているかのような構成が良かったですね。これにはワクワクさせられました。そしてそのドニー・フリッツ、先日のタワレコではTシャツにキャップというラフな姿でしたが、今夜はちゃんとジャケットを着ています。上下黒でビシッと決めております。そしてサングラスが格好良いです!
1曲目は「Sumpin' Funky Going On」でファンキーにスタート!!
…おっと、なんか長くなってしまったので、続きは次回。
*一応、メモを取りながら観ていたんですけど、曲目等間違っていましたらごめんなさいね。
*写真のアルバムは01年リリースのザ・デコイズのアルバム「SHOT FROM THE SADDLE」。アダルトな雰囲気のタイトル曲「Shot From The Saddle」で始まり、サザン・グルーヴが気持ち良い「 Nadine」や「24-7-365」、スワンピーなロックン・ロール「Get Down」、さらにオールマン・ブラザーズ・バンド「Melissa」、プロフェッサー・ロングヘア「Her Mind Is Gone」のカヴァーなどなど。ゲストにドニー・フリッツはもちろん、スプーナー・オールダム、ボビー・ウィットロック、マスル・ショールズ・ホーンズなどが参加した、フェイム・レコーディング・スタジオ録音。しかしこの日のライヴではタイトル曲しか演りませんでした…。終演後のサイン会でメンバー5人のサインを頂きました。