PRESERVATION HALL JAZZ BAND & THE DEL McCOURY BAND / AMERICAN LEGACIES
なんか第1位が地味ですいません。でも個人的にはこのジャケ写を見ただけでガッツ・ポーズ!! な1枚なのです。
プリザベーション・ホール・ジャズ・バンドとデル・マッコーリー・バンドの共演盤。ニューオーリンズ・ジャズとブルーグラスです。異ジャンル同士のコラボレーションであり、黒人音楽と白人音楽の邂逅です。しかもそれぞれが古き良き伝統を守ってきたレジェンダリー・バンドですからね! ジャケット写真の佇まいからして、なんか歴史を切り取った1枚のような感じがしませんか?
ニューオーリンズ・ジャズ。1900年代初頭に隆盛を極め、現在まで続くジャズと呼ばれる全ての音楽の原点であります。発祥の地となったのはその名の通りニューオーリンズ。そのニューオーリンズはフレンチ・クウォーターの一角に「プリザベーション・ホール」という小さなジャズ・ホールがあります。1961年に開店したこのホールを根城とし、伝統のニューオーリンズ・ジャズを守り、後世に伝えているのがプリザベーション・ホール・ジャズ・バンドです。トランペット、トロンボーンなどの管楽器を中心に、ドラムス、ピアノ、バンジョーがリズムを担います。
一方、ブルーグラスは1940年代にビル・モンローのバンドが形作ったカントリー音楽の一形態。ドラムレスで、ギター、バンジョー、マンドリン、ウッド・ベース、フィドルといった弦楽器で編成されます。デル・マッコーリー・バンドは、60年代にそのビル・モンローのバックを務めたデル・マッコーリーを中心に、彼の息子達を加えて作られたバンド。多様化するブルーグラス・シーンにあって、その伝統的スタイルを守り続けているバンドです。
そんな両者、まさにアメリカン・レガシー、アメリカの遺産を守る2バンドによるコラボレーション。これが実に楽しい! 『プリザベーション・ホール・バンドが街にやって来た、デル・マッコーリーが街にやって来た~』と歌われる「The Band's In Town」で始まります。スウィンギーなリズムにのって管楽器、弦楽器が和気あいあいに同居し、ヴォーカルとコーラスのコール&レスポンスも楽しい。端的に言えば管楽器主体のジャズ・バンドと弦楽器主体のブルーグラス・バンドの合流な訳ですが、両者ではその“ノリ”が大分違うはず。ですがここでは見事に融合しています。これが音楽の面白いところであり、素晴らしいところ。
2曲目以降も「One Has My Name (The Other Has My Heart)」「Shoeshine Blues」「You Don't Have To Be A Baby」など、ニューオーリンズ・ジャズであり、ブルーグラスでもある、いや、それらとはまた違うアメリカン・ミュージックなのかもしれない、オールド・タイムでありながら、今生まれたような瑞々しさを持った音楽、そんな芳醇そのものな演奏が続きます。とにかくブラスとストリングスが織りなす多彩な色彩に心が躍ります。アップテンポの「Banjo Frisco」はバンジョーのアルペジオに加えてブラス・バンドっぽいノリのホーン隊が格好良い!そして誰もが知っているカントリー・クラシックでありニューオーリンズ・クラシックでもある「Jambalaya」。ラテンっぽいノリとチューバの低音グルーヴが堪らなく良いですね。 さらにゴスペル曲「I'll Fly Away」。ワンコーラス目はおそらくサックス奏者のClint Maedgenと思われる荒々しくもソウルフルな歌声が素晴らしく、2コーラス目にはデル・マッコーリーを中心にブルーグラスなコーラスを聴かせてくれる。そして間奏で弦楽器ソロから、クラリネットに引き継がれ、さらにホーン隊が入ってきてミューオーリンズな盛り上がりをみせる!堪りませんね!
また、デル・マッコーリーが作曲し、クラリネット、バンジョー、ピアノ、チューバというプリザベーション選抜コンボをバックに歌う「50/50 Chance」も良い味わいですし、ラストを締めるオールド・カントリーな風合いの「One More 'Fore I Die」も素晴らしい。この曲はプリザベーション・ホール・ジャズ・バンドのオリジナル曲のようですね。こういう曲を聴いてると、カントリーもジャズもあまり変わらないな、とさえ思えてくる。ニューオーリンズ音楽が好きで良かった! カントリーが好きで良かった! アメリカン・ルーツ・ミュージックが好きで良かった!
まあ、とにかく聴けば聴く程幸せになるようなアルバムですよ!
ちなみにこのコラボレーションはこの年各地でライヴを行ない、あのジャム・バンドの祭典ボナルー・フェスティヴァルにも出演しました。しかも「Bonnaroo (Feel the Magic )」というテーマ・ソングまで製作してしまいましたからね。この曲がまた良いんですよ!なんかセカンドライン&ブルーグラスな感じで。ま、それはまた別の話ですが、とにかく、アルバムだけでは終わらない活躍振りだった訳です。(フジロック、呼んでくれないですかね~。)
なんか第1位が地味ですいません。でも個人的にはこのジャケ写を見ただけでガッツ・ポーズ!! な1枚なのです。
プリザベーション・ホール・ジャズ・バンドとデル・マッコーリー・バンドの共演盤。ニューオーリンズ・ジャズとブルーグラスです。異ジャンル同士のコラボレーションであり、黒人音楽と白人音楽の邂逅です。しかもそれぞれが古き良き伝統を守ってきたレジェンダリー・バンドですからね! ジャケット写真の佇まいからして、なんか歴史を切り取った1枚のような感じがしませんか?
ニューオーリンズ・ジャズ。1900年代初頭に隆盛を極め、現在まで続くジャズと呼ばれる全ての音楽の原点であります。発祥の地となったのはその名の通りニューオーリンズ。そのニューオーリンズはフレンチ・クウォーターの一角に「プリザベーション・ホール」という小さなジャズ・ホールがあります。1961年に開店したこのホールを根城とし、伝統のニューオーリンズ・ジャズを守り、後世に伝えているのがプリザベーション・ホール・ジャズ・バンドです。トランペット、トロンボーンなどの管楽器を中心に、ドラムス、ピアノ、バンジョーがリズムを担います。
一方、ブルーグラスは1940年代にビル・モンローのバンドが形作ったカントリー音楽の一形態。ドラムレスで、ギター、バンジョー、マンドリン、ウッド・ベース、フィドルといった弦楽器で編成されます。デル・マッコーリー・バンドは、60年代にそのビル・モンローのバックを務めたデル・マッコーリーを中心に、彼の息子達を加えて作られたバンド。多様化するブルーグラス・シーンにあって、その伝統的スタイルを守り続けているバンドです。
そんな両者、まさにアメリカン・レガシー、アメリカの遺産を守る2バンドによるコラボレーション。これが実に楽しい! 『プリザベーション・ホール・バンドが街にやって来た、デル・マッコーリーが街にやって来た~』と歌われる「The Band's In Town」で始まります。スウィンギーなリズムにのって管楽器、弦楽器が和気あいあいに同居し、ヴォーカルとコーラスのコール&レスポンスも楽しい。端的に言えば管楽器主体のジャズ・バンドと弦楽器主体のブルーグラス・バンドの合流な訳ですが、両者ではその“ノリ”が大分違うはず。ですがここでは見事に融合しています。これが音楽の面白いところであり、素晴らしいところ。
2曲目以降も「One Has My Name (The Other Has My Heart)」「Shoeshine Blues」「You Don't Have To Be A Baby」など、ニューオーリンズ・ジャズであり、ブルーグラスでもある、いや、それらとはまた違うアメリカン・ミュージックなのかもしれない、オールド・タイムでありながら、今生まれたような瑞々しさを持った音楽、そんな芳醇そのものな演奏が続きます。とにかくブラスとストリングスが織りなす多彩な色彩に心が躍ります。アップテンポの「Banjo Frisco」はバンジョーのアルペジオに加えてブラス・バンドっぽいノリのホーン隊が格好良い!そして誰もが知っているカントリー・クラシックでありニューオーリンズ・クラシックでもある「Jambalaya」。ラテンっぽいノリとチューバの低音グルーヴが堪らなく良いですね。 さらにゴスペル曲「I'll Fly Away」。ワンコーラス目はおそらくサックス奏者のClint Maedgenと思われる荒々しくもソウルフルな歌声が素晴らしく、2コーラス目にはデル・マッコーリーを中心にブルーグラスなコーラスを聴かせてくれる。そして間奏で弦楽器ソロから、クラリネットに引き継がれ、さらにホーン隊が入ってきてミューオーリンズな盛り上がりをみせる!堪りませんね!
また、デル・マッコーリーが作曲し、クラリネット、バンジョー、ピアノ、チューバというプリザベーション選抜コンボをバックに歌う「50/50 Chance」も良い味わいですし、ラストを締めるオールド・カントリーな風合いの「One More 'Fore I Die」も素晴らしい。この曲はプリザベーション・ホール・ジャズ・バンドのオリジナル曲のようですね。こういう曲を聴いてると、カントリーもジャズもあまり変わらないな、とさえ思えてくる。ニューオーリンズ音楽が好きで良かった! カントリーが好きで良かった! アメリカン・ルーツ・ミュージックが好きで良かった!
まあ、とにかく聴けば聴く程幸せになるようなアルバムですよ!
ちなみにこのコラボレーションはこの年各地でライヴを行ない、あのジャム・バンドの祭典ボナルー・フェスティヴァルにも出演しました。しかも「Bonnaroo (Feel the Magic )」というテーマ・ソングまで製作してしまいましたからね。この曲がまた良いんですよ!なんかセカンドライン&ブルーグラスな感じで。ま、それはまた別の話ですが、とにかく、アルバムだけでは終わらない活躍振りだった訳です。(フジロック、呼んでくれないですかね~。)