ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

2020年上半期アメリカーナ・ベスト・アルバム その1

2020-07-22 23:38:36 | カントリー
Logan Ledger / Logan Ledger

作品はゆったりとした「Let the Mermaids Flirt With Me」から始まる。アコギを弾き語るローガン・レジャーなる男の歌声に、これから始まるストーリーへといざなわれていく。ジェイ・ベルローズとデニス・クロウチによるまるで緩やかな波のように心地良いリズム。そこにマーク・リボーの甘味なエレキ・ギターとラス・パールのスティール・ギターが交差する。最高だ!

カリフォルニア出身のカントリー・シンガー、ローガン・レジャー のデビュー・アルバム。正直、この人のことはよく知りません。ですがこのデビュー作がすこぶる良い! まずは彼の歌声。若々しく艶やかな響きを持ったそれは、懐かしきカントリーの輝きを纏いながらもどこかダークなトーンを持ち、ほのかな色気を滲ませつつ、孤独で、厭世的で、そしてロマンティックだ。ただただその歌声に包み込まれていきそうになる。そして陰影の深い風景や、何かしらのストーリーすら感じさせるようなバックの演奏、その音響が素晴らしい。それもそのはず、プロデューサーはかのTボーン・バーネット。そしてジェイ・ベルローズ(ds)にデニス・クロウチ(b)という最高のリズム隊。さらに鬼才マーク・リボーのギターが幽玄な響きで彩る。この人達がモダン・ルーツ・ミュージックに果たした役割っていうのはもう説明不要でしょう。例えば、2007年にTボーン・バーネットがプロデュースし、グラミー賞を席巻したロバート・プラント&アリソン・クラウスの「Raising Sand」、このアルバムでバックを務めた主要メンバーがこの人達だった、と言えばそれで十分ですよね。さらに随所で麗らかなペダル・スティール・ギターを奏でるのは、ラス・パール。この人もこれまで数多のアーティストをサポートしてきた名手ですが、近年ではケイシー・マスグレヴスの諸作が知られるところ。

ナッシュビルのハウス・オブ・ブルース・スタジオで録音。全11曲中、9曲がローガン・レジャーの作曲もしくは共作。オープニングの「Let the Mermaids Flirt With Me」や、「The Lights Of San Francisco」、「Tell Me A Lie」など、緩やかなリズムの曲でのドリーミー味わいは至極。軽快なロカビリー調「Starlight」や、Tボーン・バーネット作による「(I’m Gonna Get Over This) Some Day」、サーフなフレーズを交えたマーク・リボーのフリーキーなギターが駆け抜ける「Electric Fantasy」など、アップテンポな曲も良い。翳りのある陰影の濃いアレンジが印象的な「Nobody Knows」も秀逸。唯一のカヴァー「Skip A Rope」は、ヘンソン・カーギルが1968年にカントリーチャートのトップに送り込んだヒット曲。いやはや、最高だ!

聴き始めた当初は、王道なカントリーに聴こえるかもしれない。ですが聴けば聴くほど新鮮な、新しい音楽に聞こえてくる。マーク・リボーとTボーン・バーネットによるエッジーなギターの鳴り、スウィンギーなリズム、浮游するスティール・ギター、そして明暗が表裏一体のように響くローガン・レジャーの歌声。それらが対比し、混ざり合う。

何度でも言おう、最高だ!



スパソニ 第4弾!

2020-07-21 19:15:22 | フェス、イベント
9月開催のスーパーソニックが、嬉しい第4段を発表してくれました〜!

流石に海外アーティストの追加はありませんが、ここへきての新たな発表は嬉しい限り。

状況はかなり厳しいと思いますが、開催に向けて渾身の努力を続けているであろうクリエイティブマンの皆様には感動すら覚えます。

たとえ結果がどうなろうとも、感謝の言葉しかありません。応援しています。頑張ってください!!


そして7月22日、23日には、オンラインによる「SUMMER SONIC 2020 ARCHIVE FESTIVAL」の第2弾が配信されます。こちらは過去にサマソニを沸かせたアーティストのライヴを厳選配信するもので、前回は、レディオヘッド、アンダーワールド、メタリカ、THE 1975、アークティック・モンキーズなどが配信され、私もパソコン画面で楽しませてもらいました。そして今回は、コールドプレイ(2008)、オアシス(2005)、ザ・フレーミング・リップス(2009)、ソニック・ユース(2009)、ナイン・インチ・ネイルズ(2009)、などなど。中でもロック系に交じって2012年のリアーナの名前があるのが嬉しい!この時のリアーナは私も生で観ているので、懐かしさもあり、とても楽しみです。野外でぎゅうぎゅうになりながら体感したリアーナのライヴ、最高だったな~。


1日も早く、何の心配もなく、現地でライヴが楽しめる日々が戻ってくることを願っています。