ネヴィル・ブラザーズの東京公演。前回は28日について書きましたので、今回は29日を。セットリストは以下の通り。
08年10月29日JCBホール
01. Fiyo On The Bayou
02. No Butts No Maybes~They All Asked For You
03. Africa
04. Brother Jake
05. Mojo Hannah
06. Voo Doo
07. Everybody Plays The Fool
08. Besame Mucho (Charles solo)
09. Hey Pocky Way
10. Tipitina
11. R&R Medley
Johnny B. Goode~Bony Moronie~Dizzy Miss Lizzy~
Slow Down~Oh Boy~Long Tall Sally
12. ? (Charles solo)
13. Big Chief
14. Tell It Like It Is
15. Yellow Moon
-encore-
16. Amazing Grace~One Love~People Get Ready
オープニングは前日と同じ「Fiyo On The Bayou」。この日の私の席は8列目のステージ向かって右側の席。アートのさらに斜め後ろといった位置でした。しかし中央だった昨日より、スピーカーに近いせいか音がダイレクトにガツンとくるんです!昨日より断然に体感リズムが強度を増しています。昨日は聴こえづらかったアートのオルガンもブワブワと良く聞こえます。と言ってバランスが悪い訳でもなく、文句無しの出音。まるで空間に絡み付くようにうなりを上げる骨太なグルーヴにゾクゾクしました。そしてこの日は後悔しないようにと私も1曲目から立ち上がっちゃいました!
さて、世界最高のライヴ・バンドと評されるネヴィル・ブラザーズ。前日とはセット・リストをがらっと変えてくるのかな?なんて期待していたのですが、4曲目まで全く一緒。ですがやはり昨日とは印象が違います。座って観ていた昨日と、立って踊りながら観ていた今日、という違いもあるかもしれませんが、とにかくリズムが腰にくる! 「Africa」でのアートのオルガンも凄かったですし。
そして5曲目。変えてきました! 昨日は「Fever」でしたが今日は「Mojo Hannah」。アートのヴォーカル曲。前半はアートが頑張ります。ですがこの曲の複雑に細かいシンコペーションが重なり合うようなノリは私を含めて日本人にはちょっとキツいかな…、なんて思ったり。
そして昨日は終盤に披露された「Voo Doo」がこの位置で登場し、アーロンの「Everybody Plays The Fool」、チャールズの
「Besame Mucho」は昨日と同じ。欲を言えばこの2曲もそれぞれ違う持ち曲に差し替えて欲しかった…。何て言ったら贅沢ですか? もちろん2曲とも素晴らしい演奏でした。アーロンの美声も良く聞こえましたし!
な~んて思っていましたら、何やら耳慣れたイントロが。これはもしや? あの名曲「Hey Pocky Way」! 何を隠そう私がネヴィルズ関連で一番好きな曲です。正直期待はしていたものの、昨日同様にミーターズから「 Fiyo On The Bayou」と「Africa」を演った時点で「Hey Pocky Way」はないか…、と半ば諦めていました。ところがどっこいですよ! こんな嬉しい裏切りも流石は百戦錬磨のライヴ・バンド! しかもまたもアートのヴォーカル曲。この日の前半はアートの存在感が全開でしたね。ノリ的にはミーターズのクール&もっちゃりファンクとも違う、ネヴィルズ2nd「FIYO ON THE BAYOU」収録ヴァージョンのスピード感たっぷりとも違う、ですがネヴィル・ブラザーズ以外の何者でもないインディアン・ファンク! しいて言えば、ミーターズのヴァージョンをネヴィル・ブラザーズが演ったって感じでしょうか? とにかく私は狂喜狂乱でした。サビは大声で歌いましたよ! でもこの時はまだ余裕でした。マジでヤバかったのは次です。
「Hey Pocky Way」が終わると、シリルが何やら観客を煽り始めます。突如エンジンがかかったかのように身振り手振りを交えて煽る煽る。英語なので残念ながら何を言っているかは分かりませんが「ニューオーリーンズ!!」とか「ティピティーナー!!」とか。その度に客席も「ウォー!」と盛り上がる。なんかシリルらしくなってきましたよ! さらにネヴィルズらしくなってきましたよ! そして始まったのはプロフェッサー・ロング・ヘアの「Tipitina」。とにかくニューオーリンズな、パワフルでパーカッシヴで祝祭的なノリが強烈。そう言えばこういう曲が昨日はなかったんですよね。そして何はともあれシリルが熱い! 帰ってきた熱血漢! 客席を煽りながらシャウトするシリルに感動です。やっぱりシリルはこうじゃなくちゃ! そして会場を覆い尽くすようなリズム。何もかもが熱い!これこそ私の大好きなネヴィル・ブラザーズですよ! この時、私はやっとここで本来のネヴィル・ブラザーズに会えたような、そんな思いが爆発しちゃって、もう涙、涙、涙、でした。さらにウィリー・グリーンのドラム・ソロまでありで、感無量でした。まさに世界最高のライヴ・バンドここに有り!
ですが、ここで終わりではありません。ある意味、これが始まりだったのです。さらに「R&R Medley」で畳み掛け、チャールズのソロ・コーナーでは昨日のジャズではなくブルース・セッション(すいません、曲名分かりませんでした。)でまた違った表情を見せます。チャールズのブルージーなサックスに彼が下積み時代にはBBキングなどのバックを務めていたという逸話を思い出したり。後半はメンバーでソロを回していきますが、アートの弾くブルースも結構珍しいのでは。そして福田氏のギター・ソロも絶品。ほとんど後方でギターを弾いてるこの人もここではステージ中央に出てきました。ですが客席には向かわず、ひたすらチャールズに向かって弾きまくる。何かチャールズ限定みたいな。でもチャールズも嬉しそう。昨日のジャズより断然良かったです。
ブルースで良い意味でのクール・ダウンをした後、アートの鍵盤が奏でたのは「Big Chief」のイントロ。またもプロフェッサー・ロング・ヘア曲。まさかの祭りモード第2弾! 歌うはもちろんシリル・ネヴィル。客席を指差しながら歌いまくるシリルが熱い熱い! そして中盤にはシリルのパーカッションとウィリーのドラムスが絡み合う怒濤のセッションが。これですよこれ! 欲を言えば「My Blood」とか「Congo Square」とかも演って欲しかったですけど、それに変わるアフリカンな息吹を伝える強力な打楽器セッション。もう興奮しまくりでした。終盤はシリルと「ハイヤー!」(ファイヤー?)のコール&レスポンスも有りで大盛り上がりに盛り上がり、終了した時には何やら台風一過のような脱力感。と同時に照明が落ち、「Tell It Like It Is」のイントロが…。
この展開ですよ! シリルの激熱な歌とパーカッションの響宴が終わるや否やアーロンがトロットロのバラードを歌う。こんな展開はネヴィルズ以外にあり得ません!! ここでまたも涙。なんかいいようにブラザーズにもてあそばれてる感じ。意味不明ですが許してください。
ラストは昨日同様「Yellow Moon」。この曲が始まった瞬間、あ~終わりか…、みたいな。終盤のチャールズと福田氏のバトルを目に焼き付け、最高のネヴィル・ブラザーズを2日間も観れた幸せを胸にしまい込みます。アンコールの「Amazing Grace」の素晴らしは言わずもがな。 そして「One Love~People Get Ready」の幸福感溢れるメロディーと、シリルのソウルフルな歌声に、この日に観れた熱いシリルのパフォーマンスが甦ったり、これで本当に最後なんだなという思いなど、色々な感情が入り交じり、恥ずかしながらまたも涙、なのでありました。
最後はお馴染みのメンバー紹介。シリルが一人一人の名を高らかに紹介しますが、べーシストのクリス・セヴェリン(でしたよね?)の名が出てこず、苦笑いしながら下を向いてしまい、アーロンに助けてもらう一場面が有ったり。最後はネヴィル兄弟を紹介し、最終的に観客を指差して「ユー・ネヴィール!」みたいな。お約束ですけど感動しちゃうんです。終演後、メンバー達が握手攻めに会う中、一人、バックで流れる音楽に合わせ、粋なダンスを踊りまくっていたシリルは、やっぱり素敵な人です!
あ、素敵と言えば、「Tipitina」だったか「Big Chief」だったか忘れちゃいましたけど、ギロでジョキジョキとひたすらリズムを刻みまくるチャールズの姿も味わい深かったです。
それにしても最高だったネヴィル・ブラザーズの東京2DAYS。私は正直な話、ここに書いたように二日目の方が断然興奮度が高かったのですが、果たして本当にそれで良かったのでしょうか? その辺も含めて次回まとめます。
08年10月29日JCBホール
01. Fiyo On The Bayou
02. No Butts No Maybes~They All Asked For You
03. Africa
04. Brother Jake
05. Mojo Hannah
06. Voo Doo
07. Everybody Plays The Fool
08. Besame Mucho (Charles solo)
09. Hey Pocky Way
10. Tipitina
11. R&R Medley
Johnny B. Goode~Bony Moronie~Dizzy Miss Lizzy~
Slow Down~Oh Boy~Long Tall Sally
12. ? (Charles solo)
13. Big Chief
14. Tell It Like It Is
15. Yellow Moon
-encore-
16. Amazing Grace~One Love~People Get Ready
オープニングは前日と同じ「Fiyo On The Bayou」。この日の私の席は8列目のステージ向かって右側の席。アートのさらに斜め後ろといった位置でした。しかし中央だった昨日より、スピーカーに近いせいか音がダイレクトにガツンとくるんです!昨日より断然に体感リズムが強度を増しています。昨日は聴こえづらかったアートのオルガンもブワブワと良く聞こえます。と言ってバランスが悪い訳でもなく、文句無しの出音。まるで空間に絡み付くようにうなりを上げる骨太なグルーヴにゾクゾクしました。そしてこの日は後悔しないようにと私も1曲目から立ち上がっちゃいました!
さて、世界最高のライヴ・バンドと評されるネヴィル・ブラザーズ。前日とはセット・リストをがらっと変えてくるのかな?なんて期待していたのですが、4曲目まで全く一緒。ですがやはり昨日とは印象が違います。座って観ていた昨日と、立って踊りながら観ていた今日、という違いもあるかもしれませんが、とにかくリズムが腰にくる! 「Africa」でのアートのオルガンも凄かったですし。
そして5曲目。変えてきました! 昨日は「Fever」でしたが今日は「Mojo Hannah」。アートのヴォーカル曲。前半はアートが頑張ります。ですがこの曲の複雑に細かいシンコペーションが重なり合うようなノリは私を含めて日本人にはちょっとキツいかな…、なんて思ったり。
そして昨日は終盤に披露された「Voo Doo」がこの位置で登場し、アーロンの「Everybody Plays The Fool」、チャールズの
「Besame Mucho」は昨日と同じ。欲を言えばこの2曲もそれぞれ違う持ち曲に差し替えて欲しかった…。何て言ったら贅沢ですか? もちろん2曲とも素晴らしい演奏でした。アーロンの美声も良く聞こえましたし!
な~んて思っていましたら、何やら耳慣れたイントロが。これはもしや? あの名曲「Hey Pocky Way」! 何を隠そう私がネヴィルズ関連で一番好きな曲です。正直期待はしていたものの、昨日同様にミーターズから「 Fiyo On The Bayou」と「Africa」を演った時点で「Hey Pocky Way」はないか…、と半ば諦めていました。ところがどっこいですよ! こんな嬉しい裏切りも流石は百戦錬磨のライヴ・バンド! しかもまたもアートのヴォーカル曲。この日の前半はアートの存在感が全開でしたね。ノリ的にはミーターズのクール&もっちゃりファンクとも違う、ネヴィルズ2nd「FIYO ON THE BAYOU」収録ヴァージョンのスピード感たっぷりとも違う、ですがネヴィル・ブラザーズ以外の何者でもないインディアン・ファンク! しいて言えば、ミーターズのヴァージョンをネヴィル・ブラザーズが演ったって感じでしょうか? とにかく私は狂喜狂乱でした。サビは大声で歌いましたよ! でもこの時はまだ余裕でした。マジでヤバかったのは次です。
「Hey Pocky Way」が終わると、シリルが何やら観客を煽り始めます。突如エンジンがかかったかのように身振り手振りを交えて煽る煽る。英語なので残念ながら何を言っているかは分かりませんが「ニューオーリーンズ!!」とか「ティピティーナー!!」とか。その度に客席も「ウォー!」と盛り上がる。なんかシリルらしくなってきましたよ! さらにネヴィルズらしくなってきましたよ! そして始まったのはプロフェッサー・ロング・ヘアの「Tipitina」。とにかくニューオーリンズな、パワフルでパーカッシヴで祝祭的なノリが強烈。そう言えばこういう曲が昨日はなかったんですよね。そして何はともあれシリルが熱い! 帰ってきた熱血漢! 客席を煽りながらシャウトするシリルに感動です。やっぱりシリルはこうじゃなくちゃ! そして会場を覆い尽くすようなリズム。何もかもが熱い!これこそ私の大好きなネヴィル・ブラザーズですよ! この時、私はやっとここで本来のネヴィル・ブラザーズに会えたような、そんな思いが爆発しちゃって、もう涙、涙、涙、でした。さらにウィリー・グリーンのドラム・ソロまでありで、感無量でした。まさに世界最高のライヴ・バンドここに有り!
ですが、ここで終わりではありません。ある意味、これが始まりだったのです。さらに「R&R Medley」で畳み掛け、チャールズのソロ・コーナーでは昨日のジャズではなくブルース・セッション(すいません、曲名分かりませんでした。)でまた違った表情を見せます。チャールズのブルージーなサックスに彼が下積み時代にはBBキングなどのバックを務めていたという逸話を思い出したり。後半はメンバーでソロを回していきますが、アートの弾くブルースも結構珍しいのでは。そして福田氏のギター・ソロも絶品。ほとんど後方でギターを弾いてるこの人もここではステージ中央に出てきました。ですが客席には向かわず、ひたすらチャールズに向かって弾きまくる。何かチャールズ限定みたいな。でもチャールズも嬉しそう。昨日のジャズより断然良かったです。
ブルースで良い意味でのクール・ダウンをした後、アートの鍵盤が奏でたのは「Big Chief」のイントロ。またもプロフェッサー・ロング・ヘア曲。まさかの祭りモード第2弾! 歌うはもちろんシリル・ネヴィル。客席を指差しながら歌いまくるシリルが熱い熱い! そして中盤にはシリルのパーカッションとウィリーのドラムスが絡み合う怒濤のセッションが。これですよこれ! 欲を言えば「My Blood」とか「Congo Square」とかも演って欲しかったですけど、それに変わるアフリカンな息吹を伝える強力な打楽器セッション。もう興奮しまくりでした。終盤はシリルと「ハイヤー!」(ファイヤー?)のコール&レスポンスも有りで大盛り上がりに盛り上がり、終了した時には何やら台風一過のような脱力感。と同時に照明が落ち、「Tell It Like It Is」のイントロが…。
この展開ですよ! シリルの激熱な歌とパーカッションの響宴が終わるや否やアーロンがトロットロのバラードを歌う。こんな展開はネヴィルズ以外にあり得ません!! ここでまたも涙。なんかいいようにブラザーズにもてあそばれてる感じ。意味不明ですが許してください。
ラストは昨日同様「Yellow Moon」。この曲が始まった瞬間、あ~終わりか…、みたいな。終盤のチャールズと福田氏のバトルを目に焼き付け、最高のネヴィル・ブラザーズを2日間も観れた幸せを胸にしまい込みます。アンコールの「Amazing Grace」の素晴らしは言わずもがな。 そして「One Love~People Get Ready」の幸福感溢れるメロディーと、シリルのソウルフルな歌声に、この日に観れた熱いシリルのパフォーマンスが甦ったり、これで本当に最後なんだなという思いなど、色々な感情が入り交じり、恥ずかしながらまたも涙、なのでありました。
最後はお馴染みのメンバー紹介。シリルが一人一人の名を高らかに紹介しますが、べーシストのクリス・セヴェリン(でしたよね?)の名が出てこず、苦笑いしながら下を向いてしまい、アーロンに助けてもらう一場面が有ったり。最後はネヴィル兄弟を紹介し、最終的に観客を指差して「ユー・ネヴィール!」みたいな。お約束ですけど感動しちゃうんです。終演後、メンバー達が握手攻めに会う中、一人、バックで流れる音楽に合わせ、粋なダンスを踊りまくっていたシリルは、やっぱり素敵な人です!
あ、素敵と言えば、「Tipitina」だったか「Big Chief」だったか忘れちゃいましたけど、ギロでジョキジョキとひたすらリズムを刻みまくるチャールズの姿も味わい深かったです。
それにしても最高だったネヴィル・ブラザーズの東京2DAYS。私は正直な話、ここに書いたように二日目の方が断然興奮度が高かったのですが、果たして本当にそれで良かったのでしょうか? その辺も含めて次回まとめます。