ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

@熱狂の日音楽祭

2010-04-30 21:09:17 | フェス、イベント
今日は熱狂の日音楽祭の前夜祭的イベントに来ています。国際フォーラムにて毎年恒例のネオ屋台村と同時開催の無料ライウ゛です。ゼスポール・ポルスキというポーランドの民族音楽グルーが出るので楽しみです。



帰宅後追記:

ゼスポール・ポルスキ! 想像以上に素晴らしかったです! 躍動するリズムとメロディー。見たこともない民族楽器のアンサンブルに、歌とホーミーのような声が混じり、民族衣装に身を纏ったダンサーが踊る。それは伝統的な民族音楽なのでしょうが、なぜか現代的で、前衛的にすら感じました。これはただ昔の音楽を掘り返しただけでは決してない、今、生きている音楽です! 格好良かったです!








4月の10枚

2010-04-30 12:15:32 | Weblog
月末恒例の今月の10枚。新譜、旧譜にこだわらず、単純に今月良く聴いた、印象に残った10枚を選んでみました。


CAROLE KING / TAPESTRY
4月は何と言ってもキャロル・キング&ジェイムス・テイラーの来日ですよね~。キャロルの作った珠玉のメロディと、あの声と、甦るあ頃の空気感。


JAMES TAYLOR / MUD SLIDE SLIM
そしてジェイムス・テイラー。最高でした。


MOUNT SUGAR / ワンピース
マウントシュガーの配信オンリーのニューEP。エレキギターの音色や、エレクトロな装飾音、ファットなドラムスの音など、ライヴの雰囲気とは大分違う印象ですが、聴けば聴くほどマウントシュガーらしさが滲み出てきます。特に「スニーカー」でのアリサさんの歌声が胸に沁みます。5月のピクニックライヴも楽しみ!!


THE BIRD AND THE BEE / INTEPRETING THE MASTERS 1:TRIBUTE TO HALL & OATE
バード&ザ・ビーがホール&オーツをちょっぴりアンニュイなエレポップでトリビュート。こうやって聴くとホール&オーツの曲って名曲揃いですね。イナラ・ジョージの歌もかなり良いですね! 忘れがちですけど、この人、ローウェル・ジョージの娘さんですね。


VA / JAZZ FUNK PLAYS STEVE WONDER : WONDER FUNK
続々と発表される夏フェスのメンツ。フジロックのジョン・フォガティにも驚きましたが、何と言ってもサマソニのスティーヴィー・ワンダーでしょう!  こちらは、スティーヴィー楽曲をリリースされた当時にジャズ・ファンク系のアーティストがカヴァーしたものを集めたコンピ。 ポール・ハンフリーとか、チャールズ・カイナードとか、オーデル・ブラウンとか。バックにはバーナード・パーディや、デヴィッド・T・ウォーカー、デヴィッド・ウィリアム・サンボーンなんかの名前もあって、かなり楽しめます。


SOULIVE / RUBBER SOULIVE
そして現代のジャズ・ファンクと言えば、ソウライヴ! そのソウライヴによるビートルズのカヴァー作品。タイトルが「ラバー・ソウライヴ」ですからね。内容もタイトルもセンス抜群です。


SHARON JONES & THE DAP KINGS / I LEARNED THE HARD WAY
ダップトーンが誇るディープ・ファンクの真打、シャロン・ジョーンズ&ザ・ダップ・キングスの最新作。良いですね~。濃いですね~。来日してくれないですかね~。


OPENSOULS / SATNDING IN THE RAIN
シャロン・ジョーンズ&ザ・ダップ・キングスをスタックスに例えるならば、こちらは完全にモータウン。このアルバムには参りました。これ程ラヴリーでヤング・アメリカンなソウル・ミュージックを鳴らすバンドって、今時ありませんでしたよね。ノーザン・ソウルとかモッズ的という意味ではディープ・ファンク勢に通じるものはあるのかもしれませんけど、これには驚きました。しかもニュージーランドのバンドらしいです。


JOE LOUIS WALKER / BETWEEN A ROCK AND THE BLUES
私がブルースを聴き始めた頃、若手の注目株だったジョー・ルイス・ウォーカーももう60歳ですか…。って言うかデビューした時が既に37歳だったんですね。そんなジョー・ルイス・ウォーカーの脂の乗った最新作。良いですね~。 ギターが良いのはもちろんですが、小気味良いヴォーカルがまた素晴らしい!そしてバンドに勢いがある! プロデューサーはデューク・ロビラードだそうです。


ERYKAH BADU / NEW AMERYKAH, PT.2-RETURN OF ANKH
エリカ・バドゥの最新作。これはエリカの宇宙です。素晴らしい!!


フジロック第5弾&日割り!!

2010-04-29 19:35:44 | フジロック


フジロック・フェスティヴァル公式サイトにて、出演者第5弾&日割りの発表がありましたね。詳しい日割りは公式サイトで確認して頂くとして、とりあえず、追加アーティストを出演日別に列記しますと以下の17アーティストです。

ー7月30日ー
Char
ヒカシュー
サンハウス
SPECIAL OTHERS

ー7月31日ー
MARINES BIG BAND
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
THEATRE BROOK

ー8月1日ー
ATOMS FOR PEACE
ASIAN KUNG-FU GENERATION
BUFFALO DAUGHTER
伊藤ふみお
JJ GREY&MOFRO
MATT&KIM
THE MIDDLE EAST
守屋純子 Special Big Band For Fuji Rock
難波章浩-AKIHIRO NAMBA-
Sandii featuring SandiiBunbun and Earth Conscious

邦楽勢が多いなか、今回の目玉は何と言ってもトム・ヨークのニュー・プロジェクト、アトムス・フォー・ピースですね。いよいよトム・ヨークが苗場に!!って感じですけど、個人的にはフリーとジョーイ・ワロンカー、マウロ・レフォスコというリズム隊にそそられます。ですが「ルーツな日記」的に今回の発表で一番目を引いたのは、JJ グレイ & モフロです!! モーと同じくバッファロー・レコード系のアーティストで、最近、気になってたんですよね~、嬉しいです!!


さて、問題は日割りです。見たいバンドはいい具合に割れた感じではあるんですけど、どうでしょうか? まずは金曜日。この日は今のところコリーヌ・ベイリー・レイを中心にスケジュールを組む感じ。あとは CODEINE VELVET CLUB、ダーティ・プロジェクターズ、マッド・プロフェッサー、ジャガ・ジャジスト、ザッパ・プレイズ・ザッパ、あたりが見たいですね。で、現在発表されている中にヘヴンのトリはいるのでしょうか?オレンジのトリはマグマで決まりですよね。しかしヘヴンは…、ジャガ・ジャジストやザッパ・プレイズ・ザッパなんかはスケール的にはトリでも充分な感じですが、知名度的に弱いですよね~? 近年の傾向から行くとブロークン・ソーシャル・シーンや、ダーティ・プロジェクターズもあり得るのかな~?

そして土曜日。個人的にもっとも被りが心配なのがこの日。注目はジョン・フォガティ。やはりグリーンのトリ前なんですかね~。っていうか一番大事な土曜のメインが、ジョン・フォガティ~ロキシー・ミュージックって流れで大丈夫なんですかね?なんか不安になってきますが。逆にどうせならジョン・ポール・ジョーンズもここに入れてあげれば良かったのに、なんて思ったり。で、ジョン・フォガティがこの位置ですと、確実に奥の方のメインと被ってくる。例えばジョン・バトラー・トリオやデレク&スーザンあたりはかなり危険。ジョン・バトラーは先日観たので諦めてもいいとして、デレク&スーザンは観たい!! ジョン・フォガティを見に来る方達のなかには、デレク・トラックスも観たいって人が多いと思うんですよ!お願いしますね…。この日はキティー・デイジー&ルイス、モリアーティ、トロンボーン・ショーティと、楽しみなアーティストが揃っているので、忙しくなりそうです。

泣いても笑っても最終日な日曜日。最後はヘヴンでどっぷりとモーに浸かる感じ。しかしベル&セバスチャンと被りそう? ダイアン・バーチも楽しみ。あとはアルバータ・クロス、ドノヴァン・フランケンレイター、JJ グレイ & モフロ、オゾマトリ、そして2度目のキティー・デイジー&ルイス、あたりも観たい。シザー・シスターズや、LCD サウンドシステムなど、踊らせてくれそうな人達も楽しみ。


それにしても今回はステージ割りがまったく読めません。ま、毎年読んでもなかなか当たりませんけどね…。とりあえず、現時点で深刻な程に被りが心配なのは土曜のフォガティ周辺のみですね。全体的な面子といたしましては、昨年程ではないものの、「ルーツな日記」的にはかなり楽しみな感じ。

あれ? NARASIRATO PAN PIPERS って消えてない?




上の動画はJJ グレイ & モフロの「On Fire」。09年の何かのフェスのようですね。気持ち良さそう!

そしてもう一つおまけ。同じフェスからJJ グレイが歌うストーンズの「Sympathy for the Devil」。で、何故かバックはギャラクティック?
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ダニー・コーチマー

2010-04-28 21:00:06 | ルーツ・ロック
JO MAMA / JO MAMA

先日のキャロル・キング&ジェイムス・テイラーの来日公演で、素晴らしいプレイを聴かせてくれたギタリスト、ダニー・コーチマー。ダニー・クーチとしても知られますね。今回のキャロル・キング&ジェイムス・テイラーのツアーでは、バックにあのセクションの面々がつくことが、マニアの間で早くから話題になってましたが、なかでも私はクーチを生で観れることを楽しみにしていたんです。

クーチの作となる「Machine Gun Kelly」で紹介されて彼がステージに出てきた時は思わず身を乗り出しちゃいましたよ!この曲でのギター・プレイも良かったですが、「Smackwater Jack」でのギター・ソロには痺れましたね!! 「Jazzman」ではちょっとフュージョンっぽい感じに弾きまくってましたしね。「Steamroller Blues」でのブルージーなフレージングも流石でした。でもやっぱり「It's Too Late」ですかね。あのしっとりとたメロディーとあの音色。職人的な技からじわっと染みる渋み。堪りませんね~。

さて、そんなダニー・クーチ。彼はセクションの一員となる前からジェイムス・テイラーとキャロル・キングとは親交厚い人物でした。クーチとジェイムスは幼なじみだとか、同じアカデミーに通っていたとか、マーサズ・ヴィニヤード島で出会ったとか、よく分かりませんが、とにかくそんな頃にジェイムス&クーチというフォーク・デュオを組んで音楽活動をはじめたようです。その後二人はフライング・マシーンなるバンドを結成し、NYのグリニッジ・ヴィレッジ辺りでかなりの評判を得ていたそうです。

しかしフライング・マシーンは解散し、ジェイムスはロンドンへ渡り、後にビートルズのアップルからソロデビューを果たす訳ですが、クーチはロサンジェルスへと向かいます。そしてそのロスでキャロル・キングとザ・シティというバンドを結成します。ちょうどこの頃、キャロル・キングはティン・パン・アレイの作曲家から自作自演アーティストへ羽ばたこうとしていました。そんなキャロルにとってこのザ・シティはその第一歩だったのです。しかしザ・シティは69年に1st作「NOW THAT EVERYTHING'S BEEN SAID」をリリースしたものの、レーベルのごたごたに巻き込まれ、満足に売られないまま解散。そしてキャロルはソロ・デビュー。そしてクーチはキャロルとジェイムス、両者のソロ活動をサポートしていくことになります。

で、ここからが本題です。ザ・シティは キャロル・キング、チャールズ・ラーキー、ダニー・クーチの3人編成によるバンドでしが、解散後、キャロルの代わりに彼女によく似た雰囲気の声を持つアビゲイル・ヘイネスをヴォーカルに向かえ結成されたのがジョー・ママです。実は私、クーチが中心の作品で一番好きなのがこのジョー・ママのデビュー作「JO MAMA」(上写真)なのです。

ベースはもちろんチャールズ・ラーキー、ドラムスにジョエル・オブライエン、キーボードにラルフ・シュケット。彼らはクーチがザ・シティ以前に参加していたバンドの仲間達ですね。プロデューサーはピーター・アッシャー。かのピーター&ゴードンのピーターですけど、この頃のクーチやジェイムス・テイラー周辺における重要人物の1人ですね。曲目は12曲中、10曲がクーチのオリジナルもしくは共作で占められています。クーチはギタリストとしてだけではなくコンポーザーとしても優れた才を発揮しています。

1曲目、先のライヴでもダニーの代名詞のように紹介された「Machine Gun Kelly」。ザ・バンドっぽいノリとLAらしい開放感が合わさった土っぽくも気持ち良い名曲。この曲はクーチ自ら歌っているようですが、カントリー・タッチの飾らない歌声が良いですね。3曲目は跳ねるギターのカッティングと転がるピアノがリードする「Searching High, Searching Low」。チャールズ・ラーキーのベースも良いですね~。そしてアビゲイル・ヘイネスがまた良い声してるんですよ。軽い感じに歌ってるんですけど妙にソウルフルで。

6曲目のSSWっぽい「Sailing」。これ名曲ですよね。洗練されたメロディー・ラインをキャロルっぽい「そばかす声」で歌うアビゲイル・ヘイネスの躍動感たっぷりの歌唱も最高ですが、存在感抜群のクーチのギター・ソロも流石。7曲目は「火の玉ロック」の邦題でお馴染みのジェリー・リー・ルイス「Great Balls of Fire」のカヴァー。ここではアビゲイル・ヘイネスが泥臭さを見せつけてくれる。格好良いですね~。8曲目は人懐っこい跳ねと粘りが秀逸なミドル・ファンク「The Sky Is Falling」。この曲のリズムにはやられますね。どことなくニューオーリンズな香りも感じられますし。さらにギターソロで急にギアを変える感じが格好良い!!

他にもラテンな「Venga Venga」やジャジーなスロー・ナンバー「The Word Is Goodbye」、ラストを飾るジャズ・ロック的大作「Love'll Get You High」まで、ヴァラエティ豊か。そしてなんだかんだでクーチの絶妙なタイム感で刻まれる渋いバッキングに耳を奪われます。そしてそれに絡み付くようなチャールズ・ラーキーのベースとラルフ・シュケットの鍵盤。良い案配にファンキーで、良い案配に土臭く、良い案配にソウルフル!!

しかしこのジョー・ママも、もう1枚のアルバムを残して解散してしまいます。クーチは一つところに留まらないのが性に合っているのかもしれませんね…。




THE CITY / NOW THAT EVERYTHING'S BEEN SAID
クーチがキャロル・キングと組んだバンド、ザ・シティ。このアルバム1枚を残しただけの短命に終わりますが、その原因の一つには、キャロルがツアーに出ることにナーヴァスだったこともあるそうです。作曲とレコーディングはお手の物でしたが、観客の前で歌うことについては慣れていなかったのでしょうね。結局、リハーサル中にツアーが中止になり、そのまま解散してしまったそうです。ちなみに、そのツアーのドラムスにはジョエル・オブライエンが予定され、リハにも参加していたそうなので、このザ・シティはキャロルにとって独り立ちするためのほろ苦いステップである一方で、ジョー・ママの雛形となったバンドといえるでしょうね。



THE SECTION / FORK IT OVER
こちらはセクションの3作目77年作。このアルバムの解説によりますと、71年にジョー・ママがキャロル・キングのサポート・バンドとしてジェイムス・テイラーと共にツアーした際、クーチがリー・スカラー、ラス・カンケルの2人と親交を深め、そこにクレイグ・ダーキーが加わってザ・セクションの結成に至ったとか。で、このアルバムはほとんどフュージョンですが、クーチはかなり聴かせてくれます。ラテンタッチの「Rainbows」が良いですね~。基本インストですが、1曲「Bad Shoes」でジェイムス・テイラーが歌っています。



DANNY KORTCHMAR / KOOTCH
で、結局のところダニー・コーチマーなの?ダニー・クーチなの?という疑問に終止符を打つかのような、ダニー・コーチマーのソロ作「クーチ」。73年リリース。“クーチ”という呼び名は、彼のニックネームのようですね。で、この作品、ジョ-・ママに比べるとなんとなく男の色気が増してる感じ。でやっぱりクーチのバッキングには気持ち良く腰を揺らされます。「Got To Say So Long」でのバッキングとメロディが一体化したようなプレイも素晴らしいの一言。クーチはギターと歌以外にベースと、ドラムスもプレイしています。良いジャケットですよね~。



もちろんダニー・コーチマーは自身を中心にした作品以外に、というよりそっちの方が主流なのかもしれませんが、膨大な量のセッションをこなしています。キャロル・キングやジェイムス・テイラーの諸作はもちろん、ドン・ヘンリー、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタット、J.D.サウザーからホール&オーツやボン・ジョビまで、挙げていったらきりがない程。さらにプロデューサーとしても数多くの作品を手がけていますし。クーチの公式サイトを覗いてみればその凄さにびっくりさせられます。

CDのクレジットを見て、ダニー・コーチマーの名前を発見すると、なんか嬉しくなるんですよね~。近年ではバディ・ガイの「BRING'EM IN」とか、キャデラック・レコードのサントラなんかでも彼の名前を見つけることが出来ます。



キャロル・キング&ジェイムス・テイラー@武道館 その2

2010-04-26 13:05:07 | SSW
JAMES TAYLOR / MUD SLIDE SLIM

前回からの続きです。

キャロル・キング&ジェイムス・テイラーの来日公演、武道館初日。途中休憩を挟む2部構成でアンコール含めて全28曲。まあ全編に渡って名曲が次から次へとという感じでしたが、さらに終盤はキラー・ソングのオン・パレード!! もう感涙ものでした。

まずはゴフィン&キング作の「Will You Love Me Tomorrow ?」。61年にシュレルズに提供されてゴフィン&キングにとって最初の大ヒットとなった曲。ですがもちろんここではキャロルがアルバム「TAPESTRY」でセルフ・カヴァーしたようにスロー・テンポで歌われる。しかもそのアルバム同様にキャロルのピアノにジェイムスのアコギがしっとりと絡む。そしてキャロルの切なげな歌声にジェイムスがそっとハーモニーを添える。堪りませんね~!!

そしてジェイムスがエレキ・ギターを持ち、ダニー・コーチマーとのブルース・セッションのように始まった「Steamroller Blues」。これも人気曲ですよね。ブルース好きの私といたしましても嬉しかった!ジェイムスの歌のうまさも光っていましたね。

さらに「It's Too Late」と「Fire And Rain」が続けて演奏される。シンガー・ソング・ライターの幕開けを告げた2曲ですね。あの頃、ロック・シーン全てを飲み込んだようなサマー・オブ・ラヴ、そして巨大な足跡を残したビトールズ、それぞれが終演を向かえた1970年、まずジェイムスの「Fire And Rain」がヒット。このヒットが新しい時代の扉を開け、その翌年、キャロルの「It's Too Late」が大ヒット。さらにこの曲を収録したアルバム「TAPESTRY」は15週間もヒット・チャートの1位を独占し、302週(およそ6年間!)に渡ってチャートに居座るという歴史的な大ヒットを記録します。そんなエポックメイキングな2曲。ですが二人はいたって自然体で歌う。それがまた良いんですよね~。

続いて披露されたのはその「TAPESTRY」の冒頭を飾ったアップ・ナンバー「I Feel The Earth Move」。キャロルは立ち上がりまるでメンバーそれぞれを鼓舞するように歌い、バンドをグイグイ引っ張っていく。彼女の崩れそうで崩れないハスキー・ヴォイスがまた格好良い!!痺れますね~。そしてそんなキャロルにしては珍しい程ロック・テイストなこの曲で盛り上がった後は、待ってましたの「You've Got A Friend」。二人が歌うこの曲を聴きたくて武道館まで足を運んだという方も多かったのでは?もちろん私もこの曲が1番楽しみでした!

あの頃の二人には、お互いのアルバムにゲスト参加し合ったり、ライヴで共演を重ねたり、音楽で繋がる絆のようなものを感じますよね。それがシンガー・ソング・ライターという新しいムーヴメントを産み出す訳ですが、そういう時に生まれる独特の空気感、それを最も濃厚に感じさせてくれるのが「You've Got A Friend」なんですよね。

71年のアルバム「TAPESTRY」に収録されたこの曲ですが、ほぼ同時期にジェイムスがカヴァーし、そちらが大ヒット。この曲はキャロルがジェイムスについて作った曲だとか、いやそうじゃないとか、諸説あるようですけどね…。ま、どちらにしろ不世出の大名曲ですよ。ジェイムスはこの曲で71年度のグラミー賞にて最優秀ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス部門を受賞しています。さらにキャロルにいたっては、「It's Too Late」で最優秀レコード部門、「TAPESTRY」で最優秀アルバム部門、そして「You've Got A Friend」で最優秀ソング部門と、主要3部門を制覇。ちなみにもう一つの主要部門である最優秀新人部門は、ジェイムスの奥方となるカーリー・サイモンが受賞しています。71年とは、そういう時代だったんですね。

二人が歌う「You've Got A Friend」。悔いのないように噛みしめてきました。素晴らしいメロディと重なり合う二人の声。キャロル独特の儚く切ない歌声を、ジェイムスが優しく包み込むように。いや~、何か胸を締め付けられるような素晴らしさでしたね。あの頃からもう40年近くが立ってますけどね、こうしてまた二人並んでこの曲を歌ってるなんて、なんか素敵ですよね。しかもこうやって日本でそれを生で聴けたなんて!!

拍手喝采のなかステージを後する二人。しばし余韻に浸りながらアンコールを待つ観客。そして仲良く戻ってきた二人が歌ったのは「Up On The Roof 」。ドリフターズに提供され大ヒットしたゴフィン&キング曲。何度も書きますけど、これも大名曲! ! キャロルのセルフ・カヴァーも良いですし、ジェイムスもカヴァーしていますね。ここでも二人それぞれが各々の色彩で歌い継ぎます。

そして「How Sweet It Is (To Be Loved by You)」。最後の最後でH=D=H作のモータウン曲が登場するマジック! もちろんジェイムスがカヴァーしている曲なのでなんら不思議はありません。ですがそれ以上にここでマーヴィン・ゲイのカヴァーが登場することにより、二人の音楽には、ティン・パン・アレイやSSWはもちろん、ジャズやブルースも、フォークやカントリーも、R&Bも、ニュー・ソウルも、そしてモータウンも、ありとあらゆるエッセンスが自然に脈打っているということをあらためて感じさせられ、なんか嬉しくなりました! 音楽って良いな~と。ホントこういう音楽を好きで良かったな~と。

幸せなモータウン曲が終わり、メンバー全員が1列に並び観客の声援に応えます。するとキャロルが人差し指をかかげ、「もう1曲!!」みたいな仕草をして、メンバーがドタバタと楽器を手にして始まったのが「The Loco-Motion」。これはね、ライヴの最後にふさわしいノリノリな感じで。しかも途中ジェイムスもリード・ヴォーカルをとるおまけつき。ロコモーションを歌うジェイムス、なんか微笑ましかったですね。

あの頃、あの頃、と連呼してきましたけど、思い返せば、二人の歌声はことさらにノスタルジックなものではなく、現在の等身大の二人として生命力に溢れる素晴らしい歌声でした。そして本当の名曲は、いつまでたっても瑞々しい程に名曲なんだなと。あ~、幸せな気持ちになるライヴでした…。


5月には、今回のツアーのきっかけにもなったといわれる、07年に行われたトルバドール50周年記念コンサートでの二人の共演ライヴがCD/DVD化されるそうですね。そちらも楽しみです!


~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 10.04.24 キャロル・キング&ジェイムス・テイラー@武道館 その1
 10.04.13 マイ・ベスト・ゴフィン&キング
 09.02.01 08年度、グラミー特集:ジェイムス・テイラー

キャロル・キング&ジェイムス・テイラー@武道館 その1

2010-04-24 14:03:53 | SSW
CAROLE KING / THE CARNEGIE HALL CONCERT ~ JUNE 18, 1971

「すぐ戻るわね」。彼女がステージを去るとオーディエンスは沈黙の中で息を呑む。数秒後、ファンは金切り声を上げる。彼女がアコースティック・ギターを従えた長年の友人であるジェイムス・テイラーと一緒に戻ってきたのだ。
(キャロル・キングのライヴ・アルバム「THE CARNEGIE HALL CONCERT ~ JUNE 18, 1971」のライナーノーツより抜粋)

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2010年4月14日、武道館。キャロル・キング&ジェイムス・テイラーの来日公演初日、開演時間を少し過ぎたところで客電が落ち、ステージの袖口から二人が手を繋いで現れました。まだ誰も居ないステージにふらっと二人が現れた感じ。その瞬間、あの頃の空気もふわっと舞い込んできたような…。あの頃というのは、キャロル・キングがカーネーギー・ホールでコンサートを開いた1971年の頃。もちろんその頃に比べれば二人は年月相応の歳をとりました。ですがその姿から、若き頃、カーネギーホールでのアンコールにジェイムス・テイラーを連れて戻ってきたキャロル・キングを想像させられました。

あ~、本物だ!! あの二人だ!!

ピアノの前に座るキャロル・キング、そしてギターを手にするジェイムス・テイラー。1曲目は「Blossom」。まずはジェイムス・テイラーの曲から。70年リリース作「SWEET BABY JAMES」収録曲ですね。キャロルのピアノをバックにジェイムスが歌う。その歌声はあの頃と変わらない程に優しく、暖かく、そして艶やか。続いてキャロル・キングの「So Far Away」。71年の歴史的名盤「TAPESTRY」からのスロー・ナンバー。この曲をジェイムスのギターで聴けるのも感無量ですが、それ以上に彼女が “ソ~ファ~ラウェイ~” と歌い出した瞬間、その歌声にグッときちゃいました。若い頃は「そばかす声」なんて評されてましたが、その魅力は70歳が近づいた今も変わりません。決して抜群の歌唱力!って訳ではないのですが、彼女にしかないソウルフルな魅力がありますよね。

ここまで二人の他にはリー・スカラーのベースだけでしたが、ここでギタリストのダニー・クーチマーが紹介され、彼の作となる「Machine Gun Kelly」。元々はダニーが率いたバンド、ジョー・ママのデビュー・アルバムに収録された曲ですが、71年にジェイムスが「MUD SLIDE SLIM AND THE BLUE HORIZON」でカヴァーしているので、ここではジェイムスが歌います。それにしてもダニー・コーチマーは渋いですね~。良いギター弾いてました!

セット・リストはジェイムスとキャロルの曲が交互に近いかたちで披露されていきます。バックにはラス・カンケル(ds)、リー・スカラー(b)、ダニー・コーチマー(g)というセクションの面々。今回のライヴはキャロルとジェイムスの共演というだけでなく、バックにこのセクションが付くということがまたスペシャルなんですよね。ジェイムス・テイラーのバック・バンドとしてあまりにも有名ですが、ダニー・コーチマーはあの頃のキャロルを支えたギタリストでもあります。それにしてもこの3人の繰り出す、洗練されつつも暖かく、そしてふくよかなリズム!! 堪りませんね~。

さらにキーボーディストのロビー・コンドールが多彩な音色でサポートし、3人のバック・コーラス隊がハーモニーを添える。ときにアコーディオンやヴァイオリンなんかも登場しました。そしてそれらをキャロルのピアノと、ジェイムスのアコースティック・ギターが引っ張っていく。特にジェイムスのアコギは上手いですね~。サラッとしたしなやかさの中にブルージーな味わいがある。流石でした。そんな極上サウンドのなか、あの名曲の数々を二人の歌声で聴く。なんという贅沢!!

そしてこの二人が醸す空気感がまた良いんですよね。キャロルがジェイムスの隣に腰掛けて歌った「Crying In The Rain」の素晴らしかったこと。この曲はキャロルがブリル・ビルディング時代にハワード・グリーンフィールドと共作し、エヴァリー・ブラザーズに提供された大名曲ですね。ジェイムスによるカヴァーも有名ですが、まさかキャロルとジェイムスのデュエットで聴けるとは! 肩を寄せ合うように歌う二人の仲良さそうな姿がね~、なんか羨ましくなっちゃいました。

「Mexico」の後には、客席からリクエストが飛んだのでしょうか? 「あれはゴフィンと作った曲ね」みたいな、あくまでも雰囲気ですけど…、そんなキャロルの声の後に、「確かこんな感じだったかな?」みたいな感じでジェイムスが「Pleasant Valley Sunday」のさわりをギターの弾き語りでちらっと歌ってみると、それを引き継ぐようにキャロルがピアノの弾き語りでサビを歌ってみたり。

また、観客から “I love you Carole !” みたいに叫ばれ、照れ笑いを浮かべるキャロルを観てすかさずジェイムスが “I love you too Carole” みたいな感じにキャロルへ語りかけたり。また演奏中にふざけるジェイムスを観て、キャロルが楽しそうに笑ってたり。そんなちょっとした瞬間に感じられる、ライヴならではの親密感が素敵でしたね。それにしてもジェイムスはダンディな雰囲気を醸しながらもウィットに富んでると言うか、ちょっぴりお茶目な感じで面白かったですね。観客から意味不明な声援が飛んだ時も、妙に流暢な日本語で「すいませ~ん、分かりませ~ん」と言って笑いをとっていました。

そんなジェイムスに比べ、キャロルは元気でアクティヴな印象。どちらかと言うとピアノの前でしっとりと歌うイメージがありますが、もちろんそんな素敵なキャロルもたっぷり堪能させて頂きましたが、それだけではありませんでした。例えばジェイムスの「Shower The People」ではピアノを離れコーラス隊の列に並んでハーモニーを付けてみたり。アップ・テンポの曲では鍵盤をロビー・コンドールに任せ、ステージ狭しと動き回りながら歌ってみたり。なかでも前半のハイライトとなった「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」は圧巻でした。元々はアレサ・フランクリンに提供されたゴフィン&キングの名曲。彼女のセルフ・カヴァーが「TAPESTRY」にも収録されてますが、私としては正直、この曲はアレサが歌わなくちゃ…、みたいな気持ちがあったりもしました。ですがマイクを握り身体全体で歌うかのようなキャロルの人間味溢れる熱唱に圧倒されました。サビを観客に歌わせるエンターテイナー振りも含めて素晴らしかった!!


なんか、ちょっと長くなったので、次回に続きます


ーセットリストー

01. Blossom
02. So Far Away
03. Machine Gun Kelly
04. Carolina In My Mind
05. Way Over Yonder
06. Smackwater Jack
07. Country Road
08. Sweet Seasons
09. Your Smiling Face
10. Song Of Long Ago
11. Long Ago And Far Away
12. Beautiful
13. Shower The People
14. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman

ー休憩ー

15. Copperline
16. Crying In The Rain
17. Mexico
18. Sweet Baby James
19. Jazzman
20. Will You Love Me Tomorrow?
21. Steamroller Blues
22. It's Too Late
23. Fire And Rain
24. I Feel The Earth Move
25. You've Got A Friend

ーアンコールー
26. Up On The Roof
27. How Sweet It Is (To Be Loved by You)
28. The Loco-Motion

*既に記憶が曖昧です。曲目等間違いがありましたらごめんなさい。特に二人の会話につきましては、私は英語がまったくダメですので、イメージと言うか雰囲気を味わって頂ければ幸いです。

キャロル・キング&ジェイムス・テイラー@武道館 その2

白イチゴのタルト

2010-04-24 01:26:57 | 余話
キルフェボンの「白イチゴのタルト」です!! ワンカット 1,575円です!!

たかがケーキの1切れに1,575円を払うのはかなり勇気がいりましたが、昨日は妻の誕生日だったので、思いきって買ってみました。こんな時ぐらいしか白イチゴというものを食べる機会も無いでしょうからね。

いや~、美味しかったです。白イチゴは赤いイチゴに比べて甘みは少ない感じでしたが、フレッシュな爽やかさがあって、ババロワ的な部分とタルトとの一体感も素晴らしく、流石はキルフェボンです。見た目も可愛らしいですしね。

で、久々の更新がケーキの話題ですか? ジェイムス・テーラー&キャロル・キングのライヴ・レポはどうした?って感じですが、すいません…、さぼり気味で。ジェイムス&キャロルについては明日にでもアップしますのでお楽しみに!

そう言えば、フジロックまであと100日を切ったの知ってました?


@アースデイ東京2 日目

2010-04-18 14:17:07 | フェス、イベント
という訳で、今日もアースデイ東京に来ています。今日は天気も良く暖かいせいか、凄い人出です。先程飲食エリアを覗いてみましたら、もうぎゅうぎゅうでした。先程ゴンチチが終わりました。青空の下で聴くゴンチチ、気持ち良かったです。これから羊毛とおはなです。楽しみ!


帰宅後追記:

ゴンチチはゴンチチでしたね~。当たり前ですけどね。なんというかマイペース。ゴンチチの二人がギターを弾きはじめると、時の流れがゴンチチのリズムに身を任せたような空気に変わるんです。曲目は「課外授業」や「放課後の音楽室」といったCMでも同じみの曲に、「スカボロ・フェアー」や「マイ・フェイヴァレット・シングス」といったカヴァーを交えた親しみやすい選曲でした。「課外授業」は良い曲だな~。ゴンザレスさんの“うどんすきの話”も面白かったです。

羊毛とおはな は、実はライヴを観るのは初めてだったのですが、おはなさんって、素晴らしい声してますね。その歌声に和みながらもうっとりでした。スティングのカヴァーなんかも良かったですけど、最後の「カントリー・ロード」は絶品でしたね。またライヴを観てみたいです。

この後は会場をブラブラしながら、浜崎貴司さんや、東田トモヒロさん、そして加藤登紀子さんなんかをチラチラ観たり観なかったり…。あとディジュリドゥや、ジョウハープ、カリンバ、そして各種パーカッションといった民族楽器があちらこちらで売られているので、それらを眺めたり。あるカリンバ屋さんの店先で、本物のアフリカ人と思われる方のジャンベライヴが始まったりして、なんかアースデイらしくて良かったです。

でも2日連続は少々疲れたのでこの日は早めに帰りました…。











~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

本物志向のジャンベを扱うお店「民族楽器あれこれ」のご紹介
 10.04.09 ジャンベの音色に誘われて



@アースデイ東京

2010-04-17 18:22:10 | フェス、イベント
今日は地球のことを考えて行動する日です。という訳で、代々木公園で行われている、アースデイ東京に来ています。色々なブースを観て回って、フジロックのスタンプ・ラリーをやって、オーガニックなホットドッグやらを食べて、あ~マイ皿持ってくれば良かった…、と反省したり。で、なんだかんだでお楽しみはやっぱりライウ゛ですよね。しかしブラブラ遊んでいるうちにLeyonaが終わってしまいました。これからOharu with k そしてブルース・ザ・ブッチャー&ムッシュかまやつ! 楽しみです。


帰宅後追記:

今年のアースデイ東京は、いつもの代々木公園のイベントエリアと、さらにその向かいの広場までに会場を拡大し、例年以上に大きなイベントとなっていました。昨今のエコや環境問題への関心の強さを感じさせられましたね~。そして会場が広くなった分、空間に余裕ができたために大変過ごしやすく、より一層ピースフルな雰囲気のイベントになった印象です。

会場内をぶらぶらしている時に、メインステージから和製キャロル・キングのような、フォーキーでソウルフルな女性ヴォーカルが聴こえてきたんです。これ誰だろう?と思いながらも観に行かなかったのですが、後で調べたらマジェスティック・サーカスの児玉奈央さんだったんですね~! ソロだと随分違う雰囲気の歌を歌うんですね~。観なかったことが悔やまれます。また次の機会にちゃんと観たいと思います。

Oharu with k は格好良かったですね~。石井勝彦さんのギター、野外に映える良い音してました。最後の「風に吹かれて」は染みましたね。そしてblues.the-butcher-590213。今回はムッシュかまやつ氏を向かえてのステージ。そのムッシュが中心かと思いきや、彼の立ち位置は意外にも一番端っこでした。ですがさすがに「Be-Bop-A-Lula」、「Walking The Dog」、「Kansas City」、「High Time Baby」など、両者の共演アルバムに収録されたビートバンドっぽい曲を中心にした構成でしたね。しかしその分ハープのKOTEZさんは、先日の春風なんかに比べると若干テンション低めだったかな?なんて思ったり。とは言え相変わらず怒濤のようなブロウを決めて盛り上げていました。終盤にはLeyonaさんも合流し華やかなステージになりましたね。最後は「Mojo Boogie」で大団円。どうせなら「Got My Mojo Workin'」も演って欲しかったですけどね~。ムッシュは妙に楽しそうでした。

アースデイ東京、明日(4月18日)もあります。明日はゴンチチが出るんですよね~。行きたいな~、って言うか多分行きますけどね…。






マイ・ベスト・ゴフィン&キング

2010-04-17 03:13:19 | SSW
キャロル・キング&ジェイムス・テイラーのスペシャルな来日公演が始まりました。私も初日の4月14日に観に行きましたが、そのステージでは、ブリル・ビルディング時代のゴフィン&キングの名曲も歌われています。という訳で、今回はゴフィン&キングの数ある名曲の中から、私の大好きな10曲を選出。YouTubeで見つけた関連動画へのリンクも貼ってみました。

*コンサートの内容に触れますので、これから観に行かれる方は読まないことをお勧めいたします。


(You Make Me Feel Like) A Natural Woman

LADY SOUL
ブリル・ビルディング時代に終わりが近づいた頃にアレサに提供し、大ヒットした名曲。先日のキャロル・キング&ジェイムス・テイラーのライヴ(以降、先日の二人のライヴ)では、前半のハイライトとして登場し、キャロルの彼女らしい暖かくもソウルフルな歌声が素晴らしかったです。正直、この曲はアレサで聴かないと…、なんて思っていた私も、キャロルの熱演に感動しました。でもアレサの歌も素晴らしい!
http://www.youtube.com/watch?v=Yi6dqhi8Ptw&feature=related

Will You Still Love Me Tomorrow

THE SHIRELLES / GREATEST HITS
作曲が得意なキャロル・キングと、作詞に秀でたジェリー・ゴフィン。二人は意気投合し結婚します。そんなゴフィン&キングの最初のヒット曲がこのシュレルズに提供した「Will You Still Love Me Tomorrow」でした。これはガールズ・ポップの金字塔。しかもキャロル・キングのソロ作「TAPESTRY」でのセルフ・カヴァーもまた良い味わいなんですよね~。 もちろん先日の二人のライヴでもいいところで歌われて、キャロルの歌にジ~ンときました。ジェイムス・テイラーの、そっと添えるようなハーモーニーがまたね。
http://www.youtube.com/watch?v=-_u53G4XLko&feature=related

Take Good Care of My Baby

THE SILVER BEATLES / THE ORIGINAL DECCA TAPES
はい、すいません、ブートレッグです。ビートルズがデビュー前にカヴァーしていたゴフィン&キング作品。オリジナルはボビー・ヴィーですかね? でも私にとってはやっぱりビートルズなんですよね~。有名なデッカ・オーディションのデモ・テープに収められたものです。ビートルズは他にゴフィン&キング作品の「Chains」もカヴァーしてますし、作者クレジットをレノン&マッカートニーとしたのも、おそらくブリル・ビルディングへの憧れからでしょうね。でも自作自演バンドの旋風を巻き起こしたビートルズが、結局はブリル・ビルディングの時代を終わらせた、とも言われています。
http://www.youtube.com/watch?v=LhdCiRCj6KU

Pleasant Valley Sunday

THE MONKEES / GREATEST HITS
そのビートルズの対抗馬として、アメリカが威信を賭けてプロデュースしたのがモンキーズ。もちろん米屈指のメロディ・メイカー、ゴフィン&キングも楽曲提供しました。この曲は格好良いですよね~。先日の二人のライヴでは、セットリストにはなかったものの、客席からリクエストが飛んだのですかね?ジェイムスが「確かこんな感じだったかな?」って感じでサビをギター弾き語りでチラッと歌い、それを引き継ぐように今度はキャロルがピアノを弾きながら歌い、二人とも楽しそうでした。ほんの一瞬でしたが、ちょっと幸せな一時でしたね~。
http://www.youtube.com/watch?v=sUzs5dlLrm0

The Locomotion

LITTLE EVA / THE LOCO-MOTION
ゴフィン&キング作品で最も有名な曲はやっぱこれでしょうね。62年の大ヒット曲。このリトル・エヴァはもともとはゴフィン&キング夫妻のベビー・シッターだったそうですから、なんか良い時代でしたよね。後のグランド・ファンク・レイルロードによるカヴァーも有名ですね。先日の二人のライヴでは最後の最後で演奏され盛り上がりました。やっぱりこの曲は演ってくれないとね。
http://www.youtube.com/watch?v=C5OoQadZTPk

Some Kind Of Wonderful

THE DRIFTERS / GOLDEN HITS
ベン・E・キングが抜けた後のドリフターズによるヒット曲。これも良い曲なんですよね~。でも残念ながらYouTubeの映像は見つけられませんでした。まともなカヴァーすら探せませんでした。良い曲なのに…。グランド・ファンク・レイルロードで有名な方は沢山出てきたんですけどね~。

Up On The Roof

LOURA NYRO / CHRISTMAS AND THE BEADS OF SWEAT
この曲もオリジナルはドリフターズの大ヒット曲。でもドリフターズから2曲選ぶのもなんなので、敢えて70年のローラ・ニーロのアルバムから。この曲も大名曲ですね。キャロル・キングによるセルフ・カヴァーもありますし、ジェイムス・テイラーのカヴァーもある。色々聴き比べてみるのも面白いかも。
http://www.youtube.com/watch?v=RVYqR0bnoqQ&feature=PlayList&p=7A54B91DD9FAE76D&playnext_from=PL&playnext=1&index=73

Wasn't Born To Follow

OST / EASY RIDER
映画「イージーライダー」にゴフィン&キング作品が使われているというのも面白いですよね。元々は「THE NOTORIOUS BYRD BROTHERS」に入っていた曲ですけどね。キャロル・キングによるヴァージョンは、それと同じ頃にリリースされたザ・シティの「NOW THAT EVERYTHING'S BEEN SAID」に収められていますが、こればっかりはバーズのセンス勝ち!
http://www.youtube.com/watch?v=gWhgLjim6Rc&feature=related

It Might As Well Rain until September

CAROLE KING / COMPLETE RECORDINGS 1958-1966
ブリル・ビルディング時代のキャロル・キングは作曲家として裏方に徹していた印象がありますが、実は数枚、シンガーとしてもシングルをリリースしているようです。そのうち、唯一のヒット作がこの曲。もちろんゴフィン&キング作品。ソロシンガーとして大成功を収めるあの歌声とは違う初々しさがあって、これもなかなか素敵です。でやっぱ曲が良い!!
http://www.youtube.com/watch?v=RwMp5sE0Kyw&feature=related

Ferguson Road

CAROLE KING / RYMES & REASONS
ゴフィン&キングは、二人が離婚してからも仕事仲間であり続けたようです。こちらはキャロル・キングの72年のソロ4作目。その中にひっそりと収められたゴフィン&キング作「Ferguson Road」。この曲、あんまり人気無いんですかね…。私大好きなんですけど。残念ながら動画はありませんでした…。