2015年総括企画、今回はニューアーティスト。「ルーツな日記」が選んだ4組、どうぞ!
LEON BRIDGES / COMING HOME
2015年のソウル界を席巻したニューアーティストと言えばこの人でしょう。サム・クックの再来と話題沸騰のテキサス州フォートワース出身のリオン・ブリッジズ。地元で皿洗いをしていたという青年が、40社にもなるレコード会社による争奪戦の末に、米コロムビアと契約しリリースしたデビュー作がこちらの「COMING HOME」。まるで古き良き60年代にタイムスリップしたような朗らかなサザン・ソウル。飾り気のない朴訥とした黒いフィーリングが、現行シーンにおいて逆に新鮮。しかもまだ20代半ばという若さですから、これからの活躍が本当に楽しみです。
https://www.youtube.com/watch?v=C_oACPWGvM4
Andra Day / Cheers To The Fall
AppleのCMでスティーヴィー・ワンダーと共演する女性シンガー、その堂々たる歌声を聴いてこの人は誰?と驚かれた方も多かったのでは?その女性シンガーこそアンドラ・デイ。サンディエゴ生まれの30歳。デビュー作としては遅咲きですが、とにかくその存在感抜群の声と、圧倒的な歌唱力に驚かされます。ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモン、ローリン・ヒルなどに影響を受けたというのも頷ける、ヴィンテージなジャズ&ブルースの香りを濃厚に湛えながら、サウンド的にはモダンなアプローチ。所謂エイミーワインハウス以降のレトロソウルの文脈で語られもしそうですが、間違いなくそんな枠には収まりきらない破格な才能。生で聴いてみたいです!!
https://www.youtube.com/watch?v=U0Z3YFRqztA
LIZ VICE / THERE'S A LIGHT
最初、ジャケ写を見たとき、古いゴスペルかなにかのリイシュー盤かと思いましたが、歴とした新録アルバム。彼女はオレゴン州ポートランド出身のリズ・ヴァイス。1983年の生まれですから現在32歳。若い頃に血液透析から腎臓移植という闘病生活を送り、それを乗り越えてのデビュー作です。実は私も腎不全という病気を患っているので、腎臓病と闘っている人は応援したくなっちゃうんですよね~。で、そのリズ・ヴァイス、このジャケ写の雰囲気から勝手にスピリチュアルな雰囲気を想像していたのですが、これが土っぽいサザン・ソウル、スワンプ・ロックな良い塩梅なんですよ! リズ・ヴァイスの歌声は飾らないながらもソウルフル、そして時折見せるシャウトは意外とロックな響き!! 決して派手さはないものの、凛とした佇まいに痺れます!!
https://www.youtube.com/watch?v=C2g3yv4IfOo
SONGHOY BLUES / MUSIC IN EXILE
最後はアフロ。西アフリカはマリ出身のソンゴイ・ブルース。彼らのデビュー作はワールド・ミュージック界隈で大変話題になりましたね。マリというと、トゥワレグ族から現れた砂漠のブルース、ティナリウェンが思い浮かびますが、こちらはその名の通りソンゴイ族の若者4人によるアフリカン・ブルース・バンド。ティナリウェンのようなどっぷりとしたトリップ感を持ちながらもファンキーなグルーヴを感じさせてくれるところが私好み。マリの民族的な紛争やその歴史については恥ずかしながらよく分からないのですが、ソンゴイ・ブルースの音楽はそういう事柄を超えた生命力に溢れています!!
https://www.youtube.com/watch?v=HXth2H3i21Y