GRACE POTTER AND THE NOCTURNALS / THIS IS SOMEWHRE
さて、今回は前回からの続きでグレイス・ポッター&ザ・ノクターナルズの最新作「THIS IS SOMEWHRE」です。3rdアルバムにしていよいよメジャーから(日本ではavexから)リリースされたアルバムです。過去2作でのグレイス・ポッターと言えば、ソウルフルでアーシーな歌声と、ブルース/ルーツ色豊かなサウンド、そして泥臭くなり過ぎない洗練されたセンス。
しかし去る7月末にフジロックに登場した彼女等はそんな御託を吹き飛ばす勢いで激しくロックしていました! avexのサイトでのプロフィールには「現在バンドの面々はLed Zeppelinにハマっている」とあります。ここで言われる「現在」は少し前の話かもしれませんが、フジで見せたダイナミックなノリは確かにツェッペリンの影響を感じさせるものでした。
さて、私はこの新作をフジロック会場で購入したのですが、帰宅後これを聴くのが楽しみでなりませんでした。果たしてどんなサウンドなのか? なにせあのライブを見た後ですからね。で、じっくり聴いた第一印象は、まず曲が良い! ライブで初めて聴いてそのまま脳裏に焼き付いていた曲達がこのCDでさらに甦りました。と言ってもツェッペリン的には聴こえず、良い意味でアメリカ~ンな感じ。
そしてグレイス・ポッターの歌声! 前2作に比べて格段に濃くなっています。周りの空気にまとわり付くような粘り気と、一節一節ごとに表情を変えるような繊細な表現力はもうエモーショナルの塊のような感じ。
ねっとりと始まり爽快なロックへと展開する1曲目「Ah Mary」。ポッターの緩急付けた声捌きが素晴らしい。そしてほのかな哀愁が秀逸な2曲目「Stop the Bus」では終盤に向けて徐々に激しさを増していくポッターの歌唱に耳を奪われます。さらに「Apologies」や「You May See Me」辺りのスロー・ナンバーでの魅力は言わずもがな。そして今回新機軸と言えそうな「Ain't No Time」「Mr. Columbus」「Mastermind」で聴かせる開放感溢れるアメリカン・ロック! これがまた最高なんです!
ですが一番驚かされたのは、ライブで魅せた豪快なロック魂や、過去作で聴かせたソウルフルでルーツなフィーリング、メジャーに打って出た楽曲のクオリティー、それらを絶妙にブレンドさせて、一つの情感豊かな作品に纏め上げられていること。はじめはメジャー感が強すぎるかな?とも思ったのですが、なかなかどうして、聴けば聴くほど随所に散りばめられたカントリー・テイストとソウルフルな味わいが染みてくるのです。それはバンドと共同プロデュースを努めたマイク・ダリィの手腕にもよるところだと思われますが、過去作でも感じられた彼らの洗練されたセンスはやっぱり生きていたな~と。
でもね、多少不満もありますよ。例えばスコット・ターネットのスライド・ギターが暴れる「Here's to the Meantime」や「Big White Gate」辺りのスワンプ・ロック的な香りのする曲がもう少し有っても良かったかな…とか。それこそツェッペリンばりに印象的なギターリフから始まるような曲が有っても良かったかな…とか。ライブで一番記憶に残った『ウ~ラッラ~』っていうサビが印象的な曲「If I Was From Paris」が入ってないとか…。
ま、その辺りはまた次作に期待ということで。もちろんそれを差し引いてもこのアルバムが最高な作品であることには変わりありません。そしてグレイス・ポッターは奇跡的に素晴らしいシンガーです! あ~、また来日してくれないかな~
さて、今回は前回からの続きでグレイス・ポッター&ザ・ノクターナルズの最新作「THIS IS SOMEWHRE」です。3rdアルバムにしていよいよメジャーから(日本ではavexから)リリースされたアルバムです。過去2作でのグレイス・ポッターと言えば、ソウルフルでアーシーな歌声と、ブルース/ルーツ色豊かなサウンド、そして泥臭くなり過ぎない洗練されたセンス。
しかし去る7月末にフジロックに登場した彼女等はそんな御託を吹き飛ばす勢いで激しくロックしていました! avexのサイトでのプロフィールには「現在バンドの面々はLed Zeppelinにハマっている」とあります。ここで言われる「現在」は少し前の話かもしれませんが、フジで見せたダイナミックなノリは確かにツェッペリンの影響を感じさせるものでした。
さて、私はこの新作をフジロック会場で購入したのですが、帰宅後これを聴くのが楽しみでなりませんでした。果たしてどんなサウンドなのか? なにせあのライブを見た後ですからね。で、じっくり聴いた第一印象は、まず曲が良い! ライブで初めて聴いてそのまま脳裏に焼き付いていた曲達がこのCDでさらに甦りました。と言ってもツェッペリン的には聴こえず、良い意味でアメリカ~ンな感じ。
そしてグレイス・ポッターの歌声! 前2作に比べて格段に濃くなっています。周りの空気にまとわり付くような粘り気と、一節一節ごとに表情を変えるような繊細な表現力はもうエモーショナルの塊のような感じ。
ねっとりと始まり爽快なロックへと展開する1曲目「Ah Mary」。ポッターの緩急付けた声捌きが素晴らしい。そしてほのかな哀愁が秀逸な2曲目「Stop the Bus」では終盤に向けて徐々に激しさを増していくポッターの歌唱に耳を奪われます。さらに「Apologies」や「You May See Me」辺りのスロー・ナンバーでの魅力は言わずもがな。そして今回新機軸と言えそうな「Ain't No Time」「Mr. Columbus」「Mastermind」で聴かせる開放感溢れるアメリカン・ロック! これがまた最高なんです!
ですが一番驚かされたのは、ライブで魅せた豪快なロック魂や、過去作で聴かせたソウルフルでルーツなフィーリング、メジャーに打って出た楽曲のクオリティー、それらを絶妙にブレンドさせて、一つの情感豊かな作品に纏め上げられていること。はじめはメジャー感が強すぎるかな?とも思ったのですが、なかなかどうして、聴けば聴くほど随所に散りばめられたカントリー・テイストとソウルフルな味わいが染みてくるのです。それはバンドと共同プロデュースを努めたマイク・ダリィの手腕にもよるところだと思われますが、過去作でも感じられた彼らの洗練されたセンスはやっぱり生きていたな~と。
でもね、多少不満もありますよ。例えばスコット・ターネットのスライド・ギターが暴れる「Here's to the Meantime」や「Big White Gate」辺りのスワンプ・ロック的な香りのする曲がもう少し有っても良かったかな…とか。それこそツェッペリンばりに印象的なギターリフから始まるような曲が有っても良かったかな…とか。ライブで一番記憶に残った『ウ~ラッラ~』っていうサビが印象的な曲「If I Was From Paris」が入ってないとか…。
ま、その辺りはまた次作に期待ということで。もちろんそれを差し引いてもこのアルバムが最高な作品であることには変わりありません。そしてグレイス・ポッターは奇跡的に素晴らしいシンガーです! あ~、また来日してくれないかな~