ALLEN TOUSSAINT'S JAZZITY PROJECT / GOING PLACES
前回からの続き、アラン・トゥーサンのライブ(10月22日ビルボードライブ東京、1stショウ)後編です。
まさかの「Lady Marmalade」の後はトゥーサンのピアノ・ソロ。確か始まりは「Sweet Georgia Brown」だったと思います。そこから知ってるような知らないようなフレーズが変幻自在に繰り出されます。アドリブなのかジャズやクラシックのフレーズを紡いだものなのか、とにかく流麗でエレガント。
クラシック的な演奏の後に彼の指が奏でたのはあの「Tipitina」。また一気にニューオーリンズの世界へと引き戻されます。そして「Tipitina」をマイナー調に改作した「Tipitina And Me」へ移り、さらに「Tipitina」へ戻ったと思ったらすぐに「Big Chiaf」へ展開。ちょっとしたプロフェッサー・ロングフェア・メドレーです。自らもニューオーリンズ・ミュージックのパイオニアであり、既に大御所と言われるほどの地位にありながら、先輩へのリスペクトの気持ちを忘れない姿勢も素晴らしいです。
さて古き良き時代に戻った後はまたがらっと雰囲気を変えてクールなジャズ・ナンバーを。04年にトゥーサンはおそらくキャリア初となるジャズ・アルバム「GOING PLACES」をリリースしていますが、そこからの選曲でしょうか? R&Bとは明らかに異なるシックな演奏に酔わされました。
さてさて、この次の曲なんですが、記憶が曖昧です。と言うより覚えていません。「Everything I Do Gonna Be Funky」を演ったのですが、その前にもう一曲あったと思うんです。「Happiness」とか演りましたっけ? う~ん思い出せません…。
さて、気を取り直して。コンサートもいよいよ終盤。メンバー紹介を挟みトゥーサンのMC。MCの内容は英語なのでよく分かりませんでしたが、東京は素晴らしい!みたいなことを言ってたのでしょうか?最後にやたら流暢に「トキオ、信じられな~い!」と言って笑いを取ってました。
そして「I'm Gone」。これは意外な選曲。この位置にこの曲ですか?これってトゥーサンの代表曲なのでしょうか?私はさほど注目したことがありませんでした…。74年にトゥーサンがプロデュースしたキング・ビスケット・ボーイのアルバムに収録されてる曲です。でも曲調はもろ60年代風なので、その時代に誰かがヒットさせた曲なのでしょうか? いかにもニューオーリンズ・クラシック的な愛嬌の感じられる良い曲ですけどね。
本編最後は待ってましたの「Southern Night」。正真正銘の代表曲中の代表曲。大傑作ソロアルバム「SOUTHERN NIGHT」からのタイトル曲です。ほとんどピアノ弾き語りに近い形でしっとりと披露。エフェクターの掛けられた歌声が心に染み入りました。やっぱりこの曲は演らないとね。
そして大きな拍手を受けながらトゥーサンが一旦退場。バンド・メンバーはその場に居残り、客席にアンコールを促します。一際歓声が大きくなったところでトゥーサンが再登場。最後は「Fun Time」。トゥーサンがプロデュースしたジョー・コッカーの78年作「LUXURY YOU CAN AFFORD」の一曲目を飾った曲です。これも名曲ですね。最後に相応しいファンキー&ソウルフルな演奏で熱く終了。
約1時間20分程だったでしょうか? 昨年のピアノ弾き語りで聴かせたトゥーサンの繊細でいて転がるようなピアノ・タッチと、高音、低音、それぞれで味のある暖かい歌声はそのままに、バンドとの息の合った演奏でトゥーサン流R&Bの素晴らしさを魅せてくれた今回のライブ。途中で披露されたハーマン・ルボー(ds)と、クリス・セヴェリン(b)のソロもスリリングでカッコ良かったですし、女性客にプレゼントを渡すトゥーサンの紳士的な姿も印象的でした。観客の少なさゆえの盛り上がりの薄さが残念ではありましたが、それでもホットなステージを堪能させてもらいました。
ま、一つ残念なのは、私の大好きな「Brickyard Blues」を演ってくれなかったことでしょうか。「Soul Sister」も、「Night People」も…。それでも全編名曲のオン・パレードでしたからね。名曲を多く作りすぎるのも困ったものです。ま、それらはまた次の来日に期待しましょう。もうすぐ70歳とはいえ、まだまだ元気でしたから!
*既に記憶が曖昧なので、曲目等間違っていましたらゴメンナサイ…。一応メモを取りながら観たのですが、そのメモが解読不能だったりするので…。
*コンサート終演後にはサイン会が催され、私も持っていなかったジャズ・アルバム「GOING PLACES」(写真)をゲットし参加しました。サイン会は長蛇の列が出来るほど大盛況。トゥーサンはサインの他、トーン記号まで書いてくれました。握手もしてくれましたが、相変わらず「サンキュー」しか言えない私でした。帰宅後このアルバムを聴きました。名義はALLEN TOUSSAINT'S JAZZITY PROJECTになっています。まっとうなジャズ・アルバムです。往年の名曲「All These Things」や「Ruler Of My Heart」が粋なジャズ・アレンジで収められていたり、なかなか楽しめます。リズム隊は今回来日した二人です。あらためてライブを支えた二人の力量を感じさせられました。また、トゥーサンのピアノをじっくり堪能出来るアルバムです。バック・ミラーにトゥーサンの顔がかすかに映るジャケ写も秀逸。
~関連過去ブログ~ お茶のお供にどうぞ。
07.10.25 アラン・トゥーサン@Billboard Live TOKYO その1
06. 6. 2 アラン・トゥーサン・ライブ!(06年6月、原宿BLUE JAY WAYでのライブ)
前回からの続き、アラン・トゥーサンのライブ(10月22日ビルボードライブ東京、1stショウ)後編です。
まさかの「Lady Marmalade」の後はトゥーサンのピアノ・ソロ。確か始まりは「Sweet Georgia Brown」だったと思います。そこから知ってるような知らないようなフレーズが変幻自在に繰り出されます。アドリブなのかジャズやクラシックのフレーズを紡いだものなのか、とにかく流麗でエレガント。
クラシック的な演奏の後に彼の指が奏でたのはあの「Tipitina」。また一気にニューオーリンズの世界へと引き戻されます。そして「Tipitina」をマイナー調に改作した「Tipitina And Me」へ移り、さらに「Tipitina」へ戻ったと思ったらすぐに「Big Chiaf」へ展開。ちょっとしたプロフェッサー・ロングフェア・メドレーです。自らもニューオーリンズ・ミュージックのパイオニアであり、既に大御所と言われるほどの地位にありながら、先輩へのリスペクトの気持ちを忘れない姿勢も素晴らしいです。
さて古き良き時代に戻った後はまたがらっと雰囲気を変えてクールなジャズ・ナンバーを。04年にトゥーサンはおそらくキャリア初となるジャズ・アルバム「GOING PLACES」をリリースしていますが、そこからの選曲でしょうか? R&Bとは明らかに異なるシックな演奏に酔わされました。
さてさて、この次の曲なんですが、記憶が曖昧です。と言うより覚えていません。「Everything I Do Gonna Be Funky」を演ったのですが、その前にもう一曲あったと思うんです。「Happiness」とか演りましたっけ? う~ん思い出せません…。
さて、気を取り直して。コンサートもいよいよ終盤。メンバー紹介を挟みトゥーサンのMC。MCの内容は英語なのでよく分かりませんでしたが、東京は素晴らしい!みたいなことを言ってたのでしょうか?最後にやたら流暢に「トキオ、信じられな~い!」と言って笑いを取ってました。
そして「I'm Gone」。これは意外な選曲。この位置にこの曲ですか?これってトゥーサンの代表曲なのでしょうか?私はさほど注目したことがありませんでした…。74年にトゥーサンがプロデュースしたキング・ビスケット・ボーイのアルバムに収録されてる曲です。でも曲調はもろ60年代風なので、その時代に誰かがヒットさせた曲なのでしょうか? いかにもニューオーリンズ・クラシック的な愛嬌の感じられる良い曲ですけどね。
本編最後は待ってましたの「Southern Night」。正真正銘の代表曲中の代表曲。大傑作ソロアルバム「SOUTHERN NIGHT」からのタイトル曲です。ほとんどピアノ弾き語りに近い形でしっとりと披露。エフェクターの掛けられた歌声が心に染み入りました。やっぱりこの曲は演らないとね。
そして大きな拍手を受けながらトゥーサンが一旦退場。バンド・メンバーはその場に居残り、客席にアンコールを促します。一際歓声が大きくなったところでトゥーサンが再登場。最後は「Fun Time」。トゥーサンがプロデュースしたジョー・コッカーの78年作「LUXURY YOU CAN AFFORD」の一曲目を飾った曲です。これも名曲ですね。最後に相応しいファンキー&ソウルフルな演奏で熱く終了。
約1時間20分程だったでしょうか? 昨年のピアノ弾き語りで聴かせたトゥーサンの繊細でいて転がるようなピアノ・タッチと、高音、低音、それぞれで味のある暖かい歌声はそのままに、バンドとの息の合った演奏でトゥーサン流R&Bの素晴らしさを魅せてくれた今回のライブ。途中で披露されたハーマン・ルボー(ds)と、クリス・セヴェリン(b)のソロもスリリングでカッコ良かったですし、女性客にプレゼントを渡すトゥーサンの紳士的な姿も印象的でした。観客の少なさゆえの盛り上がりの薄さが残念ではありましたが、それでもホットなステージを堪能させてもらいました。
ま、一つ残念なのは、私の大好きな「Brickyard Blues」を演ってくれなかったことでしょうか。「Soul Sister」も、「Night People」も…。それでも全編名曲のオン・パレードでしたからね。名曲を多く作りすぎるのも困ったものです。ま、それらはまた次の来日に期待しましょう。もうすぐ70歳とはいえ、まだまだ元気でしたから!
*既に記憶が曖昧なので、曲目等間違っていましたらゴメンナサイ…。一応メモを取りながら観たのですが、そのメモが解読不能だったりするので…。
*コンサート終演後にはサイン会が催され、私も持っていなかったジャズ・アルバム「GOING PLACES」(写真)をゲットし参加しました。サイン会は長蛇の列が出来るほど大盛況。トゥーサンはサインの他、トーン記号まで書いてくれました。握手もしてくれましたが、相変わらず「サンキュー」しか言えない私でした。帰宅後このアルバムを聴きました。名義はALLEN TOUSSAINT'S JAZZITY PROJECTになっています。まっとうなジャズ・アルバムです。往年の名曲「All These Things」や「Ruler Of My Heart」が粋なジャズ・アレンジで収められていたり、なかなか楽しめます。リズム隊は今回来日した二人です。あらためてライブを支えた二人の力量を感じさせられました。また、トゥーサンのピアノをじっくり堪能出来るアルバムです。バック・ミラーにトゥーサンの顔がかすかに映るジャケ写も秀逸。
~関連過去ブログ~ お茶のお供にどうぞ。
07.10.25 アラン・トゥーサン@Billboard Live TOKYO その1
06. 6. 2 アラン・トゥーサン・ライブ!(06年6月、原宿BLUE JAY WAYでのライブ)