ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ノラ・ジョーンズ探検隊 その5

2012-10-31 17:31:17 | SSW
RODNEY CROWELL / KIN: SONGS BY MARY KARR & RODNEY CROWELL

ようやく5回目を向かえた「ノラ・ジョーンズ探検隊」。これまでデビュー前後のノラをつついてあることないこと書かせて頂きましたが、今回は今年リリースされたばかりの作品です。ロドニー・クロウェルの最新作「KIN: SONGS BY MARY KARR & RODNEY CROWELL」。

88年の名作「DIAMONDS & DIRT」のヒットで名を馳せたロドニー・クロウェル。そこからシングル・カットされた「After All This Time」がグラミー賞「Best Country Song」部門を受賞するなど、当時のカントリー・シーンを牽引していたシンガー兼ソングライター。またプロデューサーとしての活躍も知られますし、エミルー・ハリスのホット・バンドでギタリストを務めていたこともあったり、ロザンヌ・キャッシュの元旦那さんだったり。近年ではジョー・ヘンリーがプロデュースした08年作「SEX & GASOLINE」がグラミー賞「Best Contemporary Folk/Americana Album」部門にノミネートされたことも記憶に新しいですね。

その「SEX & GASOLINE」以来となるロドニー・クロウェルの最新作「KIN: SONGS BY MARY KARR & RODNEY CROWELL」は、またしてもジョー・ヘンリーのプロデュース作。しかし今作は純粋な彼の新作と言うより企画盤色が強い。ロドニー・クロウェルと作家メアリー・カーによる共作曲を豪華ゲストシンガー達が歌うという趣向です。ここにノラ・ジョーンズも招かれている訳ですが、実はノラがロドニー・クロウェルの曲を歌うのはこれが初めてではありません。「ノラ・ジョーンズの自由時間」にも収録された「Bull Rider」もロドニー・クロウェルの曲なんですよね。このあたり、ノラのカントリー趣味が伺えます。

さて、今作で気になるのはメアリー・カーの存在です。ですが失礼ながら私、彼女についてはよく知らないんです…。ロドニー・クロウェルと同郷テキサス州出身の女性作家だそうで、きっと有名な方なんでしょうけどね。さらに私、英語がダメなので作詞についても理解出来ず、その時点でこの作品コンセプトにほとんどついていけてない状態なのですが、それでもここで聴ける音楽は素晴らしい!

1曲目はロドニー・クロウェル自らが歌う「Anything But Tame」。壮快に吹き抜けるかのような昂揚感と何処かセンチメンタルな後味が秀逸なメロディ。良い曲ですね~。ボブ・ディランっぽいところも素敵。そして2曲目がノラ・ジョーンズの歌う「If the Law Don't Want You」。郷愁を誘うアコースティックな音色の中、落ち着いたトーンで歌うノラの歌声が良い。ハーモニーを付けるのはロドニー・クロウェルとエミルー・ハリス。素朴な小曲と言った赴きながら、味わいは深い。こういった曲に人肌の温もりを与えるノラの歌声は、やはり魔法のように魅力的。

しかし個人的なベスト・ソングはルシンダ・ウィリアムスの歌う「God I'm Missing You」ですね。これはもうあらかじめルシンダの為に作った曲なのではないかと思う程、彼女ならではの深淵としたアメリカーナの世界が広がる素晴らしい出来映え。この唯一無比の歌声にはホント参ります。そう言えば、数年前にスターバックスから限定リリースされた「NORAH JONES ARTIST'S CHOICE」という、ノラ・ジョーンズ自身が選曲したコンピレーション盤がありましたが、その中でノラはR&Bやカントリーのレンジェンド達に混じって、ルシンダ・ウィリアムスの「Fruits Of My Labor」を選んでましたっけ。案外、ノラもルシンダのファンなんですね。

さて、話を「KIN: SONGS BY MARY KARR & RODNEY CROWELL」に戻します。他にも盟友ヴィンス・ギルが歌う「Just Pleasing You」、リー・アン・ウーマック「Momma's On a Roll」、ロザンヌ・キャッシュ「Sister Oh Sister」、エミルー・ハリス「Long Time Girl Gone By」など魅力的な歌と曲が並びます。ハイライトはロドニー・クロウェルとクリス・クリストファーソンがデュエットする「My Father's Advice」でしょうか。クリス・クリストファーソンの渋~い声に痺れます。

それにしても、カントリーらしい雄大さと、哀愁、そして適度なポップさが絶妙にマッチした良い曲ばかりですね。プロデューサーを務めたジョー・ヘンリーも見事ですね。いわゆるジョー・ヘンリーらしさはあまり感じられないかもしれませんが、穏やかながら瑞々しく響くサウンドは流石の一言です。意外とジョー・ヘンリーとノラの相性も良いかも。いつか二人のコラボでアルバムを作って欲しいな、なんて思ったり。




~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 12.10.15 ノラ・ジョーンズ探検隊 その1(RAY CHARLES / GENIOUS LOVES COMPANY)
 12.10.16 ノラ・ジョーンズ探検隊 その2(THE DIRTY DOZEN BRASS BAND / MEDICATED MAGIC)
 12.10.21 ノラ・ジョーンズ探検隊 その3(VA / LIVE FROM BONNAROO)
 12.10.23 ノラ・ジョーンズ探検隊 その4(CHARLIE HUNTER / SONGS FROM THE ANALOG PLAYGROUND 他)

@アースガーデン”秋”&BOSSA AOYAMA 2012

2012-10-27 14:58:39 | フェス、イベント
10月27日、今日は代々木公園にて開催されている、「アースガーデン”秋”」に来ています。先程、モダン・アイリッシュ・プロジェクトのライヴを堪能しました。これから「ボッサ青山」へハシゴします。トゥリッパ・ルイスと行川さをりさん、楽しみです。



帰宅後追記:

アースガーデンはいくつかステージが有るのですが、モダン・アイリッシュ・プロジェクトが出たのはお馴染みのプランツ・ステージという小さなステージ。久しぶりに観た彼らはやっぱり格好良かったです。あの疾走するようなグルーヴにはワクワクさせられますね。大渕さんのフィドルも昂揚感たっぷりでしたし、長尾さんのギター・カッティングも相変わらずの切れ味抜群。ドラマーの田嶋さんによるカシシ(シェイカー)・ソロも間近で観れて、楽しいライヴでした。

メイン・ステージはSenkawosやPolar Chalorsを少し覗いた程度で、ほとんど観ませんでした。あとは、ルヴァンのバタハチを食べたり、その他、オーガニック&異国情緒な店舗をぶらぶら見て回ったり。このイベント独特のバザール的な雰囲気が好きなんですよね~。

ですがこの雰囲気を楽しむのも程々にして青山周辺で開催されている「BOSSA AOYAMA 2012」へ移動。まずはスパイラルレコーズにて男女ボッサ・デュオのメヲコラソン。アントニオ・カルロス・ジョピンの曲を中心にオーソドックスなボサノバを聴かせてくれましたが、ギタリストさんがエフェクトやループを駆使して神秘的な広がりを演出したり、口琴を使ったりと、情景豊かな演奏で楽しませてくれました。柔らかい歌声の女性シンガーさんも素敵でした。

続いて同じ場所でトゥリッパ・ルイス。こちらは本日のメイン・アクトです! サンパウロのインディペンデント・シーンからやって来た、新世代ブラジル音楽のヒロインだそう。流石に注目度も高いようで、会場も立ち見客で一杯になる程の盛況振り。ボサノバと言うよりはブラジル産のインディー・ポップな香りが濃く、アヴァンギャルドなスパイスも感じさせつつ、妖艶な響きを持つトゥリッパ・ルイスの存在感が際立ってましたね。バックを務めるのはガット・ギタリストとベーシストの二人だけというシンプルさでしたが、この二人のアレンジがまた素晴らしく、多彩な楽曲をグルーヴィー且つ情緒豊かに聴かせてくれました。ベーシストさんは終始ビートボックス的な口技を絡めながら、時にキーボードを弾いたり、エレキ・ギターを弾いたりとなかなかのやり手でした。終始ブラジルらしいリズムを刻んでいたガット・ギターの音色も素晴らしかったですね。

そして原宿教会で行川さをり。去年もこの場所で彼女のライヴを観て、その素晴らしさに感動したものですから、今年も楽しみにしていたのですが、その期待を裏切らない圧巻のステージでした。アカペラで歌い出した1曲目から、教会に響く彼女の歌声にただただ吸い込まれましたね。あれはブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスの曲って言ってたかな? 彼女はフライヤーのプロフィールに「抽象画を見たあとのような、声で紡ぐ物語を体感するような、そんなライヴを目指しています。」と書かれていましたが、まさにそんなライヴでしたね。幻想的に広がるスロー・ナンバーも、スリリングに駆け抜ける高速スキャットも、それら美しくも個性的な声が織りなす様々な景色を五感で体感するような、しかも原宿教会という真っ白で静謐な空間で。ホント、素晴らしいライヴでした!

この日はアイリッシュからブラジルへ、異国情緒たっぷりな一日でした~。

チック・ロジャース@蓮田 スタジオJazz

2012-10-27 10:15:44 | ブルース
CHICK RODGERS / ESSENTIALLY YOURS

随分と前の話になりますが、このままスルーしてしまってはあまりに勿体ないので今さらですが書かせて頂きます。7月22日、チック・ロジャース@蓮田 スタジオJazzのライヴ・レポです。

シカゴ・ブルースの女王と言えば今は亡きココ・テイラー。そのココ・テイラーの秘蔵っ子、もしくは後継者と言われ、さらには新しきシカゴ・ブルースの女王とまで賞されるチック・ロジャース。日本での知名度は高いとは言えませんが、マニアの間で「チック・ロジャースが凄い!」と噂が噂を呼んでいたシンガーだけに、私も生で観るのを楽しみにしていました。今回の来日は青森で開催された「JAPAN BLUES FESTIVAL 2012」への出演をメインにしたものでしたが、いくつか単独公演も行なわれ、私が観に行ったのは埼玉県蓮田にあるスタジオJazz。バックを務めたのは晩年のココ・テイラーを支えた菊田俊介が率いるShun Kikuta Band です。

いかにもスタジオ内のイベントスペースな感じの飾り気のない会場。客層もブルース・ファンと言うより、日頃スタジオでお世話になっている地元の方々が集まった感じで、いたってローカル色の濃い雰囲気。しかもどちらかというと菊田俊介を観に集まっているお客さんが多い模様。彼はここ蓮田スタジオJazzで何度かライヴをされてるようで、この界隈で人気があるようです。

まずはその菊田俊介が登場し、彼が率いるShun Kikuta Bandの演奏からスタート。ソリッドなインスト曲「Mr. Air」から始まり、アダルトなスロー「Chicago Midnight」、ゴスペル・フレイバーな「Baby Love You So」とオリジナルの3曲を披露してくれました。本場シカゴ仕込みブルース・ギターは流石に貫禄充分。艶っぽい歌声も独特の味わいを聴かせてくれました。特に「Chicago Midnight」は良かったですね~!情感たっぷりなギター・ソロも圧巻でした。

そしていよいよチック・ロジャースの登場。小柄とは聞いていましたが、予想以上に小柄、というより華奢な感じ。しかし「Let The Good Times Roll」を歌うその歌声は想像以上に力強い。何て言いますか、声自体の芯の強さですかね? 揺るぎないテンションがビシバシと伝わってくる。あの華奢な体の何所からこんな声が出るのかと不思議に思う程。ココ・テイラー流のシカゴ・スタイル「I'm A Woman」をまるで唸るように歌うチックの凄いこと! これぞブルースですよ! アレサ・フランクリンの「Baby I Love You」も最高でしたし、アルバート・キングの「I'll Play The Blues For You」からのメドレーでのチックのブルース・フィーリングも堪らないものが有りましたね! また菊田俊介のギターもチックが来てからさらに冴えまくってる印象で、やはり良いシンガーに良いギタリストという図はグッときますね。最後はシカゴらしい「Down Home Blues」から名曲「Rock Me Baby」で1stショー終了。

休憩を挟んでの2ndショー。まずはShun Kikuta Bandが1st同様に3曲を熱演した後、チックが再登場。2ndで圧巻だったのは何と言ってもアレサ3連発ですよ! チックはブルース・シンガーと言われていますがアレサ・フランクリンなどソウル・シンガーにも随分と影響を受けているそうで、高音の切れ味なんかは特にアレサからの影響を強く感じさせられましたね。「Dr. Feelgood」なんか相当難しいと言うか。ちょっとやそっとじゃ歌えない曲だと思うのですが、いや~、見事でしたね。チック・ロジャースの歌唱力、表現力、全て濃密この上ない。まさに本物でした!「Ain't No Way」も聴き惚れる程素晴らしかったですし、「Respect」もノリノリで最高でした。そして最後はやはりココ・テイラーですよ。彼女をトリビュートしての「Wang Dang Doodle」。これも大迫力! アンコールは「Sweet Home Chicago」で大団円。

チック・ロジャースのような現在進行形の女性ブルース・シンガーが来日するというのはなかなかないことなので、貴重な体験になりました。しかもブルースもソウルもあれだけディープにパワフルに歌えるシンガーを生で観れる機会は滅多にないですからね。ブルース&ソウル・レコーズ誌107号のインタビューによりますと、メンフィス生まれのチックは父がゴスペル・シンガーだったこともあり、幼い頃から教会で歌っていたそうです。その後メンフィスのビールストリートでR&Bやトップ40を歌うようになり、シカゴに移り住んでからはブルースを歌うことが増えたそうです。トップ40を歌っていた頃は日本の赤坂MUGENで3ヶ月ハウスバンドで歌ったこともあるとか。なんとなくこれまでの苦労が伺える話ですが、あの芯の強い歌声はそういった苦労の積み重ねなのかもしれませんね。そしてあの歌唱力の根源にはゴスペルが有ることにも頷けます。

いやはや、シカゴのディープな空気をたっぷり吸ったこの日の夜でした。


*上の写真はチック・ロジャースにサインを頂いた08年リリースの「ESSENTIALLY YOURS」。これが今のところの最新作であり、唯一のソロ作です。ブルース有り、ソウル有りで、彼女の歌唱が存分に楽しめます。下の写真はこの日のセットリスト。


ノラ・ジョーンズ探検隊 その4

2012-10-23 22:47:42 | SSW
CHARLIE HUNTER / SONGS FROM THE ANALOG PLAYGROUND

ノラ・ジョーンズ探検隊、第4弾。今回はチャーリー・ハンターです。まずは2001年にブルーノートからリリースされた「SONGS FROM THE ANALOG PLAYGROUND」から。

チャーリー・ハンターはニューヨークにおける先鋭的なジャズ/ジャム・シーンをリードしてきた一人。ギタリストですが単なるギタリストではありません。低音弦はベース・アンプに、高音減はギター・アンプに繋がれた8弦ギターを操り、ギターを弾きながら同時にベースラインも弾いてしまうという脅威のギタリストです。しかもデビュー作がレス・クレイプールのレーベルから出ていたり、一時期マイケル・フランティのバンド・メンバーだったり、スタントン・ムーア達とガレージ・ア・トロアをやったりと、なかなかのくせ者なのです。このアルバム「SONGS FROM THE ANALOG PLAYGROUND」はそんなチャーリーのブルーノート移籍後7枚目のアルバムで、ゲスト・ヴォーカリストにモス・デフ、セリル・デ・クロウ、カート・エリング等を招いた意欲作でした。

そんな中、まだデビュー前のノラ・ジョーンズが2曲でフューチャーされています。まずは5曲目「More Than This」。言わずと知れたロキシー・ミュージックの名曲ですが、それをボサノバ調の緩やかさでカヴァー。原曲の中性的な快活感から一変したノラのナチュラルな気怠さが堪らなく魅力的。この曲は「ノラ・ジョーンズの自由時間 」にも収録さていますが、そのライナーによりますと、ノラ曰く「ロキシー・ミュージックの原曲は知らないの」とのこと。でもたとえ知っていてもあまり影響受けなさそうですけどね…。そして今作ラストを飾る13曲目「Day Is Done」。こちらは伝説的な英SSW、二ック・ドレイクのカヴァー。内省的なフォーク・ソングをブルージーなジャズ・ナンバーに仕立て上げています。チャーリーのベース・ラインとクリス・ラヴジョイのパーカッションが印象的ですが、独特のムードを醸すノラの歌唱はそれ以上に個性的かつ魅力的。とてもデビュー前とは思えない完成度です。しかもこのチャーリーとのレコーディングが、ノラにとって「人生初の本格的なレコーディング・セッションのひとつ」だったと言いますから、ホント恐れ入ります。

それにしてもノラ・ジョーンズが、デビュー前にチャーリー・ハンターのようなアーティストの作品にゲスト参加しているというのは興味深いですよね。まあ、それぞれニューヨークで活動するブルーノート所属のアーティストという縁なのでしょうけど。でもこの2年後にチャーリー・ハンターはあのローパドープに移籍し次作「RIGHT NOW MOVE」をリリースする訳ですから、この辺りのニューヨーク人脈はやはり気になります。そしてこの頃のノラ・ジョーンズの立ち位置というのも気になるところ。




CHARLIE HUNTER / BABOON STRENGTH
さて、チャーリー・ハンターでもう一枚。こちらは08年にリリースされたソロ作「BABOON STRENGTH」。こちらの恐らく来日(09年)を記念したBUFFALO RECORDSによる限定盤だったと思うのですが、それに付属された「A LIVE COLLECTION 1994-2007」という7曲入りのボーナスCDにノラ・ジョーンズが参加した「Tennessee Waltz」のライヴ・テイクが収録されていました。これは94年から04年までのライヴ・テイクからチャーリー・ハンター自ら選曲した7曲が収録されたCDで、トータル1時間越えという大判振る舞い。スタジオ録音とはまた違う、チャーリーのライヴにおけるファンキー&フリーキーな演奏がたっぷり味わえます。そしてノラが歌う「Tennessee Waltz」。出だしからソウルフルなノラの歌声が素晴らしい。即座にそれに歓声でと応える観客達がまた良いですね。ノラの弾くウーリッツァーも良い! 後半のチャーリーのギターソロも最高です。

ただ、残念ながらこれがいつの録音だか分らないんです。「ノラ・ジョーンズの自由時間 」のライナーによる先のノラ自身のコメントには続きがあって「チャーリーは私を数週間ツアーに同行させてくれて、あれが人生初のツアーでもあった」と語ってるのです。なので、ひょっとしたらこの「Tennessee Waltz」はその人生初ツアーの時に共演したものなのか?それとももっと後のものなか? 分りません…。ただこの「Tennessee Waltz」のパーソネルはノラとチャーリーの他、ジョン・エリス(sax)、ステファン・チョペック(ds)、クリス・ラヴジョイ(perc)、という「SONGS FROM THE ANALOG PLAYGROUND」録音時のメンバーそのものではあるんですけどね~。




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 12.10.16 ノラ・ジョーンズ探検隊 その2(THE DIRTY DOZEN BRASS BAND / MEDICATED MAGIC)
 12.10.21 ノラ・ジョーンズ探検隊 その3(VA / LIVE FROM BONNAROO)


ノラ・ジョーンズ探検隊 その3

2012-10-21 14:50:05 | SSW
VA / LIVE FROM BONNAROO

ノラ・ジョーンズ探検隊、第3弾。今回は第1回ボナルー・フェスティヴァルの模様を収録した「LIVE FROM BONNAROO」です。

私がジャム・バンドというムーヴメントの存在を知ったのは、99年にフィッシュがフジロックに来たのがきっかけだったと思います。そしてそのムーヴメントの全貌を見せつけられたのがこの2枚組CD「LIVE FROM BONNAROO」でした。もちろん“全貌”であるはずはないのですが、当時はここにジャム・バンドの全てが納められてるような興奮を覚えたものなのです。

2002年に米テネシー州で初めて開催されたジャム・バンドの祭典、ボナルー・ミュージック・フェスティバル。出演アーティストは、トレイ・アナスタシオ、ストリング・チーズ・インシデント、ワイドスプレッド・パニック、フィル・レッシュ&フレンズ、ガヴァメント・ミュール、ベン・ハーパー、モー、ソウライヴ、などなど。おそらくこれだけのジャム・バンドが一同に会した野外フェスというのは、全米でも初だったのではないでしょうか? 今でこそ、ジャム・バンドに限らない幅広いラインナップを揃え巨大化したボナルーですが、この第1回はまさにジャム・バンドのための祭典でしたし、ボナルーに出たバンドこそジャム・バンド!みたいな印象もありましたよね。

で、その頃の日本はと言うと、フジロックがちょこちょこジャム・バンドと呼ばれるアーティストを呼んでくれてはいたものの、音楽雑誌などにはほとんど取り上げられず、まだまだ浸透してはいない印象でした。もちろん現在程に情報が溢れていませんでしたし、ネットで検索するということも今日のように日常化されていない時代でしたからね。私もジャム・バンドに興味を持ちながらも、海の向こうの未だ見ぬ世界な感じで、なにやら掴みどころがない印象でした。そこにこのCDがリリースされた訳です。まずアメリカには凄いフェスがあるもんだ!と驚きつつ、そこにクレジットされたアーティスト名を見てこれがジャム・バンドか!と。しかもノラ・ジョーンズまで。え?ノラ・ジョーンズってジャム・バンドなの?みたいな。

いやいや、流石にノラ・ジョーンズがジャム・バンドだとは思いませんでしたが、これは意外でしたよね~。ですがなんでノラ・ジョーンズが? と不思議に思いつつも、いや、意外とありかも?みたいな。デビュー当時からなんとなくノラ・ジョーンズにはそういう魅力があったんですよね。ジャズというジャンルに括られながらも、どこか自由な気質が感じられたと言うか。もちろんジャム・バンドと呼ばれるアーティストにはジャズ寄りの方々も沢山いましたけどね。

ですがそんなジャム・バンド界のつわもの達のなかで、ノラはどこまでもノラ。ここに収録されたのは1st作「COME AWAY WITH ME」から「Nightingale」。浮遊するようなスモーキー・ヴォイスが堪らなく美しい。この頃のノラの声には間違いなく魔力が宿ってますよ! ボナルーの中では異質ですが、その異質さが何となくノラらしく、またボナルーらしいと思えてくるから不思議です。それにしてもこの時のボナルーがノラ・ジョーンズを出演させたというのは、流石の審美眼としか言い様がないですよね~。

ノラが「COME AWAY WITH ME」でデビューしたのが02年の2月、ボナルー出演が同年の6月です。 もちろんグラミー賞を受賞する前の話です。ひょっとしたらオファー自体はデビュー前かもしれません。どちらにしろデビュー直後のジャズ・シンガーがジャム・バンドの祭典に出演したのです。

ボナルーは何故ノラに注目したのでしょうか? これを想像するのもなかなか楽しい。ここで気になるのはやはりローパドープ~ジョン・メデスキー人脈なのです。この第1回ボナルー・フェスにはこの人脈で語れるアーティストが結構参加しているのです。DJロジック、ダーティ・ダズン・ブラスバンド、キャンベル・ブラザーズ、ロバート・ランドルフ、ノース・ミシシッピ・オールスターズあたり。

DJロジックはローパドープの看板アーティストですし、DDBBは前回のノラジョーンズ探検隊で書いた通り。ノース・ミシシッピ・オールスターズはロバート・ランドルフ、ジョン・メデスキーと共にザ・ワードを組みローパドープからアルバムを出しています。そのロバート・ランドルフもそうですが、キャンベル・ブラザーズは当時ジョン・メデスキーが入れ込んでいたセイクリッド・スティールを代表するグループ。ジャム・バンドの祭典にセイクリッド・スティールというゴスペル・フィールドのバンドが参加しているのも面白いですよね。ゴスペルと言えばさらに意外なのがファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマも出演しています。でも彼らもこの翌年ジョン・メデスキーの全面バックアップの元にアルバムを制作するなどジャム・バンド・シーンとの関わりも深いんですよね。

この頃のジャム・バンド・シーンを、ローパドープ~ジョン・メデスキー人脈が王道とはちょっと違う香辛料のような存在で面白くしていたのは間違いない事実。で、ノラ・ジョーンズも案外この人脈の一端を担っていたんじゃないか? ま、想像なんですけどね。でもそんな風に考えるとちょっと楽しくありませんか? ローパドープはニューヨークを拠点にしたレーベル、メデスキー・マーティン&ウッドもニューヨークから台頭したグループ、彼らはジャンルに拘らずジャズから一歩踏み出した先鋭的な感覚で音楽をクリエイトしてきました。そしてノラもニューヨーク。さらにノラとメデスキー・マーティン&ウッドは同じブルーノート所属のレーベルメイトでした。

でもね、この02年の第1回ボナルーフェスには、肝心のメデスキー・マーティン&ウッドが出演してないんですよね…。




LIVE FROM BONNAROO MUSIC FESTIVAl 2002
DVDも出ています。ノラ・ジョーンズの収録曲は残念ながらCDと同じ「Nightingale」。ドキュメンタリーとして場内の雰囲気も楽しめるのでお薦めですが、音楽を楽しみたいならCDの方が良いかも。でも映像が見れる分、やっぱこっちの方がお得ですかね?



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 12.10.16 ノラ・ジョーンズ探検隊 その2(THE DIRTY DOZEN BRASS BAND / MEDICATED MAGIC)
 12.10.15 ノラ・ジョーンズ探検隊 その1(RAY CHARLES / GENIOUS LOVES COMPANY)

ジョー・ヘンリー&リサ・ハニガン@渋谷 Duo Music Exchange

2012-10-20 21:14:52 | SSW
LISA HANNIGAN / PASSENGER

10月16日、渋谷 Duo Music Exchangeにてジョー・ヘンリー&リサ・ハニガンのライヴを観てまいりました。ジョー・ヘンリーは言わずと知れた現在のルーツ系最重要プロデューサーにしてシンガー・ソング・ライターとしても独自の世界観を切り開くその界隈のキー・パーソン。リサ・ハニガンは08年にデビューしたアイルランド出身の才女で、昨年ジョー・ヘンリーのプロデュースによる2nd作「PASSENGER」をリリースしたばかり。ここ日本でもこの来日を期に一気に注目度を上げ、その歌声に惚れ込む人が急増。かく言う私もそんな一人でした。正直、リサにメロメロです…。

そしてもう一人特筆すべきなのが、サポート・メンバーのジョン・スミス。この人は当ブログで2010年度のブライテストホープ第1位に上げさせて頂いた英フォーク界の逸材(デビューは2010年ではないのですが、日本盤デビューが2010年だったので、その年のホープとして取り上げさせて頂きました)。2年前のプロモ来日の際は、随分と彼を追いかけたものですが、まさかそのジョン・スミスがこういう形で再来日してくれるとは!

さて、この夜の渋谷 Duo Music Exchangeです。私は整理番号が50番台だったので、そこそこ前の方の椅子席に着席。開場直後はスペースに余裕があり、随分空いてるな、という印象だったものの、開演間近には椅子席が満席なのはもちろん、その後ろに立ち見客がずらりと並ぶ盛況振り。流石の注目度でしたね。オープニング・アクトのエミ・マイヤーによる素敵な鍵盤弾き語りの後、いよいよジョー・ヘンリー&リサ・ハニガン御一行がステージに登場。

薄暗い照明からまるでモノトーンのように浮かび上がるフロントの3人。向かって左からジョン・スミス、リサ・ハニガン、ジョー・ヘンリー。この3人がステージ上で佇んでいるだけでワクワクさせられる。リズムはドラマーが一人というシンプルな編成。ジョーとジョンがアコースティック・ギターを、リサは変わった形のマンドリンを持ってたかな? そして始まったのは「Sold」。ジョー・ヘンリーが歌い出した瞬間に独特の空気に包まれる。ブルージーななかにひりひりとした緊張感が滲み出るかのようなその歌表現は、聴くものの耳を引きつけて離さない。そしてそんな空気感を引く継ぐようにリサが歌い始めた「A Sail」。初めて生で聴いたオーガニックな美声は、ピュアな繊細さを描くと共に、ふくよかなエモーショナルを醸す。ちょっぴりハスキーな質感が力強くも寂寞とした雰囲気を感じさせて美しい。いや~、歌声も素晴らしいんですが、楽曲自体も凄く良い!

続いて「Civil War」、「Passenger」とジョーとリサが交互に歌い、いよいよジョン・スミスにスポットが当たる。曲は「Salty And Sweet」という曲。浮遊感のある優しい曲調。フォーキーな弦捌きに土っぽくも暖かい歌声。やっぱりこの人の声の響きというの堪らないものがありましたね。サビでひっそりと添えられたリサのハーモニーもキュートでした。さらにリサとジョンのデュエットによる「O Sleep」。コレも極上でした。二人の息はぴったりで、個性の違いとその声と声の重なりがこの上なく魅力的でした。

ジョー・ヘンリーがどっぷりと歌ったブルース「All Blues Hail Mary」、リサによるアコギのフィンガー・ピッキングと柔らかい歌声がトラッド・フォーク的な香りを誘った「Paper House」、さらにリサの「Little Bird」はジョーとのデュエットで。こういった趣向もライヴならではですね。あ、その前にジョーの「Flag」もありましたっけ。あと印象的だったのがリサの「Knots」。 今回のセットリストの中では珍しいアップテンポ曲で、ウクレレを弾きながら歌うリサが光ってましたね。歌の歯切れも素晴らしく、バックもシンプルな故のスピード感があって最高でした。さらにジョン・スミスが歌った「Freezing Winds Of Change」も良かった!新曲でしょうか? ジョンらしいスピリチュアルな美しさを持った曲で、ジョンのエモーショナルな歌声の響きがまたことの外深かった!

で、このあとは何をやりましたっけ? 一応、メモを取りながら見ていたのですが、私もこの頃にはすっかりライヴの雰囲気に飲まれてしまい、そのメモもいい加減になってしまいまして…。たしかリサの「Lille」、ジョーの「Sticks And Stones」あたりはやりましたね。あとジョンの「Winter」!! この曲は彼の代表曲で、ギターを膝の上に寝かしてパーカッシヴに弾くプレイは何度見てもどうやってるのかよく分かりません…。でもそのトリッキーさ以上にその音色と彼の歌が醸す空気に聴き入ってしまうのです。

そして特に圧巻だったのは、リサが歌った「What'll I Do」と「Eyes Out For You」。前者はアルバム「PASSENGER」の中でも最もポップで風変わりな曲で、リサの類い稀な作曲センスが伺われる曲。この夜のライヴ全体の印象としては、ドラムの太鼓っぽい神秘的なリズムも含め、ジョー・ヘンリーらしい陰影の濃い世界観に包まれてる印象でしたが、その一方で、こういう曲でのリサの溌剌とした魅力には爽快感を感じると同時になんか癒される思いでしたね。そして本来はジョーの曲ながら、ここではリサが歌った後者「Eyes Out For You」。トラッド・フォークな曲調に乗ったリサの芯の強い歌唱が素晴らしかったです。強いと言ってもがなったり叫んだりするのではなく、内に秘めたパワーをただ純粋に歌声に託すような。そんなピュアな力強さ。

ラストはジョー・ヘンリーの「Odetta」で大団円。ジョー、リサ、ジョン、そしてドラマーのロス・ターナーも含めた4人の個性が見事に溶け合い、えも言われぬ趣きに満ちた至極のステージ。もちろん拍手喝采が鳴り止まない。戻ってくる4人。アンコールで演奏されたのはジャクソン・ブラウンの「These Days」。アンコールにカヴァーを持ってくる選曲が嬉しいですね。しかしコレでも観客達はまだ帰りたがらない。再度のアンコールに応えてなんと、ザ・バンドの「The Night They Drove Old Dixie Down」ですよ。レヴォン・ヘルムをトリビュートしての選曲と思いますが、1本のマイクに向かってメンバーが集まり、リサ、ジョン、ジョーの順番で歌っていく。これは堪りませんでしたね。サビになると自然と観客達も合唱を始める。後半になると合唱の声がどんどん大きくなって、感動的でした。


それにしても、よくぞ呼んでくれましたよね。こういったソロ・アーティストのライヴにプロデューサーが参加するようなスペシャルなライヴは、英米では実現しても、なかなか日本にまで来てくれないものですからね、これは奇跡ですよ! 彼らを呼んでくれたHILLSTONEさんに拍手!そして感謝!来てくれたジョー・ヘンリー御一行様にも感謝! リサ・ハニガンとジョン・スミスは、これからの活躍が多いに期待されますね。そしてやはり恐るべしはジョー・ヘンリーですね。全体を貫いた独特のムードはやはり彼ならでは。まるで一編の長い詩を観ているかのようなステージでした。天晴でした!!



*上の写真は、ジョー・ヘンリーのプロデュースにより昨年リリースされたリサ・ハニガンの最新作「PASSENGER」。落ち着いた作風で、シンガー・ソング・ライターとしてのリサの魅力が見事にパッケージされています。ドラムはロス・ターナー。ジョン・スミスも2曲でギターを弾いてます。「O Sleep」でリサとデュエットするのはレイ・ラモンターニュ。



JOHN SMITH / THE FOX AND THE MONK
そしてこちらは「Winter」の入ったジョン・スミスのアルバム「THE FOX AND MONK」。おそらく自主制作で出されたもので、06年作ですかね? 巧みなピッキングと、エモーショナルな歌声。静けさと激しさを併せ持ち、英国らしい叙情性を感じさせる作品です。



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 11.01.21 2010年 ブライテストホープ(JOHN SMITH / MAP OR DIRECTION)
 10.07.17 ジョン・スミス@吉祥寺Star Pine's Cafe
 10.07.13 ジョン・スミス@渋谷タワーレコード&六本木スターバックス

アラン・トゥーサン@ビルボードライヴ東京

2012-10-17 19:29:49 | ニューオーリンズ
ALLEN TOUSSAINT / SOUTHERN NIGHTS

10月15日、ビルボードライヴ東京にてアラントゥーサンのステージを観てまいりました。

ここ数年、ビルボードの常連という印象のアラン・トゥーサンですが、今回はインフォメーション曰く「1stステージでは過去に他アーティストに提供した楽曲の数々をセルフカバー、2ndステージでは1975年の名盤『サザンナイツ』を再現するというスペシャルな構成」とのことでした。どちらもとても魅力的で、出来れば通しで観に行きたいところ、財布の都合を考え2ndステージのみで我慢することにしました。やっぱりあの名盤「SOUTHERN NIGHTS」の再現ライヴは見逃せません!!

開演前には「ブルース銀座」の陶守さんがDJを務め、マーシャ・ボール、アール・キング、ドクター・ジョンなどストレートなものから、¡Cubanismo!のようなマニアックな変化球まで、多彩なニューオーリンズ・サウンドで楽しませてくれました。単なるBGMとは違う、ニューオーリンズ好きの心をくすぐる選曲は流石でしたね。開演前からニューオーリンズ・パーティのような良い雰囲気でした。

開演予定時刻を15分程過ぎた頃、ようやくメンバーがステージに姿を現す。今回はレナード・ポーチェ(g)、ハーマン・ルボー(ds)、ローランド・ゲリン(b)といったお馴染みのメンバーに加え、サックスはいつものブライアン ‘ブリーズ’ カヨリではなく、実際にあの「SOUTHERN NIGHTS」に参加しているゲイリー・ブラウン。こういう人選にもそそられますよね。まずはこのバックバンドが「Southern Nights」をイントロ代わりに演奏し、程なくしてアラン・トゥーサンが紹介される。拍手喝采の中ステージに上がるアラン・トゥーサン。アラン・トゥーサンと言えばいつもサンダルを履いていることが常々ファンの間で話題になっていましたが、最近はド派手なスーツがもっぱら注目されているようです。目の覚めるような色彩の、良い意味で悪趣味なスーツを色々持っているようで「今日はコレだ、明日はどれだ?」とツイッター等を通じてマニアックなファンの間で盛り上がっていました。ちなみにこの夜は金色の刺繍の入った真っ赤なスーツでした。そして足下はもちろんサンダル。

アラン・トゥーサンがピアノの前に座り、弾き歌い始めたのはもちろん「SOUTHERN NIGHTS」の1曲目を飾る「Last Train」です。実は始まるまで、「SOUTHERN NIGHTS」再現とか言っといていつもとあんまり変わらないライヴになるんじゃないの?とかちょっぴり疑ったりもしていたのですが、「Last Train」が始まった瞬間、おー、ホントに「SOUTHERN NIGHTS」だ!とワクワクしちゃいましたね。そしてアルバム通りに「Worldwide」、「Back In Baby's Arms」と続く。普通のライヴではなかなかお目にかかれないこういった曲を聴けるだけでも新鮮! ですがそれ以上に現在のトゥーサンならではの優しくまろやかな歌声と鍵盤タッチ、そしてニューオーリンズ歴戦のつわもの達による生バンドで、あの名盤通りの曲順に進んでいくステージは、何か特別な時間が流れているような不思議な感じでした。

続いてファンキーな「Country John」。この曲も格好良いですよね~。そしてポップな「Basic Lady」に続いてタイトル曲「Southern Nights」。何処か神秘的に広がる美しきメロディー。しかしここでは触りだけですぐに「You Will Not Lose」へ。この曲も独特の艶っぽい陰影にトゥーサンらしいポップセンスが伺える良い曲ですね。そして待ってましたの「What Do You Want The Girl To Do?」。名曲ですよ!ホント素晴らしい曲。しかもこの並びでこの曲を聴ける喜び。もうただただうっとりと聴き惚れましたね。またゲイリー・ブラウンのサックスが素晴らしかった! オリジナル版はサックス奏者が数名参加しているので、どこを誰が吹いているのか分らないのですが、もうゲイリー・ブラウンしかあり得ない!って思うぐらい、この曲にぴったりのフィーリングでしたね。むしろ一番良いところでソロが終わってしまって、もっと聴きたかったな~っていう惜しい感じすら。

そして「When The Party's Over」、ラストの「Cruel Way To Go Down」でもゲイリーのサックス・ソロがフューチャーされる。良いですね~。これまでのブライアン ‘ブリーズ’ カヨリは割りとブリブリと吹く感じでしたが、ゲイリーはよりメロウでジャズっぽい。この違いが凄く新鮮でしたね。そしてゲイリーのフィーリングが今夜の「SOUTHERN NIGHTS」をより味わい深くしていたことは間違いないですね。

そして最後にあらためて「Southern Nights」。トゥーサンによるほぼ弾き語りで、途中「上を向いて歩こう」を挟んだり。いや~最高でしたね。「Last Train」からこの「Southern Nights」まで、MCもまったく無しでかの名盤の世界へトリップさせてくれた全11曲。名盤の魅力をあらためて感じさせられると同時に、現在のトゥーサンと彼のバンドが新たな命を吹き込み、瑞々しい生の音楽として堪能させていただいた至極の時間。感無量でした!

しかしこれで終わりじゃないですよ。ここでやっとトゥーサンのMCが入り一息。そして「Sneakin' Sally Thru The Alley」、「Get Out Of My Life, Woman」とリー・ドーシー提供曲を立て続けに。後者ではゲイリー・ブラウン、レナード・ポーチェ両者のファンキーなソロが格好良かった。そして次の曲ではレナードがギターを置き、2本のリコーダーを同時に吹くべくマイクの前にスタンバイしたものの、それを無視してトゥーサンがピアノソロを弾き始めてしまう。あれ?って顔してリコーダーを持ちながらメンバーに確認したり、おろおろしているレナードさんが微笑ましかったり。もしかしたら、いきなりトゥーサンが予定にないピアノソロを弾き始めちゃったのかな?なんて思ったり。

予定外と言えば、実はこの日の1stステージでは本来「セルフカバー曲集」をやるはずのところ、手違いで「サザンナイツ再現」をやってしまったそうで、結局この日は1stも2ndも「サザンナイツ再現」になってしまったらしいんです。流石は生ライヴですからね。何が起るか分りませんね。通しで見られた方は名盤二巡目みたいなレアな体験をされた訳で…。

さて、それはさておき、トゥーサンならではの暖かくもエレガントな鍵盤捌きも見事なピアノソロ。クラシックとニューオーリンズが目まぐるしく交差するような展開はいつものトゥーサン・ワールド。それは「Big Chief」へ繋がりバンドが合流。やはりこの曲は盛り上がる! そして「Tipitina」へと繋がりプロフェッサー・ロングヘア・トリビュートな様相。「Big Chief」にしろ、「Tipitina」にしろ、ある程度盛り上がると変調して崩してしまうところがトゥーサン流。さらに「Everything I Do Gonna Be Funky」を始めるものの、これもワンコーラスぐらいでやめてしまう。このあたり、いかにも気の赴くままにピアノを弾いてる感じが、いかにもトゥーサンらしい。

そして「Pretty Pretty」。ようやくレナード・ポーチェのリコーダー2本吹きが日の目を見ました。この人、ギタリストなのに、フルート吹いたり、各種パーカッションを操ったり、そう言えば「Big Chief」ではトロンボーン吹いたりも。なかなか器用な人なんですよね。で、この「Pretty Pretty」という曲、前回の来日時にも演っていましたが、中島美嘉さんのトリビュート・ソングだそうですね。

バンド・メンバーの紹介を兼ねたインスト曲でソロを回し、本編ラストは「Southern Nights」をアップテンポで。最後に今夜のテーマである「Southern Nights」に戻るところが憎いですね。いかにもサザンナイツな夜の終わりを告げるようなノリノリの演奏。あ~、終わりたくないー!と思いつつ、トゥーサンはステージを去っていく。

拍手喝采が続き、もちろんアンコール。曲は「Yes We Can」。最後にピアノとコーラスだけでゴスペルっぽく疾走していくところが格好良いんですよね~。で、このアンコールの時、トゥーサンが観客席に向かって「誰かピアノ弾かない?」みたいな感じで問いかける。そして一人の男性を指差して指名したんですよ。その男性も指名されたからには仕方が無いみたいな感じでステージに上がり、深々と一礼してトゥーサンの横に座る。そして二人のブギウギ・セッションが始まった訳ですが、この男性が意外と弾けるという展開に場内も割れんばかりに盛り上がる。ブレイク部分も右手一本でバッチリ決めつつ左手でピースサインを掲げるなんていう余裕も見せたり。一通り盛り上げたら自ら立ち上がり、再度深々とお辞儀をしてさっとステージを降りるという引き際もわきまえている。お見事でしたね。あの人、何者でしょうか?

そして再度、アウトロ的な「Southern Nights」。トゥーサンは最前列の観客達から握手攻めに合いながら去っていく。いや~、良いライヴでした。やはりアラン・トゥーサンは何度見ても良いですし、今回は『サザンナイツ』再現ということで特別味わい深かったですね。そして何よりも収穫だったのはゲイリー・ブラウンですよ! 良い音色してましたね~。メロウなジャズ・フィーリングも良し、ファンキーな切れ味も抜群。ジワジワと染み入るような本物感にゾクゾクさせられました。


ちなみにこのゲイリー・ブラウン、トゥーサンの名盤「SOUTHERN NIGHTS」や「LIFE, LOVE AND FAITH」へも参加しているサックス奏者なのですが、「THE COMPLETE WARNER RECORDINGS」で日の目を見たライヴ音源でも「Allen And Gary Brown」という曲名でフューチャーされている、当時からトゥーサンの信頼熱いサックス・プレイヤーだったようですね。当時トゥーサンがプロデュースした作品、Dr.ジョンの「IN THE RIGHT PLACE」や「DESITIVELY BONNAROO」、フランキー・ミラーの「HIGH LIFE」、ジョー・コッカーの「LUXURY YOU CAN AFFORD」などにも彼の名前を見つけることが出来ます。しかももっと遡ると、この人、ミーターズの前身バンドとなるアート・ネヴィル&ザ・ネヴィル・サウンズのメンバーだったようですね。その後はアーロン&シリルのソウル・マシーンの一員だったようです。近年ではシリル・ネヴィルのソロ作「NEW ORLEANS COOKIN'」などにも印象的なプレイを残しています。



ノラ・ジョーンズ探検隊 その2

2012-10-16 17:32:36 | SSW
THE DIRTY DOZEN BRASS BAND / MEDICATED MAGIC

ノラ・ジョーンズ探検隊、第2弾はニューオーリンズの老舗ブラス・バンド、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの02年作「MEDICATED MAGIC」です。ダーティ・ダズン・ブラス・バンド(以下DDBB)と言えば、ニューオーリンズ独特のマーチング・スタイルによるセカンドライン・ファンクの第一人者でしたが、この作品ではドラムス、キーボード、ギターなどを加え、ジャム・バンド的な広がりを持つ当時最先端のニューオーリンズ・ファンクを完成させています。

この作品でDDBBは新旧のニューオーリンズ産名曲を取り上げ、Dr.ジョン、オル・ダラ、DJ ロジックなどのゲストも参加していますが、ノラ・ジョーンズはこの中で「Ruler Of My Heart」を歌っています。アラン・トゥーサン作曲でアーマ・トーマスが歌った名曲ですね。ニューオーリンズ音楽のファンとしては、この曲をノラ・ジョーンズが歌っているというのはなかなか嬉しいもんです。スーザフォンの鄙びたベースラインに絡みつく、ノラの唸るような低音と、ちょっぴりダーティなフィーリングが堪りません。こういったいなたいアレンジのR&Bを歌うノラって本当にキュートですよね~。ロバート・ランドルフのペダル・スティールがフワフワと不思議な浮遊感を演出していて、これがまた良い!

さて、ここで気になるのは、このリリース年の02年。02年と言えばノラが「COME AWAY WITH ME」でデビューした年ですから、レコーディング自体は間違いなくデビュー前のことでしょう。となるとDDBBはとんでもない先物買いをしたことになる訳です。ですがまさかDDBBがデビュー前のノラに注目していたとは考えづらい。ではだれがDDBBのレコーディングにノラを連れて来たのでしょうか? 実はこの「MEDICATED MAGIC」のプロデューサーはクレイグ・ストリートで、もともとノラの「COME AWAY WITH ME」はクレイグのプロデュースにより、01年からレコーディングが始まっていたらしいのです(のちにアリフ・マーディンに引き継がれる)。なのでおそらくクレイグが連れて来たのでしょう。この「MEDICATED MAGIC」のライナーを書かれたピーター・バラカンさんもその線でこの邂逅を説明されています。間違いないでしょう!

ですが、この曲は昨年リリースされた「ノラ・ジョーンズの自由時間 」にも収録されているのですが、そのライナーに掲載されたノラ自身の言葉に「ダーティ・ダズンが所属するレーベルのA&Rは、レコード契約をする以前から、ずっと私を熱心に応援してくれた人なの。彼に乞われてこの曲に参加したんだけど~」とあるのです。このA&Rが何所の誰なのかはよく分かりません。ですがこの「MEDICATED MAGIC」リリース時にDDBBが所属していたレーベルはROPEADOPE(ローパドープ)です。このローパドープから想像を膨らましてみると、なかなか面白い線が浮かび上がってくるのです。

このローパドープは、99年にアンディ・ハーウィッツが設立したレーベルで、DJ ロジックを皮切りに、THE PHILADELPHIA EXPERIMENT 、THE WORD 、SEX MOB 、CHARLIE HUNTER、ANTIBALAS 、BENEVENTO/RUSSO DUO 、THE CAMPBELL BROTHERS、などなど多種多彩なアーティストの作品を先鋭的な視点で世に送り出しています。で、このレーベルの設立に助力し、運営にも関わっているとされるのが、ジャムバンド界の大物、メデスキー・マーティン&ウッドのジョン・メデスキーなのです。またジョン・メデスキーはDDBBの99年作「BUCK JUMP」(「MEDICATED MAGIC」の前作)をプロデュースし、DDBBのジャム・バンド化に一役買った人でもあります。ちなみにこの頃のメデスキー・マーティン&ウッド自体はブルーノート所属ですから、ジョン・メデスキーとノラはレーベル・メイト。

という訳で、「MEDICATED MAGIC」へのノラ・ジョーンズ参加の影に、このローパドープ~ジョン・メデスキー人脈があるのでは?なんて想像するとなんかワクワクしてくるんですよね~。そう考えれば、「MEDICATED MAGIC」及び「COME AWAY WITH ME」がリリースされた02年に、ノラがジャム・バンドの祭典ボナルー・フェスティヴァルの第1回に参加していた事実にもなんとなく納得出来るんですよね~。

ノラ・ジョーンズ探検隊 その1

2012-10-15 18:50:30 | SSW
RAY CHARLES / GENIOUS LOVES COMPANY

待望の来日公演も間近に迫って来たノラ・ジョーンズ。その来日直前にリリースされる「カヴァーズ~私のお気に入り」も楽しみなところ。やはりリトル・ウィリーズやエル・マッドモーも含め、彼女のオリジナル・アルバム以外の作品というのは妙にそそられるものがありますよね。昨年「ノラ・ジョーンズの自由時間 」がリリースされ、そんなノラの課外活動も随分と聴きやすくなったものですが、我がブログでもそれらを含め、色々と追いかけてみたいと思います。まあ、なんて言いますか、来日記念ということで!

今回はその第1弾。やはりノラの課外活動の代表作と言えばこの作品でしょう。レイ・チャールズの「GENIOUS LOVES COMPANY」です。リリースは04年。ノラが「COME AWAY WITH ME」でデビューしたのが02年ですからね。まだデビュー間もない頃です。とは言え既にグラミー賞複数部門の受賞を果たし大旋風を巻き起こしている最中ですよね。ここに収録された「Here We Go Again」は、まさにそんなシンデレラ・ガールが、音楽界の神様のような人とデュエットした奇跡の瞬間。しかも神様レイ・チャールズはこのリリースを待たずに亡くなられてしまいましたから、長い時代の終わりと始まりがほんの一瞬交わったミラクルでした。

このアルバムはレイ・チャールズの遺作に相応しく、彼をリスペクトする多彩なアーティスト達とのデュエット集です。参加アーティストは、ジェイムス・テイラー、ダイアナ・クラール、エルトン・ジョン、ナタリー・コール、ボニー・レイット、ウィリー・ネルソン、B.B. キング、グラディス・ナイト、ヴァン・モリソンなどなど。流石に大物揃いですが、その中でノラ・ジョーンズがレイとデュエットした「Here We Go Again」は栄えある1曲目に収録されています。短くも素敵なイントロの後「ヒア~♪」と歌い始めるノラの声が良い! このアルバム全体が何となくラブリーな色彩に包まれているのは、このノラの第一声によるところが大きいと思います。それぐらい印象的な始まり方。ノラらしいスモーキーなソウルネスと、それを包み込むようなレイの滋味溢れる歌声、歴史に残るデュエットですね。ノラのピアノも良いですが、ビリー・プレストンのオルガンにも拍手! ちなみにこの曲はレイが67年に歌った名曲。

もちろん、ノラ以外もどれも極上この上ないデュエットばかり。個人的にはダイアナ・クラールとの「You Don't Know Me」、ナタリー・コールとの「Fever」、グラディス・ナイトとの「Heaven Help Us All」あたりがお気に入りです。

ちなみにこのレイとノラのデュエット「Here We Go Again」は04年度のグラミー賞で『Record Of The Year』と『Best Pop Collaboration With Vocals』部門を受賞しています。

フェアウェル・ドリフターズ@東京音楽大学

2012-10-15 00:38:18 | フェス、イベント
The Farewell Drifters / Echo Boom

10月6日、東京音楽大学にてフェアウェル・ドリフターズの来日イベントを観てまいりました。このフェアウェル・ドリフターズというバンド、私は今回の来日で初めて知ったのですが、いわゆる新世代のブルーグラス・バンドだそうで、07年のデビュー以来これまでに3枚のアルバムをリリースしているそうです。最新作は昨年リリースされた「Echo Boom」(写真)。

今回のイベントは、Ann-grass rootsの企画で東京音楽大学Roots Music & English Conversation Club主催による、生ライブとQ&Aセッションを通じて本場のブルーグラスを肌で感じることが出来るというユニークな交流イベント。しかも参加費無料というありがたさ!

会場は音大の一室で、階段状のテーブル&椅子に黒板といういかにも教室な感じですが、黒板には五線譜が書かれていてグランドピアノが入っているあたりは流石は音大。客層は若い音大生より、いかにもブルーグラスが好きそうなおじさま達の方が目立つ感じ。ま、私も含めてですけどね…。なんとなく音大でブルーグラスのイベントをやるという違和感、もしくは音大にブルーグラス好きな方々が集まってるという違和感が、なんか不思議な感じでした。

さて、イベントは東京音楽大学の学生さんによるピアノ独奏や、東京音楽大学ルーツミュージック研究会によるバンド演奏など、やはり音大のイベントらしいのか?らしくないのか?なんか不思議な雰囲気でスタート。ですが普段はクラシックを弾いているであろう女子学生さん達が高速フィドル・チューンの代表格「Orange Blossom Specia」をがっつり弾いてくれたりして、なかなか面白かったです。

そしてトリ前を務めたのがharmoniという男女デュオ。こちらも初めて観るお二人だったのですが、これが良かった!素晴らしいハーモニーでしたね。お二人ともカントリーらしい良い声してるんですよ。古いブルーグラスやゴスペルを歌ったり、ハンク・ウィリアムスの「Lovesick Blues」なんかもううっとりでした。意外なところではダン・ヒックスの「Driftin'」なんかも洒落た感じで良かったです。

休憩を挟んでいよいよフェアウェル・ドリフターズです。Zach(vo, g)、Joshua(mandolin)、Clayton(g)、Dean(b)の4人組。最新作からの「We Go Together」などオリジナル曲中心のセットリストは思いのほかポップ/ロック的であり、メロディラインも秀逸で、歌物としてとても魅力的。そしてそこにマンドリンの音色がブルーグラスな香りを誘うという妙な土臭さが逆に新鮮。Joshuaは普通のマンドリンとリゾネーター・タイプのマンドリンを使い分けていましたね。そしてユニークなのがリズム。ブルーグラス・バンドらしく専任のドラマーが居ないのですが、ギタリストのClaytonがバスドラを踏み、ベーシストのDeanがアップライト・ベースを弾きながら足下のタンバリンをペダルで鳴らす。この二人のコンビネーションを基調に、時折マンドリン奏者のJoshuaがスネアを叩いたり。この辺りのフォーキーなセンスもまた格好良かったですね。

ベーシストのDeanは日本に住んでいたこともあるそうで日本語が堪能。そんな彼が、実はマンドリンのJoshuaとギターのClaytonは兄弟で、しかもブルーグラスの本場ケンタッキー州出身の「本物」だと紹介。そしてその本場の兄弟二人で演奏したのが「Soldier's Joy」。ブルーグラスの定番とも言える曲ですからね~。ギターの高速フレーズにマンドリンのカッティングが絡み、駆け抜けるように二人でソロを回していく。格好良かったですね~。これぞブルーグラスですよ!場内も割れんばかりの拍手喝采でした。

終盤にサイモン&ガーファンクルの「The Only Living Boy In New York」をカヴァーしていたのも印象的でしたね。本編ラストは最新作から「Punchline」。これもロック的な昂揚感が秀逸な曲。ヴォーカルのZachは凛とした良い声をしていました。鳴り止まない拍手にアンコールはジョン・ハートフォードの「In Tall Buildings」。渋いですね~。こういう曲で最後を飾るセンスに脱帽でしたね。Zachの飾らないながらも哀愁溢れる歌声も良かったですし、Claytonの情緒豊かなギターソロがまた素晴らしかった!!

終演後はQ&A、そしてサイン会&懇親会。英語の喋れる方々は、飲み物やスナックを食べながらメンバー達と談笑したり、写真をとったりなかなか盛り上がってました。私は極度の人見知りなので、サインを頂くのが精一杯で、あとは楽しそうにしているメンバー達を微笑ましく眺めてるだけでした…。それでも楽しかったですけどね。


それにしても色々な意味で有意義なイベントでした。Ann-grass rootsさんは、色々とブルーグラス系の企画をされているようですので、これからも注目してみたいと思います。



*写真はサインを頂いたフェアウェル・ドリフターズの最新作「Echo Boom」。これをリリースした頃はフィドル奏者が居たようですが、現在は脱退してしまったそうです。やはりフィドルが入ってる方がブルーグラス色は濃いですね。そしてその土っぽさよりをポップセンスに昇華してしまうようなミラクルな魅力に溢れてます。なによりも曲が良い! これからの飛躍に期待大です。