ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

レオン・ラッセル at ビルボードライヴ東京

2008-05-18 20:19:51 | ルーツ・ロック
5月16日、ビルボードライヴ東京へレオン・ラッセルを観てまいりました。「Song For You」など珠玉のバラード・シンガーとしても知られますが、ルーツ系ロック・ファンには言わずと知れた60年代末から70年代に盛り上がったLAスワンプ・ロックの親玉であります。その影響力たるやビートルズやストーンズですらもこの時期この人に憧れたほどなのです。

さて、この夜のショー。私が観たのは2ndステージ。まずバンドメンバーが現れ、最後に真っ白な長髪と立派な髭を蓄えたまるで仙人のようなレオン・ラッセルが杖をつきながら登場。盛り上がる中ステージ向かって左端のキーボードの前に腰掛けました。

近年、アダルトな雰囲気のセルフ・カヴァー集やスタンダード・ナンバー集を発表しているレオン・ラッセルなので、しっとりと大人の魅力で攻めてくるかと思いきや、若いバンド・メンバーを従えアップ・テンポのナンバーを中心に力強いだみ声を振り絞るロックなステージを披露してくれました。

「Delta Lady」から始まり「Hummingbird」「Dixie Lullaby」「Prince Of Peace」「Out In The Woods」などスワンプ・ロック時代を思わせる嬉しい選曲を挟みながら、多彩なカヴァーも魅力的でした。 知らない曲も結構有ったのですが有名なところでは、ボブ・ディランの「A Hard Rain’s Gonna Fall」、ビートルズの「I’ve Just Seen A Face」、レイ・チャールズの「Georgia On My Mind」、そしてストーンズの「Jumpin' Jack Flash」はテンプテーションズの「Papa Was A Rolling Stone」とのメドレーで。

流石に若い頃のような妖気じみた熱さは後退しましたが、それでもぐらぐらと煮立つような独特なノリは健在で、あの嗄れ声とローリングしまくる鍵盤裁きは、年齢を重ねたとは言え“レオン・ラッセルここに有り!”と思わせる天晴れな存在感でした。特にカントリーな軽快さとゴスペルの高揚感が融合されたようなリズムで攻めるアップテンポな曲は圧倒的。この辺りに感じられるルーツのごった煮感こそスワンプロックの真骨頂。

そして意外とブルースを多く演ってくれたのも印象的でした。「Sweet Little Angel」「Hoochie Coochie Man」「Come On In My Kitchen」など、ラッセル色に染め上げられたブルースも格別。そしてギターのクリス・シモンズがソロでロバート・ジョンソンの「Walking Blues」もしくはサン・ハウスの「My Black Mama」辺りを弾き語りで聴かせてくれました。このクリス・シモンズはライヴ全編で切れのあるブルース・ロック・ギターを弾きまくり、なかなかのギター・スリンガー振りで客席を沸かせていました。そしてこのバンドのロック・サイドがクリス・シモンズなら、ゴスペル・サイドと言えそうなのがオルガン奏者のブライアン・リー。おそらく盲目ながら随所で素晴らしい鍵盤ソロを披露してくれました。さらにソロでビートルズの「Black Birld~Yesterday」を歌いましたが、これが盲目の人らしいスピリチュアルで素晴らしい歌声!聴き惚れました。

ちなみのベーシストのジャッキー・ウェッセルはサム・クックの「Good Times」、というよりグレイトフル・デッド版「Let The Good Times Roll」かな?を高音ヴォイスで軽快に歌っていまいた。そして馬車馬のような力強さと抜群のハネでサウンドを支えたドラマー、グラント・ホイットマンのプレイも印象的でした。

コンサート終盤、やっぱり一番盛り上がったのはレオンが名曲「Song For You」を歌いだした瞬間でしょう。一際大きな拍手が沸き起こりました。この曲を聴きたくてここへ来たというお客さんも多かったことでしょうね。これを演らずには終われませんし、これを聴かずには帰れませんよ! かくいう私は今回初めて生で聴きましたが、もちろん感動しました。

そして本編ラストはチャック・ベリーの「Roll Over Beethoven」。最後の曲らしくノリノリのうちにステージを終え搾取喝采の中、客席にちょっぴり愛想を振りまきながらレオン・ラッセルは去っていきました。

そしてアンコールを要求する手拍子の中、無情にも公演終了のアナウンスが…。しかしそれに負けずとさらに激しくなる手拍子と歓声。もう一度公演終了のアナウンス。鳴り止まない手拍子。もうほとんど根競べ。3度目の公演終了アナウンスももはや役に立たず、ついにバンド・メンバーが再び姿を現す。まさかの事態に諦めかけた手拍子は歓喜の拍手へと変わり、今まで座っていた観客も立ち上がっての狂喜ぶり。そんな異様な雰囲気の中レオン・ラッセルがいよいよ帰還。長い髪を後ろに束ね、どことなくダンディな雰囲気で。

そして本当に最後の曲はジェリー・リー・ルイスの「Great Balls Of Fire」。この人ロックン・ロールが好きなんですね。もちろん客席中テンション上がっているので盛り上がりました! でもブレイクの部分を観客達に歌わせようとしても、歌えない状況に流石のレオンもちょっぴり苦笑いしていた感じですけどね…。もちろん私も歌えませんでした…。盛り上がってる割には…、みたいな。ま、仕方ないですね、こればっかりは。

それにしてもレオン・ラッセル、まだまだ現役。素晴らしいステージでした。



フジロック第6弾

2008-05-17 12:06:14 | フジロック
フジロック出演アーティスト第6弾が発表されました。今回は以下10アーティスト。

7月25日
HOCUS POCUS
MIDNIGHT JUGGERNAUTS
Paul Van Dyk
電気グルーヴ
KAGAMI
DEXPISTOLS

7月26日
THE BIRTHDAY
locofrank
MONGOL 800

7月27日
FOALS

なんか追加アーティストが発表される度にしょぼくなっていくような今年のフジロック。特に邦楽アーティストで集客を計ろうとしている感が例年以上に強い気がしてちょっぴり寂しいです。とは言え元々フジには創世記からイエモンやHOTEIなどが出演していますから、集客云々ではなくそういうフェスなんでしょうけどね…。でもそれも洋楽勢が充実していてこその話。今年はそういう意味でかなり厳しい面子だと思います。そんな傾向はここ数年ずっと感じてきましたが、今年は日英修好150年と言うこともあり期待していたのに…、一体どうしちゃったんですかね?

ま、それでも見たいバンドは沢山ありますし、結局行けば楽しいフジロックなんですけどね。とりあえず、あとはアヴァロンとパレス、苗場食堂に期待です。



フジ第5弾

2008-05-02 07:33:29 | フジロック
フジロック出演者第5弾&日割りの発表がオフィシャルサイトにてありました。詳しい日割りについてはそのオフィシャルサイトを見ていただくとして、今回新たに追加になったアーティストは25組。日別に抜き出すと以下のような感じです。

7月25日
DAN LE SAC VS SCROOBIUS PIP
EGO-WRAPPIN'
INO hidefumi LIVE SET
JAMIE LIDELL
DJ MEHDI
mice parade
中山うり
Shing02
THE WHIGS

7月26日
EROL ALKAN
THE FUMES
沖仁
PARA
RICHIE HAWTIN
SPARKS
鈴木慶一/Captain HATE and The Seasick Sailors
柳ジョージ&レイニーウッド

7月27日
ADRIAN SHERWOOD
BAGDAD CAFE THE trench town
Big Willie's Burlesque
DOUBLE FAMOUS
THE FUTUREHEADS
LEE “SCRATCH”PERRY
NEON NEON
ゆらゆら帝国


しょぼいしょぼいと言われる今年のフジロック。今回の発表での大逆転の期待も見事に裏切られました。ま、もう慣れましたけどね…。ちなみにグリーンステージのトリは三日間それぞれマイ・ブラディ・ヴァレンタイン、アンダーワールド、忌野清志郎だそうです。マイヴラはホワイトだと思っていたのですが意外でした。

さて、今回の追加アーティストです。噂されていたリー・ペリーとエイドリアン・シャーウッドがめでたく正式発表。二人で一緒に演るのかと思ったら別枠なんですかね? でもシャーウッドのプロデュースによる新作も楽しみなリー・ペリーですから、フジでの二人のコラボもあるかもしれませんね~。

でも今回の発表で私が一番目を魅かれたのはザ・フュームズ。タワーレコードのブルース・コーナーで大プッシュされていたオーストラリア出身の二人組みです。ブルース&ソウル・レコーズ誌でも大きく取り上げられるなど気にはなっていたのですが、アルバムはまだ聴いたことがありません。かなり骨太なガレージ&ブルース・ロックらしいので楽しみです。ライヴももちろん凄いらしいです。ギターとドラムの二人組みです。

そしてビッグ・ウィリーズ・バーレスクはフジの常連になりつつありますね。と言っても私はいまだに見たことがないので、その妖しく猥雑なステージを今回は見てみたいです。


それにしても今回の発表を見てもヘヴンとオレンジのメインが読めません。今発表されている中にトリはいるのでしょうか?ギャラクティック? レタス? ジェイソン・ムラーズ? ちょっと弱い気がします。しかももしギャラクティックがヘヴンのトリだとしますと、ブーツィー・コリンズと被りますよね~。それは困る…。できればホワイトでギャラクティック~ブーツィーの流れにしてほしいです。