ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ジョン・バトラー・トリオ

2010-02-28 20:10:07 | ルーツ・ロック
THE JOHN BUTLER TRIO / SUNRISE OVER SEA

なんと嬉しいことに、ジョン・バトラー・トリオのスペシャル・ショーケース・ライヴが当たってしまいました! 完全招待制のプレミアライブだそうですが、私、こういうの滅多に当たらないので超嬉しいです。最近だとアリシア・キーズとノラ・ジョーンズに外れましたし。まあ、アリシアとノラに比べたらジョン・バトラーの方が格段に倍率が低いと思われますけどね…。

続々と個性豊かなルーツ系アーティストを輩出するオージー・シーンですが、私はそんななかでこのジョン・バトラーが一番好きかもしれません。といっても過去にライヴを観たのは唯の一度だけですけど…。で、それはいつかと言いますと、07年のフジロックです。あれは圧巻でした。ジョン・バトラーのマジカルな弦裁きと男気溢れるパフォーマンス、そしてトリオが織りなす熱いグルーヴにやられました。なんか独特の緊張感があるんですよね。それでいてアーシーな味わいに溢れてる。あの年のベストアクトという声も結構多かったのではないでしょうか?

なかなか単独ライヴには足を運べませんが、いつかまたライヴを観たいと思っていたので、この当選は嬉しいですね。しかも今年の3月24日には新作「エイプリル・アップライジング」を発表するそうですね。これも楽しみ! しかもメンバー・チェンジをして新しいトリオになっているとか。ドラマーのニッキー・ボンバはジョン・バトラーの義兄だそうですね。ニッキー・ボンバの妹がジョン・バトラーの奥様なのかな? しかもこのニッキー・ボンバは04年作「SUNRISE OVER SEA」でドラムを叩いていた人なので、新しいメンバーと言うよりファミリーみたいなもんですね。そしてベースにバイロン・ルイターズ。この人はザ・レイ・マン・スリーというシドニーのファンク・ソウル・バンドにいた人だそうです。そんな訳で今回のショー・ケース・ライヴは新曲と新ラインナップのお披露目という、そう言う意味でもスペシャルなライヴなのです。

私にとっては、あのフジロック以来久しぶりに観るジョン・バトラー、楽しみです!
外れてしまった方、ごめんなさいね…。

*写真のアルバムは04年の出世作「SUNRISE OVER SEA」。ブルース、カントリー、レゲエ、ヒップホップなどありとあらゆるジャンルを咀嚼しつつ、ロック的な骨太さが格好良いです。そして卓越したテクニックに崇高なソウルが染みています。ここでドラムスを叩くニッキー・ボンバが新メンバーなら間違いないです!

リッキー・リー・ジョーンズ

2010-02-27 19:06:44 | SSW
RICKIE LEE JONES / BALM IN GILEAD

グリーンルーム・フェスティヴァルの出演者第2弾発表でGラヴ&スペシャル・ソースとリッキー・リー・ジョーンズが発表されましたね。なんか俄然豪華になってきた感じです。でもこの2組が同じ日に観れるならいいですけど、2日開催なんですよね~。早く日割りが知りたいところです。

さて、そのリッキー・リー・ジョーンズ。新作「BALM IN GILEAD」が良いですね~。前作「THE SERMON ON EXPOSITION BOULEVARD」はロック寄りで、ざらざらとしたオルタナティヴな質感が秀逸な作品でしたが、今作はそんなオルタナな空気感を残しつつも、フォーキーでアコースティックな温もりをリッキー・リーならではの緊張感と柔らかさで聴かせてくれる素晴らしい作品となりました。

まずは何と言ってもリッキー・リーの歌に耳を奪われますが、それと同時に多彩なアメリカン・ルーツの咀嚼振りや、それをリッキー・リーの個性で再構築したような、この作品全体に通じる独特のヴァイヴに五感を包み込まれます。派手になりすぎない程度の絶妙の案配で配されたゲスト陣も良いですね。彼らが持ち込んだフレーバーがリッキー・リーの歌声と見事に共鳴しています。

1曲目「Wild Girl」は、今時の若いシンガー・ソング・ライターが歌ってもおかしくないような、華やかでオーガニックなメロディーが印象的。と言っても実は80年代に書きはじめた曲だとか。これ良い曲ですね~。ある種の境地を感じさせながらも何処か可愛らさを残すリッキー・リーの歌声も良いですね。この曲では彼女がアコギ、ドラムス、キーボードなど、ほとんどの楽器をこなしています。2曲目「Old Enough」ではベン・ハーパーとデュエット。この曲は心地よい程にソウルフル。二人の歌声も良いですが、ホーン・アレンジやオルガンがまた円やかで素晴らしい。

3曲目「Remember Me」はリッキー・リーの切ない歌声が染みるカントリー・バラード。ヴァイオリンとアコーディオンが良いですね。方やブルーグラス界の女王アリソン・クラウス、そしてもう一方はテックスメックスが誇るジョエル・ガズマンですよ!4曲目は小粋なジャズ・フレイバー漂う「The Moon Is Made Of Gold」。アンニュイなリッキー・リーに惹かれます。そしてここで洒脱なギターを聴かせるジョン・レイノルズって、ジャネット・クラインなんかのバックで知られるあの人ですかね?流麗な口笛まで披露しているのできっとそうなんでしょうね。これも素晴らしい人選!

5曲目「His Jeweled Floor」はゴスペル的な美しさを持った曲で、祈りのようなリッキー・リーの歌声と、バックの神秘的且つ荒涼とした演奏には、何所か深い世界へトリップさせられるかのよう。ときたま聴こえるバンジョーの音色が良いですね。バック・コーラスはヴィック・チェスナットとヴィクトリア・ウィリアムス。この辺りの人選にも唸らされます。ただ残念なことにヴィックは昨年の12月に亡くなられてしまいましたね。

クリス・ジョイナーがハーモニーを付ける「The Gospel Of Carlos, Norman And Smith」もソウルフルで素敵な曲。他にはビル・フリーゼルがギターで参加した「Eucalyptus Trail」。5分近いブルージーなインスト・ナンバー「The Blue Ghazel」。ギターの弾き語りに近いながらも不思議な広がりを持つ「Bonfires」。最後はベン・ハーパーのスライドとデヴィッド・カリッシュによるドブロの重なりが美しい「Bayless St.」。このデヴィッド・カリッシュは、リッキー・リーと共同でプロデュースも務めています。

それにしてもリッキー・リーというシンガーは本当に不思議な魅力を持ってますよね。まるで陽と陰を併せ待つような歌声で、あらゆるジャンルを縦横無尽に横断しつつも、魔力のような包容力と高揚感で全てを一つの線に繋げてしまう。そしてそんなアメリカン・ルーツの解釈にはオルタナティヴな先鋭性も感じさせられる。そしてもちろん曲も良いですね。「The Moon Is Made Of Gold」を除いた全てが彼女の作曲もしくは共作です。

このアルバムがリリースされた09年は彼女のデビュー30周年だったそうです。そんな年輪も感じさせられる深い傑作です。

さて、果たしてフェスという空間でどんなライヴを見せてくれるのでしょうか? そう言えば過去にフジロックをキャンセルなんてことがありましたけど、今回はちゃんと来てくださいね~。



早割ゲット!

2010-02-24 00:08:10 | フジロック
フジ・ロック・フェスティヴァルの早割チケットが無事に当たりました! なんか俄然フジが近づいてきた感じです。私の場合、駐車場無しのチケットのみの申し込みなので当たりやすいんですかね?

さて、次はいよいよ出演者の第1弾発表ですね。3月1日ですかね? ORG.BBSにはまことしやかなすっぱ抜きが投稿されていますが、どうなんでしょう? もしあれが本当なら、今年のフジも総体的にはなかなか面白そう。でも「ルーツな日記」的には、ちらほら気になるアーティストの名前があるとはいえ、昨年の第1弾に比べたらちょっと弱いかな?とも思ったり。ま、まだあくまでも噂の域を出ないすっぱ抜きですけどね。って言うかさすがにタック&パティはないんじゃないですかね~? でもアルヴィン・ヤングブラッド・ハートが本当だったら嬉しいな~。ま、こんな怪しげなすっぱ抜きに振り回されるのもフジの楽しみの一つなのです。

写真は昨年のフジロックで買ったお土産用のクッキー。今日この写真をアップする意味は特にないんですけど、なんかフジっぽい写真ないかな~と昔のデーターを物色してたら出てきたので。私、このデザイン結構好きです。

ダーティ・ダズン・ブラス・バンド

2010-02-22 14:41:45 | ソウル、ファンク
DIRTY DOZEN BRASS BAND / MY FEET CAN'T FAIL ME NOW

待ってました! ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの歴史的1stアルバム「MY FEET CAN'T FAIL ME NOW」。84年の作品。常日頃ニューオーリンズ!ニューオーリンズ!と騒いでいる私ですが、このアルバムは持ってなかったんですよね~。ず~っと聴きたいと思っていたのですけど、永らく廃盤状態だったそうです。バッファローさん、よくぞリイシューしてくれました!


ダーティ・ダズン・ブラス・バンド(以下DDBB)と言えば、もちろんニューオーリンズを代表するブラス・バンドな訳です。それまでのトラディショナルなスタイルにファンク・ビートを取り入れたスタイル、もしくはミーターズのセカンド・ライン・ファンクをブラス・バンド流に再現したようなグルーヴ、とでも言いましょうか? とにかくデビュー当時のDDBBの演奏は衝撃的な程に斬新だったようです。ただ、今ではDDBBのスタイルこそがニューオーリンズ・ブラス・バンド、というイメージになってしまっているので、彼らの“革新性”は分かりづらいところですけどね。

結成は意外に古く、77年頃だそうです。ニューオーリンズの重鎮であるバンジョー奏者のダニー・パーカーが、故郷の伝統であるブラス・バンドの現況に不満を抱き、その復興のため若者達を教会に集めて演奏させたのがことの始まりだとか。そこからいくつものブラス・バンドが巣立ち、その中の一つがDDBBになったそうです。そこからアルバム・デビューまで数年かかっていますが、その数年のライヴ活動により、この1st作で聴けるバンド一体で押し寄せる驚異的なグルーヴを培い、そして革新性に磨きをかけたのでしょう。

メンバーには、現在も中心メンバーとして活躍するグレゴリー・デイヴィス(トランペット)、エフレム・タウンズ(トランペット)、ケヴィン・ハリス(テナー・サックス)、ロジャー・ルイス(バリトン・サックス)が居ます。スーザフォンはもちろんカーク・ジョセフです。とにかく彼が本来エレキ・ベースの担うべきファンク・グルーヴをスーザフォンでブイブイと吹きまくるからこそ、DDBBの“革新性”が実現したのです。

今ではブラス・バンドのクラシックと言っても良い1曲目「Blackbird Special」からスーザフォンの低音に腰を持っていかれます。ゴツゴツと跳ねながらもスピード感たっぷりに地を這うベース・ライン! 格好良すぎです!! ジェネル・マーシャルのスネア・ドラムに、ベニー・ジョーンズのバス・ドラム、いわゆるドラム・セットではない典型的なパレード仕様の編成が産み出すブラス・バンドならではのビートのうねり。そこに怒濤のごとくホーン・リフが切り込んでくる。堪りませんね。

2曲目もオリジナル曲「Do It Fluid」。これも強烈。「Blackbird Special」もそうなんですが、とにかくノリが混沌としている。洗練されたジャズやフュージョンなんかでは絶対にありえ無い、まさに鍋がグラグラと煮立つようなガンボなノリ。それを実現させてるのはやはり絶妙な“ズレ”なんでしょうね。ミーターズはその“ズレ”と“隙間”で濃密なファンク空間を現出させましたが、DDBBには“隙間”はありません。リズム系の鳴りものと多彩なホーンが次から次へと押し寄せてくる。その押し寄せる波の重なり合いからファンクな汁がドロドロと溢れ出てくるのです。まあ、とにかく凄いですよ!

で、面白いのは、カヴァー曲。いかにもニューオーリンズな楽曲を揃えてきそうなものですが、以外にもチャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、デューク・エリントンなんかを取り上げている。この辺りに、DDBBの先鋭的な体質が伺えますね。完全にニューオーリンズ・スタイルになっているモンクの「Blue Monk」や、エリントンの「Caravan」は特に出色の出来。さらにトラディショナルなフォーク・ソング「Li'l Liza Jane」はブラス・バンドの、いやニューオーリンズ音楽の楽しさと幸福感に溢れた逸品!

そしてタイトル曲の「My Feet Can't Fail Me Now」。これなんかはもうニューオーリンズ・クラシックと言っても良い曲ですよね。私もカヴァーなど色々なところでこの曲を聴きましたけど、やっとオリジナルが聴けました。感無量です。格好良いです! この曲に限った話ではないですが、ヴォーカルや粋なかけ声からストリートの雑踏のような雰囲気が感じられて良いんですよね。

現在のDDBBは、スネアとバスドラのコンビから通常のドラムセットへと代わり、ギタリストやキーボーディストを入れたり、ヒップ・ホップに近づいたりと、さらに伝統的なブラス・バンドのスタイルに拘らない活動を続けています。でもそれはこのファースト・アルバムが出た頃、いや結成された77年の頃と、変わらない姿勢なのかも知れませんね。



ボビー・チャールズを偲ぶ

2010-02-20 15:07:01 | ルーツ・ロック
BOBBY CHARLES / BOBBY CHARLES

ウッドストック派の名ボーカリストとして知られるボビー・チャールズが、2010年1月14日に亡くなられました。糖尿病や腎臓がんを患っていたそうです。彼がベアズヴィルから72年に発表したアルバム「BOBBY CHARLES」(上写真)はウッドストック・サウンドを代表する名盤ですよね。

プロデューサーはボビー・チャールズ自身とリック・ダンコにジョン・サイモン。バックにはエイモス・ギャレットを含むハングリー・チャックの面々、ドクター・ジョン、ジェフ・マルダー、そしてロビー・ロバートソンを除くザ・バンドのメンバー達など、ウッドストック縁のアーティストがこぞって参加しています。ゆったりとした時間の流れを感じさせる暖かなサウンド、その隙間から土っぽくもファンキーに漂う芳醇なルーツの香りを滲ませる、これぞウッドストック! って感じですよね。それはまるでこの頃のウッドストックがもっていた不思議なコミューン的空気感を凝縮したような魅力。そしてボビー・チャールズの歌声! 緩さと荒さがない交ぜになった人懐っこいサザン・フィーリング、そして何処か感傷的な味わい。まさにこのサウンドにこの歌あり!なのです。

曲目は全てボビー・チャールズの作曲もしくは共作によるオリジナル曲。名盤を予感させる印象的なイントロから絶妙なファンキー感覚で幕を開ける「Street People」。そして美しいピアノに絡むように揺れるエイモス・ギャレットのギターと柔らかくもソウルフルなボビーの歌声が素晴らし過ぎるスロー・ナンバー「I Must Be In A Good Place Now」。アコギとホーン隊の絡みがやたら格好良い「He's Got The Whiskey」。ベン・キースによるスティール・ギターにエイモスのエレキ・ギターが重なる美しさ、そしてその上で優しく歌うボビーの声にうっとりな「Let Yourself Go」。ガース・ハドソンのアコーディオンの音色が堪らない「Tennessee Blues」。さらに極めつけは大名曲「Small Town Talk」。良い曲ですよね~。出だしの口笛が堪りませんよね~。このオルガンはドクター・ジョンでしょうか? シンプルなアレンジから何とも言えない旨味が染み出るようです。まさにウッドストックを代表する1曲。


しかしこのボビー・チャールズ、確かに“ウッドストック派の顔”の一人であることは間違いありませんが、この頃ウッドストックに滞在したのはわずか2年程だったとか。ベアズヴィルからも本作品1枚しか発表していません。実はこの人の本質はルイジアナにあるのです。

1938年、ルイジアナに生まれたボビー・チャールズ。デビューは55年、以外にもチェス・レコードからでした。あのシカゴ・ブルースやチャック・ベリーのチェスです。50年代、ファッツ・ドミノを先頭に勢いを増すニューオーリンズ勢の獲得にあのチェスも名乗りを挙げたのです。シュガー・ボーイ・クロフォード、ポール・ゲイトン、クラレンス・ヘンリーをはじめ、アート・ネヴィルのホーケッツや、クリフトン・シェニエ、エディ・ボ、アール・キングなどもチェスに録音を残しているようです。そんななかボビー・チャールズはチェスにおける初の白人アーティストとして登場します。と言うより、ニューオーリンズとシカゴ間による電話オーディションを決行したチェス総帥レナード・チェスは、ボビーのことを黒人シンガーと思い込んで契約したとか。


VA / CHESS NEW ORLEANS
写真のアルバムはそんなチェスにおけるニューオーリンズ勢を集めたコンピ盤。確かに自作のニューオーリンズR&Bを溌剌と歌う若きボビー・チャールスの歌声はかなり黒人っぽいですね。柔らかいんですけどキレがある。そのスモーキーな質感はウッドストック時代とはまた違う瑞々しさに溢れていていますね。しかしチェスには3年在籍しシングルを7枚残したものの、大きなヒットにはならなかったそうです。その後もインペリアルなどからシングルを発表するもヒットには繋がらず…。しかし彼はソングライターとしては成功します。ここに収められたクラレンス・ヘンリーのヒット曲「(I Don't Know Why) But I Do」はボビーとポール・ゲイトンの共作。さらにチェスではありませんがファッツ・ドミノの「Walking To New Orleans」もボビーの手による名曲。そして伝説の電話オーディションで歌った「See You Later Alligator」はビル・ヘイリーがカヴァーして大ヒットしました。


BOBBY CHARLES / WALKING TO NEW ORLEANS
60年代半ばにはジュウェル/ポーラに録音を残します。この時代の作品を集めたものが写真のアルバム「WALKING TO NEW ORLEANS」。まだまだR&Bな味わいですが、チェス時代に比べるとかなり緩くなっています。聴き所はやはり「See You Later Alligator」と「Walking To New Orleans」のセルフ・カヴァーですかね。他には声の奥から笑みが見えるような「Everybody Laughing」、ファンキーな「Preacher's Daughter」、ルイジアナらしい円やかさが和む「Worrying Over You」、ゆったりリズムとまったりメロディーが染みる「The Jealous Kind」などなど。さらにレッド・ベリーやジミー・マクラクリン、ファッツ・ウォーラー、ドン・ギブソンなどのカヴァーも秀逸。しかしやはりヒットには恵まれなかったようですね。って言うかヒットするにはさすがに緩過ぎるでしょう…。私は好きですけど。

その後、紆余曲折を経て、ボビーはニューヨークへ移住、さらにウッドストックへ流れ着きます。なぜボビーはウッドストックにやってきたのか?その辺はよく分かりませんが、これも運命と言うか、何かの引力が働いたのでしょうね。そしてアルバート・グロスマンのベアズヴィル・レコードと契約し、名盤「BOBBY CHARLES」が誕生する訳です。そして彼の歌声がウッドストックにルイジアナ/ニューオーリンズの香りを運んだのです。ちなみにザ・バンドのホーン・アレンジをアラン・トゥーサンが施したことは有名ですが、彼らにトゥーサンを紹介したのもボビー・チャールズだという噂。

しかしこのアルバム発表直後にボビーはグロスマンと喧嘩別れしてしまったそうです。これも運命のいたずらか? そしてまたボビーはマイ・ペースな人生を歩むのでした。 つづく。

J・ガイルズ・バンド

2010-02-18 14:39:08 | ルーツ・ロック
J. GEILS BAND / MORNING AFTER

オリンピック盛り上がってますね。日本の選手もみんな頑張ってますね。でもメダルはなかなか遠いいようで。そんななか昨日の男子フィギュア・スケートでは高橋大輔さんが素晴らしいショート・プログラムの演技を見せてくれましたね。明日のフリーが楽しみです。

さて、そのショート・プログラムですが、私は特に真剣に観てた訳ではなくて、チラチラと観たり観なかったりって感じだったのですが、驚いたことに、突然、ブルージーなハーモニカが聴こえてきたんですよ。ブルージーっていうか完全にブルースでした。イタリア代表のサミュエル・コンテスティという人の演技だったのですが、バックの音楽がハープを主体にしたブルースなんですよ。ブルースをスケート用にアレンジしたとか、そういうのでは無い、完全に “いなたい” 味わいの カントリー・ブルースでした。この曲なんだろう?と思っていると、曲は突然アップ・テンポに変わります。なんとJ・ガイルズ・バンドの「Whammer Jammer」。思わず「オー!」っと身を乗り出してしまいました。久々に聴きましたけど格好良いですね!もちろん編集はされていたと思いますけど、 まさかオリンピックの、しかもフィギュア・スケートでこんな曲がかかるとは思いもよらずでしたね~。サミュエル・コンテスティの服装もカントリーっぽい感じで楽しませてくれました。なんかフリーも応援したいな~

ちなみに「Whammer Jammer」の前の曲はメンフィス・スリムの「Wish Me Well」だったそうです。でもメンフィス・スリムのバージョンじゃないですよね? あのハープは誰だろう?

ちなみにオリンピックの映像ではありませんが、サミュエル・コンテスティの演技が見れる動画はこちら↓ 衣装も多分オリンピックの時と一緒です。

http://www.youtube.com/watch?v=8VxhBpORR3M&feature=related



*写真はJ・ガイルズ・バンドの2nd作「THE MORNING AFTER」。「Whammer Jammer」を収録した71年作。後の大ヒット曲「Centerfold(堕ちた天使)」で知られるJ・ガイルズ・バンドですが、この頃は本格的な白人ブルース・バンドとして人気を博していたそうです。アメリカのローリング・ストーンズなどと呼ばれていたとか。ブルースやリズム&ブルース、ロックン・ロールなどをごちゃ混ぜにした、何とも言えなく香しいB級な臭いが堪りません。でもアメリカのバンドらしく、どこかスカッとした空気も感じさせてくれます。バンドの看板ハーピスト、マジック・ディックによる「Whammer Jammer」はブルース・ハープの古典です。

ヴァレンタイン

2010-02-16 23:41:01 | 余話
今年も何だかんだでヴァレンタインデーが終わりましたね。私は妻から WITTAMER のチョコレート・ケーキを貰いました。見た目はキュート、中身はビターって感じで、素晴らしいケーキでした。美味しかったです!

それとCDのプレゼントもありました。新宿のタワーレコードに寄って、「何でも欲しいものを1枚選べ!」ってことなので悩みました。だって欲しいCDは山ほどありますからね。で、熟考の末にダーティ・ダズン・ブラス・バンドの「MY FEET CAN'T FAIL NE NOW」を選びましたら、「ジャケがつまらない、もっとディープな物を」という理由で一蹴され、じゃあこれならどうだ!って感じでTモデル・フォードの「THE LADIES MAN」。即決。

でも結局ダーティ・ダズンも一緒に買ってくれるという粋な計らいでした。奥様ありがとう!




T-MODEL FORD / THE LADIES MAN
ミシシッピの怪人、Tモデル・フォードの最新作。我妻もこの面構えには納得です。



DIRTY DOZEN BRASS BAND / MY FEET CAN'T FAIL NE NOW
ついに再発されたダーティ・ダズンの歴史的1st作。これを待ってたんですよ!!

ウィ・アー・ザ・ワールド

2010-02-15 02:17:40 | R&B、HIPHOP
「We Are The World 25 for Haiti」のPVを観ました。私は元祖「We Are The World」が大好きだったので、あの人が歌ったところを誰がどう歌うのか?とか、ヒップ・ホップ勢はどうフューチャーされるのか?とか、興味津々で観ていました。とりあえずまだご覧になっていない方はこちらで観れます↓

http://notrax.jp/video/detail/00000000000000002847.html

以下ネタバレになりますので、まだ観ていない方はご注意を。


まず初っ端のジャスティン・ビーバー君に驚きました。まだ15歳ですか?大抜擢ですね。ジェニファー・ハドソンやマイリー・サイラスといった若手から、トニー・ベネットやバーブラ・ストライサンドなどのベテランまで、元祖版をなぞるようなマイク・リレーにはワクワクさせられますね。ただもっとメロディーを崩して欲しかったな、とも思ったり。元祖版の印象があまりに強いせいか、若干インパクトに欠ける感じも。しかしそんなか、抜群の存在感を発揮しているのがワイクリフ・ジーン。喉回しも凄いし、英語じゃないしで、なんか圧倒的な高揚感があります。

今回はクインシー・ジョーンズとライオネル・リッチーが中心になってメンバーが集められたそうですが、この二人以外の参加者は全員、元祖版には参加していない人達だそうです。ただマイケル・ジャクソンだけは元祖版の歌声と映像が引き継がれていて、突然マイケルが出て来た時はちょっとグッときちゃいましたね。そして個人的に前半で最も美味しいところと思っているのは、元祖版ではシンディー・ローパーが歌ったパート。今回はセリーヌ・ディオンが歌っていますが、ちょっときれい過ぎる感じ、もっとパンチの効いた声質のシンガーが担当して欲しかったな~、と思ったり。

後半になってくると、流石に元祖版のメロディーからも離れ、それぞれのシンガーが個性を発揮してきます。コーラスの後のメアリー・メアリーが良いですね~。そしてリル・ウェイン、エイコン、Tペインによるヴォコーダー/オートチューン系のロボ声が並ぶあたりからいよいよ面白くなってきます。そしてレイ・チャールズの声が! やっぱりマイケルだけじゃなくてレイの声も必要だよな~! なんて感動していたら、ジェイミー・フォックスだったという落ち。ここ絶対真似してますよね?

私が元祖版の後半で最も好きなところは、ブルース・スプリングスティーンとスティーヴィー・ワンダーが掛け合う部分。しかし残念ながら今回その掛け合いは無し。まあ、あれを再現出来る人はなかなかいないですよね。で、今回それに変わる目玉パートが、LL クール・J、ウィル・アイ・アム、スヌープ・ドッグ等によるラップ・パート。これが格好良い! シンプルな力強さが効いてます。

終盤はジェニファー・ハドソンが良いですね。あとやっぱりメアリー・メアリー。やっぱりゴスペル・フィーリングはこういう曲に合いますよね。全体的にロック系のアーティストが少ないのが残念ではありますが、その分ヒップ・ホップ勢が頑張った感じで、25年前と現在が絶妙に合わさった流石な仕上がりですね。そしてやっぱり良い曲ですね。

ちなみに今回のソリスト達は、Wikipediaによりますとこんな感じのようです。

Justin Bieber
Nicole Scherzinger
Jennifer Hudson
Jennifer Nettles
Josh Groban
Tony Bennett
Mary J. Blige
Michael Jackson (stock material only)
Janet Jackson
Barbra Streisand
Miley Cyrus
Enrique Iglesias
Jamie Foxx
Wyclef Jean
Adam Levine
P!nk
BeBe Winans
Usher
Janet Jackson duetted with her older brother Michael on the recording
Celine Dion
Orianthi (on guitar)
Fergie
Nick Jonas
Toni Braxton
Mary Mary
Isaac Slade
Lil Wayne
Carlos Santana (solo with a guitar)
Akon
T-Pain
LL Cool J
Will.i.am
Snoop Dogg
Busta Rhymes
Swizz Beatz
Iyaz
Kanye West


そしてコーラスとして名前が挙がっている中には、パティ・オースティン、グラディス・ナイト、ナタリー・コール、アンソニー・ハミルトン、インディア・アリー、ラファエル・サディーク、ミュージック・ソウルチャイルド、ジェイソン・ムラーズなんかの名前もありました。グラディス・ナイトの歌が聴きたかったな~。

フジロック早割

2010-02-14 01:26:51 | フジロック
バンクーバー・オリンピック開会式の話題で持ち切りの今日この頃ですが、フジロッカーズの皆様、早割チケットの申し込みはお済みですか?

という訳で、今日はフジロック早割チケットの受付初日でした。私は「チケットぴあ」で申し込みました。当たりますように~!

なんかチケットを申し込んだりしますと、いよいよフジロックが近づいた感がありますよね~。出演者第1弾発表ももうすぐですね。今年はどんなアーティストが来てくれるのか? 昨年が「ルーツな日記」的に過去最高のメンツだっただけに、今年も期待する一方で、その期待を裏切られる覚悟も出来ています。

とりあえず、妄想するのは自由なので、個人的な予想と言うより希望を少々。

先日ボナルーの出演者が発表になっていましたが、なんか羨ましいですよね。特にノラ・ジョーンズ!! なんとかフジにも来てくれないですかね~? あとスティーヴィー・ワンダー! なんとなくフジのホワイト初日はブラック枠が定着しつつあるので、今年はスティーヴィーでどうでしょうか? ないでしょうね…。じゃあ、ジミー・クリフは? さらに最近ロック・フェスでよく名前を見かけるジェイ・Zが気になりますけど、フジはないかな~。


近年の傾向から行くと、グリーンにサプライズ級の大物は無いんじゃないかと思うんですよね~。ローテーション的にはビョークが来てくれると嬉しいな~、と思ったり。

奥の方では昨年、ミーターズ&ネヴィルズという夢がかなっちゃいましたから、今年は贅沢言えません。でも敢えて言うなら、レヴォン・ヘルムです。何とかなりませんかね~? 今一番ライヴが観たいアーティストです。もちろん彼のバンドをみんな引き連れて来て欲しいです。ヘブンで観れたら最高なんですけどね~。

そしてやっぱりブルースですね。過去にフジに出たリトル・ジョー・ワシントンが昨年素晴らしい新作を出したので、そろそろ再登場はどうでしょう? と言うか前回は車椅子状態だったのでリベンジということで。そしてやっぱりカルロス・ジョンソンですよ! 彼程テンションの高いスクイーズ・ギターを弾く人は今いませんからね。きっとフジロッカーズの心も掴むと思うんですけどね~。

あとはルシンダ・ウィリアムスとか、エミルー・ハリスとか、贅沢言ったらきりがないですね。

スマッシュ縁のアーティストでは、ジョン・バトラー・トリオとか、キャット・パワーなんかが来てくれると嬉しいですね。結構怪しいと思っているのですが…。あと朝霧からスライドでHYPNOTIC BRASS ENSEMBLEとか。


ま、私の妄想はともかくとして、来月が楽しみですね。とりあえず早割当たりますように。

@新宿タワーレコード

2010-02-12 20:50:33 | ジャズ
今日は若手ジャズ・シンガー、ホセ・ジェイムズのインストア・ライヴを観に新宿タワーレコードに来ています。今開演待ちです。夜9時スタートという遅い時間ながら、結構なお客さんが集まってます。アコースティック・ライヴということですが、どんな歌声を聴かせてくれるのか? 彼の生歌を聴くのは初めてなので楽しみです。


帰宅後追記:

ホセ・ジェイムズ、想像以上に良かったです。ジャズと言っても、ジャイルス・ピーターソンのレーベル、ブラウンズウッド・レコーディングスからデビューしているだけあって、クラブ感やヒップホップ色が濃く、ジャジーな中に光るクロスオーバーなセンスが格好良かったです。ホセ・ジェイムズの歌声は優しくスモーキーだったり、太くコクのある円やか且つ力強い響きだったり、ラップを聴かせたかと思えば、滑らかで柔らかな歌声を聴かせてくれたり。しかもそれはCDで聴くより断然ソウルフル! バックはキーボーディスト唯一人ながら、この人が絶妙の“揺”れを演出し、それと歌との絡みからジワ~とソウルが染みてきます。私はジャズ以上にネオ・ソウルのようなブラック・ミュージックの旨味を感じました。女性シンガー(彼の新作にも参加している Jordana de Lovely でしょうか?)とのデュエットも極上でした。ビルボードでのライヴも行きたかったな~。