JAMES BROWN / SEX MACHINE
ジェイムス・ブラウンがどれほど偉大なアーティストだったか、いまさらながら考えています。彼が後の音楽界に与えた影響力、いったいどれほどのものでしょうか?
彼はファンクを作ったと言われています。今でこそ当たり前のようにソウルやジャズ、ブルース、そしてロックに根付いているファンクは、彼が作ったのです。後にファンクと名のつくものは、全てJBの影響下に有ると言っても良いのです。
さて、このファンクの始まりはJBが64年に録音した「Out Of Site」だといわれています。以降、「I Got You (I Feel Good) 」「Papa's Got A Brand New Bag」「Cold Sweat」「I Can't Stand Myself (When You Touch Me)」「Licking Stick-Licking Stick」「Say It Loud (I'm Black and I'm Proud) 」といった今ではファンク・クラシックと呼ばれる名曲を次々に発表していきました。60年代後半のことです。
ちょうど、デトロイトのモータウン、メンフィスのスタックスが猛威を振るっていた頃です。この時代が、我々黒人音楽ファンにとっていかにエキサイティングな時代だったか。そんな時代にJBが、ファンクという新たな扉を開けたのです。
で、この64年に芽生えたファンクという音楽、もちろんダンス・ミュージックな訳ですが、それまでのジャンプ・ナンバーやノーザン・ビートと違う点は中毒性だと思います。この中毒性を演出したのはクールで隙間だらけの音と繰り返されるホーンリフ。もちろん絶妙のハネとネチッこさを実現するドラムとベース、そしてギターのカッティングがあってこそ。しかもこれらが奇跡的なズレを持って、JB流のファンクが完成されています。
「Cold Sweat」あたりまでの初期ファンク・ナンバーにはまだコード進行と言いますか、展開がありますが、「I Can't Stand Myself (When You Touch Me)」や「Licking Stick-Licking Stick」あたりからは、ひたすらワンコードを貫くことによりさらに中毒性を増していきます。
この中毒性というものは、人間の根源的に求めて止まない性のようなものですが、こと音楽に限っては、その起源としてアフリカの打楽器を思い出さずにはいられません。そういう意味では、JBのファンクは新しくもあり、黒人のルーツ回帰でもあるのです。そして面白いことに、このJBのファンクは再び先祖帰りし、フェラ・クティのアフロビートにも多大な影響を与えました。
さらにこの中毒性、特に催眠的に繰り替えされるギターのカッティングはマイルス・デイヴィスの電化にも影響を与えたとも言われています。
また、JBの歌唱も変化していきます。それまでの「コード進行にメロディーを乗せる」から「リズムに言葉を乗せる」ようになります。この辺りがラップやヒップホップの祖と言われる所以かもしれません。
そしてこのワンコードによるファンクは大傑作「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」で頂点を極めます。「ゲロッパ」で有名なJBの代表曲です。私にはそれまでク-ルな中にも泥臭さが有ったJBファンクが、この曲を境にアーバン化されていく印象が有ります。ある意味機械的にすら感じる同じリズムと同じリフの繰り替えしによる覚醒作用は、後のテクノ系ダンス・ミュージックに多大な影響を与えたことでしょう。
この後ファンクは多種多様な発展と交配を繰り返し、開発者であるJBを追い抜いていくことになります。しかしいつしかJBは黒人音楽のゴット・ファーザーもしくは帝王と呼ばれるようになります。それはヒット曲の数や過去の栄光からではないでしょう。その後のムーヴメントとなった音楽の影にJBの存在が有ったからです。
ヒップホップのネタとして数え切れないほどサンプリングされていることもJBの偉大さを物語っていますね。
ジェイムス・ブラウンがどれほど偉大なアーティストだったか、いまさらながら考えています。彼が後の音楽界に与えた影響力、いったいどれほどのものでしょうか?
彼はファンクを作ったと言われています。今でこそ当たり前のようにソウルやジャズ、ブルース、そしてロックに根付いているファンクは、彼が作ったのです。後にファンクと名のつくものは、全てJBの影響下に有ると言っても良いのです。
さて、このファンクの始まりはJBが64年に録音した「Out Of Site」だといわれています。以降、「I Got You (I Feel Good) 」「Papa's Got A Brand New Bag」「Cold Sweat」「I Can't Stand Myself (When You Touch Me)」「Licking Stick-Licking Stick」「Say It Loud (I'm Black and I'm Proud) 」といった今ではファンク・クラシックと呼ばれる名曲を次々に発表していきました。60年代後半のことです。
ちょうど、デトロイトのモータウン、メンフィスのスタックスが猛威を振るっていた頃です。この時代が、我々黒人音楽ファンにとっていかにエキサイティングな時代だったか。そんな時代にJBが、ファンクという新たな扉を開けたのです。
で、この64年に芽生えたファンクという音楽、もちろんダンス・ミュージックな訳ですが、それまでのジャンプ・ナンバーやノーザン・ビートと違う点は中毒性だと思います。この中毒性を演出したのはクールで隙間だらけの音と繰り返されるホーンリフ。もちろん絶妙のハネとネチッこさを実現するドラムとベース、そしてギターのカッティングがあってこそ。しかもこれらが奇跡的なズレを持って、JB流のファンクが完成されています。
「Cold Sweat」あたりまでの初期ファンク・ナンバーにはまだコード進行と言いますか、展開がありますが、「I Can't Stand Myself (When You Touch Me)」や「Licking Stick-Licking Stick」あたりからは、ひたすらワンコードを貫くことによりさらに中毒性を増していきます。
この中毒性というものは、人間の根源的に求めて止まない性のようなものですが、こと音楽に限っては、その起源としてアフリカの打楽器を思い出さずにはいられません。そういう意味では、JBのファンクは新しくもあり、黒人のルーツ回帰でもあるのです。そして面白いことに、このJBのファンクは再び先祖帰りし、フェラ・クティのアフロビートにも多大な影響を与えました。
さらにこの中毒性、特に催眠的に繰り替えされるギターのカッティングはマイルス・デイヴィスの電化にも影響を与えたとも言われています。
また、JBの歌唱も変化していきます。それまでの「コード進行にメロディーを乗せる」から「リズムに言葉を乗せる」ようになります。この辺りがラップやヒップホップの祖と言われる所以かもしれません。
そしてこのワンコードによるファンクは大傑作「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」で頂点を極めます。「ゲロッパ」で有名なJBの代表曲です。私にはそれまでク-ルな中にも泥臭さが有ったJBファンクが、この曲を境にアーバン化されていく印象が有ります。ある意味機械的にすら感じる同じリズムと同じリフの繰り替えしによる覚醒作用は、後のテクノ系ダンス・ミュージックに多大な影響を与えたことでしょう。
この後ファンクは多種多様な発展と交配を繰り返し、開発者であるJBを追い抜いていくことになります。しかしいつしかJBは黒人音楽のゴット・ファーザーもしくは帝王と呼ばれるようになります。それはヒット曲の数や過去の栄光からではないでしょう。その後のムーヴメントとなった音楽の影にJBの存在が有ったからです。
ヒップホップのネタとして数え切れないほどサンプリングされていることもJBの偉大さを物語っていますね。