ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

バディ・ガイ

2011-02-27 14:49:46 | ブルース
BUDDY GUY / LIVING PROOF

グラミー賞『Best Contemporary Blues Album』部門を受賞したバディ・ガイの「LIVING PROOF」。ブルース&ソウル・レコーズ誌に「バディはブルースを殺す気か」とまで言わせた問題作。

私は近年のバディ・ガイ作品の中では前作「SKIN DEEP」が一番好きです。芳醇なグルーヴを提供するバック・バンドと俺流を貫くバディ・ガイがギリギリのところで調和している傑作だと思います。今作はプロデューサーもバック陣もその前作「SKIN DEEP」をほぼ引き継いでいるので、その路線を踏襲した作品と言えるかもしれません。が、果たしてそうでしょうか?

1曲目「74 Years Young」。枯れた味わいのスライドと、深みのあるバディの歌がいい雰囲気で始まるコクのあるブルース。良い感じだと思いきやブレイクと同時にバディの爆裂ギター・ソロが全てをぶち壊す!ギガギガした音質で闇雲に弾きまくるバディ。初めて聴いた時、そのテンションと言うか異質感に思わず笑ってしまいました。これはさすがにやり過ぎでしょう?と。その強引な早弾きは完全にブルースの世界を逸脱している。確かに前作でもバディが弾き倒す場面は多々ありましたよ。ですがそれはバディらしい“勢い”や“濃”さを感じさせるものでした。しかし今作での弾きっぷりには、何処か無理矢理感を感じさせられる…。これが私の第一印象でした。

バック・メンバーは、プロデューサー兼ドラマーにトム・ハンブリッジ(スーザン・テデスキ・バンドの初期のドラマーだった人。プロデューサーとしてはジョニー・ウィンターの「IM A BLUESMAN」などが有名。)、ギターにデヴィッド・グリッソム(ディクシー・チックス、ジョン・メレン・キャンプ、オールマン・ブラザーズ・バンド等)、キーボードにリース・ワイナンズ(元ダブルトラブル)、この辺は前作から引き続きの参加、ベースはウィリー・ウィークスに変わってマイケル・ローズ。マイケル・ローズってあのザ・プレイヤーズのマイケル・ローズですか?ナッシュヴィルのカントリー界隈でならした名セッション・マンで、近年はあのラリー・カールトン&松本 孝弘 のバックでも知られる人ですね。そしてバック・コーラスにはウェンディ・モートンとベッカ・ブラムレットも参加しています。

2曲目は「Hoochie Coochie Man」を思わせる正統シカゴ・ブルース「Thank Me Someday」。歪みまくったバディのギターと彼らしいヒステリックなヴォーカルが良い案配なエグ味を生み出していますし、ギター・ソロも前半はかなりディープで痺れます。しかしこれが後半から制御不能な荒くれ具合となってしまう。メンフィス・ホーンズが参加したアーバン・ファンキーな「On The Road」も、ふくよかなグルーヴを提供するバックと、気合いの入ったバディの歌声にグイグイ引き込まれますが、耳をつんざくようなギター・ソロに辟易してしまう。ヘヴィなリズムが強力な「Key Don't Fit」や、女性コーラスが格好良いタイトル曲「Living Proof」なんかも同様な印象。

しかし聴き進めるうちに、初めは違和感を感じたこのギターの強引さに寄り切られてくるんです。バディの規格外なエネルギーに感覚が麻痺してくると言うか。徐々に爽快感すら覚えてくる。そしてそんな曲に混じってB.B.キングとの共演曲「Stay Around A Little Longer」があるんです。これがね~、ほっこりした感じで良いんですよ!B.B.とバディが語り合うような曲調にほろっと来ます。思えば、ブルースと言う看板を背負うという意味で、この二人が最後の砦と言っても過言ではないと思うんです。しかもスタジオ録音での二人の共演はこれが初だそうです。今作にバディがB.B.を招いたという事実は結構大きいと思うんですよ。しかもバディはB.B.より10歳程年下ですからね。年齢順を考えれば、B.B.の方が先に逝く可能性が高い訳です。しかし年下と言ってもバディももう74歳です。何か期せるものがあったのではないでしょうか?

1曲目の「74 Years Young」というタイトルからして、そんな気概を感じさせられますよね。全体を通じて異様に高いテンションと、全てを薙ぎ倒すようなギター・ソロ。俺はまだまだ暴れるぞ!みたいなエネルギーに溢れています。バディが若い頃、元々ブルースとはそういう音楽だったのかもしれません。今はスタンダードと化したシカゴ・ブルースですが、あれは異様な怪物達が次々に怪演を繰り広げた歴史だったはずです。今作でブルースをぶち壊す程に暴力的なギター・プレイを聴かせるバディ、これはある種の決意表明であると同時に現ブルース・シーンへの喝なのかもしれません。

アルバム後半に入る頃にはバディの勢いに完全に打ち負かされてしまいます。重いシャッフル「Too Soon」やミドル・テンポの「Let The Door Knob Hit Ya」などもその勢いたるや半端無いです。スロー・ブルース「Guess What」でのゴツゴツとしたギター・プレイも相当ディープ。もちろんこれでもか!と弾きまくる。声もギター・プレイも74歳とはとても思えません。ラストを締めるインスト「Skanky」もカッコイイ!! 最後がインストと言うのも、やはりこのギター!これがバディ・ガイだ!という強烈な主張を感じさせます。凄い!

まあ、とにかく異物感たっぷりの怪作ですよ! それ故に賛否両論あるかもしれませんが、私はかなり好きです!


ちなみに今回『Best Contemporary Blues Album』部門にノミネートされた作品は以下の通りです。あまりブルース部門らしくないですね~。毎年こんな感じなんですから、いっそのことブルース&ソウル部門にすれば良いのに…、と思ったり。


Buddy Guy / Living Proof
Solomon Burke / Nothing's Impossible
Dr. John And The Lower 911 / Tribal
Bettye LaVette / Interpretations: The British Rock Songbook
Kenny Wayne Shepherd Band Featuring Hubert Sumlin, Willie "Big Eyes" Smith, / Live! In Chicago

@六本木ヒルズ

2011-02-26 14:38:08 | フェス、イベント
今日は岡本太郎生誕100年を祝うフリー・ライヴ・イベント「TARO100祭」を観に六本木ヒルズに来ています。先程OKAMOTO'Sというバンドが終わりました。まったくノー・チェックのバンドでしたが、モッズな感じで格好良かったです。特にドラムに痺れました!

この後、田島貴男、サルガヴォ、鼓童と続きますが、寒すぎて最後まで居れるか分かりません…。




帰宅後追記:

六本木ヒルズ・アリーナで行なわれた「TARO100祭」。岡本太郎生誕100年という記念すべきバースデーを祝うフリー・ライブ・イベントです。会場のあちこちに彫刻やオブジェが飾られ、ステージ後方には象徴的な巨大な仮面があしらわれている。私が会場に到着した時は、既にトップ・バッターのOKAMOTO'Sのライヴが始まっていまして、初っ端から凄い人が集まり盛り上がっていました。


OKAMOTO'S
正直、この日初めて知ったバンドだったのですが、かなり格好良かったです。モッズと言うか初期フーを思わせる雰囲気で、特にドラマーさんの叩き方がキース・ムーンを彷彿とさせるような弾けっぷりで堪りませんでしたね。ビートもキレキレでしたし。もうほとんどドラムばっかり見てました。で、このOKAMOTO'S、バンド名は岡本太郎からきているそうで、メンバー4人全員がオカモト姓を名乗っているそうです。面白いですね~。なんてったって4人とも90年代の生まれですからね! ちなみにドラマーさんはTHE PRIVATESの延原達治さんの息子さんだそうです。さらにベーシストはダウンタウンの浜ちゃんの息子さんだとか。なんか凄いな!


田島貴男
ORIGINAL LOVEのシンガー。正直、それ程良くは知らないんですけど、気になる人なんですよね~。ソロでどんなことやるのかな?と思いきや、ストレートにアコギ弾き語りでした。首にはハーモニカのホルダー下げて、完全にフォーク・スタイル。ですがやってる曲は妙にブルージー&ファンキー。アコギ弾き語りであれだけファンキーな味を出せるって流石です!ギターよりもむしろ歌でグルーヴを出してる感じ。あれは黒かった! しかもず~っとそういう路線で行くのかと思いきや、メロウな曲あり、フォーキーな曲あり、ジプシー・キングスあり、ジャイブ的なスウィングありと、短いセットながら深い歌心を堪能させてくれました。終盤には客席とのコール&レスポンスもあって、「ソウルパワー!」とか「爆発だ!」と連呼したりして、微妙にシュールな感じが良かったです。最後は苦笑いしながら「終了…」と言い残して去っていきました。


Salle Gaveau
ポスト・ピアソラ・ミュージックを目指す五重奏団だそう。失礼ながらこちらもこの日初めて知ったバンド。ギター、アコーディオン、ヴァイオリン、鍵盤、ベースという編成。流石ポスト・ピアソラと言うだけあって、タンゴの情緒を感じさせながらもアヴァンギャルドなミクスチャーを聴かせてくれました。エレキ・ギターが入るのでプログレやフュージョンっぽい感じもありましたね。個人的なイメージとしては、この日最も岡本太郎を感じる演奏でした。最後には岡本太郎に捧げる曲を演奏していましたが、アコーディオンとヴァイオリンのソロが素敵でした!


鼓童
いや~、これはホント素晴らしかった! 岡本太郎は「芸術は爆発だ!」と言いましたけど、私は鼓童を観て思いましたよ、「和太鼓は宇宙だ!」。ちょっと意味不明で申し訳ないですけど、それぐらい、和太鼓の音色とリズムが織りなす世界にトリップさせられたんです。神聖な雰囲気のなか、叩き手の気合いと気合いのぶつかり合いが音となって押し寄せてくる感じ。折り重なる低音とめくるめくリズム。圧巻でしたね。終盤には歌も歌われたんですけど、それがまた良かった!あの声に痺れた! 日本の文化って素晴らしいな、とあらためて思わされました。


それにしても、バースデーを祝うためにこれ程までに個性豊かなメンツが揃ってしまうあたり、さすがは岡本太郎ですね!

岡本太郎さん、100歳おめでとうございます!

レイ・ラモンターニュ

2011-02-24 19:09:00 | SSW
RAY LAMONTAGNE AND THE PARIAH DOGS / GOD WILLIN' & THE CREEK DON'T RISE

グラミー賞『Best Contemporary Folk Album』部門を受賞したレイ・ラモンターニュの「God Willin' & The Creek Don't Rise」。先日当ブログで取り上げたキャロライナ・チョコレート・ドロップスはトラディショナル・フォーク部門でしたが、こちらはコンテンポラリー・フォーク部門です。

ニューハンプシャー出身の孤高のシンガー・ソング・ライター、レイ・ラモンターニュ。生まれて間もない頃に両親が離婚し、住む場所を転々とする生活を余儀なくされる。喧嘩ばかりしていたと言う学校生活を卒業すると、あてもないまま家族のもとを離れて行く。それから数年後、靴工場で働いていたある朝、目覚めた時にラジオから流れていたスティーヴン・スティルスの「Treetop Flyer」に感銘を受け、彼は仕事を辞め、自ら歌うことを志す。こんなバイオからも彼の持つ特別な何かを感じさせられますよね。そしてアルバム・デビューは04年の「TROUBLE」。今作「GOD WILLIN' & THE CREEK DON'T RISE」は4作目のスタジオ・アルバムです。

彼の歌声は良いですよね~。暖かい声質の中に繊細な感情表現と張りつめた緊張感があります。それでいて荒々しくもあり、モワッとした熱気がある。デビュー以来変わらないそんな彼の魅力が今作ではさらに研ぎ澄まされている印象。前3作でプロデューサーを務めたイーサン・ジョーンズと分かれ、セルフ・プロデュースで臨んだのも良かったのかもしれません。前作のようなオーセンティックなソウルとかブルースを感じさせる派手さはないものの、よりパーソナルな深みとピュアなエモーションに貫かれています。また“~AND THE PARIAH DOGS”というバンド名義となっているところも肝。骨格としてレイのアコギ弾き語りを感じさせながら、聴き進めていくうちにシンプル且つナチュラルなバンド・サウンドがレイの歌心に溶け込んでいきます。

とにかくこのバンド・サウンドが良いんですよ! ちなみにエンジニアはライアン・フリーランド。この人、かのジョー・ヘンリーが携わった作品の多くでその手腕を発揮している人。(もちろんジョー・ヘンリーがプロデュースしたキャロライナ・チョコレート・ドロップスの「GENUINE NEGRO JIG」でもこの人がエンジニアを務めています)。しかも今回のバンド、THE PARIAH DOGSのメンツは何らかの形でジョー・ヘンリー作品に参加した人達で固められているという、なかなか興味深い人脈。(ジョー・ヘンリー本人は参加してないようですけどね。)

まず1曲目の「Repo Man」が格好良い! 土っぽくざらついたファンキーなリズムにやられます。 その核となるドコドコと跳ねるドラムはジェイ・ベルローズ!! T・ボーン・バーネットやジョー・ヘンリー関連の名作の影にこの人ありってドラマーですね。私この人大好きなんですよ! そしてベースは前作にも参加していた女性、ジェニファー・コンドス。彼女はジェイ・ベルローズと一緒に矢野顕子のバックを務めたりもしていましたね。さらにギターはグレッグ・リーズ! この人もジョー・ヘンリー周辺でよく名前を見かける名手ですね。そしてもう一人のギタリストがサン・ヴォルトなどで知られるエリック・ヘイウッド。この二人のギターの絡みが良いんですよ! 両者ともスティール・ギターなどスライドを得意とする方達ですが、その辺のバランスも保ちながら見事に噛み合っています。

例えば「New York City's Killing Me」でのグレックの揺れるようなエレキ・ギターと、後半から入ってくるエリックのスライド! アメリカーナな郷愁を感じさせられますね~。優し気なレイの歌声も滲みます。そしてグレッグとエリックの両者がペダル・スティールを弾くタイトル曲「God Willin' & The Creek Don't Rise」。ゆったりとした大陸の空気のように重なるスライドのうねり。そして重くタメの効いたジェイ・ベルローズのドラムも秀逸。さらにレイのヴォーカルもソウルフル!やっぱりレイの歌声には特別な響きがありますね。ブルージーな「This Love Is Over」で聴かせる情感の揺れなんかはかなり深い。

フォーキー且つ独特の浮遊感を持つ「Are We Really Through」も印象的。 トロっとしたレイの歌声に引き込まれます。これ良い曲なんですよね~。そして良い曲と言えば、朗らかなカントリー・テイスト香る「Beg Steal Or Borrow」を忘れてはなりません。この曲は今回のグラミーで主要部門である『Song Of The Year』にノミネートされてたんですよね~。残念ながら受賞は逃しましたけど。これはシンプルなメロディーゆえに普遍的な魅力を持った曲ですね。サビの「Young man ~ 」というフレーズが妙に心に残ります。

この「Beg Steal Or Borrow」もそうなんですが、グレッグがバンジョーを弾く「Old Before Your Time」や、カントリー・ロックな「Devil's In The Jukebox」などの土っぽいフレイバーが、全体的なしっとりとした緊張感に爽やかな風を吹き込んでるようで、良いんですよね~。レイ一人による「Like Rock & Roll And Radio」の素朴さもしかり。いやはや、素晴らしいアルバムですよ!



ちなみに『Best Contemporary Folk Album』部門にノミネートされていた5作品は以下の通りです。

Ray LaMontagne And The Pariah Dogs / God Willin' & The Creek Don't Rise
Jackson Browne & David Lindley / Love Is Strange - En Vivo Con Tino
Mary Chapin Carpenter / The Age Of Miracles
Guy Clark / Somedays The Song Writes You
Richard Thompson / Dream Attic


ちなみにこのアルバム、ライアン・フリーランドの手腕が『Best Engineered Album, Non-Classical』にノミネートされていました。

眼鏡予報とMOUNTSUGAR@上町SODO

2011-02-19 19:14:54 | SSW
今日はダブルフェイマスの鍵盤奏者でもある藤堂正寛さんの写真展「眼鏡予報」&マウントシュガーのライヴを観に上町SODOに来ています。眼鏡をかけた原田郁子さんの写真が飾られたカフェ店内はかなり良い雰囲気。そろそろマウントシュガーが始まるかな?


帰宅後追記:

今日は有意義な一日でした。世田谷散策と写真展「眼鏡予報」、そしてマウントシュガーのライヴですよ!

実は私、案外な歴史マニアでして、世田谷に行くにあたり、豪徳寺と松陰神社に参るのを楽しみにしていたんです。なぜなら豪徳寺には井伊直弼、松陰神社には吉田松陰、それぞれのお墓があるからです。安政の大獄を行なった大老、それによって斬首になった賢人。幕末好きにとっては感慨深い世田谷なのであります。さらに世田谷城址公園なんかもあったりで、遠い中世に思いを馳せたり。ま、それはここで語るべきことではないので多くは語りませんが、その散策の途中で、写真展「眼鏡予報」を鑑賞するために上町SODOへ寄りました。シンプルな内装にセンスを感じる素敵なカフェでした。ここはダブルフェイマスのパーカッショニスト、細窪洋介さんが手がけるカフェでして、メニューにダブルフェイマス・ブレンドというコーヒーがあったので注文してみました。実は私、コーヒーが苦手なのですが、これは美味しかったです!

壁にはクラムボンの原田郁子さんが眼鏡をかけた写真が並べられている。彼女が良い表情してるんですよ。眺めてるだけで和みます。もちろん眼鏡がポイント。代々木公園で撮影されたという、陽光を感じさせる明るい色調も気持ちよかったですね~。カフェの作る空気と写真の景色が良い感じに調和していました。また、その他沢山の写真がファイルに整理されていて、自由に閲覧出来るようになっていたので、私もじっくり堪能しました。ASA-CHANGさんやいとうせいこうさんの写真も印象的でした。さらに私が前に観たライヴの写真があったりして懐かしかったり。

そして夜はマウントシュガーのライヴ! 上町SODOでの「眼鏡予報」初日を飾るレセプションとのことでしたが、堅苦しい感じはなく、終始和気あいあいとした和やかなムードでしたね。マウントシュガーのライヴも最高でした。なんかカフェの空気に溶け込むような感じで。1曲目は「農家の嫁」。良かったですね~。この曲でのアリサさんのゆったりとしたスイング感は何度聴いても滲みますね。「KETE」や「パレット」、「光が消える前に」も良かった。最近、何故か男性ギタリスト&女性シンガーというデュオを観る機会が多いのですが、それぞれ個性的で、特にギターによる表現の違いが面白い。森さんのギターは、アリサさんの歌声にしっとりと添える感じが良いですよね。これみよがしに前に出ることはなく、ただただ暖かい音色を紡いでる。だからと言って単なるバッキングではなく、アリサさんとの呼吸の通じ合いが音楽を通して感じられる。歌を引き立てると言うより、歌と共にあるギター。この二人の醸す空気が良いんですよ。

ちなみに今回は「眼鏡予報」ということで、アリサさんも珍しく眼鏡をかけていまして、かなり似合っていました。でも視力が良いそうで、眼鏡は苦手なようでした。そしていつもならアリサさんが話題を振ってもほとんど喋らない森さんが、自身の視力についてのエピソードを語ってましたね。MCをする森さん、初めて観たかも。そして終盤は藤堂さんがマンドリンとピアニカで参加してのセッション。アンコールはマイクを外しての「太陽」。アリサさんのエモーショナルな歌声にうっとりでした!

なんか良い時間を過ごさせて頂きましたね~。無料で頂いたキッシュ的なものも美味しかったですし、帰り際にはマウントシュガーのお二人と藤堂さんと少しお話しすることも出来たり、アットホームで楽しいレセプションでした!



眼鏡予報のサイト→http://glasses-o-o-brille.com/

上町SODOのサイト→http://bbp.typepad.jp/blue_beat_project/

キャロライナ・チョコレート・ドロップス

2011-02-19 13:38:02 | カントリー
CAROLINA CHOCOLATE DROPS / GENUINE NEGRO JIG

グラミー賞『Best Traditional Folk Album』部門を受賞したキャロライナ・チョコレート・ドロップスの「GENUINE NEGRO JIG」。現代では非常に珍しいと思われる黒人ストリング・バンドです。メンバーはジャスティン・ロビンソン、ドム・フレモンズ、そして紅一点のリアノン・ギデンスのトリオ編成。カロライナ/アパラチアの伝統音楽を中心に、バンジョーやフィドルの音色が踊る古き良き時代の息吹を甦らせるような演奏を聴かせてくれます。この3人、数年前からタワーレコードなんかで見かけて気にはなってたんです。前々作にあたる「HERITAGE」なんかを試聴して、これ凄いな、とか思いつつも何となく買いそびれてたんですよね~。で、この最新作ですよ!なんとジョー・ヘンリーがプロデュース。これは迷わず買いですよね!

ソロモン・バークの「DON'T GIVE UP ON ME」や、ベティ・ラヴェットの「I'VE GOT OWN HELL TO RAISE」、エイミー・マンの「THE FORGOTTEN ARM」など、その独特なルーツ解釈と陰影に富んだサウンドで名を轟かせたジョー・ヘンリー。近年もランブリン・ジャック・エリオットの「A STRAGER HERE」でブルースを、アラン・トゥーサンの「THE BRIGHT MISSISSIPPI」でニューオーリンズ・ジャズを、さらにアーロン・ネヴィルの「I KNOW I'V BEEN CHANGED」でゴスペルをと、彼独特のルーツ探訪を進めますます鋭意盛んな制作活動を進めています。そしてこのキャロライナ・チョコレート・ドロップスではオールド・タイムな黒人ストリング・バンドですよ!

しかしこのトリオは貴重ですよね。少なくとも日本に輸入されるようなCDをリリースしている黒人ストリング・バンドはこの人達だけでしょうからね。おそらくアメリカ広しと言えど、この形態はほとんど絶滅危惧種のようなものなのではないでしょうか? でもカントリー・ミュージックのルーツとしてアパラチア地方で生まれた黒人ストリング・バンドがあることは間違いないことでしょうし、例えばバンジョーなんかは今ではカントリー/ブルーグラスの楽器として知られますが、元々はアフリカ系アメリカ人によって作られ親しまれた楽器で、そのルーツはアフリカにあるそうですしね。そんな古き良き伝統を甦らせるこの人達、しかも人間国宝的なお爺さんお婆さんではなく、若手3人組と言うのが素晴らしい!

この3人の出会いなどにつきましては中川五郎さんの「グランド・ティーチャーズ」に詳しいですが、それによりますと、3人はインターネットの「ブラック・バンジョー:昔と今(Black Banjo: Then & Now)」というサイトを通じて知り合ったそうです。これだけオールド・タイムの音楽をやっていながら、知り合ったきっかけがネットというのも面白いですよね。そしてこのバンドが結成されたのが05年、バンド名は1930年代に活躍した黒人兄弟バンド、テネシー・チョコレート・ドロップスに敬意を表しつけられたそうです。この辺にもこのバンドの真っすぐな姿勢が伺えますよね。そして06年「SANKOFA STRINGS」でアルバム・デビュー。最新作「GENUINE NEGRO JIG」は通算5作目にあたるそうです。

1曲目「Peace Behind The Bridge」からジャスティンの鄙びたフィドルが良い味わいですね。リアノンが5弦バンジョー、ドムが“bones”、直訳すると“骨”ですね。そんなパーカッションをならしてる。3人の織りなす空気はまさにオールド・タイム! スピード感のある「Trouble In Your Mind」ではドムがネイティブ・インディアン的(よくわかりません、私のイメージです。すいません…)な喉を鳴らす“throat singing”を聴かせる。「Your Baby Ain't Sweet Like Mine」ではドムがジャグを、リアノンがカズーを吹くなど、ジャグ・バンド的な風合いが楽しい。他にも「Cornbread And Butterbeans」や「Cindy Gal」、「Sandy Boys」といったトラディショナルでの、軽やかでノリの良い演奏に惹かれます。

一方でリアノンがフィドルを弾くタイトル曲「Snowden's Jig (Genuine Negro Jig)」のような独特な影のある曲も秀逸。どこか素朴なスピリチュアルを感じさせますね。ドムのギターをバックにリアノンがブルージーに歌う「Why Don't You Do Right? 」はカンサス・ジョー・マッコイのカヴァー。ジャスティンの惹くオートハープの音色が寂し気な情緒を醸す「Kissin' And Cussin' 」はそのジャスティンによるオリジナル曲。リアノンの美しいアカペラ独唱による「Reynadine」はおそらくイギリスの古いバラッド。さらにトム・ウェイツのカヴァー「Trampled Rose」があったり、「Hit 'Em Up Style」ではドムがビートボックスでリズムを演出してる!この曲のリアノンの歌唱も見事!

それにしても面白い3人ですね。一見、ただただ真摯なオールド・タイム探求者のようでありながら、彼等ならではのミクスチャー感と冒険心を持っている。新旧と明暗のバランス感覚により絶妙な立体感を演出させた影にはジョー・ヘンリーの手腕もあるでしょう。今回はグループのプロデュースと言うことで、お馴染みのジョー・ヘンリー・バンド的な面々が参加していないため、彼らしい魔術的なサウンドは聴かれませんが、やはり流石ジョー・ヘンリーと唸らされる作品ですね。


ちなみに、今回『Best Traditional Folk Album』部門にノミネートされていた作品は以下の5作品でした。

Carolina Chocolate Drops / Genuine Negro Jig
Luther Dickinson & The Sons Of Mudboy / Onward And Upward
The John Hartford Stringband / Memories Of John
Maria Muldaur / Maria Muldaur & Her Garden Of Joy
Ricky Skaggs / Ricky Skaggs Solo: Songs My Dad Loved


MOUNT SUGAR @下北沢BIG MOUTH

2011-02-16 14:01:27 | SSW
2月12日、下北沢のBIG MOUTHでマウントシュガーを観てきました。この日の出演は、共田尚樹、コンドウ ヒロユキ、マウントシュガー、DRIED BONIT の4組。失礼ながら、マウントシュガー以外は知らない方々でした。で、この日は私、18時からブルーノート東京でカイル・イーストウッドのライヴを観ておりまして、それが終わり次第急いで下北沢へ向かいました。私が着いた時は、2組目のコンドウ ヒロユキさんのライヴが終わる頃で、その次がマウントシュガーだったので結構ギリギリでした。

さて、マウントシュガーです。アリサさんと森さんの二人だけのセット。「愛しい人よそのままで」で始まり、「農家の嫁」、「野生」、「光が消える前に」など、お馴染みの曲を披露してくれました。この日はトリを務めるDRIED BONITが主催の様で、このユニットのシンガー、Yasuyoさんの“BIRTHDAY LIVE”的なイベントだったんです。そんなこともあり、「光が消える前に」ではDRIED BONITのお二人をゲストに向かえてのセッションになりました。冒頭部分をアリサさんがアカペラで歌い出し、それをYasuyoさんが弾く継ぐという展開が印象的でしたね。そして最後は「太陽」。いや~、何度観てもマウントシュガーは良いですね。短いセットでしたが、この日も2人の醸す空気感にどっぷりでした。そしてアリサさんのエモーショナルな歌声にうっとりでした。でも最近「スーパースター」をやってくれないのがちょっぴり残念だったりもします。あの曲好きなんだけどな~。

最後に登場したDRIED BONITですが、マウントシュガーと同じ女性シンガーと男性ギタリストのコンビ。でもマウントとはまた違う雰囲気で楽しめました。Yasuyoさんの声は透明度が高くて、突き抜けるような高音が素敵でしたね。終盤は観客も一緒に振り付けしながら歌うような曲もあったりで、ちょっと恥ずかしかったですが、楽しかったです。

この下北沢BIG MOUTH、ビルの2階にありまして、通りに面したガラス張りを背にして演奏するというシチュエーションが良いですね。マカロニやケーキも美味しかった!

さて、次はどこでマウントシュガーを観れるでしょうか? 世田谷あたりかな?

バレンタイン

2011-02-16 00:33:58 | 余話
昨日はバレンタインでしたね。男性の皆さん、チョコレートは貰いましたか? 私は妻と義母から頂きました。私はケーキが大好物なので、妻は毎年チョコレートケーキをくれます。今年はアンリ・シャルパンティエのケーキでした。可愛いでしょ?しかも激旨! 中にはムースとジュレが入っている。上に乗っているハートももちろん全部チョコレートですよ! ちょっと乗りすぎな感じですが…。



そして恒例のCDもプレゼントしてもらいました! 妻がジャケと直感で選んだ2枚!


Rev.K.M.Wiliams / The Texas Boogie Preacher
自らを「テキサス・カントリー・ブルース・プリーチャー」と呼ぶK・M・ウィリアムス。テキサスとはいえ結構デルタっぽかったりもする。しかもゴスペルなんですかね? とにかくエグイです。さすがダイアルトーン。ちなみに妻が選んだポイントは、もちろんジャケに写る謎の1弦ギターです。このジャケはインパクトありますよね~。


ROBERT JR. LOCKWOOD & THE ACES / BLUES LIVE!
74年に日本で行なわれた第1回ブルース・フェスティバルでの伝説的ライヴを収めたもの。名盤ですよね。ですがこのコンプリート盤は買いそびれていたので嬉しいですね~。しかし妻はこのジャケの何所が気に入ったのだろうと思ったら、ゆらゆら帝国のライヴ・ボックスに似ているからだそうです。確かに色合いは似てますね。

奥様、ありがとう~!!

グラミー賞ベストパフォーマンス

2011-02-15 23:15:02 | フェス、イベント
BOB DYLAN / NASHVILLE SKYLINE

昨日、日本でもWOWOWで放送されたグラミー賞授賞式。今年も素晴らしいパフォーマンスの連続でしたね。ま、個人的にはビヨンセもアリシア・キーズも出てないと言うことで、ちょっぴりテンション低めなんですが、それでも流石グラミー賞ですよね。たっぷり楽しませて頂きました。その中でも特に印象に残ったものをいくつか。


まずは何と言ってもボブ・ディランですよ! 何てったって若手のマムフォード&サンズとアヴェット・ブラザーズとの共演でしたからね。両組ともバンジョー奏者がいたりして、新時代のカントリー・ロック的な雰囲気で、かなり気になる存在なんですよね~。で、パフォーマンスはまずマムフォード&サンズの「The Cave」。シンガーがアコギを弾きながらバスドラをドスドス踏んでる。その横にバンジョーとウッド・ベース、キーボードという布陣。さらに奥にはホーン隊も居る。このバンド、今回のグラミー賞で新人賞にノミネートされていたんですが、実はイギリスのバンドで、本国では07年にデビューしてかなりの人気を博しているようです。さすがにイギリスのバンドだけあり、独特の湿り気と、アイリッシュ・パンクっぽいスピリッツを感じましたね。そしてステージはアヴェット・ブラザースに引き継がれる。曲は「Head full Of Doubt」。編成は、シンガー兼キーボード、アコギ、ベース、ドラムス、チェロ。こちらはアメリカのバンドなので、よりザ・バンド的な情緒を感じさせる演奏でした。チェロが良い味出してましたね~。そしてボブ・ディランが登場。先の2バンドとディランのバック・メンバーも交えて「Maggie's Farm」。マムフォードの鍵盤奏者がアコーディオンに持ち替えてたり、アヴェットのシンガーがバンジョーを弾いてたりと、微妙な楽器チェンジもありなカントリー・セッション。ディランの存在感抜群なダミ声が強烈でしたね。最後にはハープも吹いてました。

そしてミック・ジャガー!! ソロモン・バークのトリビュート・コーナーで登場。普通トリビュートと言うと何人かのシンガーが交代で歌う印象がありますが、そこは流石ミック、ラファエル・サディーク率いるバンドをバックにたった一人のオン・ステージ!! 曲は「Everybody Needs Somebody To Love」。60年代に若きローリング.ストーンズがカヴァーしたソロモン・バークの代表曲ですね。それにしても元気ですよ!60歳代後半の男の動きじゃないですね。ミックがグラミーでパフォーマンスするのはこれが初めてだそうですが、確かに、あの時だけグラミーではないような錯覚に陥りました。

ノラ・ジョーンズ&キース・アーバン&ジョン・メイヤーによる「Jolene」。これは功労賞を受賞したドリー・パートンを称えて披露された演奏。やっぱりノラ・ジョーンズは良いですね~。彼女を挟むようにアコースティック・ギターを弾いたキース・アーバンとジョン・メイヤーもさすがに上手かったですね。気合いの入った大きなパフォーマンスも良いですが、案外、こういったちょっとしたセッションがレアな感じで嬉しいですよね。

レディ・アンティベラム。正直、ポップ・カントリーを侮っていました。かなり良かったです。なんか女性シンガーの方、髪型やお化粧のせいか随分雰囲気変わりましたよね? で、ほんのさわり程度ですが「If You Don't Know Me By Now」を歌ったんですよ!ハロルド・ メルビン&ブルー・ノーツ ですよ!つまりテディ・ペンダーグラスをトリビュートした訳ですが、これが良かったですね~。しっとりとしたハーモニーで。もちろんその後に歌った「American Honey」~「Need You Now」も良かったですよ。男女シンガーが良い声してるんですよ!

ミランダ・ランバートの「The Hous That Built Me」。恥ずかしながらこのパフォーマンスで初めて聴きました。と思ったら、ノミネーション・コンサートにも出てたんですね。その時はアップ・テンポの明るい曲を歌っていましたが、今回はスロー・ナンバー。良いですね~。こういうしっとりとしたカントリーは、なんかジ~ンと来ますよね。

そして今回のグラミー賞で驚いたのは、いきなりアレサ・フランクリンのトリビュートから始まったこと。それだけ「アレサが癌により闘病中」というニュースが音楽会に与えた衝撃が大きいということですね。出演はクリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ハドソン、マルティナ・マクブライド、フローレンス・ウェルチ、ヨランダ・アダムス。それぞれが個性を生かした素晴らしい歌声で、アレサの往年のヒット曲を紡いでいく。クリスティーナ・アギレラやジェニファー・ハドソンの気合いの入った歌唱も良かったですが、やっぱりヨランダ・アダムスでしょう!なんか余裕綽々な表現力が堪りませんでしたね。格好良かったです。パフォーマンス後にアレサがコメント映像で登場してくれたことも嬉しかったですね。早く元気になって欲しいです。


あとエミネムも良かったです! ラップに興味のない私は、もちろんエミネムもまったく聴かないのですが、最近のエミネムのパフォーマンスってなんか緊張感あって格好良いですね。リアーナの「What's My Name」も良かったです。やっぱ彼女は存在感ありますね~。


*写真はボブ・ディランの69年作「NASHVILLE SKYLINE」。別に今回のパフォーマンスに関係がある訳ではないんですけど、ディランのカントリーと言えばやっぱこれかな?みたいな。ではパフォーマンスがこれに近かったのかと言えば、まったくそんなこともなかったりすんですけどね…。

グラミー賞の気になる結果 part2

2011-02-15 14:34:11 | フェス、イベント
PATTY GRIFFIN / DOWNTOWN CHURCH

前回の続き。グラミー賞受賞結果の気になるところをかいつまんで。今回はかなりマニアックです。


Best Traditional Gospel Album - Patty Griffin / Downtown Church
今回のグラミー賞で一番獲って欲しかったのがこの作品。コングラチュレーション!!!

Best Americana Album - Mavis Staples / You Are Not Alone
ここは「ルーツな日記」的に超激戦区。メイヴス・ステイプルズ、ロザンヌ・キャッシュ、ロス・ロボス、ウィリー・ネルソン、ロバート・プラント、誰が獲っても文句無しでした。

Best Bluegrass Album - Patty Loveless / Mountain Soul II
ここも激戦区。サム・ブッシュ、デル・マッコーリー・バンド、ピーター・ローワンといった強敵を押さえてパッティ・ラヴレス!

Best Traditional Blues Album - Pinetop Perkins & Willie 'Big Eyes' Smith / Joined At The Hip
いよいよブルースです。パイントップ・パーキンス、ジェイムス・コットン、チャーリー・マッセルホワイト、ジミー・ヴォーン、そして異色のシンディー・ローパーが並んだトラディショナル・ブルース部門。案外このシンディー・ローパーのブルース作が持っていくんではないか?と思ったのですが、ここは長老パイントップでしたね。納得です。

Best Contemporary Blues Album - Buddy Guy / Living Proof
バディ・ガイ、ソロモン・バーク、ドクター・ジョン、ベティ・ラヴェット、ケニー・ウェイン・シェパードと、何やらヴァラエティ豊かなコンテンポラリー・ブルース部門。私はソロモン・バークだと思ったんですけどね~。バディのこのアルバムは賛否両論あるようですけど、私は結構好きです。なんだかんだであの熱量は半端ないです。

Best Traditional Folk Album - Carolina Chocolate Drops / Genuine Negro Jig
ジョー・ヘンリーがプロデュースした黒人ストリング・バンド、キャロライナ・チョコレート・ドロップス!! マリア・マルダーやジョン・ハートフォードを押さえての受賞。

Best Contemporary Folk Album - Ray LaMontagne And The Pariah Dogs / God Willin' & The Creek Don't Rise
ここはジャクソン・ブラウン&デヴィッド・リンドレイだと思ったんですけどね。レイ・ラモンターニュですか~、渋いところついてきますね。

Best Zydeco Or Cajun Music Album - Chubby Carrier And The Bayou Swamp Band / Zydeco Junkie
ルイジアナのクレオール系よる伝統音楽ザディコ及びケイジャン。私のお気に入りセドリック・ワトソンもノミネートされてたんですが残念でした。で、チャビー・キャリアーのこの作品、聴きたいんですけど何所で買えるんですかね?

Best Reggae Album - Buju Banton / Before The Dawn
阿曽沼和彦さんがプロデュースしたことで話題になったスライ&ロビーは残念。

Best Traditional World Music Album - Ali Farka Touré & Toumani Diabaté / Ali And Toumani
マリ出身のギタリストAli Farka Touréと、コラ奏者Toumani Diabatéの作品。Ali Farka Touréは06年に亡くなられてるそうです。

Best Contemporary World Music Album - Béla Fleck / Throw Down Your Heart , Africa Sessions Part 2: Unreleased Tracks
バンジョー奏者ベラ・フレックによるアフリカ・セッション。の第2弾ですか? 実は気になっているもののPART1もまだ買ってないんですよね~。聴かねば!

Best Musical Album For Children - Pete Seeger With The Rivertown Kids And Friends / Tomorrow's Children
米フォーク界のカリスマ、ピート・シーガー。こういう作品も出してるんですね。

Best Compilation Soundtrack Album For Motion Picture, Television Or Other Visual Media - Crazy Heart
サウンドトラック部門。T=ボーン・バーネット絡みのカントリー系作品が受賞。でもここは「Tremé」というニューオーリンズの素晴らしいサントラがあったんですけどね~。

Best Score Soundtrack Album For Motion Picture, Television Or Other Visual Media - Randy Newman / Toy Story 3
こちらは同じサントラでも“スコア”の方。ディズニー作品を多く手がけるランディー・ニューマンが受賞。

Best Song Written For Motion Picture, Television Or Other Visual Media - Ryan Bingham & T Bone Burnet / The Weary Kind (From Crazy Heart)
サントラの楽曲賞ですが、ここが意外と激戦区。受賞作の他には、ランディー・ニューマン作でドクター・ジョンが歌った「Down In New Orleans (From The Princess And The Frog)」、レオナ・ルイスの「I See You (From Avatar)」、ルシンダ・ウィリアムス&エルヴィス・コステロの「Kiss Like Your Kiss (From True Blood」、スティーヴ・アールの「This City (From Tremé)」ですからね。特にルシンダ&コステロが良いんですけどね~。結局「Crazy Heart」に持っていかれましたが。


とまあ、駆け足ですがこんな感じです。次回は授賞式のパフォーマンスについて。




グラミー賞の気になる結果 part1

2011-02-15 01:41:57 | フェス、イベント
STANLEY CLARKE / THE STANLEY CLARKE BAND

みなさん、グラミー賞はご覧になりましたか? アレサ・フランクリンのトリビュートとか、ボブ・ディランとか、ミック・ジャガーとか、素晴らしいパフォーマンスの連続でしたが、今回は気になる受賞結果をいくつか。


Record Of The Year - Lady Antebellum / Need You Now
Album Of The Year - Arcade Fire / The Suburbs
Song Of The Year - Lady Antebellum / Need You Now
Best New Artist - Esperanza Spalding
一応、主要4部門はこんな感じ。『Record Of The Yea』はジェイ・Z&アリシア・キーズの「Empire State Of Mind」に来て欲しかったんですけどね~。ちなみにレディ・アンテベラムは今回最多の5部門で受賞だそうです。『Best New Artist』のエスペランサ・スポルティングは嬉しいですね!

Best Female Pop Vocal Performance - Lady Gaga / Bad Romance
ビヨンセの「Halo (Live)」やノラ・ジョーンズの「Chasing Pirates」を押しのけてのガガ。

Best Pop Collaboration With Vocals - Herbie Hancock, Pink, India.Arie, Seal, Konono No 1, Jeff Beck & Oumou Sangare / Imagine
対抗にはエルトン・ジョン&レオン・ラッセルの「If It Wasn't For Bad」やガガ&ビヨンセの「Telephone」なんかもありましたが、この「Imagine」には納得。良いんですよ!インディア・アリーが!

Best Pop Instrumental Performance - Jeff Beck / Nessun Dorma
ジェフ・ベックが弾く「誰も寝てはならぬ」。良いんじゃないですか~。

Best Pop Instrumental Album - Larry Carlton & Tak Matsumoto / Take Your Pick
ポップ部門での日本人受賞!!凄いですね!

Best Solo Rock Vocal Performance - Paul McCartney / Helter Skelter
エリック・クラプトン、ロバート・プラント、ニール・ヤングというレジェンド達が並んだこの部門、栄冠はポール・マッカートニー!!

Best Rock Performance By A Duo Or Group With Vocals - The Black Keys / Tighten Up
この部門ではアーケイド・ファイアもミューズも、このオハイオ出身のブルース・ロック2人組に叶いませんでした。

Best Rock Instrumental Performance - Jeff Beck / Hammerhead
ジェフ・ベック健在ですね。個人的にはロス・ロボス「Do The Murray」を押してたんですけどね~。

Best Rock Song - Neil Young / Angry World
歌唱やサウンドではなく、曲の良さが評価されたと言うことですよね?

Best Rock Album - Muse / The Resistance
ニール・ヤングやジェフ・ベック、トム・ペティもノミネートされたんですけどね~。

Best Female R&B Vocal Performance - Fantasia / Bittersweet
ファンテイジアには納得。

Best R&B Performance By A Duo Or Group With Vocals - Sade / Soldier Of Love
ロナルド・アイズレー&アレサ・フランクリンの「You've Got A Friend」だと思ってたのに~。

Best Traditional R&B Vocal Performance - John Legend & The Roots / Hang On In There
ベティ・ライトの「Go (Live)」がノミネートされてたんですけど、残念でした。

Best R&B Album - John Legend & The Roots / Wake Up!
順当と言うか、強いですね。

Best Female Country Vocal Performance - Miranda Lambert / The House That Built Me
恥ずかしながら、今回の授賞式でのパフォーマンスで初めて聴きました。良いですね~、ミランダ・ランバート!!

Best Country Instrumental Performance - Marty Stuart / Hummingbyrd
マーティ・スチュアート!! 若手のPunch Brothersも気になってたんですけど…。

Best Contemporary Jazz Album - The Stanley Clarke Band / The Stanley Clarke Band
上原ひろみが参加したスタンリー・クラーク・バンド! なんだかんだで一番嬉しい! でもトロンボーン・ショーティは残念…。


次回、ルーツの奥深い部門へつづく。