ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ジョー・サンプル、安らかに

2014-09-15 23:58:13 | ジャズ
9月12日、ジャズ/フュージョン界を代表するキーボード奏者の一人、ジョー・サンプルが亡くなられました。75歳。昨年、肺炎で入院し、その後も入退院を繰り返していたそうです。

ジョー・サンプルと言えば、数々のソロ作はもちろん、クレセイダーズ時代が有名ですが、ルイジアナ音楽ファンの私にとって印象的だったのは、彼が自身のルーツでもあるザディコに取り組んだクレオール・ジョー・バンドでした。ルイジアナの名だたるザディコ・アーティストをゲストに招いたアルバム「CREOLE JOE BAND」(写真)も見事でしたが、2011年、2012年の2度に渡る来日公演は、彼自身もアコーディオンを弾き、ザディコの楽しさを日本のファンに伝えてくれる素晴らしいステージでした。あれからまだ2年程しか経っていないのに、残念でなりません。また来日してルイジアナのアーティストと共にザディコを聴かせてくれるとばっかり思っていたんですけど…。


ジョー・サンプルさん、安らかに。






~関連過去ブログ~

 12.09.16 クレオール・ジョー・バンド@ブルーノート東京(2012年9月11日)
 12.09.10 クレオール・ジョー・バンド
 11.05.21 クレオール・ジョー・バンド@ブルーノート東京(2011年5月19日)

コジモ・マタッサ、安らかに

2014-09-13 06:43:42 | ニューオーリンズ
VA / Cracking The Cosimo Code ~ 60s New Orleans R&B & Soul

ニューオーリンズでスタジオを経営し自らエンジニアを務め、ニューオーリンズR&Bの隆盛に深く寄与したコジモ・マタッサが、9月11日、88歳で亡くなられたそうです。

昨年、「THE COSIMO MATASSA STORY」の第2集がリリースされ、第1集同様にニューオーリンズR&Bの歴史そのものといった濃密な内容が話題になっていましたし、さらについ先日、英ACEから60年代におけるコジモ・スタジオ録音曲のコンピ「Cracking The Cosimo Code ~ 60s New Orleans R&B & Soul 」(写真)がリリースされたばかりですから、いよいよコジモ・マタッサの功績が本格的に見直される時分になったのか?なんて喜ばしく思っていた矢先の訃報に、驚きつつ残念でなりません。

コジモ・マタッサがニューオーリンズのランパート・ストリートにJ&Mスタジオを開設したのは1945年、彼がまだ18歳の時だったそうです。50年代になるとロイド・プライス「Lawdy Miss Clawdy」、ギター・スリム「The Things That I Used To Do」、プロフェッサー・ロングヘア「Tipitina」、シュガーボーイ・クロフォード「Jock-o-Mo」、スマイリー・ルイス「Blue Monday」、アート・ネヴィル(ホウケッツ)「Mardi Gras Mambo」などなど、数々のニューオーリンズ・クラシックがここで録音されました。

そして特筆すべきは多くのレコーディングでデイヴ・バーソロミュー楽団の腕利き達がバックを務めていたこと。すなわちジャスティン・アダムス(g)、アーネスト・マクリーン(g)、フランク・フィールズ(b)、リー・アレン(ts)、レッド・テイラー(ts,bar)、そしてアール・パーマ(ds)などなど。もちろん楽曲によって様々なミュージシャンが入れ替わり立ち代わりだったことでしょうが、彼らがこのスタジオで育んだグルーヴこそがニューオーリンズR&Bの屋台骨となったのです。

1956年に、フレンチ・クォーター内への移転をきっかけに名をコジモ・スタジオと改めた後も、ヒューイ・スミス、アール・キング、エディ・ボー、アラン・トゥーサン、ジェシー・ヒル、アーロン・ネヴィル、アーマ・トーマスなどなど、名だたる名シンガー達がここで録音し、スターとなっていきました。

そしてもう一人、忘れてならないのがリトル・リチャード。もちろんニューオーリンズのアーティストではありませんが、おそらくロイド・プライスとレーベル・メイトだった縁でしょうか?彼もコジモ・マタッサのスタジオを訪れます。そしてJ&Mスタジオでは「Tutti Frutti」を、コジモ・スタジオでは「Long Tall Sally」、「Rip It Up」、「The Girl Can't Help It」、「Lucille」、「Good Golly, Miss Molly」など、彼の代表曲の数々を録音しています。またバックを務めたアール・パーマーの強烈なバック・ビートは、まさに元祖ロックン・ロール・ビート!!

ニューオーリンズR&Bだけではなく、ロックン・ロールそのものにも計り知れない貢献をしたコジモ・マタッサと彼のスタジオ、まさに伝説です。


コジモ・マタッサさん、安らかに。



THE COSIMO MATASSA STORY VOLUME 1
1950 年から移転後の1956年まで収録の4枚組。デイヴ・バーソロミュー、ファッツ・ドミノ、スマイリー・ルイス、ロイド・プライス、プロフェッサー・ロングヘア、ヒューイ・スミス、アール・キング、そしてリトル・リチャードなどを収録。バックの演奏も最高です!



THE COSIMO MATASSA STORY VOLUME 2
こちらは1955年から1961年まで。第1集とはメンバーも変わってきまして、いよいよアラン・トゥーサンが登場します。もちろんこちらも4枚組の大ヴォリューム。第1集同様、各曲のバック・メンバーまで明記されたブック・レットは資料としても重宝します。



トップの写真は、上記の2組とは別シリーズのもので、英ACEからつい先日リリースされた、60年代のコジモ・スタジオ録音を集めた作品「Cracking The Cosimo Code 60s New Orleans R&B & Soul」。流石は英ACEな選曲!!写真の多いカラーのブックレットもなかなか充実。日本盤出して欲しいです。

サマーソニック東京初日 後編

2014-09-12 13:50:30 | フェス、イベント
遅くなってしまいましたがサマソニ・レポ、前回、ジャマイカをチラッと観たところまで書いた前編からの続き、メッセからマリンへ移動しての後編スタート!


ロバート・プラント&ザ・センセーショナル・スペースシフターズ
マリン・スタジアムにてロバート・プラント&ザ・センセーショナル・スペースシフターズ。96年にジミー・ペイジとのいわゆるペイジ&プラントで来日して以来、18年ぶりの日本公演となったロバート・プラント。今回は新バンド、ザ・センセーショナル・スペースシフターズを率いてのステージ。そのバンド・メンバーは以下の通り。

ジャスティン・アダムス(guitar)
リアム”スキン”タイソン(guitar)
ジョン・バゴット(keyboards)
ビリー・フラー(bass)
デイヴ・スミス(drums)
ジュルデー・カマラ(ritti)

まあ、新バンドと言っても上から4人はストレンジ・センセイションのメンバーでしたから、それほど新鮮味はないかもしれませんね。ですがジュルデー・カマラの参加は大きいでしょう! この人、ガンビアの世襲制伝統伝達者、いわゆる“グリオ”と呼ばれる方で、リッティという1弦フィドルの達人。ジャスティン・アダムスとのデュオ活動も知られてまして、2010年には2人で来日もしています。私もその時観に行ったのですが、ジャスティン・アダムスのロック&ブルースなエレキギターとジュルデー・カマラのアフロな1弦フィドルの絡みが、想像以上に刺激的だったのを今でも覚えています。で、どうやらその時サポートしていたドラマーが今回新たにセンセーショナル・スペースシフターズのメンバーとなったデイヴ・スミスだったようなんです。あの時すでにこの種が蒔かれていたと考えると面白いですよね。以前からジャスティン・アダムスはプラントの参謀的なイメージはありましたが、今回さらに彼の色が濃くなったセンセーショナル・スペースシフターズ、と言ったところでしょうか!

さて、いきなりレッド・ツェッペリン時代の「Babe, I'm Gonna Leave You」で始まったロバート・プラント&ザ・センセーショナル・スペースシフターズのステージ。新旧、カヴァーを含めた全10曲、ロック、ブルース、アメリカーナ、アフロ、アラブなど様々な要素がミックスされた、プラントらしい独特のサウンド世界が素晴らしかったです! バンド・メンバーが、バンジョー、マンドリン、パーカッションなど楽器を持ち替えながら曲ごとの色彩を演出しているのも印象的でしたし、やはりジュルデー・カマラの1弦フィドルが不思議な異世界観を醸していて秀逸でした。そしてそんなサウンド世界の要となるのがロバート・プラントの彼でしかあり得ないあの歌声!! 唯一無比!!

数曲披露された新曲群も、今後を期待させる格好良さでしたが、やはり盛り上がったのはツェッペリンの曲。「Going to California 」なんかは原曲の雰囲気を損なわずに現在のプラントにぴったりのアレンジが施されていて見事でしたし、一方「Black Dog」はプラントが歌い始めるまでまったくその曲とは気がつかず、彼が印象的な出だしの部分を歌い始めて、え!これ「Black Dog」なの?みたいな。逆に「What Is and What Should Never Be」なんかはほぼ原曲通りロックなアレンジで、これはこの日のハイライトとなりましたね。

終盤に披露されたブッカ・ホワイトの「Fixin' to Die」も秀逸でした。ワールド・ミュージックを取り入れつつ、その根っこはブルースにあるというロバート・プラントらしい深みを見せつけてくれました。そして最後は「Hoochie Coochie Man」。と思いきや途中から歌詞が「Whole Lotta Love」に変化。え?え?と思っているうちに「Whole Lotta Love」のあの有名なリフが始まり、オー!!みたいな。原曲に近いアレンジながら、ギターと一緒にジュルデー・カマラのリッティもあのリフを奏でていたり、中間部分はボ・ディドリーの「Who Do You Love?」になったりという混沌振りが圧巻でした。

ロバート・プラント、この8月で66歳になられたそうですが、まだまだ現役。これからの活躍がますます期待されるような、そんな深淵且つ力強いステージでした。そう言えば、ライヴ前にはスコールのような雨に見舞われましたが、「Rainbow」という新曲を演奏中に本物の虹が出るというミラクルもありましたっけ。

01. Babe, I'm Gonna Leave You
02. Tin Pan Valley
03. Turn It Up
04. Black Dog
05. Rainbow
06. Going to California
07. Little Maggie
08. What Is and What Should Never Be
09. Fixin' to Die
10. Whole Lotta Love


アークティック・モンキーズ
そして本日のメイン・アクト、アークティック・モンキーズ!!まあ、正直なところ私、これが楽しみで幕張まで行ったようなもんなんですけど、朝から張り切りすぎたのか、ロバート・プラント終了後にはどっと疲れが出てしまいまして、いったんスタンド席まで下がってしばし休憩。実はロバート・プラントはそのステージの素晴らしさに反してお客さんの入りは芳しくなかったんです。え?トリ前でこんなもん?と驚きつつ嘆いていたのですが、さてアークティック・モンキーズはいかに?

いやね、スタンド席から眺めていると、面白いぐらいに続々とグラウンドに人が入っていくんですよ。もうホント、列が途切れること無く続々と。みるみるるうちにグランドは人で埋まっていき、気がつけば、私が座っていたスタンド席もほぼ満席のような状態に。やはりアークティック・モンキーズ、人気ありますね。っていうかあの最新作「AM」の出来映えがこの注目度を生んでいるのでしょうね。いやホント、あれは傑作ですよ! 抑制の効いた緊張感を保ちながらあれほど陶酔感に満ちたロックン・ロールはそうはありません!

さて、そのアークティック・モンキーズのステージ。メンバー4人が登場し「AM」の1曲目を飾った「Do I Wanna Know?」のイントロが鳴らされた瞬間、ゾクゾクしましたね。普通、ロック・コンサートの1曲目って派手にガツンといきそうですが、「AM」の世界観そのままにジワ~っと始まりましたから。でもそれこそ我々が求めていたものであり、そのイントロから響くアレックス・ターナーの歌声にも痺れましたね。そして曲が進むにつれ魔力のようにそれが五感に効いてくる。私は結局スタンドから眺めていたのですが、いても立ってもいられなくなり、途中からまたグラウンドに降りちゃいましたから。そして近くで観るアクモン、それはその魔力を浴びるようなロック体験。

もちろん過去作からの曲も沢山やりましたし、なんだかんだで「I Bet You Look Good On The Dancefloor」や「Brianstorm」のような人気曲が一番盛り上がりました。ですが、全体を支配しているのはやはり「AM」の雰囲気。ことさらにアゲること無く、ミドル・テンポでべったりとしたロックン・ロールが怪しくスタジアムを飲み込んでいく。別に新しいことをやっている訳ではないでしょう。ですが圧倒的に“今”を感じさせるアークティック・モンキーズのロックン・ロール。あの現行感は何なんでしょうね?

メイン・アクトらしい派手さとかまったく無しに現行アクモンの凄みを見せつけた彼らのステージ。アンコールぐらい派手なカヴァー曲とかやっても良さそうですが、「AM」収録曲をそれまでとまったく変わらぬトーンで3曲披露して終了するというストイックな姿には、ある種の神々しさすら覚えました。いや~、ホント天晴なステージでした!!


この日のセットリストはこんな感じだったようです↓

01. Do I Wanna Know?
02. Snap Out Of It
03. Arabella
04. Brianstorm
05. Don't Sit Down Cause I've Moved Your Chair
06. Dancing Shoes
07. Crying Lightning
08. Knee Socks
09. My Propeller
10. I Bet You Look Good On The Dancefloor
11. Library Pictures
12. Old Yellow Bricks
13. Fireside
14. No.1 Party Anthem
15. Why'd You Only Call Me When You're High?
16. Fluorescent Adelesecent
17. 505
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18. One For The Road
19. I Wanna Be Yours
20. R U Mine?


矢野顕子
最後はシーサイド・ヴィレッジのガーデン・ステージにて矢野顕子さん。バンドセットによる、センス溢れるキレのある演奏は疲れを忘れさせてくれる程でした。そして矢野さんの歌声と、アットホームなMCに癒されました。それにしてもマリンでトリを観たあとに、矢野顕子さんを海辺で観れるなんて、サマソニも粋なことしてくれますね。あと、夜のシーサイド・ヴィレッジって初めて訪れたんですけど、なかなか良いもんですね。ライヴが終わった後も、しばしまったりしてしまいました。



という訳で、土曜日のみの参戦だった今年のサマーソニック、当初はあまり観るもの無いな…、なんて思っていたものの、なんだかんだで充実の一日でした。ベストアクトは、文句無しにアークティック・モンキーズ!! ちなみに日曜日もふらふらと現地へ行って、アジアのステージとかサイドショーなんかを楽しんだのですが、別段、ここへ書く程のことでもないのであしからず。







~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 14.08.20 サマーソニック東京初日 前編

そそるライヴ 9月編

2014-09-02 10:01:20 | そそるライヴ
関東近辺にて9月に行われるライヴ、フェス、イベントのなかで、気になるものをピックアップしてみました。


9/03(水)CHAKA KHAN @ブルーノート東京
9/04(木)Babyface @ビルボードライヴ東京
9/04(木)HERBIE HANCOCK  @ブルーノート東京
9/05(金)東京JAZZ @東京国際フォーラム
9/06(土)東京JAZZ @東京国際フォーラム
9/07(日)東京JAZZ @東京国際フォーラム
9/07(日)mount sugar @日曜音楽バー「アサノラ」(阿佐ヶ谷 barトリアエズ)
9/11(木)THE QUARTET LEGEND featuring KENNY BARRON, RON CARTER, BENNY GOLSON & LENNY WHITE @ブルーノート東京
9/12(金)ANDY FAIRWEATHER LOW & THE LOW RIDERS @丸の内コットンクラブ
9/13(土)TERRI LYNE CARRINGTON featuring LIZZ WRIGHT @ブルーノート東京
9/13(土)勝手にウッドストック @相模湖畔みの石滝キャンプ場
9/14(日)勝手にウッドストック @相模湖畔みの石滝キャンプ場
9/21(日)GINGER BAKER's JAZZ CONFUSION @丸の内コットンクラブ
9/23(火)Itarian Surf Academy @イタリア文化会館 アニェッリホール
9/25(木)THIRD COAST KINGS @Shibuya CLUB QUATTRO
9/27(土)Penguin Cafe @めぐろパーシモンホール
9/30(火)Allan Holdsworth Band @ビルボードライヴ東京

お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!