GALACTIC / YA-KA-MAY
2010年「ルーツな日記」的ベスト・アルバム、栄えある第1位は、ギャラクティックの「YA-KA-MAY」で~す!!!! これはホント見事なアルバムですね。まさに新世代ニューオーリンズ・ファンクの一つの到達点であり、新しい日の出とも言える傑作ですよ!!
前作「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」でヒップ・ホップに大接近したギャラクティック。そして今作ではアラン・トゥーサン、アーマ・トーマス、ジョン・ブッテ、リバース・ブラス・バンド、トロンボーン・ショーティなど、ニューオーリンズのビッグ・ネーム達をゲストに招き、原点回帰したような印象を受けがちですが、いやいや、これは「LATE FOR THE FUTURE」~「RUCKUS」~「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」と続いた冒険の延長上にある作品と言って間違いないでしょう。リズムのファットさやミックス感覚は相変わらずヒップ・ホップ的ですし、変幻自在のフリーキーさはジャズ・ファンクやジャム・バンドの土壌を感じさせる。もちろん、今作がこれまでのアルバムに無い程ニューオーリンズ臭に溢れているのも事実ですし、正直、それが何より嬉しかったりもするのですが、それがあくまでもギャラクティック流の新しいニューオーリンズ・ファンクとして表現されているところが見事なんです!
これだけ個性的なシンガー及びプレイヤーをフューチャーしながら、ギャラクティックのファンクネスはまったくぶれてないですからね! まさにレジェンド達をギャラクティックの土俵に上げた感じ。こんな芸当が出来るのはギャラクティックを置いて他に無いですよ。まさにレジェンド達の声をも一つの具材としてグツグツと煮立てたガンボな状態。そしてそのガンボ感をさらにディープにしているのがラッパー達の存在。今作ではニューオーリンズのラッパー達が参加しているのですが、前作「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」に参加したチャリ・ツナやギフト・オブ・ ギャブ とはまた違う、弾けるような猥雑さがあって良いんですよ! 残念ながらヒップ・ホップに疎い私には知る由もない方達なのですが、同じラッパーでもニューオーリンズはまた一味違うなと感じさせる。
つい先日、bmr誌をパラパラめくっていましたら、今、ヒップ・ホップ界ではニューオーリンズ産の「シッシー・バウンス」という音楽が注目されているらしいのです。その名の通りシッシー達によるバウンスな訳で、いわゆるゲイ文化の中から誕生したムーヴメントのようです。私なんかは日頃から「ニューオーリンズ音楽が大好きです!」なんて言っていますが、それは随分と偏ったものであり、R&B、ファンク、ブルース、ジャズ、ザディコなどを聴いて、ニューオーリンズを分かったような顔をしていましたが、かの地のストリートには、こんなシーンもあるんだな、と目から鱗でしたね。日本にいる限り、ヒップ・ホップに興味が無い限り、こういう情報ってなかなか耳に入ってこないじゃないですか。で、この記事を読んで、もしや?と思って調べてみましたら、やはりそうでした。この「YA-KA-MAY」に参加した BIG FREEDIA、KATEY RED、SISSY NOBBYなんかはみんなこのシーンのラッパー達。って言うかシッシー・バウンスの中心的人物達なのです!!
やっぱりギャラクティックと言うバンドは、ストリートに根ざしたバンドなんだと言うことを思い知らされましたね。と同時に、アラン・トゥーサンやアーマ・トーマスなどのレジェンド達と、シッシー・バウンスの猛者達を、共演こそ無いもののギャラクティックという同じ鍋の中に入れてしまう豪快さ。堪りませんね。しかも鍋の中でしっかりと反応し合ってますからね。それがこのアルバムの凄いところ。「YA-KA-MAY」は古きニューオーリンズも現在のニューオーリンズも、そしてメインストリームもアンダーグランドも全てをガンボにしたアルバムなのです。しかもそれが新しいニューオーリンズ・ファンクとして結実している奇跡。それはこれまでにギャラクティックが果敢に挑んできたチャレンジ精神の賜物ですし、様々なエッセンスが上積みされた成果とも言えるでしょう。なにより名手スタントン・ムーアを中心にした柔軟且つ強靭なファンク振りが素晴らしい!
それにしてもギャラクティックというバンドは面白いバンドですよね。セリル・ デクロウ(vo)が脱退した後は、インスト・バンドとして活躍していくのかと思いきや、ゲストを招いて、より自由度の高い活動振りを見せる。この「YA-KA-MAY」もその自由度が成せる可能性を最大限に引き出した作品ですよね。そしてこのアルバムを引っさげての来日公演も素晴らしかった! ゲストにネヴィル・ブラザーズのシリル・ネヴィル、そしてリバース・ブラス・バンドのコーリー・ヘンリーを連れてきましたからね。もちろん彼等をフューチャーしたニューオーリンズ色を全面に出したステージでありながら、やはりギャラクティック・ファンクは唯一無比の格好良さでしたよ! (ちなみに写真はその来日時サインを頂いたもの。)
何はともあれこの「YA-KA-MAY」、ギャラクティックという最大限の自由度を誇るこのバンドの特異性が成し得た大傑作です。ニューオーリンズ・ファンクに限って言えば、トロンボーン・ショーティの「BACKATOWN」の方が注目度が高いようですし、今後の影響力も大きいかもしれませんが、あのアルバムだってプロデューサーはギャラクティックのベン・エルマンですからね。ま、そんなことも含めて、今後のニューオーリンズはますます楽しみですね!
ちなみに、「YA-KA-MAY」については、彼等の来日直前にもレビューしているので、興味がある方はそちらもぜひ!→ ギャラクティック「YA-KA-MAY」
2010年「ルーツな日記」的ベスト・アルバム、栄えある第1位は、ギャラクティックの「YA-KA-MAY」で~す!!!! これはホント見事なアルバムですね。まさに新世代ニューオーリンズ・ファンクの一つの到達点であり、新しい日の出とも言える傑作ですよ!!
前作「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」でヒップ・ホップに大接近したギャラクティック。そして今作ではアラン・トゥーサン、アーマ・トーマス、ジョン・ブッテ、リバース・ブラス・バンド、トロンボーン・ショーティなど、ニューオーリンズのビッグ・ネーム達をゲストに招き、原点回帰したような印象を受けがちですが、いやいや、これは「LATE FOR THE FUTURE」~「RUCKUS」~「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」と続いた冒険の延長上にある作品と言って間違いないでしょう。リズムのファットさやミックス感覚は相変わらずヒップ・ホップ的ですし、変幻自在のフリーキーさはジャズ・ファンクやジャム・バンドの土壌を感じさせる。もちろん、今作がこれまでのアルバムに無い程ニューオーリンズ臭に溢れているのも事実ですし、正直、それが何より嬉しかったりもするのですが、それがあくまでもギャラクティック流の新しいニューオーリンズ・ファンクとして表現されているところが見事なんです!
これだけ個性的なシンガー及びプレイヤーをフューチャーしながら、ギャラクティックのファンクネスはまったくぶれてないですからね! まさにレジェンド達をギャラクティックの土俵に上げた感じ。こんな芸当が出来るのはギャラクティックを置いて他に無いですよ。まさにレジェンド達の声をも一つの具材としてグツグツと煮立てたガンボな状態。そしてそのガンボ感をさらにディープにしているのがラッパー達の存在。今作ではニューオーリンズのラッパー達が参加しているのですが、前作「FROM THE CORNER TO THE BLOCK」に参加したチャリ・ツナやギフト・オブ・ ギャブ とはまた違う、弾けるような猥雑さがあって良いんですよ! 残念ながらヒップ・ホップに疎い私には知る由もない方達なのですが、同じラッパーでもニューオーリンズはまた一味違うなと感じさせる。
つい先日、bmr誌をパラパラめくっていましたら、今、ヒップ・ホップ界ではニューオーリンズ産の「シッシー・バウンス」という音楽が注目されているらしいのです。その名の通りシッシー達によるバウンスな訳で、いわゆるゲイ文化の中から誕生したムーヴメントのようです。私なんかは日頃から「ニューオーリンズ音楽が大好きです!」なんて言っていますが、それは随分と偏ったものであり、R&B、ファンク、ブルース、ジャズ、ザディコなどを聴いて、ニューオーリンズを分かったような顔をしていましたが、かの地のストリートには、こんなシーンもあるんだな、と目から鱗でしたね。日本にいる限り、ヒップ・ホップに興味が無い限り、こういう情報ってなかなか耳に入ってこないじゃないですか。で、この記事を読んで、もしや?と思って調べてみましたら、やはりそうでした。この「YA-KA-MAY」に参加した BIG FREEDIA、KATEY RED、SISSY NOBBYなんかはみんなこのシーンのラッパー達。って言うかシッシー・バウンスの中心的人物達なのです!!
やっぱりギャラクティックと言うバンドは、ストリートに根ざしたバンドなんだと言うことを思い知らされましたね。と同時に、アラン・トゥーサンやアーマ・トーマスなどのレジェンド達と、シッシー・バウンスの猛者達を、共演こそ無いもののギャラクティックという同じ鍋の中に入れてしまう豪快さ。堪りませんね。しかも鍋の中でしっかりと反応し合ってますからね。それがこのアルバムの凄いところ。「YA-KA-MAY」は古きニューオーリンズも現在のニューオーリンズも、そしてメインストリームもアンダーグランドも全てをガンボにしたアルバムなのです。しかもそれが新しいニューオーリンズ・ファンクとして結実している奇跡。それはこれまでにギャラクティックが果敢に挑んできたチャレンジ精神の賜物ですし、様々なエッセンスが上積みされた成果とも言えるでしょう。なにより名手スタントン・ムーアを中心にした柔軟且つ強靭なファンク振りが素晴らしい!
それにしてもギャラクティックというバンドは面白いバンドですよね。セリル・ デクロウ(vo)が脱退した後は、インスト・バンドとして活躍していくのかと思いきや、ゲストを招いて、より自由度の高い活動振りを見せる。この「YA-KA-MAY」もその自由度が成せる可能性を最大限に引き出した作品ですよね。そしてこのアルバムを引っさげての来日公演も素晴らしかった! ゲストにネヴィル・ブラザーズのシリル・ネヴィル、そしてリバース・ブラス・バンドのコーリー・ヘンリーを連れてきましたからね。もちろん彼等をフューチャーしたニューオーリンズ色を全面に出したステージでありながら、やはりギャラクティック・ファンクは唯一無比の格好良さでしたよ! (ちなみに写真はその来日時サインを頂いたもの。)
何はともあれこの「YA-KA-MAY」、ギャラクティックという最大限の自由度を誇るこのバンドの特異性が成し得た大傑作です。ニューオーリンズ・ファンクに限って言えば、トロンボーン・ショーティの「BACKATOWN」の方が注目度が高いようですし、今後の影響力も大きいかもしれませんが、あのアルバムだってプロデューサーはギャラクティックのベン・エルマンですからね。ま、そんなことも含めて、今後のニューオーリンズはますます楽しみですね!
ちなみに、「YA-KA-MAY」については、彼等の来日直前にもレビューしているので、興味がある方はそちらもぜひ!→ ギャラクティック「YA-KA-MAY」