ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

アンディー・ゴーズリング R.I.P.

2018-10-17 18:24:36 | ジャムバンド/オーガニック
Railroad Earth - Like a Buddha - 2016 Northwest String Summit



ジャム・グラスの雄、レイルロードアースの創設メンバーである、アンディー・ゴーズリング(Andy Goessling)が、10月12日に亡くなられたそうです。

アンディー・ゴーズリングは、バンジョー、ギター、フルート、サックスなど、多彩な楽器を弾きこなすマルチミュージシャンで、レイルロードアースのブルーグラス・フィーリングに多彩な彩りを与えるプレイヤーでした。

レイルロードアースと言えば、私にとっては2007年のフジロックです。ヘヴンで観た、あのライヴは本当に最高でした! 凄くピースフルで、お客さん達もノリノリで。明るい時間帯の出演なのにアンコールまでやってくれて、およそ2時間っていう。私にとってはかなりの名場面でしたね。例によって当ブログで個人的なベストアクトを綴ったんですが、上原ひろみ、ジョン・バトラー・トリオ、ガヴァメント・ミュールなど、強豪アクトを差し置いて、レイルロードアースをこの年の第1位に選んだほどですから!


自分にとって、名演の記憶に残っているミュージシャンが亡くなられてしまって、本当に悲しいです。

アンディー・ゴーズリングさん、安らかに。



2007年のフジロックで観たレイルロードアース、興奮のライヴレポはこちら↓

フジロック 2007 ベストアクト第1位

テデスキ・トラックス・バンド 来日決定!!

2015-11-05 08:22:50 | ジャムバンド/オーガニック
TEDESCHI TRUCKS BAND / REVELATOR

テデスキ・トラックス・バンドの来日公演が決定しました!!現在発表されている日程は以下の3公演。

名古屋公演 2016年3月30日(水) 名古屋市公会堂
大阪公演 2016年3月31日(木) オリックス劇場
東京公演 2016年4月1日(金) 日本武道館

チケット代は3公演とも、S ¥9,800 A ¥8,800 だそうです。

詳しくは、ウドー音楽事務所へ→http://udo.jp/Artists/TTB/index.html


いよいよテデスキ・トラックス・バンドも武道館ですか!! サザン・ロック、ジャム・バンド系のバンドが武道館で単独というのも結構な快挙なのではないでしょうか? 私は前回の来日公演も観そびれているので、今回は行きたいですね~。



TIM SCANLAN@吉祥寺コピス前

2013-04-26 23:23:08 | ジャムバンド/オーガニック
TIM SCANLAN / ジャパンツア2013

4月18日、吉祥寺コピスにてティム・スカンランさんのバスキングを観てまいりました。バスキング、いわゆるストリート・ライヴですね。この吉祥寺コスピでは頻繁にバスキングが行なわれていまして、私もハチャトゥリアン楽団とか、モダン・アイリッシュ・プロジェクトとか、度々観に行っています。そして今回は珍しく海外からのお客様です。オーストラリアはメルボルンからやって来たティム・スカンラン。ジャパン・ツアーの最中、貴重なストリート・ライヴを披露してくれました。今回はジョン・ジョン・フェスティバルでお馴染みのバウロン奏者、トシバウロンさんとのデュオ編成。

オーストラリアというと、ついついキム・ キャンベル等のサーフ系とか、ジェフ・ラング辺りの米ルーツ系を思い浮かべますが、このティム・スカンランさんはアイリッシュをやる。しかも一人でリズムから伴奏、主旋律までやってのける。と言ってもいわゆる大道芸的なワンマン・バンドな雰囲気ではなく、もっと野性的なDIYストリート・ミュージシャンな感じ。なにしろこの人、これまで30カ国を旅してきたトラベリング・ミュージシャンだそうで、おそらくその演奏スタイルも旅を通じて磨き上げ、その身に染み付いたものなのでしょう。

とにかくアイリッシュなダンス・ナンバーが見事。アコースティック・ギターを弾きながら、本来はフィドルが担うであろうスピーディーなメロディーをハーモニカで吹きまくる。その鮮やかな切れ味と心躍るような躍動感が堪らない。両腕はアコギを弾いてるので、ホルダーに付けたハープを口の動きだけで吹く訳ですが、とてもそんな風には聴こえないスピード感。さらに両足は複雑なリズムでタップを踏み、カフォンを改造したようなバスドラでリズムをとり、シンバルを鳴らす。そしてそんな見栄えに目を奪われつつも、ちゃんと音楽的な芯が通ってる。いや~、格好良い!! エモーショナルなグルーヴでサポートするトシバウロンさんのバウロンも流石! これほど粋なストリート・ミュージックはなかなか見られませんよ!!

セットはインスト半分、歌物半分といったぐらいだったと思いますが、インスト曲で見事なアイリッシュを披露する一方、歌物ではシンガー・ソング・ライターらしい感性で、土っぽいフィーリングやロック的なヴァイヴも感じさせてくれました。この辺りはやはりオーストラリアらしいミクスチャー感覚ですね。レゲエとアイリッシュがクロスオーバーする技ありの曲もあったり。やっぱりオーストラリアって面白い!!

途中、ちょこちょこと休憩を挟みながら2時間以上に渡るバスキング。最後までじっくりと堪能させて頂きました。


*写真はこの日購入した、今回のツアー限定CD。アイリッシュのフレイバーと、オーストラリアらしい開放的なシンガー・ソング・ライター気質が合わさったような気持ちの良い1枚。吉祥寺でのバスキングも、このジャケの絵そのままの演奏スタイルでした。

G.LOVE@新宿タワーレコード

2011-02-09 20:27:57 | ジャムバンド/オーガニック
今日はG.LOVEのインストア・ライヴを観に新宿タワーレコードに来ています。入場券が無いと前方スペースへは入れないのかと思ってたのですが、案外余裕で入れてラッキーでした。先程リハーサルもちょろっと観ましたが、超格好良かったです。やっぱり生は良いですね。もうすぐ始まるかな?




帰宅後追記:

G.LOVE、格好良かったですね~。インストアなので1人で首からハープのホルダー下げてのアコギ弾き語り。3月にリリースされる新作からの曲が中心だったようですね。「Milk and Sugar」はラグタイムっぽいノリ、「You've Got To Die」はフォーキーというかトラッドのような香りすら漂わし、かなり土っぽい感じで良かったですね。続く「Heaven」はブルージーでありながら、コード進行が洒落ててジャズっぽかったりするところが秀逸。そして新作のタイトル曲「Fixin' To Die」はデルタ・ブルースのブッカ・ホワイトですが、ボブ・ディランのカヴァーも有名ですね。G.LOVEもこの曲を演る前にボブ・ディランがどうの…と喋っていたような気がするので、やっぱり意識してるんですかね? この曲もブルージーでしたし、ダミ声で歌うG.LOVEに痺れました。新作以外では人気曲の「Rainbow」。やっぱり新曲と並ぶとあまりにもポップでしたが、終盤にスピード・アップして、荒々しくもフォーキーなハープを吹きまくる感じはやはりボブ・ディラン的で格好良かったです!そしてアンコールは「Baby's Got Sauce」。ノリノリな感じで。最後は前方のお客さん達と握手して終了。

それにしても思いのほかゴツゴツとしたと言うか、ざらついた感じの弾き語りで、ルーツやブルースが好きな人間としては、オー!って感じでしたね。もちろんG.LOVEらしいポップでヒップな感性にも溢れている。これは新作が楽しみになりました!


ちなみにセットリスト↓


曲名の横にそれにちなんだイラストが書いてあったりしてちょっと可愛い感じ。(G.LOVEからこのセット・リストを受け取った女性の方が写真を撮らせてくれました。 ありがとうございました!)


@カチャトラ

2010-03-29 20:34:02 | ジャムバンド/オーガニック
今日は久しぶりのマウントシュガーを観に恵比寿のカチャトラに来ています。今夜は「カチャトラ・スピンオフ・ライヴ」ということなのですが、対バンの皆様が個性的で、なんかいつもと雰囲気違います。カシミール・ナポレオンという人達が超可笑しかったです。


帰宅後追記:

いつ観てもマウントシュガーは良いですね。ありささんの弾き語りによる「ペコペコママ」からスタート。この前に出演したカシミール・ナポレオンの衝撃と言うか笑劇によるざわめきが残る中、ありささんの歌声がゆっくりと空気に浸透していきます。森さんのギターが入っての「農家の嫁」も良かったです。この曲は名曲ですよね。そしてカセットコンロスのフケさんをゲスト・ドラマーに向かえての「野生」。この曲はマウントシュガーとしては珍しくありささんが割りと声を張り上げて歌うんですけど、これがまた良いんですよ。静かに繊細且つ柔らかい声で歌うありささんも良いですけど、この曲で聴かせる熱い歌声もエモーショナルで素敵です。さらに女性シンガーを招いてのデュエットがあったりと、なかなかにもり沢山でしたが、最近2部構成に慣れてしまったせいか、短く感じましたね。もっと聴きたかったー!!

4月14日にはiTunes store から配信限定のミニアルバム「ワンピース」がリリースされるようですのでそちらも楽しみです。そういえばお二人のホーム・ページもリニューアルされましたね。なんか写真がちょっとストリートっぽいと言うか、ヒップホップ的な雰囲気で、イメチェンですかね?



ジョン・バトラー・トリオ@代官山UNIT

2010-03-07 15:33:32 | ジャムバンド/オーガニック
THE JOHN BUTLER TRIO / GRAND NATIONAL

3月3日、代官山UNITにて、ジョン・バトラー・トリオのショーケース・ライヴを観てまいりました。抽選による完全招待制ということで、そういう“くじ運”にめっぽう弱い私が珍しく当たったので、気合い充分に観てまいりました。

予定開演時刻より10分強の遅れでメンバーがステージに登場。トレード・マークの11弦ギターをもったジョン・バトラーは、しゃれた帽子が印象的でした。私がこのトリオのステージを観るのは07年のフジロック以来2度目。あのホワイト・ステージでのライヴは本当に素晴らしかったですが、あの頃とはメンバーが変わっています。ドラムスにはジョンの義兄であり、「SUNRISE OVER SEA」で叩いていたニッキー・ボンバ、そしてベースには今年のグリーンルームで来日するザ・レイ・マン・スリーのベーシスト、バイロン・ルイターズという新生トリオ。

まずは「Used To Get High」からスタート。続いておそらく新曲が2曲。たぶん「Don't Wanna See Your Face」と「Revolution」。「Don't Wanna See Your Face」はファンキーなラップが格好良いアップ・テンポの曲。「Revolution」はメッセージ性の強そうなシリアスな曲調で、大地を感じさせるようなリズムも印象的。この曲ではジョンが自分の弾いたギター・フレーズをループさせたりしていましたね。そして「Better Than」。バイロン・ルイターズがエレキ・ベースからウッド・ベースに持ち替え、ジョン・バトラーはバン・ジョーを弾いてました。さらにニッキー・ボンバはチラッとスティール・ドラムを叩いたりしてましたね。

それにしても3人の織りなす暖かくも強靭なリズムは素晴らしいですね。それぞれの演奏が有機的に絡み合いながらパーカッシヴにグルーヴしていく。そこにはブルース、カントリー、レゲエといった肥沃なルーツと、ヒップホップ的な先鋭が溶け合っている。07年にフジのホワイト・ステージで観た時は、鬱蒼とした野外の空気に響く、あの緊張感と高揚感はまさに神がかっていて、何処か崇高な印象すら受けました。ですが今回は狭いライヴ・ハウスです。フジとはまた違う一体感と親密感があり、グルーヴもよりオーガニックでふくよかに聴こえました。さらに私の立ち位置も前から2、3列目と言う、メンバーの表情まではっきり見える位置だったので、3人がごく自然に楽しんでプレイしている姿を見ると、おもわずこっちの顔もほころんじゃうみたいな。そういう幸せ一杯なグルーヴが会場全体に染み渡っていきましたね。

そんなこんなでライヴは中盤へさしかかります。バイロンとニッキーが一旦ステージを去り、待ってましたの「Ocean」。ギター1本でここまで高揚感の高い演奏が出来る人は今、ジョン・バトラーを置いて他にいないでしょうね。美しい弦裁きから後半に向けてどんどん高みに上がっていく。何度聴いても感動です。でもこの曲はやはりライヴ・ハウスではなく、野外フェスで聴きたいですね~。

2人が戻って「Good Excuse」。この曲も格好良いですよね~。で、この曲ではドラム・ソロがありまして、ここでドラマーのニッキー・ボンバは観客とベタなコール&レスポンスをするんですよ。“ブンシャカラカラカブンブン!” みたいな。結構無茶ぶりだったりもするんですが、それを観客も楽しんでる。そしてその様子を陰で楽しそうに見ているジョン・バトラーの表情も印象的でした。でもドラムソロでこういうのって珍しいと思うんですけど…、そう言えばフジの時もドラマーが似たようなコール&レスポンスをしていましたっけ。ドラムの人って代わってるはずですよね…?これって伝統なんですかね?

続いてジョン・バトラーがリゾネーター・ギターでのラップ・スティールを披露。たぶん新曲。先攻シングルとなっている「One Way Road」でしょうか?ちょっと分からなかったです。すいません…。でもスライドが格好良かったです。続いて「Zebra」。今度はジョンがニッキーに負けじと観客と “デッオー!” とコール&レスポンス。盛り上がりました。そして本編最後の曲はギター・リフが格好良いロックな感じの曲でしたが、これもよく分かりませんでした…。すいません。新曲ですかね?

アンコールはたぶん新曲の「C'mon Now」。これはもう楽しむより他にない感じのアップ・テンポの曲。そして最後は「Funky Tonight」。ベース・ソロから3人でドラム叩きまくりへとなだれ込む展開にテンション上がりまくりで大団円。

新曲中心の短いセットになるのかと思いきや、それぞれのソロも含めた約1時間30分。たっぷり楽しませてくれました。ジョン・バトラーはスタッフへ労いの言葉をかけるなど相変わらずの侠気を見せつつ、「オマエラサイコー!」を連発するなどして笑いをとっていました。なんかフジで「オマエラサイコー!」と初めて聞いた時は、その言葉の意味のままに受け止めましたが、今では徐々に“一発ギャグ”的なニュアンスを含みつつあるような…。今年のフジでは何回言うか数えてみようかな~。

さて、今年のフジですよね。どのステージに登場するのでしょうか? 昼のグリーンとかやめてくださいね。ヘヴンのトリでお願います! 夜のヘヴンでジョン・バトラー・トリオ! 絶対に最高です! きっと幸せ一杯にその日を締めくくってくれることでしょう!


*曲目曲順につきましては既に記憶が曖昧ですので、間違っていましたらごめんなさいね。

写真のアルバムは前作「GRAND NATIONAL」。この日のライヴでも演った、「Used To Get High」、「Better Than」、「Good Excuse」、「Funky Tonight」などを収録。最新作は日本では3月24日に出るそうなので、それまでこれを聴いて待っています。あ、ロラパルーザでのライヴ盤も出てるんですよね…。欲しいな~。


このショーケース・ライヴの映像がいくつかYouTubeにあがってました。

まずは「Ocean」。長いですけど最後まで聴いてください。感動します。しかしアコギでこの音も凄い!
http://www.youtube.com/watch?v=u6VOK4ux5ZE&feature=related

そして「Good Excuse」。“ブンシャカラカラカブンブン!”。
http://www.youtube.com/watch?v=gvkGoUmOkT0&feature=channel


@代官山UNIT

2010-03-03 19:25:43 | ジャムバンド/オーガニック
今日はジョン・バトラー・トリオのショーケース・ライヴを観に代官山UNITに来ています。このライヴハウスは初めて来ました。代官山だからオシャレな雰囲気かと思いきや、飾り気のない、いかにもライヴハウスって感じなんですね。今、開演待ちです。ちょ~楽しみです!あ、ギャズのイベントも気になるな~


帰宅後追記:

いや~、最高でした!ジョン・バトラー・トリオ! 狭いライヴ・ハウスならではの親密感から、トリオと観客が産み出すケミストリーをよりいっそう濃密に感じとることが出来ました。この芳醇なグルーヴとオーガニックで多幸感抜群なヴァイヴは、来るフジではヘヴンのトリで観たいです!! 詳しくはまた。

チャーリー・ハンター

2009-01-19 10:24:12 | ジャムバンド/オーガニック
CHARLIE HUNTER / BABOON STRENGTH

ニューヨークの先鋭的ジャズ/ジャム・バンド・シーンの立役者の一人、チャーリー・ハンター。彼の最新作が写真の「BABOON STRENGTH」。トリオ編成で、チャーリー・ハンターが7弦ギター、キーボードにErik Deutsch、ドラムスがTony Masonの3人。ベースが居ません。でもしっかりベースが聴こえてきます?

実は、チャーリー・ハンターの操る7弦ギターは、たぶん上2本の弦がベースになっているのです。さらにこの人、その上をいく8弦ギターも操るとか。もともとオルガン・ジャズのようなプレイをギターで出来ないものかと、自らのアイデアで特注したギターだそう。そして彼はこのギターを操り、ベース、バッキング、リードと、一人3役をこなしているとか。

で、先日渋谷タワー・レコードでチャーリー・ハンターのインストア・イベントがあったので行って来ました。今回はコットンクラブでのトリオ編成によるライヴのための来日でしたが、この日はインストアなのでチャーリーただ一人による演奏でした。ですが、彼のギターを堪能するにはもってこいかと。

噂の7弦ギター。ちゃんとピック・アップもギター用とベース用がそれぞれ付けられ、アンプもギター・アンプとベース・アンプそれぞれにつながれています。上2本の弦でベース・ラインを弾きながら、バッキングやリード・ギターを歯切れ良くこなしていきます。しかもこのベースがいい音してるんですよ!

店内のポップに書かれている言葉を見つけては、「ブルース!」「カントリー!」「ジャズ!」「ワールド!」と楽しそうに叫び、それぞれのスタイルをハンター流に弾きこなしていきます。別にアクロバティックな弾き方をする訳ではなく、奏法自体はオーソドックスなものなのですが、バラエティに富んだリズムを表現するベースラインと、それに絡むファンキーなソロ・フレーズを一手に繰り出すフィンガリングに目が釘付けでした。

そしてその驚異のテクニック以上に印象に残ったのは、彼の演奏そのものに野性味が溢れていたこと。案外、感情が先に行くタイプというか、結構強引なフレーズを連発していた印象。でも私なんかはそういうところにファンク・スピリッツやブルース魂のようなものを感じちゃうんですよね。天晴れなギタリストでした。

ちなみに私がチャーリー・ハンターを初めて知ったのは、彼の01年のアルバム「SONGS FROM THE ANALOGUE PLAYGROUND」。ここにノラ・ジョーンズが参加していて、ノラの歌が聴きたくて手にしたのが始まりでした。この時ノラはまだデビュー作の「COME AWAY WITH ME」を発表する前だったんですよね。

で、チャーリー・ハンターの最新作「BABOON STRENGTH」には7曲のライヴ音源が入ったボーナス・ディスクが付いていたんですけど、なんとノラ・ジョーンズをゲストに招いた「Tennessee Waltz」が入ってるんです。これが良いんですよ! ノラの歌と鍵盤も素晴らしいですし、後半のハンターによるジャズ/ブルージーなギターソロも良いです。もちろん他の曲も刺激的ですよ! わりと緩めな本編スタジオ作より、ボーナスのライヴCDの方が断然燃えます!


デレク・トラックス・バンド@リキッドルーム

2007-12-06 08:12:46 | ジャムバンド/オーガニック
THE DEREK TRUCKS BAND / SONGLINES

11月27日、恵比寿のリキッドルームにてデレク・トラックス・バンドのライブを観てまいりました。やっぱりデレク・トラックスは凄かった! とにかくデレクのスライド捌きに目が釘付けでした。なにしろとんでもない速さとキレでネックの上をビュンビュンと滑らせます。そして適格にフレットを捕らえ独創的なフレーズを次々に繰り出す、まさに神業。愛器SGが鳴らす音色がまた良い!

そして多種多様な音楽スタイルを飲み込み消化したバンド・サウンドがデレクの神業を後押しします。ヨンリコ・スコット(ds)、トッド・スモーリー(b)、コフィ・バーブリッジ(key)、カウント・ムブトゥ(per)、そしてフロントを務めるマイク・マティソン(vo)。彼のソウルフルで暖かい歌声がデレクの強烈なギターと対を成すように芳醇な世界を作り上げていました。

さて、ほぼ定刻にスタートしたそのステージはスリーピー・ジョン・エスティス~タジ・マハールの「Leavin' Trunk」から始まりました。いきなり渋すぎる選曲ですが、考えてみればこの曲のタジ・マハール・ヴァージョンでギターを弾くのはジェシ・エド・デイヴィスとライ・クーダーですから、 スライド・ギタリストとして二人の先輩スライド・マスターへのリスペクトを込めた粋な選曲かもしれませんね。

そして「Soul Serenade」や最新作「SONGLINES」からの「I'd Rather Be Blind, Crippled and Crazy」でデレク・トラックス・バンドの世界へ引き込み、続くは早くも「Key to The Highway」。ビッグ・ビルやジャズ・ジラムと言うより、デレク&ドミノスのカヴァーと言ってしまった方が良いかもしれません。間違いなく前半のハイライト。観客も盛り上がりましたし、デレクのスライド・ギターもまるで火を吹くかのごとくでした。続いてアラン・トゥーサンの「Get Out of My Life, Woman」。これは意外な選曲。トゥーサンというよりアルバート・キングかな?

さて、デレク・トラックスはステージ中央の少し後ろに下がった辺りが定位置で、ギター・ソロだからといって特別前へ出て来たりとか、観客にアピールしたりとかは一切しません。それがまた彼の魅力でもあるのですが、そんな佇まいに少々物足りなさを覚え始めた頃、ステージ前方に2脚の椅子が用意されました。

ヴォーカルのマイク・マティソンとデレク・トラックスがそこへ腰掛けると一気に観客との距離が縮まった雰囲気。ここでデレクはギターをドブロとかナショナルとか、そんな感じのオールドなギターにチェンジ。このコーナーでは笑顔をこぼしながら親密な雰囲気でブルース・ナンバーが立て続けに5曲披露されました。ライブで観たときは直ぐにはピンとこない曲も多かったのですが、帰宅後色々なブログを拝見して判明したその5曲は以下の通りのようです。

1. Preachin' Blues
2. Soul of a Man
3. Get What You Deserve
4. 44 Blues
5. Done Got Over

どうですか?この渋さ。1.はサン・ハウス、2.はブラインド・ウィリー・ジョンソンですよ! オリジナルの泥臭さとアクの強さに比べれば、端正すぎる演奏でしたが、オーガニックなジャム・バンド的雰囲気で和みました。そしてギターをストラト系にチェンジしての3.ですが、これは誰の曲でしょうか? ローリン・アンド・タンブリン的なブギ調のナンバーでノリノリでした。4.は元々はルーズベルト・サイクスで知られるバレルハウス・ピアノ・ブルースの古典ですね。コフィの選曲かな? 5.はギター・スリム? ちょっと違った気もしましたけど…。前半の「Get Out of My Life, Woman」と言い案外ニューオーリンズが好きなんですかね?

この後はいよいよコンサートも終盤。ワルツ的なリズムが刺激的な「I Know」。そして愛嬌たっぷりのカウント・ムブトゥのパーカッジョン・ソロ。さらにコフィのフルートが聴けた「Mahjoun」を挟んでアグレッシヴなジャズ・アレンジが秀逸な「Greensleeves」へ。この辺りはジャム・バンドの面目躍如なスリリングなプレイの応酬。そして本編ラストは待ってましたの「Anyday」! デレク&ドミノスの名曲ですね。デュアン・オールマンの後継者としてだけではなく、エリック・クラプトンに認められた男としての付加価値まで付いたジャストな選曲。これは盛り上がりました!

アンコールは「Gonna Move」と「Freddie's Dead」。最後はカーティス・メイフィールドで締めました。1時間40分程度でしたでしょうか。ちょっと短い気もしましたが、十分堪能させていただきました。フロアではさらなるアンコールを望むお客さん達が相当粘っていましたが、残念ながらそれはかないませんでした。

いやはやそれにしても渋い選曲。オリジナル曲はほとんど演らずブルースのカヴァーが目立ちました。しかも他の日のライブではそれぞれで大幅に曲目を変えてるようで、マニアは全て見に行かなくては始まらないし終われない感じかも。


*既に記憶が曖昧なので、曲目等間違っていましたらごめんなさい。

*写真は現在の最新作「SONGLINES」。素晴らしい作品ですが、この日のライブではほとんど演奏されませんでした。このアルバムを必死に予習していた私の立場は…。DVD「SONGLINES LIVE」がカップリングされたお得なセットも発売されてるようです。