ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ダイアン・バーチ @ビルボードライヴ東京

2016-05-20 19:55:44 | SSW
5月9日、ビルボードライヴ東京にて、ダイアン・バーチのライヴを観てまいりました!!この日は日本公演の初日で、私が観たのはその1stショー。


09年のデビュー作「BIBLE BELT」により古き良きSSWやニューソウル的なフィーリングで颯爽とシーンに登場し、2014年の2nd作「SPEAK A LITTLE LOUDER」ではより現代的、オルタナ的な方向にシフトし、今年リリースされたばかりの最新作「NOUS」では、さらにダークに、内省的な深みを増した世界を聴かせてくれるなど、作品を重ねるごとに進化を遂げている彼女。2014年以来2年振りの来日公演です。


客電が落ち、バンド・メンバーが登場。エリヤ・ライヒェン(Key)、スチュアート・マシューマン(Sax)、マーティン・シュトゥンプフ(B)、ヤニス・ゲルラッハ(Ds)の4人。2014年の前回来日からバンドを一新してきましたね、現在ダイアン・バーチが活動拠点としているというベルリンの人脈でしょうか?そのベルリン録音となった最新作「NOUS」にも参加したサックス奏者のスチュアート・マシューマンは、あのシャーデーのバックを長年務めてきている人。前回はビン・ジ・リンというメロウ・フィオーリングな職人ギタリストが核になっていた印象でしたが、今回はこのスチュアート・マシューマンが鍵になりそう。


さて、バンド・メンバーに続いてステージに上がったダイアン・バーチ。シックなドレスに身を包んでいるものの、深く切れ込みの入ったスカートはかなりセクシー。そして一言「こんばんは」と挨拶してピアノを弾き始める。その儚げな音色に導かれる曲は、最新作「NOUS」から「Stand Under My Love」。聴く者の内面を緩やかに浸食するかのようなバンド・グルーヴ、独特の緊張感のなか響くダイアンの歌声にうっとり。あのソウルフルな美声はそのままに、より深みを増した歌表現に心を打たれます。

そして2曲目以降も「Kings Of Queens」、「How Long」、「Walk On Water」と、新作「NOUS」からの楽曲が続き、その世界観をどっぷりと聴かせてくれる。中でも、深く沈み込むような曲調に物悲しく映えるダイアンのファルセットが美しかった「Kings Of Queens」とか、、幽玄なサウンドスケープにスチュアート・マシューマンのサックスの音色とダイアンの歌声が交差する「Walk On Water」辺りは特に素晴らしかったですね~。スタジオ作で聴かれるアンヴィエントな雰囲気を、生演奏ならではの人間味で捉えたようなバンドアレンジも見事でした。

続いてダイアンが思わせ振りにピアノを弾き始めたそのイントロは、1st作「BIBLE BELT」から「Fools」。やはり待ってました!ですよね。なんだかんだ言って、みんなデビュー作への思い入れは強いんですよ。序盤はなんとなく「NOUS」のウェットな質感を引き継いでいるような雰囲気を感じさせつつ、サビを終えたあたりから勢いづき、2番を歌いだす頃には観客席から手拍子もかかると、ダイアンの歌声もみるみるソウルフルに加速していく。そこにスチュアート・マシューマンによる爽快感抜群のサックスソロが追い打ちを賭け、ライヴならではのスイートな躍動感が駆け抜ける。やっぱり名曲。ですがこの日の個人的ハイライトは次の曲だったり。

続いてデビュー作から「Fire Escape」。いや~、これはダイアン・バーチのソウルフルなゴスペル・フィーリングが爆発でした!!素晴らしかった!もう本当に聴き惚れましたよ!ここぞというところで一人多重コーラス的なエフェクトをかける辺りも憎かったですね。ダイアンの歌声というのは何処か不思議な存在感がありますよね。爽やかでありながら、ディープな感性を内包している。エモーショナルに発散しながらも静けさが感じられる。この曲では特にそういうダイアンの魅力をたっぷり堪能させて頂きました。

さて、ステージはダイアンのピアノ弾き語りコーナーへ。まずはスチュアート・マシューマンのサックスとのデュオで再び「NOUS」から「Woman」。ピアノと歌とサックスによる、何処か教会を思わすような静寂とした雰囲気が素晴らしかった! さらに切れ目無しに「Smooth Operator」。来ました!シャーデーのカヴァーですよ!こういうサプライズは嬉しいですね。もちろんスチュアート・マシューマンのサックスも最高。そしてそのスチュアートもいったんステージを去り、いよいよダイアン一人の弾き語りに。曲は「Magic View」。これもデビュー作からですけど、意外と言うか、かなり渋い選曲ですよね。もちろん絶品でした。レアな選曲はまだ続きます。次はなんと新曲。おそらく「ライヴでやるのは初めて」とか「間違えたらすいません」とか言っていたように思います。「NOUS」に連なる魅力の曲でした。(後日公開されたセットリストによりますと「JUNO」という曲だそうです。)

いつの間にかバンドメンバーも戻ってきていて、いよいよステージも終盤。2nd作「SPEAK A LITTLE LOUDER」からタイトル曲「Speak A Little louder」と「Superstars」。それまでずーっとピアノの前に座りっぱなしだったダイアンでしたが「Speak A Little louder」では立ち上がってピアノから離れて歌う場面も。立ち上がるとすらっとしていてまるでモデルさんのような美しさ。参りますね~。そしてメンバー紹介を兼ねてバンド・メンバーによるグルーヴィーなインスト曲から名曲「Nothing But A Miracle」へ。

キーボーディストのエリヤ・ライヒェンがエレピでイントロを弾くのをダイアンが遮り、自分でエレピを弾いてみるも上手く弾けない、なんていうお茶目な場面もありつつ、あらためて仕切り直した「Nothing But A Miracle」はやっぱり素晴らしかった! こちらも名曲ですね。良い塩梅に崩して歌うダイアンの歌唱がまたラヴリーでした。やっぱりこの曲を聴かないと、という充足感に満たされ本編終了。

1stショーだからアンコールはないかな?なんて思っていましたが、ダイアンは戻ってきてくれました。ピアノ弾き語りで聴かせてくれた曲はなんとシネイド・オコナーで知られるプリンス作の「Nothing Compares 2 U」でした。もちろん先日亡くなられたプリンスに思いを馳せて。気持ちの入った素晴らしいカヴァーでした。終盤には、耳慣れないメロディーが繋げられていましたが、どうやらこちらもプリンスの「When Doves Cry」だったようですね。まるで「Nothing Compares 2 U」のアウトロのような素晴らしいアレンジでした。



この日のセットリスト↓

01. Stand Under My Love
02. Kings Of Queens
03. How Long
04. Walk On Water
05. Fools
06. Fire Escape
07. Woman
08. Smooth Operator
09. Magic View
10. JUNO(新曲)
11. Speak A Little louder
12. Superstars
13. ???(メンバー紹介 Inst)
14. Nothing But A Miracle
------------------------------
15. Nothing Compares 2 U ~ When Doves Cry

メンバー紹介を兼ねたインスト曲は曲名分かりませんでした。セットリストにも載っていませんでしたし…。ジャムセッション風ではありましたが、しっかり曲として演奏された印象でした。誰かのカヴァーかもしれません。




よろしければこちらもどうぞ!!

ダイアン・バーチ@ビルボードライヴ東京 (2014年3月26日2ndショー)
今年のフジロックを振り返る その2 (2010年8月1日フィールド・オブ・ヘヴン)

ダイアン・バーチ

2016-05-09 18:11:15 | SSW
ビルボードは2ndステージを見に来ることがほとんどなので、たまに1stに来ると外が明るくて新鮮。ステージの中央にダイアンが弾くグランド・ピアノが鎮座しております。

Alessi's Ark @蔵前Nui.

2015-10-27 18:39:07 | SSW
舞台に上がり照れくさそうに「はじめまして」と言ってチューニングを始める彼女。そのチューニングを見守るように静まり返る観客達にたまりかねたように「Very quite!」と言って笑いを誘う。そして「ありがとう、アレッシーです」と自己紹介しギターを爪弾き始めた彼女は、英国出身のシンガー・ソング・ライター、アレッシーズ・アーク。

2009年に19歳の若さでデビューし、これまでに3枚のアルバムをリリースしているアレッシー。今回は昨年の初来日に続いて2度目の来日ツアー。私は10月22日、蔵前のNui.にて、そのツアー最終公演を観てまいりました。

いきなり耳慣れない曲から始まったステージ。おそらく新曲だと思われるその曲は、この来日のために録音したと言うEP「KOMOREBI」にも収録されている「Pontal」。美しいアルペジオの響き、その音色にしみ込むようでもあり、優しく包み込むようでもあるアレッシーの歌声。2曲目は「Veins Are Blue」。現在のところ最新作となる03年の3rd作「THE STILL LIFE」から。この曲、私大好きなんですよ~。ゆったりとしたギターのカッティングにフワッと乗るアレッシーの歌声に、思わず聴き惚れました。

続いて新録EPから「Vow」。アレッシーは来春に新作を発表予定とのことで、今回のツアーではそちらに収録予定の新曲の披露もあるのでは?とのことでしたが、確かにEP収録曲以外にも耳馴染みの無い曲が何曲かありまして、新作への期待が高まりました。とは言え、1st作「NOTES FROM THE TREEHOUSE」から「Woman」、「The Horse」、「Ribbon Lakes」、「Hummingbirds」、2nd作「TIME TRAVEL」からは「Wire」、「The Robot」、3rd作「THE STILL LIFE」から先の「Veins Are Blue」と「Hands In The Sink」と、過去作からも沢山歌ってくれました。またアルバム未収録ながら昨年の来日公演でも歌っていた「Desert」や「Longest Sun」といった曲も披露してくれました。

CDではドリーミーでノスタルジックなアレンジが施され、ポップでモダンな印象を受けるアレッシーの楽曲ですが、ギターの弾き語りですと、やはりより英国的な湿り気を感じさせられると言いますか、根元には英国フォークの伝統がしっかりと息づいているなと、これは昨年の来日公演でも感じたことではあるのですが、あらためてそんな印象を強く受けました。

また1曲1曲はとてもゆったりとたリズムなのに、3分を切るぐらいな短い曲が多く(さらに間奏をカットするなどショートヴァージョンにした曲もあったはず)、しかも唐突に曲が終わり、楽し気に喋り出す。それが彼女独特の小気味良いテンポを作り出していくようで、そのテンポに場がぐいぐいと引き込まれていく感じ。そしてアレッシーはとにかく話し好き。昨年もよく喋っていましたが、今回も、チューナーのこと、タワーレコードのこと、ローソンのこと、道頓堀のことなど、思いつくままに色々とおしゃべりしていました。おそらく覚えたてと思われる日本語も色々と駆使しながら。例えばある曲をやる前に「あつい!」と言って、曲を歌い終えた後に「さむい!」と言ったのは可笑しかったですね。そんなお茶目なところもあるんです。

そしてハイライトは本編ラストを飾った「Hummingbirds」。客席に居らしたコトリンゴさんが呼び出され、アレッシーとのサプライズ・セッションに。アレッシーは10月7日の鳥取を皮切りにこの東京まで全11公演を廻って来たのですが、その先々でサポートアクト達とセッションを繰り広げて来たようなのです。コトリンゴさんは岡山、広島、福岡のサポートアクトでした。ですがこの日はセッションする予定にはなかったようで、ピアノの前に座ったものの譜面を持ってきていないと不安そうな面持ちのコトリンゴさん。ですがそこは流石プロ。始まってしまえば見事に二人の世界を作りあげていました。アレッシーのギター弾き語りを、コトリンゴさんの流麗なピアノがよりドラマチックに、より情緒豊かに聞かせてくれる。1曲だけのコラボでしたが、ホント素晴らしかったです!!

そしてその素晴らしさに応えるように拍手喝采が続き、まさかのダブルアンコール。アレッシーもあまりの歓迎振りに驚いてる様子でしたが、最後は鳥取と大阪をサポートした杉瀬陽子さんをコーラスに加えて賑々しく終わりました。2度のアンコール含めておよそ1時間のステージ。アレッシーの歌、曲、そして人柄を親密に感じることが出来る素敵なコンサートでした。







ALESSI'S ARK / KOMOREBI
今回の来日のために録音したという4曲入りEP「KOMOREBI」。ほぼアコギ弾き語りの簡素な録音ではありますが、アレッシーの気持ちのこもった素敵な逸品。そして終演後にサインを頂だきました。とにかくアレッシーはおしゃべり好きなので、英語を話せるファンの人とはかなり熱心にお話をされていました。そしてサインが丁寧。サインと言うよりお手紙を書いているような雰囲気。そして私の番になったんですが、英語が喋れない私は自分の名前を伝えるだけで精一杯。それでもアレッシーは色々と書いてくれました。最後に私の似顔絵まで描き出したのにはびっくりしましたけどね。アレッシーはイラストレーターでもあるので、やっぱりこだわりがあるんでしょうね、とても真剣に描いてました。ちょっと描いては私の顔をじ~っと見て、またちょっと描いてはじ~っと見る。その繰り返し。あまりの真剣な眼差しにちょっぴり照れくさかったです。できあがった似顔絵(左上)は、結構似てるんですよ!しかもCool guy! いや~、アレッシーは素敵な人ですね。ますますファンになりました!!

@蔵前Nui.

2015-10-22 19:03:21 | SSW
今日は蔵前のNui.にて、アレッシーズ・アークのライヴ。アレッシーズ・アークは私の大好きな英女性シンガー・ソング・ライター。昨年に続いて2度目の来日ツアーですが、正直、こんなに早く再来日してくれるとは思いませんでした。本国では既に3枚のフルアルバムをリリースしているアレッシーですが、ここ日本ではまだそれほどメジャーな存在ではないと思うんですよね。なので今回の再来日は嬉しいやら驚いたやらで、とにかく楽しみです!

プリシラ・アーン@めぐろパーシモンホール

2014-12-23 23:09:01 | SSW
プリシラ・アーン / あなたのことが大すき。

2014年12月3日、めぐろパーシモンホールにてプリシラ・アーンを見てまいりました。ジブリ映画「思い出のマーニー」の主題歌を歌い、新しいファンも沢山掴んだであろうプリシラ・アーン。過去に何度も来日していますが、今回は初の単独ホール公演ということで、一回り大きくなったプリシラ・アーンを堪能してまいりました。


ユーミンのカヴァー「やさしさに包まれたなら」で始まったステージ。プリシラの温かみのあるナチュラル・ヴォイスが会場に染みわたっていく。 昨年の「THIS IS WHERE WE ARE」リリース直後にフジロックで見せた新モードは一旦封印した印象で、オーガニックなバンドアンサンブルによるフォーキーなサウンドが心地よい。バンドメンバーも、ウェンディ・ウォン(b)、ジェイク・ブラントン(g)、オリヴァー・クラウス(cello)、ルーク・アダムス(ds)、サーシャ・スミス(key)という、これまでの彼女の諸作品や来日時のバックバンドに名前を見ることができる、プリシラ・アーン・オールスターズ的な面々。そんな面々による、「In A Tree」、「Wallflower」、「When You Grow Up」といった初期の曲が嬉しい!

でも序盤の白眉は「THIS IS WHERE WE ARE」からの「In a Closet in the Middle of the Night」でした。新モードを封印したかと思いきや、この曲ではテノリオンを使うという新しさ!しかもプリシラが一人でテノリオンをピコピコ操りながら歌うという。イントロでループ操作をミスし、「オー!ノー!」とか言ってやり直す場面があったりで冷や冷やもしましたが、仕切りなおした後は素晴らしかった。テノリオンの人工的な電子音とプリシラのピュア・ヴォイス。それをフットスイッチで多重的に重ねていくその広がりの美しさ!!アルバムのエレクトロニカ的側面をこういう形でライヴ表現するというセンスは、ただフォーキーなだけではないプリシラのポップセンスならではですよね~。元々この曲は09年に配信オンリーでリリースされたライヴ音源に収録されていた曲で、当初はアコギ弾き語りを基調にした幻想的な曲だったのですが、それが「THIS IS WHERE WE ARE」を経て、テノリオンへ進化した、面白いですね~。

あと個人的に嬉しかったのは「Stop, Look, Lie」でプリシラがバンジョーを弾いてくれたこと。そもそも私がプリシラを好きになったきっかけは、デビュー当時、何処かでたまたま彼女がバンジョーを持った写真か映像を見たからだったんです。今どきのシンガーソングライターがバンジョー!?そして歌声を聴いて大ファンになりました。それ以来、何度もプリシラのライヴを見ていますが、しかし彼女の生バンジョーを聴けることはなかったんですよね~。なのでこの日初めて彼女のバンジョーを生で聴けて、彼女がバンジョーを弾く姿を間近に見れて、感無量でした!!

そして、NHKのドラマ『そこをなんとか2』の主題歌「Best I Can」や『みんなのうた』での放送曲「見えない羽根」、さらには「サヨナラCOLOR」や「風の谷のナウシカ」のカヴァーなど、ここ数年で音楽活動的にも日本に急接近しているプリシラらしい選曲も楽しませてくれました。あ、そう言えば、バンジョーを弾いた「Stop, Look, Lie」はマツモトキヨシのCM曲でしたね。もちろん映画『思い出のマーニー』の主題歌「Fine On The Outside」もやりましたよ。こちらは続けて「With You」、「This Old House」とマーニー関連の曲を披露し、旬という意味でも後半のハイライトとなりました。

また、プリシラは日本語を駆使したMCもたくさん話してくれました。『日本語を勉強しています』と言って『ダメヨ、ダメ、ダメ』という最新ギャグで笑いをとってみたり。あと『「思い出のマーニー」の主題歌を歌えたことが人生で最も大きな出来事』と語った後に、慌てて『一番大きな出来事は「結婚」、二番が「思い出のマーニー」』と言い直したり。とても幸せそうで可愛かったです。とは言え、日本のファンの前なんですから敢えて言い直さなくても良いのに…、と思ったり。でもそんな素直なところも素敵なんです。なんて言いますか、プリシラは少し天然なところもありますよね。最近はライヴでちょっと歌詞を忘れたり、躓いたりするのが、なんだかお約束になってしまっていますし。この日もカヴァー曲でちょっと間違えちゃってましたけど、笑顔で謝る仕草がまた可愛かったり。正直な話、こういう瞬間に見せる彼女の素の笑顔や笑い声をちょっぴり楽しみにしている私もいる。ごめんなさい…。


さて、夢心地なコンサートも終盤。ラストは「Leave the Light On」、「Dream」というデビュー時の曲を続けて。まさか「Leave the Light On」をやってくれると思わなかったので嬉しかったですね。そして代表曲「Dream」ですよ。何が凄いってオリヴァー・クラウスがいますからね。この方はクリスティーナ・アギレラ、ベス・オートン、レイチェル・ヤマガタ、ミーコ等々、数々の作品に参加しているチェロ奏者で、プリシラが08年にデビューした際の「Dream」で印象的なチェロを弾いているのもこのオリヴァー・クラウスなんです。ですがこれまでのプリシラの来日にはさすがにオリヴァー・クラウスまでは一緒に来ていなかったんです。なので今回はまさかでしたよ!まさかオリヴァー・クラウスのチェロが入った「Dream」を生で聴けるとは!これは貴重でしたよ!もちろんオリヴァー・クラウスのチェロはコンサート全編に渡って素晴らしかったですけどね。


そしてアンコールは邦ロックバンド、くるりのカヴァー「ばらの花」。最後らしいアップテンポな盛り上がり。そして待ってましたの「カントリーロード」。プリシラの歌うこの曲が好き、という方も案外多いのでは?もちろん私もその一人。これで終わりと思いきや、最後にもう一曲。アコギ弾き語りでユーミンの「ひこうき雲」。これも染みましたね~。

なぜかユーミンで始まりユーミンで終わったコンサート。アンコール含めて、およそ1時間20分程でしたでしょうか。ホール公演にしては短いかな?と思ったりもしましたが、いつもよりちょっぴりゴージャスなバンドアレンジで聴くプリシラの素敵な歌声をたっぷり堪能いたしました。そしてプリシラは相変わらず可愛かった!


終演後はサイン会があったのですが、開演ギリギリに現地に到着した私は参加券をゲットできなかったんです…。まさかホール公演でサイン会があるとは思わなくて。そこは日本のファン思いのプリシラならではですね~。



この日のセットリスト↓

01. やさしさに包まれたなら
02. In A Tree
03. Best I Can
04. Wallflower
05. When You Grow Up
06. In a Closet in the Middle of the Night
07. 見えない羽根
08. Stop, Look, Lie
09. サヨナラCOLOR
10. 風の谷のナウシカ
11. Fine on the Outside
12. With You
13. This Old House
14. Leave the Light On
15. Dream
------------------------------------------------
16. ばらの花
17. Take Me Home, Country Roads
18. ひこうき雲

(メモを取りながら見たとはいえ、既に記憶があいまいです。間違っていましたらごめんなさいね。)

アレッシーズ・アーク@恵比寿BATICA

2014-06-22 11:49:13 | SSW
ALESSI'S ARK / THE STILL LIFE

6月20日、恵比寿BATICAにてアレッシーズ・アークの来日公演を観てまいりました!

1990年ロンドン生まれという、まだ20代前半の若手女性シンガー・ソング・ライター、アレッシーズ・アーク(WIKIによりますと、本名はAlessi Laurent-Markeというそうで、Alessi's Arkとは、彼女のプロジェクト名のよう)。昨年リリースされた3rdアルバムとなる最新作「THE STILL LIFE」(写真)も素晴らしい作品であり、個人的には現在最注目の女性アーティストなのです。アルバムでは彼女の歌声を柔らかいポップ・フィーリングが包み込むようなアレンジが秀逸でしたが、今回はアコースティック・ギター弾き語りということもあり、彼女ならではのフォーキーな感覚をじっくりと堪能できるライヴとなりました。

私はアレッシーのその落ち着いた暖かい歌声から、人柄も静かな雰囲気を想像していたのですが、自身の出番前に対バンの邦インディー・バンド、JAPPERSの演奏をかなり前方で、しかもノリノリに踊りながら楽しんでる姿を見て、あ、こういう人なんだ、とちょっぴり驚いたり。またセッティング中にはBGMにレスリー・ゴアの「Maybe I Know」がかかると、声を上げて喜んだり。アレッシーズ・アークはこの曲を2nd作「TIME TRAVEL」でカヴァーしてるんですよね~。

さて、最新作から「Sans Balance」で始まった彼女のステージ。彼女の歌声は期待通りに緩やかで柔らかく、そして思った以上に繊細。爪弾かれるギターの音色も情緒豊か。「Veins Are Blue」「The Good Song」「Tin Smithing」など最新作からの曲の数々。アレッシーズ・アークらしいラヴリーなメロディーラインが、弾き語りならではの躍動感とエモーショナルに彩られるよう。アレッシーは表情を歪めながら、身体を上下左右に微妙にくねらせつつ、彼女独特のフィーリングで、フワっとしながらも濃密な歌声を聴かせてくれる。ライヴならではの人間味溢れるパフォーマンスに思わずうっとりでした。あと何故か彼女、時折片足を上げる一本足のポーズで歌っていましたが、そんな姿もキュートでした。

2nd作「TIME TRAVEL」から「The Robot」、1st作「NOTES FROM THE TREEHOUSE」から「Woman」「Ribbon Lakes」「The Horse」など旧作からの曲も披露されましたが、どれもCDで聴くのとはまた違った魅力で、楽曲の良さや、アレッシーのシンガーとしての魅力をあらためて感じさせてくれました。そして私なんかはおそらくこの日、初めて聴かされたであろう曲も何曲かあって、それがまた嬉しかったですね。多分、「Longest Sun」、「Desert」という曲。特に「Longest Sun」は良かったです。とてもフォーキーな憂い豊かな曲で、こういう曲を聴くと、現代的なドリーム・フォークといった雰囲気の彼女にも、しっかりと伝統的英国フォークの香りが息づいてるなと感じさせられたり。独特のしめった情緒が素晴らしかったです! あとこの曲では途中でギターのコードを間違えたりして、思わず「オウ!」と声を上げてやり直す場面もあったり。場内からも笑い声が沸きましたが、はにかみながら演奏に戻る、そんなアレッシーも可愛かったです。

可愛いと言えば、アレッシーは曲間によく喋ってました。もちろん英語なので私にはその内容はさっぱり分かりませんでしたけど…。でも早口でハキハキとした語り口、観客達との会話を楽しみながら、その身振り手振り、表情を見ているだけでなんか嬉しくなるような、そんなアレシーの人柄でした。

最後は観客達に「Hummingbirdとchicken、どっちが聴きたい?」みたいに問いかけ、一人の男性から「Hummingbird」という答えを聞くと、日本語で「OK、おやすみなさい」と言って「Hummingbird」を歌い出しました。これがまた絶品でしたね。そして彼女はこれで終わりとばかりにギターを置く。ですが拍手が鳴り止まない。その手拍子に体を揺らしながら「もうやらないよ~」みたいな戯けた顔でふざけるアレッシー。もちろんこれで終わりではありません。再びギターを抱えると、観客からの「chicken!」というリクエストに応えその曲を。「chicken」なんてきょくあったっけ?と思っていると、それは最新作収録の「Whatever Makes You Happy」でした。たしかに歌詞のかに「chicken」という言葉が出てきますね。この曲も良い曲なんですよね~。生のアコギ弾き語りで聴くとこれがまた格別。

およそ45分程の短いライヴでしたが、アレッシーズ・アークの魅力たっぷりな素敵なステージでした。



終演後はお楽しみのサイン会。私はポストカードを買ってサインを頂きました。アレッシーはイラストレーターでもあるそうで、おそらく彼女の作品なんでしょうね。サインに「アリガト☆またね☆」って書いてある!?







この日のセットリストは多分こんな感じ。既に記憶が曖昧ですので、間違ってましたらごめんなさいね。

01. Sans Balance
02. Veins Are Blue
03. Longest Sun
04. The Good Song
05. Woman
06. Tin Smithing
07. The Horse
08. Ribbon Lakes
09. Desert
10. The Robot
11. Hummingbird
--------------------------
12. Whatever Makes You Happy

ALESSI'S ARK 来日決定!

2014-05-21 17:15:03 | SSW
ALESSI'S ARK / THE STILL LIFE

ALESSI'S ARKが6月に来日します。私、この人大好きなんですよ~。

1990年ロンドン生まれ。まだあどけなさすら残る20代前半の若手女性シンガー・ソング・ライターです。写真は彼女の3rdアルバムにして最新作の「THE STILL LIFE」。フワッとした柔らかいポップさの中に溶け込む、その若さとは裏腹に落ち着いた彼女の歌声は、どこか憂いを含みながらもドリーミー。それは軽やかでありながらも、心の奥底に沈殿していくような不思議な深みを持った歌声。カリンバの音色からサビへの展開が印象的な「Tin Smithing」、気怠さと爽やかさが心地良く同居するメロディとリズム「Veins Are Blue」、神秘的なダーク感と幼さの残る声がファンタジックに溶け合う「Big Dipper」、ロック的なヘヴィなリズムを持つ「Afraid Of Everyone」など、楽曲も魅力的。また、「Whatever Makes You Happy」や「Money」などでの、ゆったりと包み込むようなスウィング感も秀逸。ポップではありますが、その奥底にはフォーキーが横たわっている。アコギ弾き語りを核にした「The Good Song」や「Sans Balance」のような曲が、まったく違和感無く並んでいるのも、この作品の魅力的なところ。3分前後から1分台、2分台の短い曲が並べられているあたりにも彼女のポップセンスを感じさせられます。プロデュースを務めたAndy LeMaster(ブライト・アイズとも親交の厚い人)の手腕も見事。


実は私、大好きとか言っておいて、この人のこと、あまりよく知らないんです。名前の読み方すら、今回の来日決定で初めてアッレッシーズ・アークと読むことを知った程…。なにせ、日本ではまだあまり紹介されてませんしね。実際、フォークの人なのか?ポップの人なのか? さらにUKポストロックのカイトの作品にフィーチャリングされてたりもするので、なかなか掴みどころのない雰囲気を感じさせられたりもする。ま、ジャンル分けに拘っても仕方ありませんので、自分の耳で確かめましょう。とは言え、今回の来日はアコースティックライブだそうなので、私が最も観たいアレッシーズ・アークの姿が観れそうです。

↓「Alessi's Ark TV is the moon tour」と題された、アレッシーズ・アークの来日ツアー・スケジュール
6/4(水)@鳥取 asipai
6/5(木)@神戸 旧グッゲンハイム邸
6/6(金)@姫路 ハルモニア
6/7(土)@愛媛・松山 若草幼稚園
6/8(日)@島根・松江 清光院下のギャラリー
6/10(火)@香川観音寺 おかし工房Botan
6/11(水)@愛媛今治 幡勝寺
6/13(金)@奈良 Sankaku
6/14(土)@大阪 COCHI CAFE
6/15(日)@名古屋 モノコト

詳細はこちら→Cow and Mouse

東京は6月20日(金)恵比寿 Batica だそうです。





↓最新作「THE STILL LIFE」から「Veins Are Blue」のPV
http://www.youtube.com/watch?v=XhhulWXAp1U



↓こちらは私がALESSI'S ARKを好きになったきっかけの動画。数年前、たまたまYouTubeで見つけ、一発でファンになりました。
http://www.youtube.com/watch?v=S5AR_JP3JdI






ALESSI'S ARK / TIME TRAVEL
YouTubeをきっかけにALESSI'S ARKを知り、早速購入したのが当時リリースされていた2nd作「TIME TRAVEL」。2011年の作品。英国らしい湿り気と、ポップの中に漂うフォーキー。柔らかくも不思議な魅力を放つALESSI'S ARKの歌声。全てにノックアウトでしたね。可愛らしいアートワークも秀逸。

プリシラ・アーンがジブリ映画の主題歌!

2014-04-16 16:13:01 | SSW
PRISCILLA AHN / THIS IS WHERE WE ARE

今朝、ツイッターを眺めていましたら、プリシラ・アーンによるこんなツイートが目に飛び込んできました。

My biggest dream came true-I'm writing & singing the theme song to the next Studio Ghibli film - out this Summer!!!



えー!!ついにプリシラ・アーンがジブリ映画のテーマ・ソングを歌うんですか!しかも自作曲で。これは嬉しいでしょうね。昨年のフジロックでも「カントリーロード」と「風の谷のナウシカ」を歌ってましたしね。

さて、気になる映画の方ですが、それは7月19日公開予定の「思い出のマーニー」。イギリスの作家ジョーン・G・ロビンソンの児童文学を原作にした作品で、「借りぐらしのアリエッティ」で監督デビューした米林宏昌さんの長編第2作目となるそうです。ちなみに私、こう見えてジブリ映画大好きなんです。一番好きなのは「天空の城ラピュタ」かな?あのロボットが復活するところが堪らなく好きなんですよね~。あとジブリじゃないですけど「カリオストロの城」も大好き。ですが「ハウルの動く城」を最後に近作は見ていないんですよね…。でもこの「思い出のマーニー」は絶対に見に行きます!!

プリシラが歌う主題歌は「Fine On The Outside」という曲。これは彼女が7年前に作った曲だそうで、高校時代の孤独について歌っているようです。彼女はこの曲を主題歌に提案した理由について「孤独を感じ、自分の中に愛というものを見出そうとしたあの頃の私が書いたこの曲は、杏奈の状況そのものだと気付いたから」と語っています(杏奈はこの映画の主人公の一人)。そしてこの曲は、ジブリ作品初の全編英語詞の主題歌となるそうです。


昨年のクリスマスにはジブリ美術館でクリスマス・ライヴを行い、今年は映画の主題歌、なんだかもうジブリ公認アーティストのような感じになってきたプリシラ・アーンですが、なんだかんだ言いながら、私個人といたしましては、そういうイメージが強くなることについて、ちょっぴり抵抗あるんですけどね…、実は。

でも映画公開にあわせて来日が決定したりしてくれたら、それはそれで大喜びですけどね!! ま、ファン心理としては何となく複雑なんです。



映画「思い出のマーニー」の公式サイト→http://marnie.jp/index.html

主題歌決定についての興味深い解説→http://dogatch.jp/news/ntv/24410


*写真は、プリシラ・アーンの最新作「THIS IS WHERE WE ARE」。エレクトロを導入し、ポップな中にもソフトサイケな白昼夢サウンドを感じさせつつ、プリシラならではのフォーク感もしっかり息づいている、意欲作にして傑作アルバム。昨年のフジロックでサインを頂きました~。

ジェシ・ウィンチェスター、安らかに

2014-04-13 12:11:38 | SSW
JESSE WINCHESTER / JESSE WINCHESTER

4月11日、ジェシ・ウィンチェスターが食道がんのため亡くなられたそうです。享年69歳。数日前にも訃報が流れていたんですけど、それは誤報だったということで胸を撫で下ろしつつ、もうあまり長くないのかも…と心を痛めていたのですが、それから数日を待たずしての悲しい知らせでした。今回もまた誤報では?と半信半疑だったりするのですが、多分、本当なんでしょうね。

1944年5月、ルイジアナ州シェリヴポートで生まれたジェシ・ウィンチェスター。ベトナム戦争への徴兵を拒みカナダへ逃れ、そこでロビー・ロバートソンと出会う。そのロビー・ロバートソンのプロデュースの元、70年にリリースされたジェシのデビュー・アルバムが写真の「JESSE WINCHESTER」です。これは良いアルバムですよね~。エンジニアはトッド・ラングレンですし、レヴォン・ヘルムも参加してますしね。でも何と言ってもジェシ・ウィンチェスターの歌声ですよね。憂いを含んだ独特の艶やかさが滲みますね。南部印な「Snow」や「That's A Touch I Like」、「The Nudge」もいいですが、「Biloxi」や「Skip Rope Song」などスロー・ナンバーの味わいも格別ですね。心に残る歌を歌うシンガーでした。


ジェシ・ウィンチェスターさん、安らかに。