徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

ロックよりもミートローフ/「時代はロックとともに HISTORY ROCKS」

2008-05-23 05:44:52 | Documentary
ヒストリー・チャンネルで放送されている「時代はロックとともに HISTORY ROCKS」(全5回)をまとめて観る。で、ですね、これ原題がHISTORY ROCKSで、HISTORY OF ROCKSではないわけです。ロックンロールの歴史映像モノなんて飽きるほど観ているけれども、一応チェックしとこうと思ったら、文字通りロックをBGMにニュース映像で綴るアメリカ現代史。こういうのも嫌いじゃないですけど、タイトルに騙された感ありありです。

<60年代、70年代そして80年代、さまざまな出来事が起こった激動の時代には、常にロックが流れていた。これらの時代を、当時のロックの名曲とともに振り返る新シリーズ「時代はロックとともに」。>(ヒストリー・チャンネル 番組案内)

まあこれを読めば一目瞭然なんですが。
こういう内容ならばロックンロールを起点にして50年代からやればいいものの、なぜ60年代を起点にしたのか、アメリカのカウンター(サブ)カルチャー史にしたかったのか。この辺の意図はよくわからない。そもそもピッピーの皆さんやヘイト・アシュベリーやらサマー・オブ・ラブが登場する60年代ならばともかく、70年代以降はリアルとロックの接点がなさすぎるよ。まあ昔々CBSドキュメントで観た事があるような気もするのだけれども、ただ、GⅠジョーのコマソンが聴けたり、60年代アメリカの玩具史やなどというあまり観る機会のないものも観られたのでよしとする(60年代というのは玩具革命時代でもありました)。

そしてあまり観る機会のないものと言ったら、何と70年代編以降の番組のホストがミート“BAT OUT OF HELL”ローフだったりするのだ! 
この人は、ヒップホップ以前、70年代にデブでもその気になればロックスターになれるということを実証した偉人なのだ。出世作「地獄のロックライダー BAT OUT OF HEL」は、ジム・スタインマンの楽曲の良さはもちろん、プロデューサーのトッド・ラングレンが自ら全編ギターを弾きまくり(マイ・スタジオ建設費稼ぎまくり)、そしてミートローフは巨体を揺らして吼えまくり、その気になっておねーちゃんにシルキー&ウィスパーヴォイスを聴かせるというロックオペラの名作。この番組に登場するミートローフは髪も短く刈り、リアルなおっさんになってしまったけれども、巨体に似合わない甘い声と自意識過剰なアメリカンな語り口調は相変わらずです。ちなみにこの人、去年「地獄のロック・ライダー3~最後の聖戦!」をリリースしてます。こちらも相変わらず。

んでも、これならNHKのMUSIC BOXの方が面白いかも…。

最後の鴉/鴉の肖像~渡辺啓助の世界

2008-05-06 04:41:15 | Documentary
八本正幸さんから“最後の探偵作家”渡辺啓助翁の晩年のインタビューを中心に構成したドキュメンタリーDVD「鴉の肖像~渡辺啓助の世界」が届く。企画・制作・撮影・編集・脚本・監督、すべて八本さんである。
啓助先生とは一度だけ、中洲通信1995年9月号の取材でご自宅へ伺ってお会いした。そのときの記憶がよみがえって来るような内容だ。
啓助先生は自らを<時間外居住者>、そして<鴉>と名乗る。

以前も引いたけれども、もう一度引用しておこう。

<私のカラス好きはみんなに知られている。私自身の持っていないもの、あのアッケラカンとして物に動じない生活態に憧れて、しかも生物中一番頭がよく、長生きで、イヤ、何よりも黒いということが気に入った――それで私は、カラスと同類であることを自認したのである。>(渡辺敬助『鴉白書』東京創元社より)

<あの声は寂寥(せきりょう)を食べて生きてきたのだ
 誰でも一度は鴉だったことがあるのだ
 人が死ぬと鴉が一羽何処かで死ぬのだと隣の部屋の老人が言った
 あたかも七十年生きてきたその秘奥を始めてうちあけるように>
(村上昭夫『動物哀歌』「鴉」より)

最近なぜか、その取材のときに啓助先生からいただいた鴉の絵を部屋に飾っている。これも何かの縁だろう。
真夜中だってのに、今晩はやけに外で鴉が啼いている。

「黒い太陽」ではないけれども、そろそろ<鴉のように黒く>生きてみたいもんですな。

永遠の/ブラッド・ダイヤモンドの真実

2008-04-29 04:06:37 | Documentary
中途半端なGWの中日なのだけれども原稿を一本、アポを2、3本取りつつ、企画を思案。

ヒストリーチャンネル「ブラッド・ダイヤモンドの真実(原題:BLOOD DIAMONDS)」
90年代にシエラレオネ、アンゴラ、コンゴなど西アフリカ諸国で繰り広げられた内戦の背景、9・11にも影響を与えた紛争ダイヤモンド、ブラッド・ダイヤモンドを描く。先日参加した「中村照夫と仲間たち2~エイズ・アウェアネスということ」で石弘之さんがお話された<アフリカに残る“現代の奴隷制”>の前提となる血塗られた物語。
シエラレオネの革命統一戦線(RUF)の兵士から「半袖(肘)がいいか? 長袖(手首)がいいか?」と訊かれ、敵対する政府・大統領に投票できないようにという理由だけで(それだけなわけがないだろうが)、腕を切り落とされる住民たち。鳥についばまれる死体映像。幼児の頃に誘拐されて以来、内戦が終結しても泥水に浸かりながら奴隷状態でダイヤモンドを探し続けることしかできない少年。そこに救いはない。
デ・ビアズの<A Diamond Is Forever ダイヤモンドは永遠の輝き>という名コピーによって、全世界的庶民レベルで広く深く普及し、<永遠の愛の象徴>となったダイヤモンド。こういう内容の取材でも受けて立ったデ・ビアズも、それはそれで、さすがというべきか。
泥水の中からダイヤモンドを探す日常を送る少年にとって、その永遠は終わることのない苦痛でしかない。しかし彼が<永遠>を過ごすシエラレオネは世界で最も平均寿命の短い国のひとつでもある。

続いてディスカバリー・チャンネル「9.11世界が目撃した175便」。航空管制官、関係者の証言で構成する<9・11>。改めて観て、凄い映像。そのとき、何にも知らないでいると「アンタ、アメリカで戦争が始まったよ!」と興奮しながら話しかけてきたオバちゃんを思い出す。映像ってのは怖いものである。

あまりにハリウッド的な/自然の襲撃 2011年の太陽嵐

2008-04-23 04:39:23 | Documentary
ディスカバリーチャンネルでクライシス物のドキュメント2本。
まずはハリウッド映画そのまんまのタイトル再利用の<ディープインパクト・惑星が地球に衝突する時>
6500万年前に恐竜たちが絶滅したという小惑星の衝突が現代に起こったらどうなるかというストーリーを、専門家の証言を交えながら検証し、シミュレーションするフィクション・ドラマ……ですが、予想通りいろんな意味でハリウッド流です。

続いて、50年ごとに巡ってくるという太陽の活動極大期に起こる<太陽風>が地球にどのような影響を与えるのか検証する<シリーズ:自然の襲撃 2011年の太陽嵐>。ここでは太陽の活動極大期による強烈な太陽風が原因で、発電所・変電所がダメージを受け、全世界で破滅的な大停電が起こるという設定で、こちらもドラマ仕立てで見せる。アメリカ人はそこまで電力への依存が後ろめたかったのかというぐらい、ここでもハリウット的にクライシスしてサバイバルしている。

シュミレーション・ドラマは話半分に観ていればいいのだけれども、ちょっと気になるのは、この<2011年の太陽風>だ。地球温暖化ブームの昨今、ちっぽけな人類が排出する二酸化炭素がでっかい地球に与える影響よりも、どう考えても、さらにでっかい太陽の<活動極大期>の方が影響が大きくないか。それによって起こるという<2011年の太陽風>の方が、さらにちっぽけな地球に与える影響は大きくないのか。しかもその影響は比較にならないほど直接的なはずだ。

でも、結論としてはよくわかってないらしい。
しかし、わかってなくても言われれば言われるほどに後ろめたくなって心配するのが人間で、また何だかわからないけれども心配している善良な人たちを、何かに利用する人間もいたりする。
モラルを問いたいのならば最初からそこに問題点を絞ればいい話で(モラルを憂う人はいつの時代にも、どこにでもいる。そして急進派は感情論を糊塗するために、かなり強引な“科学的根拠”を魔法のように産み出す)、まあ温暖化問題も、アンチ関係の人たちが暗躍している社会・環境問題の二の舞は勘弁です。

だって人間の企みや悪意なら憤りもできるけれども、小惑星の衝突や太陽の極大期は……どうしようもないもの。

<田中宇:地球温暖化問題の裏側>も参考までに。

(追記 6月20日)
<グリーンランドで1万年以上前、氷期から温暖な現在の間氷期へ移行している期間に2回の急激な温暖化が起きていたことが確認された。国立極地研究所(東京都板橋区)が参加する国際共同研究で、19日付米科学誌サイエンス電子版に発表する。低緯度で何らかの気候変動が起きて、大気循環が変化したためと見られる。同研究所の東久美子准教授は「北極は環境変動の影響を受けやすい。現在の気候変動を予測するカギとなる」という。
日独仏米とデンマーク、アイスランド、スイス、スウェーデン、ベルギーの9カ国が、96年から03年にかけてグリーンランドの氷床を岩盤まで全長3085メートル掘削。
氷床に含まれる酸素や水素の同位体などを解析したところ、約1万4700年前には3年間で約10度、約1万1700年前には約50年間で約10度という温度の上昇が確認された。
氷の解析によって、グリーンランドに雪をもたらす水蒸気の発生海域が、より高緯度になったことも推測でき、当時、短期間に大気の循環が大きく変化したと考えられるという。 >(朝日新聞 6月20日付

さて、温暖化派はこの報告に対してどう言い繕うのだろうか。
オレも思いついた革命的な別の意図が彼らにもあるのならば尊敬しちゃうけれども。

怖い話三題/Living In A Perfect World

2008-04-22 03:59:36 | Documentary
ナショナル・ジオグラフィックチャンネルでドキュメント3本。
「凶悪犯罪組織アーリアン・ブラザーフッド」(原題:Aryan Brotherhood)
<アーリアン・ブラザーフット>は刑務所内で結成され、塀の外にも勢力を伸ばしているという極悪秘密結社。つまりアメリカのリアル牢名主である。もうそのまんま『アメリカンヒストリーⅩ』の世界ともいえる。
60年代の公民権運動を背景に刑務所内で台頭してきた黒人、メキシカンに対抗するために結成された白人組織で、収監された服役囚どころか看守まで刃物で刺し殺すという何でもありの世界。そんな恐怖でがんじがらめの鉄の組織も、中興の祖であるマイケル・トンプソン氏の離反で、組織の変質が明らかになっていく(離反の理由が意外とベタだったりして)。そして今やトンプソン氏は組織から最高レベルで命を狙われる危険人物。と、ここまでで彼らが極悪非道なのは十分わかるのだけれども、共謀共同正犯と目される最高幹部2名への捜査官の追及、その描写がちと中途半端で喰い足りない。対立しているはずの黒人、メキシカン視点も、なぜかばっさり切ってしまっているのがもったいない。
<コカインよりも安価でしかも効き目は3倍以上。しかも自分で作れてしまう>という、メタンフェタミン(クリスタル、アイス、ティナ、クランク)の危険性を描く「世界で最も危険な麻薬(原題:World's Most Dangerous Drug)」。これ、使用前・使用後の顔写真が特殊メイクみたいで怖すぎる。以上2本は、そのまんま「まる見え」で放送されてもおかしくない内容。

そして、「完全自然主義に生きる人々(原題:No Borders: Living In A Perfect World)」
一組のオールドファッションな夫婦を乗せた馬車が、土ぼこりをあげながら舗装されていない道路を走る。口から出るのは生活の愚痴ばかり。しかしこの生活からは逃れられない。
これは重い。タイトルだけ見るとヒッピーのコミューンのような印象を受けるけれども、これは世俗的な発展を一切望まず、聖書の記述に対して忠実に生きる、メキシコの砂漠に住むキリスト教メノナイト派教会員たちの物語。ということで、タイトルはやはり<Living In A Perfect World>が正しい。彼らは<Perfect World>を求めるために、長い間迫害を受け、旅してきた人々なのだ。そして<完璧な世界>で生きるために<電話、車、ラジオ、テレビ、音楽など現代文化を一切拒否し電気さえも使わない>。そういう世俗から取り残された<Perfect World>の最大の問題は、やはり、というか案の定、貧困である。しかし貧困を解消し、生活に潤いを与えるであろう電化には、教会の長老たちが反対している。

それでも彼らは、神の教えの通り日曜日は絶対に働かない(働けない)。働かなくて何をしているのかというと、何をしていいのかわからない。だから子どもたちまで何をしていいのかわからなくて日常的に酒を飲む(らしい)。
ある者は世俗の世界に惹かれながらも、貧しいながらも平穏なコミューンの生活を望み、ある者はコミューンを捨てて家族と共にボリビアで新たな生活を始める。そしてまたある者は着慣れたオーバーオールを脱ぎ捨てて、<ちょっとだけの自由>を求めてコミューンを離れる。
どの道を選ぶにしても、とても彼らの行く末が平坦なものだとは思えない。
ニューシネマの世界を思わせる淡々とした描写が心に響く。

<何をしていいかわからない>ような住民を生み、育ててしまう絶対的な(教会の)力は、アーリアン・ブラザーフットやメタンフェタミンのように怖い。<Perfect World>というのは実に恐ろしい世界である。
確かに<Perfect World>はひとりひとりの心の中にあるだろう。また、それを他人に迫る人間はどこにでもいるものだけれどね。

IOWA STYLE/スポーツ・ドキュメントO.E.Z.

2008-03-23 06:17:00 | Documentary
Jスポーツの「スポーツ・ドキュメントO.E.Z.」。
アイオワ大学レスリング部の2001年から2002年シーズンを描くドキュメントを観る。アイオワ大学は過去27年間で20回全米大学王者になったという、カレッジスポーツの強豪校で、登場する若者たちもクラブの中での競争に勝ち抜いてきたエリート選手たち。コーチは言う。
<選手が勝つにはどうしたらいいのか。×××になって、○○○で自己中心的で、意地悪になるべきなんだ。別人になることだ。生き残るためにはね。>
そして選手も言う。
<レスリングはいい。誰かの肉体と精神をたたきのめし別人に変えられる>
自身も全米王者だった実績を持つヘッドコーチを始め、選手の口から出る言葉は凶暴そのものの、剥き出しのアメリカンスピリッツ。そもそもアメリカンスポーツというものはそういうものなのだろうが、特に田舎者のタフな人たちが嫌というほど登場する。
<単純明快で正当な教えを学ぶのだ。英雄〈Hero)か悲嘆(Heartbreak)か、中間は何もない。〈中略)これがレスリング。アイオワだ。>

しかしディレクターの当初の意図だったのかどうかはわからないけれども、物語は時間が進むうちに、どんどん過去の栄光を引っ剥がしていくような沢木耕太郎風の<敗れざる者たち>になっていく。誇り高く、アメリカン・スピリットの塊だった彼らも徹底的に挫折を味わう。そして、それでも彼らはそれぞれの道に向かって再び立ち上がっていく(らしい)。名門も、強豪も、伝統も(そして例えば“サッカーどころ”も)、同じような悩みやプレッシャーを抱えながら、それでも前に進んでいかなければならない。
<恐怖があるなら、皆を失望させることへの恐れだ。それが時には自分を抑えるんだよ。>

調べてみたらジョン・アーヴィングもアイオワ大学出身だった(現役時代はピッツバーグ大学)。「ガープの世界」でレスリングがフィーチャーされているのも、やはりレスリングが“そういうもの”の象徴なのだからだろう。

戦いに敗れクラブを去ったものの、それなりの幸せを見つけたジョシュ・バドキ君はともかく、再び立ち上がるマイク・ザディック君とスティーブ・モッコ君は、その後どうなったんでしょうか。ほろ苦い感じが、なかなか味わい深いスポーツドキュメントでした。

それにしても、レスリングの全米大学選手権もいいのだけれども、Jスポもどうせなら実在が噂されている全米川下り選手権を早く中継してくれないか思ったりして。

10人/選挙

2008-01-09 03:03:00 | Documentary
午前中に原稿一本。午後から渋谷で打ち合わせ。さらに打ち合わせと昼食後にレコ屋へ行って、FRANCO ET LE T.P.O.K. JAZZ『Live EN HOLLANDE』、FELA & THE AFRICA70 with GINGER BAKER『WHY BLACK MAN DEY SUFFER』。

正月にまとめて放送していた「BS特集 民主主義」を観る。世界の10人のドキュメンタリー作家が描く<民主主義>。昨年取材した想田和弘監督の『選挙』もその1本。インタビューのときも話していたけれども1時間ほどの短縮ヴァージョンで、まあ、これは監督の意図とはまったく違うのだろうけれども、それを抜きにしても、他国と比べて本当に異色の<ドキュメンタリー>だ。何より他の国々は民主主義に対して、闘って主張しているのに対して、日本人は文字通り<選挙>を戦っているわけだが、その実何も映像では何も主張されず、それを求められてもいない。その風景は<民主主義>の戦いからはとても遠い。もっとも屈折し、もっともシリーズの本質を考えさせられる作品(日本人だから当たり前か)。が、やはり観るならオリジナルヴァージョンの方がいい。あの『選挙』の<村祭り感>というのはフルサイズでないと体感できないんじゃないかと思う。想田監督からは、山さんと一緒に映った画像が添付されているお年賀メールを頂いた。DVD発売中だそうです。安いから買うべし。

記録するということ/佐藤真

2007-09-06 19:50:05 | Documentary
ドキュメンタリー映画監督の佐藤真さんが亡くなった。以前から、彼と一緒に仕事をしていたツースリーのムラから佐藤さんの話を聞いていただけに、取材をお願いしていなかったのが悔やまれる。ドキュメンタリーは作る側は困難な時代だけれども、伝える方もなかなか難しい時代だ。オレがドキュメンタリー系の映画監督に話を伺うときに決まってする質問があるのだけれども、それを佐藤さんにも訊いてみたかったと思う。
ドキュメンタリー映画というのは記録するものなのか、それとも表現するものなのか、それは難しい問題である。

強迫神経症な時代は、本当に生きづらいね。

山田太一『昼下がりの悪魔』(冬樹社)『捨てた夢プレイバック「ふぞろいの林檎たち」より』(飛鳥新社)、長谷部宏「THE BEATLES in MY LIFE』(シンコー・ミュージック)、『Princess Princess Sighs and Wonders』(ソニー・マガジンズ)『Princess Princess』『Princess Princess1986~1996 Hello,Good-bye』(シンコー・ミュージック)、甲斐バンド『らいむらいと』『地下室のメロディ』『マイ・ジェネレーション』購入。

それにしてもプリプリの記録されまくりぶりは凄まじい。さすがシンコー。

ヤァ!ヤァ!ヤァ!

2005-11-20 05:12:10 | Documentary
charつながりではないが、アルタミラミュージックより加部正義率いるZZK(zoku zoku kazoku)の『tangerine sun』。ヘヴィ・ロックなライブ盤に続いて、今度はスタジオ盤。tangerineって聞いて連想するのツェッペリンだしな~。

さらにアルタミラの音楽映画シリーズ第4弾が着々と進行している模様。今回のテーマは「こまどり姉妹」。その名も『こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』。……それにしても“ヤァ!ヤァ!ヤァ!”って。撮影用の「こまどり姉妹歌謡ショウ」ロケ参加者募集中。11月29日、場所は聖地浅草・雷5656会館。主催アルタミラピクチャーズ。先着200名限定(もう締め切ったかな?)。

武道館(1月24日)/エンケン対武道館(仮)

2005-01-26 02:15:56 | Documentary
アルタミラピクチャーズのTさんから連絡が来た。ようやくクランクインした同社の音楽映画シリーズ第3弾「エンケン対武道館(仮)」撮影(リハーサルのみ)を取材。怪獣映画のようなタイトルだが、純音楽映画です。エンケン、武道館で吠えまくる。

それにしても人のいない武道館はむちゃくちゃ寒かった…。

ブルーズ100年/ソウル・オブ・マン

2004-09-07 08:28:45 | Documentary
ブルースファンの村松正孝さんとスコセッシ総指揮THE BLUES Movie Project(The 1st Journey)『ソウル・オブ・マン』を観に行く。あくまでも本作はプロジェクトの6分の1なのだろうからこれはこれでいいのだろうが(プロジェクトは全部で6本の映画からなる)、ヴェンダースのブルース史観に戸惑う。ヴェンダースのファンやブルースビギナーの方がすんなり受け入れられるのかもしれないと思うです。だっていきなりボイジャーの話から始まるんだもん。話がデカ過ぎるよ! ということで酒場ではそんな話で盛り上がる。

青山ブックセンター六本木店が再開支援フェアで洋書のバーゲン中(11日まで)。『blues keeping the faith』『hippie』を買う。こっちの方が収穫だったか。ABC青山店、六本木店は9月29日に再開。とりあえず良かったね。またLBも取り扱って下さい。

デイブさん/ワンモア・ワンモアタイム

2004-09-02 05:42:23 | Documentary
(昨日の続きから)
午前中アルタミラのSさんに電話。デイブ平尾さんの取材依頼。映画『ワンモアタイム』の中の平尾さんは酒を飲みまくっている(コメントにも「(あの人は)酒さえ飲まなければねー」という爆笑ポイントもある)。ということで「酒友」に是非。
昨日の映画の感想を少々(これは↓とほぼ同内容)。現在全国で順次公開されている『タカダワタル的』の反応も含めて、やはり「ドキュメンタリー」か「音楽映画」か、という部分で賛否両論あるようだ。結論は……やはり「音楽映画」でしょう。エンケンの件はまだ進んでいないとのこと。

今日は午前中に1本原稿をあげて、LB11月号諸々を打ち合わせ。

酔っ払いたちの歴史的証言/ワンモアタイム

2004-08-31 22:20:04 | Documentary
京橋で『ワンモアタイム』試写会。
60年代から70年代前半にかけて日本のロック黎明期の伝説的バンドであるゴールデンカップスの再結成ライブを中心に描いた音楽ドキュメンタリー。来場者の顔をいちいち確かめたわけではないが、前の席に「おとなぴあ」でお世話になった立川直樹さんが座っていた。平均年齢は高い。しかも濃い。まあ、そういう映画である。

制作の桝井さんは以前『タカダワタル的』で取材した時に「ライブをしっかり見せるだけでOKなんだ」と繰り返し言っていた。その意味で映画後半の復活ライブは心地良い内容だったが、ちょっと引っかかった部分があるので書く。
関係者の証言で構築される60年代の本牧とGSの異端児だったカップスを描く映画前半部分について、である。映画の中でカップスのバンドボーイだった土屋昌巳が、「(ツェッペリンの)レコードの『コミュニケーション・ブレイクダウン』よりもカップスの『コミュニケーション・ブレイクダウン』の方がリアリティがあった」というようなことをコメントしていた。これはカップスの特徴だと思われる、当時最先端の欧米のロック、R&Bの媒介を果たした日本で数少ないロックバンドだったという意味だろう。決してオリジナリティに言及するものではない。そしてバンド自体の音楽性やミュージシャンシップに言及する部分はほとんどない。つまりこの部分は「日本語ロック論争」へ必ずつながっていく。だからあえて描かなかったのかと思った。追体験世代であるオレにとって、その部分は食い足りない印象は残る。

正直、これはカップスをかなりストレートに取り上げた映画だから余計なお世話だろうとは思いつつ、カップスの先見性を描くならば、影絵としての日本のフォークソング、そしていみじくもカップス解散直後にデビューしたはっぴいえんど、同時代に別次元で「日本語のロック」を構築していた頭脳警察(PANTA)にも言及するべきではなかったか。そうでなければ、60年代、横浜・本牧にはイカした不良が集まり、クレイジーな不良ロックバンドがいた、という話だけで終わってしまう(まあ、それはそれで徹すればいいのだが)。

しかし復活ライブでのエディ播さんは最高にカッコ良いです。

高田渡、ゴールデンカップスと続き、次回のアルタミラピクチャーズ音楽ドキュメンタリーシリーズはエンケンの予定だという。これはかなり難しい勝負だが、意味はあると思う。このエンケンの描き方によってシリーズの方向性が見えてくるのではないかと思うです。
『ワンモアタイム』は今秋、テアトル新宿で公開。