健太「まず、こういう素晴らしい雰囲気を作ってくれたサポーターに感謝したいと思っています」(
J'sGOAL 8月7日付)
奥野(コーチ/監督代行)「見ていただいてわかるように、今日は多くのサポーターの声援に後押しされたエスパルスに対して、少し自分たちも浮き足だってしまったかなという反省はある」(
J'sGOAL 8月7日付)
土曜日はアウスタで
鹿島戦。
高速の渋滞で2時間ほど到着が遅れたが、1時間半前にはスタジアムに入っていたのに(ゲーム前にコールリーダーやドラキンが説明したらしいけれども)知らなかった。
選手入場のテーマ曲である「雷神」が流れている間、ゴール裏だけではなく、メインとバックの観客も入場時に配られたオレンジ・ボードを持って立ち上がったのだ。スタジアムにいる全員…かどうかはわからないけれども、見える範囲では全員立ち上がっていた。視線の先のバックスタンドの圧迫感が違う。当然メインスタンドに向かって立っているプレーヤーにも、その圧迫感、観客のゲームに賭ける思いは伝わっただろう。健太の言う「雰囲気」というのはそういうことなんだろうと思う。
これには久しぶりに感動した。
大一番、天王山というと前評判に反して凡戦になるケースが少なくないけれども、スタジアムに後押しされたせいか、この大一番は首位攻防戦の名の通りの白熱した展開を見せた。概ね清水のペースで進んでいたと思うし、淳吾を中心に前線のキレも相変わらずで、オカが決めるべきところをきっちり決めていれば、下手したら去年のアウスタダービーの再現もあったんじゃないかと思えるほどチャンスは多かった。しかし鹿島の同点ゴールは美しかったし(ダービーでのジェジンのゴールを思い出させた)、オカのアシストからエダの勝ち越しゴール(今季初ゴール!)は執念を感じさせ、オープンなゲームというよりも、タイトでダレることもない好ゲームになったと思う。鹿島相手でもベストゲームのひとつにも挙げられるほどの内容だった。
とはいえ、勝ち越しゴール後は鹿島にもかなり攻め込まれた。そのぶん絶好のカウンターのチャンスも幾度となく訪れたとはいえ、「何とか逃げ切れるだろう」とは思いつつ、鹿島の迫力にスタジアムが熱狂した。
オレのシーチケ付近は終了間際になると、帰り際に通路で立ち見をする人が増えるのだけれども、そうなるとAゾーンからピッチが観難くなる(らしい)。その場合、大抵Aゾーンで野次を飛ばしまくる清水の狂犬たちがデカイ声で立ち見客に罵詈雑言を浴びせて威嚇する。
この日も当然そうなったのだけれども、白熱している状況なのでなかなか声が通らない。
そこで彼らは実力行使に出た。
「(そこに立っていたら)見えねえっつってんだろ!ゴラッ!」
その声にオレも振り向いた。
子供の肩(だったかな…)を掴んでいるおっちゃんの目が凄かった。下手したら殴りかかるんじゃないかというぐらいの勢いだった。
まあ、アディショナルタイムの熱狂ぶりはそれぐらい凄まじかったのだ。
オレは彼らの情熱は決して悪くないと思ってますけどね。できれば自分のチームへの野次は止めて、できればその情熱をゴール裏で発揮しろとは思うけど。
(注:バックよりも頻繁に人が行き交うメインスタンドの通路には常時整理員かガードマンを配置したほうがいいと思う)
これで前半戦を終えて首位に返り咲いた。
14日には再びアウスタで横浜戦(行けず…)、そして中2日で新潟戦(アウエイ)、中4日で磐田戦(エコパ)と夏の連戦第2ラウンドが始まる。
次にアウスタへ行くのは29日の川崎戦の予定。
タク「次で負けたらまた変わってしまうかもしれないので、気を抜くことはできない。首位ということは考えないで、一戦一戦戦えればと思う」
(J'sGOAL 8月7日付)
リーグは清水、名古屋、鹿島の3チームが4位以下を多少引き離して、先頭集団を形成している。去年のように鹿島だけが独走しているような状況ではなく、3チームで競り合う緊張感のある状況はむしろ好材料と言えるだろう。この3チームの間で順位の変動はあるだろうが、この状況はしばらく変わらないと見ている。とはいえ、このゲームでの負傷(自爆)でマルキーニョスの離脱が決定している鹿島、相変わらずアテにならない不可思議(劇的ともいうが…)な勝ち方を続ける名古屋と比較すれば、今のところ清水の不安材料はあまりにも少ない(伸二の足の状態とカードの累積が気になるが)。
ひとまず夏休み最後のゲームとなる川崎戦までは突っ走ってもらいたい。
その時はまた「素晴らしい雰囲気」がアウスタを包み込むことだろう。
そんな夏休み最後の思い出で、清水の最高のゲームを観た静岡のガキんちょはきっと立派なプレーヤーか熱狂的なサポーターになる。
狂犬になるかも知れんけど。
(追記)
オレの場合、ゴール裏は基本的にアウエイ専です。