健太「勝つためには仕掛けて勝てるようになってかないと、やっぱり昨シーズンの成績を上回ることはできないと思いますし、そういう意味では先週できなかったことを今週やれたっていうのは、非常に大きかったんじゃないかなという風に思ってます」
(
Sの極み 3月15日付)
フクアリで「
ジェフ千葉対清水エスパルス」。
現場で観た時には概ね清水ペースだと感じていたが、スカパーで観直してみたら前半の後半から後半の前半(要するに30分から70分ぐらい)にかけては、どう観ても“千葉の時間帯”だった。まあ余程力差がない限り、自分たちのペースで90分間ゲームができるクラブはほとんどないわけで(ましてや今日はアウエイだし、千葉のホーム開幕戦だし、千葉は負けない闘いをしたガンバ戦と打って変わってアグレッシヴだったし)、未だに決して万全とはいえない状況で、ここまで粘り強く闘い、勝ち抜いたことは高く評価できるのではないだろうか。
やけにパスミスは多発したが、弛むことのほとんどない、緊張感溢るるゲーム展開で、最終的に勝敗の分かれ目になるのは個人技ということで、
開幕戦で強く指摘したように、アグレッシヴで素晴らしいミドルシュート2本がゲームを決めた。淳吾と岡ちゃん(!)のミドルは今節のベストゴール間違いなしだろう。
確かに“千葉の時間帯”はあった。ポストに助けられ、シュートシーンで連続空振りで助けられたかもしれない。しかしボールをポストに当てたら0・5点になるわけでも、シュートの空振りを20回したら1点になるわけでもない。ボールをしっかり振り抜いて、ゴールマウスにボールを叩き込んだ方が勝ちなのである。
そしてそのシュートはエゴイスティックなまでに美しい方が記憶に残る。
岡崎「淳吾さんが(左)横に走ってるのを見て、自分で行こうっていう選択が良かったというか」(
Sの極み 3月15日付)
確かにゴール前の選択肢はたくさんあった方がいい。コンビネーションの熟成とはそういうものだろう。しかし「自分が撃つ(決める)」「自分が決める(撃つ)ためにはどう走るべきか」ということが、最も大事な選択肢だと思うのだ。結果だけではなく、内容としてもとても意味深い好ゲームを観られた。岡ちゃんの個人応援歌も聴けたしね。
開幕直前からの淳吾と岡ちゃんの調子の良さは確かに本物で、ホンタクや辻尾もチームのポテンシャルを下げることなく、充分戦力になることを証明した。チームの状態も先週より今週、今週よりも来週(20日)の方がいいチームになっていくであろう確信は持つことができた。
もちろん去年の12月からわかっていたことだが、ジェジンがいなくなったことで明らかに清水の戦い方は変化を余儀なくされている。しかしクラブチームの戦いは永久革命である。サポーターは好きなクラブを変えることはできないが、チームはどうしたって、嫌でも、変わり続けなければならない(もちろんベースには決して揺らぐことのないコンセプトがなければならないが)。
今日のゲームが今、また変わり始めた健太と若いチームの第一歩である。次は20日、日本平でナビスコカップ予選・FC東京戦。
それにしても何でフクアリの千葉戦は清水のイエローが多くなるのか。
去年のフクアリもカードが乱れ飛ぶケンカサッカーになったわけだが、今節も不可解なイエローが4枚も出た(今回のPKも確かにシュート態勢に入った谷澤に対して淳吾が身体を併せたということなのだろうけれども、正直アレでは厳しいと思う)。フクアリでは両チームのアグレッシヴさが剥き出しになるということだろうけれども。
これで安心して原稿に突入できます。