(東京新聞2012年7月19日付 原発敷地断層 志賀、大飯の再調査指示/保安院 北陸電、関電に)
<ところがこのスケッチを見て、今回は多くの専門家が「活断層」と口をそろえた。(中略)日本の原発は専門家によりダブルチェックされる決まりだ。S-1断層は、1号機の審査で通商産業省(現経済産業省)と原子力安全委員会の審査を通過し、2号機の審査も両方パス。さらに2008年には耐震性に関して現地調査を含む再審査があった。(中略)当時の委員の一人は「地質や断層の専門家がいて、私たちが口を挟める雰囲気ではなかった」と証言する。(中略)「直下の断層は活断層ではないという前提で進められた」と委員の一人は振り返る。(中略)渡辺(満久・東洋大教授)は「これを活断層でないと思っているとしたら、その人に委員を務める能力はない」(中略)「責任は原子力安全・保安院と原子力安全委員会にもある。いまになって電力会社を叱りとばすのはおかしい」と話す。>(東京新聞2012年7月19日付 志賀原発直下再調査へ/活断層埋もれた25年/安全委お墨付き 形だけの審査/「存在否定なら委員能力ない」)
■22日調査ポイント
<原子力規制委員会の有識者調査団は22日、北陸電力志賀原発(石川県)での断層現地調査の初日を終えた。(中略)今回の調査の焦点の一つが、1号機直下の「S-1断層」の活動性。北陸電が位置を誤認していないかどうか確認が必要との指摘が、調査団から出ていた。島崎氏は「北陸電からていねいに説明していただいた。(北陸電の主張通り)一つの断層であろうと感じました」と述べた。>(東京新聞2013年2月23日付 志賀原発 直下断層位置誤認なし/規制委が「S1」確認)
■専門家らが断層調査した海岸部
<立石雅昭新潟大名誉教授(地質学)らのグループが、北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)直下のS-1断層は活断層ではないという主張の根拠の一つを覆す調査結果をまとめた。(中略)立石氏は「地質の専門家なら10人が10人とも断層と判断するような分かりやすい断層。これを『断層ではない』というのは理解に苦しむ」と指摘し、北陸電力の調査内容に疑問を呈している。>
(東京新聞2013年9月13日付 志賀原発1号機 西側の海岸部「断層」/北陸電「侵食作用」を覆す/新潟大グループら調査)
<志賀原発1号機(石川県志賀町)直下の「S-1断層」が活断層ではないかと指摘された問題で、北陸電力(富山市)は19日、S-1断層は活断層ではないとあらためて主張する一方、原発から東へ約1・4㌔の「福浦断層」は活動の可能性が否定できないとする最終報告を原子力規制委員会に提出した。北電は「安全性に影響を与えるものでない」と結論付けたが、疑問の声が上がりそうだ。>(東京新聞2013年12月20日付 志賀直下「活断層なし」 北陸電最終報告 敷地外は可能性)