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徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

ハイリスクはいつまで続くのか/第19節 新潟戦

2013-08-04 06:11:44 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
土曜日。スカパーで19節新潟戦
元ジュビロ磐田監督、現アルビレックス新潟監督の柳下先生はゲーム後の会見でこうおっしゃる。

「内容的にはエスパルスの弱いところを突いていこうと。選手は狙いを持ってやっていたし、実際にチャンスも作っていた。それは良かったと思う。(中略)(Q:攻撃の中で、最も効果があった部分は。)直接、点にはつながっていないが、清水がどういう守備しているかというところ。次、対戦するチームは今日のゲームを見たら、参考になったのではないか」(J's GOAL 8月3日付

正直ずいぶん挑発的なコメントだなあと思う。対清水への暗い情熱を感じざるを得ない。
そんな情熱の矛先はやはりほとんど正しくて、新潟のボールは高い位置をキープする清水のサイドバックの裏へ、さらに新潟の激しいチェイスに混乱するバイタルエリアへのアタックが繰り返される。
しかし、思いっきり贔屓目に見て、PKのアンラッキーは勿論、失点はほとんどミス絡みだと思っている。勿論清水のミスを誘発させる、清水のアンラッキーを呼び寄せたのが新潟の厳しいプレイ(成岡曰く「新潟らしいイケイケ」らしい…え、新潟がイケイケ?)であったのは確かなんだが、このディフェンスの問題は、やはりこの一年、チームが抱え続けているセンターバック問題と切り離せないだろう。
今日も平岡とコンビを組んだのは浩太だった。その意図は理解できる。スペシャリストよりもユーティリティを優先するアフシンにとって、浩太はCBとしての仕事と同時に、広い視野で最終ラインからゲームを組み立てることができる「攻撃的」なCBとしての仕事を求められている。
しかしよく考えれば、それは岩下がやってきた仕事なのだ。2012年シーズンの序盤、彼はそれをほとんど完璧にこなし、理想を実現しつつあった。実際に結果も出ていた。CB問題はその岩下離脱に端を発しているのだから、彼の幻影にいつまでも振り回されているともいえる。勿論浩太に今更岩下のような強さと速さを求めるのはちと酷な話であるが(そして中途半端なスイーパー=便利屋としてキャラの負担ばかりが増える)。
攻撃的でありたいという理念は理想主義者の常として理解できる。そしてオレたちのプレーヤーはそれなりのポテンシャルを持っていると信じている。しかしその理想と求めるハードル(ユーティリティ)の高さはやはり、現状ではまだハイリスクの傾向が強いと言わざるを得ない。

ラドンチッチの加入即スタメンには驚いたが、それでも彼のプレイには光明が見えた。バレーと比較すればJの実績には劣るけれども、容易に倒れないフィジカルの強さ、シンプルで堅実なポストプレイはヨンセンを髣髴とさせるものがあった。確かに3失点は不甲斐ない結果とはいえ、ゲーム序盤の混乱を除けば、新潟の激しさに十分拮抗する内容を見せていたと思う。

浩太「ラインを高くする戦術だが、自分と平岡でもう少し下げた方がいいときもあった」(J's GOAL 8月3日付

あとはアフシンの信任(?)を得ている浩太が現場で判断することだ。
チームが方向性を誤っているとはまったく思わないが、やはり実際にハイリスクの芽を摘んでいくのはピッチ上のプレーヤーの判断しかない。
クラブは過去2年に続いて今年もシーズンを通して安定した体制作りをしない。ならばプレーヤーは積極的に、自分で状況を判断していくべきだと思うのだ。きっとアフシンの求めている「成長」とはそういうものだろう。
理想主義者でありながら、一方でビジネスマン然とした現実主義者のアフシンならば、コンセプトを多少逸脱しようとも結果さえ出せば個々の判断の責任は問わないんじゃないかと思うんだが。
まず、今それができるのは浩太(とタク)しかいないだろう。

次は今週末、アイスタで湘南戦。地獄の日程は続く(この変則的で偏った日程も若いチームが乗り切れない要因だよなあ…)。

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