『MY R&R 仲井戸麗市全詞集1971‐2010』購入。
まあ確かに「詩集は売れない」ってのは本当だろうし、チャボの歌詞はWebでも公開されていたし、“あとがき”にもあるようにかつてセブンスマザーが発行した詩集もあった。今回の詞集も広く多くの読者に向けて作られた本というわけではないだろう。チャボが行脚する全国各地のライブハウスや10月にSHIBUYA-AXに行く(いつもの)顔が見えるリスナーやファンに向けて作られた本なのだろう。
ハードカバーで、これだけのヴォリューム感は、やはりWebや電子書籍では味わえないものがある。まあ、要するに詞(詩)ってのは“情報”じゃないのだろう。
チャボ畢生の名曲であるということのみならず、日本のロックのひとつの到達点である「MY R&R」が、この誇らしい詞集の書名になるというのは至極当然で、コアファンはソロ初期のアルバムを愛する人が多いのだけれども、“1900年代の終わりに”『MY R&R』というアルバムをリリースできたのはチャボにとってとても大きなマイルストーンだったのではないかと思う。かつてインタビューしたときに、ベスト盤でお茶を濁すようなベテランが少なくない中で(当時、ベスト盤でチャート1位になったりした人がいたのだ)、ここまでのクオリティのオリジナルを作れるのはさすがチャボさんっスね…って言ったら軽くいなされた。だけど今でも本当にそう思っている。あのときは50歳だったか。今年の10月には60歳になろうとするチャボに、昔とまったく変わらぬ現役感を感じ続けるのは彼が“作り続ける人”だからに他ならない。
『磔磔2008』にも収録されている“継続は力なり”…ってのはオヤジだから口にしちゃうんだけれども、これは続けなきゃ言えないことでもある。夭折する機会を失ってしまった、かつて若かった有名無名の天才たちは続けることでしか自らを証明することはできない。
書き続けよう、歌い続けよう。
チャボも、チャボを愛し続けるファンたちも。
ひとりひとりの「MY R&R」のために。
…ってか。
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