徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

“おまえ”しかいない/第27節 甲府戦

2013-10-03 04:40:17 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


先週土曜は甲府との富士山ダービー。普段は“営業ダービー”は興味のないスタンスなのだが今回ばかりは世界文化遺産記念である。東名の足柄サービスエリアからも富士山がよく見えた。
前節の首位マリノス戦で連勝も止まり、3月の悪夢に続いて俊輔にまたしてもやられてしまった感が強かったのだが、今節も内容が多少悪くてもゴールの雰囲気は失っていなかった。いくら甲府の平本に「(数多い決定機を決めていれば)普通に勝てた」とコメントされても、知ったこっちゃないのである。
新規(再)加入の元紀が抜群のシュート力で2ゴールを挙げ、ラドンチッチも前線の基点として機能していた。これから本格化する来季の契約更改とチーム構想で、まず元紀とラドンチッチの残留こそが継続強化の本丸であるのは当然だろう。これまで3年に渡るアフシン体制では一年たりとも「継続」的な強化は行なわれていなかったのだから、来季こそは、という願いは強い。

それにしたって鹿島戦以来の記録的最速失点である。マリノス戦の失点も開始早々(4分)だった。これは一体何なのか。選手コメントでは「集中力の欠如」とはいうけれども、わけがわからない。
今シーズンの清水もシーズン途中で、前記の元紀、ラドンチッチ、そしてタクのように続々とプレーヤーの入れ替えが行なわれたわけだが、この失点癖の要因には、やはり林の離脱があるのではないかと思うのだ。勿論懲罰的に林がスタメンを外されていた時期もあり、それも遠因となって彼は鳥栖へ期限付き移籍していったわけだが、これまで清水は高レベルのGK陣を誇ってきたチームである。他クラブならばスタメン級のGKを複数抱えて競わせ、さらに年代別代表の若手が控えているという磐石の体制だった。
現在は原寿、三浦に加え、来季からはU-19代表候補の高木和(清水ユース)が加入するとはいえ、正GKとしての櫛引に掛かる期待と重圧は凄まじい。日本平では直接タッチを割るようなミスキックには残酷なまでのため息が充満する。スタンドからGKに向けられるプレッシャーも強い。

この日の前半はキックオフ直後の失点を含めて、DFとの連携不足を伺わせるミスが頻発した。内容が低調というのはほとんどが前半のディフェンスに見られた不安定なゲームコントロールに象徴されている。
正直櫛引のプレイは危なっかしくて見ていられないときがある。
それでも甲府戦の後半のプレイは格段にアグレッシヴになり、キックは(それなりに)安定し、ビッグセーブも連発した。
しかしスタンドへ挨拶に来た櫛引の顔には笑顔はなかったと思う。
西部も海人もいない清水で、そして林との競争の中でフロントから期待を込めて正GKを指名された櫛引は、また20歳ながら本当の意味で<清水の砦>にならなければいけない(林だって、海人だって、そして西部だってGKとしてはまだ“若い”のだが)。
思えば西部、海人、林といったメンバーが同時期に重なり合いながら所属していたこと自体が奇跡だったのかもしれない。
オレは目の前に来た櫛引に向かって「もう、おまえしかいないんだ」と叫ばずにはいられなかった。
勿論高原、三浦、高木にも頑張って欲しいけれども。

リーグは最終盤、今週土曜日はアウエイで広島戦。

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