相手への思いは

ワレモコウ（Sanguisorba officinalis L.＝サンギソルバ　オフィシナリス）が咲いています。

花をアップでよく見ると・・・この小さい一つ一つが花弁のない花なのです。

 

午後からこの夏にご主人を亡くされたTさんのお宅にお邪魔しました。満中陰の法要も終わって落ち着かれたかなと思ってお悔やみに行くまで時間を取っていました。お宅へお邪魔するのは初めてでしたがもう４０年程のお付き合いになります。久しぶりに長い間おしゃべりしました。入院しておられたのですが、ご自宅へ帰られてご家族の皆さんと過ごされた最期だったそうでした。お幸せな最期、理想的な最期だったようです。

Tさんは中学生の息子さんを亡くされたすぐ後でのお引越しで、一夏ずっと黒い服をお召しになっておられたのを覚えています。１学期の期末テストが終わったその日の午後に部活（確か陸上部だったか）に参加されて亡くなられたとかでした。当時はまだ熱中症などという言葉もなかった頃ですから、ご家族にとっては納得いかなかったでしょうね。その年私は自治会の体育委員の役をやっていて、引っ越して来られたすぐだったのですが下の息子さんと娘さんに学区の水泳大会にお誘いしてご近所のお友達を作ってもらいました。それ以来のおつきあいです。

ご主人も夏に亡くなって「夏は嫌な思いの季節になったね」と言ったら彼女ととても仲良くされていたお友達のKさんも息子さんを夏休みに亡くされていたので「Kさんと夏は辛いねえって言っていたんだけど、主人も夏だから本当に夏は・・・」と言っておられました。Kさんも昨年亡くなられています。

子供との別れ、親との別れ、連れ合いとの別れ、友達との別れと色々ありますが、人が亡くなるとそれぞれの人間との関わり合いで相手への思いはそれぞれ異なると話していました。それが人生なんですね。

杉本眞人さんの吾亦紅は母親との・・・