TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

春のざわめき

2022年03月23日 | インポート
一部の職員に、来年度の異動の打診が行われた。
この時期は、異動だけでなく、来年度に備えて、職場全体が浮足立つ。
来年度の事務分担表や業務計画表の仕上げをするために、上司のパソコンを打つ音が俄然大きくなる。
呼び止められたりしたら、余計な仕事を頼まれそうで、こちらもつられてそわそわと、いそがしげな雰囲気にふるまってしまう。

ずいぶん前は、人事異動の情報はファックスで送られてきた。
副所長がファックスのところで待ち構え、出てきた異動表を手に所長室に駆け込んで、対象者をひとりひとり呼び出すのである。
しかし今や、ファックスに変わってメールになった。
メールはひっそりと届くので、知らない間に、打診が始まっていたりする。
わたしは今回、異動にはならなかったが、なんとなくお呼びがかからないと寂しい感じがする。
残留のほうがよほどマシであったというような職場はたくさんあるのだから、必ずしもがっかりすることもないのだが、置き去りにされたような感じといったらいいだろうか。
若い時分は、異動が気分転換にもなったが、新しい職場で新しい仕事を覚えるのにはもはや、古び始めた脳みそには、ハードルが高過ぎるというもの。現状維持でホッとすることも確かだ。
正式な内示は28日。
この結果で、来年度の居心地が決まる。
職場の居心地は、なんと言っても、仕事内容より、顔ぶれに大きく依るのだ。

管理職はわたしには無縁の立場だが、職員をひとりひとり所長室に呼び出して、「あなたの次の職場はここよ」「あなたは、ここに決まったわよ。ちょっと遠いかしら」などと言い渡す役目を一度でいいからやってみたいものだ。

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