TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

歯医者

2021年01月10日 | インポート
歯の掃除を兼ねて定期健診にうかがった。
マスクをはずさざるをえない場として、飲食店のほかにあがってくるのが歯科医院である。
こればかりはどう工夫してもつけたままというわけにはいかない。医師も患者も、お互いに、相手を信じるしかない状況だ。
一般の通院だけでなく、予防接種や健康診断の受診が、感染を恐れて減っているという。
マスクができない歯科医院ならなおさらだろう。
よほどの虫歯ならいたしかたがないが、単なるお掃除ならコロナ禍が去ってからにしよう‥‥と思うのもうなずける。それこそ不要不急である。
掃除を終えると歯科医師いわく、左側と右側の詰め物をツンツン指して、「ここ、ちょっと段差があるからできれば詰めなおしたほうがいいですね」「もう古いから、見えないところで虫歯になっている可能性もあるし。ほら、ちょっと黒っぽくなっているでしょ」。
確かにそれらの詰め物は年季がはいっている。しかし本当に今すぐ治療する必要があるものなのか、それともこの状況下で患者が減ったために、できるだけ治療を長引かせようとしているのか、と気持ちがおおいに揺らぐ。
結局、(これまで残業などしたことがないのに)、早く帰れる日がなかなかないので、改めて予約とります、などと言い訳して帰宅。参考までに、予約できる日にちを確認すると、がら空きのようである。そういう時に一気に治療を終えてしまうというのも、ひとつの選択肢ではあるが、やはり無防備にお口をあ~んとするのはためらわれるのである。

そういえば、定時で仕事を終えて帰るのに、いちいち理由など必要はないのだが、それでもよく耳にする言い訳が、「今日、歯医者なので」だ。眼科だの整形外科だのというのはあまり聞いたことがない。歯の治療は時間がかかるので、(理由として)何度でも使えるからだろうか。
ワークライフバランスだの働き方改革だのといっても掛け声だけで、定時で帰りづらい風潮は、未だにずうっと(もう30年以上も前から)健在である。



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2 コメント

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Unknown (カラス)
2021-01-10 15:05:37
こんにちは。

歯医者さんに限らず、昨年、医療機関の外来は、かなり空いていました。
通院するということは、その必要性があるから通っているはずなのに、我慢をして済むことなのか、急を要しない症状の患者割合がいかに多いか、知ることになりました。

定期で歯のお掃除をなさるのですね。
私も以前は年に1度か2度程度していました。
昨年は、コロナが落ち着いたらと思って病院に行くことを遠慮していたのですが、この先もどうなるかわからないので、皆さん、問い合わせをして通院を始めたようです。
この正月、餅を食べたからなのか、ドンさんが、むかし詰めものをして歯に被せてあった金属カバーが取れてしまい、「歯医者に行く」と言い出しました。
餅が喉に詰まることには注意していましたが、まさかの歯医者です。
診てもらうと、だいぶ歯の根っこの虫歯が進んでいるらしく、しばらく治療が続くそうで、ヤレヤレ困っています。
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Unknown (TOMATO)
2021-01-10 17:55:24
こんばんは、カラスさん。

小児科の受診率が減った話を最近聞きましたが、診てもらわなくてもいいような症状での受診が今までそんなに多かったのかと、それはそれで不思議に思いました。

歯科医院には、1年に2度、お掃除に通っています。
習慣になっているので、行かないとなんとなく落ち着かないものですね。
金属のかぶせもの、わたしも鶏肉の軟骨をがぶりとやったときと、なにげなく手で触っていたときと、同じところがとれてしまい、さすがにぽっかり空いた穴を放っておけず、新しいものに取り換えました。
歯科の治療は(保険の関係なのか)一度で進む処置が少しずつなので、あと何回で終わるのかなあと、気が重くなりますね。
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