日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

ウイルスの正体

2015年06月13日 10時08分17秒 | 日々雑感
 韓国保健福祉省は12日、中東呼吸器症候群(MERS)に感染していた患者1人が新たに死亡し、計10名になったと発表した。MERSはコロナウイルスの一種が引き起こすと見られているが、そもそもウイルスに関しては謎が多い。
 ウイルスが生命体かとなると、賛成反対の両論がある。自己複製能力は生命体の本質であるが、ウイルスはそれ自体に複製能力が無いが、他の生命体の中に入ると複製能力を有するようになるから、中間に位置するもののようである。
 先日、リベリアではエボラ出血熱の終息宣言がなされたが、エボラウイルスは人体に入り、仲間を増やし、悪行をなす。コロナウイルスも同様であろう。終息とは単に人間に入る通路を絶ったと言うことに過ぎず、ウイルス自体はどこかでひっそりと存在し続けるのであろう。ウイルスは所謂生命体で無く、恐らく寿命と言う概念は無く、永遠にどこかに存在し続けるのであろう。条件が整えば、爆発的に増えるのであろう。
 さて地球上における進化の観点から、ウイルスは生物より前に生まれたか、後から生まれたか、あるいは全く別の系統かは、様々な意見があり、非常に興味深い。兎も角、人間より先に存在していたことは間違いないであろう。
 遺伝子は進化の過程でどんどん複雑になっていったと考えると、①初めに何らかの方法で無機物から有機物が合成され、②その有機物が何らかの触媒等の作用で遺伝子状のものに変わり、③何らかの環境変化により自己複製出来るようになり、④それが生物に進化していったと考えるのが自然であろう。①の現象は実験的に確認されているが、②以降は推測の域を出ていない。
 しかし、ある種の細菌の様々な機能が省かれていってウイルスとなったと考える方が、生物学的見地からは自然らしい。その場合、最初の生命体はどうやって誕生したかが最大の疑問として残る。
 2013年、チリ沖海底の堆積泥の中から新種のウイルスが発見されたとのことである。通常ウイルスはその大きさが生命体である細菌の1/10~1/100と極めて小さいことが特徴である。しかし、発見されたウイルスは細菌と同程度の大きさであり、また遺伝子の数は、典型的なウイルスが10個程度であるのに、1000個を超えるとのことである。この巨大なウイルスは、余りにもこれまで考えられてきたウイルスと異なるため、細菌の一種として見逃されてきた可能性もあるらしい。進化の過程で考えると、素人目にはこのウイルスは進化が進んだ後でのウイルスのような気がする。初期にはもっと小さく、遺伝子の数も数個のウイルスも存在したかも知れない。
 生命の起源を求めて、宇宙や深海に探索は進むが、もっと身近な所に答えは隠されているかも知れない。地球の誕生は、46億年前、それから10億年以内に最初の生命である原始生命体が誕生したと推定されているので、その誕生以降にも何回か原始生命体が生まれるチャンスがあったはず、いや現在でもあるはずである。原始生命体の実体は分かっていないので、現在でも存在しているが人間が気づいていないだけかも知れない。(犬賀 大好-137)