認知症患者の医療・介護でかかった2014年の社会的費用は約14.5兆円になると、慶応大医学部の研究グループが5月末、推計を公表した。この内、家族らによる無償の介護などをお金に換算した費用が全体の約4割を占め介護保険サービス費用とほぼ同額であると分かったとのことだ。これは、公的な介護サービスが充実しておらず、個人に皺寄せがいっていることを意味する。
65歳以上の認知症患者は12年時点で462万人。25年には700万人と推定され、認知症で生じる費用は同年に約19.4兆円と推定される。25年までには、公的な介護サービスが今より充実されておればよいが、多分患者の急増に追いつかず、また国の財政がより逼迫し、個人への負担は一層増していると思われる。
認知症になってしまえば、自分には自覚、羞恥心がなくなるので他人にどう迷惑かけようと一向に構わないと言う人がいる。しかし、人生の最後を回りの人に悪印象を残したまま迎えるかと思うと、認知症だけにはなりたくない。
人間の本能は生である。従って、認知症患者ほど生にこだわる。それ故寝たきり老人の介護は大変であるが、認知症患者の世話は一層大変であり、退職を余儀なくされたり、殺人事件にまで発展する。
認知症の3大予防法は、適度な運動、正しい食事、社会とのコミニュケーションであるとのことだ。食事は別として、他の二つは地域のコミュニティが重要な位置を占める。すなわち、適度な運動と言っても一人ではなかなか長続きしない。近所の気心が知れた人とぺちゃくちゃやりながら適度な汗をかけば、後は家庭で正しい食事をすればよい。こんな簡単なことでも、出来ないのが人間である。
大都市における高齢者問題は深刻である。就職のために出てきた人がそのまま都市部に居つき高齢者となるが、受け入れ施設不足で、高齢者の地方分散が提唱される昨今である。更に、都市部における地域のコミュニティは崩壊している。このままでは、都市部における認知症患者が爆発的に増加することが予想される。
2020年のオリンピックに向けて、新国立競技場の建設費用を東京都が500億円負担するかどうかでもめている。オリンピック後の施設維持が更なる赤字を生むことは、すでに常識的な話になっているのに、まだ2000億円以上の費用をかけようとしている。そんな金があったら高齢者受け入れ施設の建設費に回すべきだ。オリンピックの後、閑古鳥が鳴いている新国立競技場を、ぼんやり見つめている認知症患者の姿が目に浮かぶ。(犬賀 大好-141)
65歳以上の認知症患者は12年時点で462万人。25年には700万人と推定され、認知症で生じる費用は同年に約19.4兆円と推定される。25年までには、公的な介護サービスが今より充実されておればよいが、多分患者の急増に追いつかず、また国の財政がより逼迫し、個人への負担は一層増していると思われる。
認知症になってしまえば、自分には自覚、羞恥心がなくなるので他人にどう迷惑かけようと一向に構わないと言う人がいる。しかし、人生の最後を回りの人に悪印象を残したまま迎えるかと思うと、認知症だけにはなりたくない。
人間の本能は生である。従って、認知症患者ほど生にこだわる。それ故寝たきり老人の介護は大変であるが、認知症患者の世話は一層大変であり、退職を余儀なくされたり、殺人事件にまで発展する。
認知症の3大予防法は、適度な運動、正しい食事、社会とのコミニュケーションであるとのことだ。食事は別として、他の二つは地域のコミュニティが重要な位置を占める。すなわち、適度な運動と言っても一人ではなかなか長続きしない。近所の気心が知れた人とぺちゃくちゃやりながら適度な汗をかけば、後は家庭で正しい食事をすればよい。こんな簡単なことでも、出来ないのが人間である。
大都市における高齢者問題は深刻である。就職のために出てきた人がそのまま都市部に居つき高齢者となるが、受け入れ施設不足で、高齢者の地方分散が提唱される昨今である。更に、都市部における地域のコミュニティは崩壊している。このままでは、都市部における認知症患者が爆発的に増加することが予想される。
2020年のオリンピックに向けて、新国立競技場の建設費用を東京都が500億円負担するかどうかでもめている。オリンピック後の施設維持が更なる赤字を生むことは、すでに常識的な話になっているのに、まだ2000億円以上の費用をかけようとしている。そんな金があったら高齢者受け入れ施設の建設費に回すべきだ。オリンピックの後、閑古鳥が鳴いている新国立競技場を、ぼんやり見つめている認知症患者の姿が目に浮かぶ。(犬賀 大好-141)