日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

最高裁に期待できるか

2015年06月20日 09時13分29秒 | 日々雑感
 集団自衛権に関する「平和安全法整備法」が国会で議論されている。これとは直接関係しないはずであった衆院憲法審査会が四日午前に開かれたが思うがけないことが起こった。憲法を専門とする有識者三人を招いて参考人質疑を行ったが、いずれの参考人も、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について「憲法違反」との認識を表明したからだ。
 自民党はこのような意見を述べる学者を参考人としてなぜ招致したのか。憲法学者の意見を論破できる自信があったのだろう。さすが安倍政権だ、と感心していたらとんでもない。招致の憲法学者がどのような意見を持っているかも知らずに招致するとは、勉強不足も甚だしい。このような無勉強の人々に日本の国を任せることが、はなはだ心配になる。
 また、菅官房長官が、この審査会の直後、“違憲で無いと主張する学者はいくらでもいる”と抗弁したが、“ではその学者の名前を教えてくれ”の質問に対して、後日、2,3名の名前を挙げたが、それ以上は続かなかった。この答弁を聞き、未開地における無教育の人々の数の概念は、1,2,3、それ以上は“たくさん”であるとの話を思い出し、おもわず笑ってしまった。
 安倍政権は、このような状況下でも集団自衛権関連の法案を強行に成立させるつもりのようである。数多いる自民党代議士は、自信をもって賛成しているのであろうか。まさか、次の選挙での公認を考えて、賛成しているのではないことを祈るばかりである。
 最高裁は、問題が起こったときにその事件に関する法案が憲法に合致する、しないを判断するとのことである。もし、安保関連法案が成立して、自衛隊員が戦争に巻き込まれ死亡することが生じ、最高裁に判断を委ねられたとき、違憲であると判断できるであろうか。最高裁は、砂川事件と同様に “高度な政治的な判断” は差し控えると、逃げるのではないかと懸念する。政権も “最高裁の人事権はおれが握る“ と思うから安心して強行できるのであろうと勘繰りたくなる。
 一方、参院選の「一票の格差」の是正案をまとめるため、与野党の「選挙制度改革検討会」は、5月29日、まとめることなく議論の打ち切りを決めた。自民党案の「6増6減」案では一票の格差は4.31倍となり、最高裁が「違憲状態」とした現行制度の4.75倍とほとんど変わらず、野党が抜本改革にならないと反発したからだ。ここにおいても、最高裁は甘く見られている。
 最高裁は政治の混乱を心配したからか「違憲状態」と柔らかく表現したが、このような状態では、いつまでたっても変わらない。義務教育で習った三権分立の原則が泣いているが、原理・原則に基づき「違憲」と判定すべきである。最高裁よしっかりしろと言いたい。(犬賀 大好-139)