日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

米大統領選と米中の争いの行方

2020年10月07日 09時07分37秒 | 日々雑感
 米国の大学が9月24日、11月の米大統領選挙で激戦が予想されるテキサス州とオハイオ州で実施した世論調査結果を発表した。それによると、テキサス州では共和党のトランプ大統領が民主党のジョー・バイデン前副大統領を5ポイントリードし、オハイオ州でもトランプ氏が1ポイントリードしたそうだ。

 これまで、バイデン氏が有利との報道が多かったが、トランプ氏が猛烈に追い上げているようで、この先予断を許さないようだ。支持の理由は、両州ともに”人種差別”の点ではバイデン氏が有利であるが、”経済”や”軍事”に関してはトランプ氏の方が有利とのことだ。

 米国大統領選挙に対するトランプ大統領の基本政策は、中国に対し特に強硬であり、他の外交政策とは別に項目を立てて重要性を強調し、例えば中国への依存を終わらせるとして、中国から100万人分の製造業の雇用を取り戻す他、更に、中国に新型コロナウイルスの感染を拡大させた責任をとらせる、などとしている。

 さて、大統領選の行方であるが、9月30日のテレビ討論会では両者が非難合戦したため勝者無しの引き分けとの見方が強いが、2日には、トランプ米大統領とメラニア夫人が新型コロナウイルスの感染検査で陽性だったと判明し、大統領選挙が一層混沌としてきた。

 中国が推進する巨大経済圏構想”一帯一路”はアジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつなぐ物流ルートをつくって、貿易を活発化させ、経済成長につなげようとするものだ。世界各地への中国の進出は地域の経済発展の可能性が高まる一方で、さまざまな懸念やトラブルを起こしている。

 中国と米国は経済的には深く関わっているが、”一帯一路”の戦略は脱米国の動きの一環であろうし、中国の世界への進出を米国は快く思っておらず、中国に対する強い姿勢が、トランプ人気の根源であろう。

 南シナ海問題もその一つだ。中国は、南シナ海のほぼ全域に領有権を主張し、人工島を造成するなど実効支配を進めている。これに対し、南シナ海に接するフィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾、ベトナムとは領有権を巡って対立しているが、中国は経済的な支援をちらつかせ懐柔を計っているのも、米国を苛つかせる原因であろう。

 日本も南シナ海は多くの船の交通路に当たるため懸念の意を表しているが、南シナ海に関する問題は日本には関係がなく、日本にはこの問題に介入する権利はないと中国は一蹴している。マイク・ポンペオ米国務長官も、南シナ海における中国の領有権主張は大半が違法だとする声明を発表したが、中国は内政干渉と強く反発している。

 米国は東南アジア諸国に対中包囲網への参加を求めるが、加盟国の対応はバラバラである。日本は両国を刺激しないように八方美人を振舞っているが、中国の新型コロナウイルスのワクチン供与、景気てこ入れ支援に期待する国も多いのも現状だ。

 米国ではトランプ大統領の中国に対する強硬政策が幅広く支持されており、バイデン大統領になっても継続せざるを得ないだろう。日本は両国の狭間で、難しい外交を強いられそうである。2020.10.07(犬賀 大好-641)


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