日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

新型コロナウイルスの免疫抗体の持続性は不明

2020年10月03日 09時48分02秒 | 日々雑感
 9月22日、中国の習近平主席は、国連総会の一般討論演説で、新型コロナのワクチンについて、使用可能になれば、国際公共財として優先的に発展途上国に提供する、と述べ、トランプ氏とは対照的に国際協調をリードする姿勢をアピールした。

 コロナウイルスが世界中に蔓延する現在、この演説は大いに宣伝効果があったであろう。習主席は漢民族第1主義者であるが、世界に貢献しているとの宣伝が実に巧みな点では、トランプ米大統領の自国第1主義とは大いに異なる。

 中国科学技術省は、9月5日の会見で、現在11種類のワクチンについて臨床試験を行っており、このうち4種類が最終段階に進んでいることを明らかにしたうえで、年末までにおよそ6億回分を生産できる見通しを示した。中国13億人分には足りないが、それでも他国へ回した方が得との戦略であろうか。

 また、現在中国製ワクチンが世界中で臨床試験されているらしいが、日本にもどこかで試験されているに違いない。国有企業の傘下の企業「中国生物技術」が開発中の2種類のワクチンは中東で3万5000人以上に投与され、”目立った問題は起きていない”としているが、全く問題が無かったとは言っていない。

 中国企業のワクチン開発はいずれも政府が後押ししているのだろうから、最終の臨床試験において、多少の問題が発生しても、”目立った問題は起きていない”で片づけるであろう。

 これまで開発中のワクチン摂取により人体に抗体が出来たと成功の報告はあるが、副作用やその抗体の持続性がどの程度あるかは明らかにされていない。副作用や持続性の確認の為には年単位の時間がかかるので、ワクチンの本当の価値はなかなか分かり難いが、世界の多くの指導者が年内に入手できると楽観的に主張しているのは、政治的な配慮からであろう。

 さて新型コロナウイルスに実際感染し回復した人に出来た抗体の持続性も良く分かってない。7月29日、横浜市立大学では、新型コロナウイルス感染症より回復した人を対象に、大規模な抗体検査を開始すると発表した。8月より予約受付を開始し、9月より各協力医療機関での血液検査を行っていくそうだから、現在進行中に違いない。

 横浜市立大学によると、調査の対象は20歳以上の感染者で300人から400人の参加を目指し、回復後の約半年後と1年後に血液の中の抗体を調べ、新たな感染を防ぐ抗体があるのか、更にどのくらいの期間持続するのかも調べるのだそうだ。感染した人の免疫を大規模に調べるのは国内で初めてだそうで、最初の結果が分かるのは早くても来年3月以降だ。4月に感染が確認されたフリーアナウンサーの赤江珠緒さんも参加するのだそうだ。

 新型コロナウイルスの抗体に関しては様々な疑問がこれまで述べられている。一度感染したのに再度感染した人がおり、人によっては抗体が出来ないのではないか、あるいは抗体の効き目は極めて短時間でしかないのではないか。日本人に感染者の数が少ないのは、日本では既に類似の風邪に感染しておりその抗体が効果を発揮しているのではないか等、あるが、後半年もすればもっと真実に迫れるかも知れない。2020.10.03(犬賀 大好-640)


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