今年1日元旦午後4時10分ごろ、石川県能登半島で最大震度7の揺れを観測する地震が起きた。建物の倒壊やそれに伴う火災、津波、山崩れ、地すべり、道路の亀裂、地盤の隆起等、あらゆる被害が確認されている。石川県によると、県内で死亡が確認された人の数は21日午後2時の時点で232人、また、重軽傷者は、県内全体で1170人になるそうだ。この中には恐らく外国人も含まれているだろう。
高齢化が進む能登半島では、漁業などの担い手として多くの実習生を受け入れている。県によると、県内には技能実習生4139人(2022年末現在)がいて、能登地方の5市7町で、その約3割が働いている。石川県の国際交流課によると、技能実習生は3539人と先の値と異なるが、農業62人、食品製造業589人に従事しているそうだ。また、能登半島は観光地で多くの外国人も訪れていたと思われるが、彼らの被害の状況は不明だ。
さて、能登半島で働く技能実習生であるが、日本の技術を修得して本国に持ち帰り自国の経済発展に役立てたいとするより、本国の家族の為の出稼ぎであり仕送りしたいとする人がほとんどであろう。能登半島で災害の為に働くことが出来なくなったからと言って、失業手当が出る訳でなく収入は無くなってしまう。能登半島地震により、従来の職場で働くことが難しくなった人について、小泉法相は16日、従来の在留資格で定められた地域や業種以外での労働を認めることを明らかにした。技能実習制度では原則転職を禁止しているからだ。日本の片隅で日頃労働力不足を補う外国人労働者には特に配慮が必要だ。
ところで、この例外処置とは別に、外国人の技能実習制度の見直しを検討する政府の有識者会議は、昨年11月に「技能実習制度」を廃止し、人材の確保と育成を目的とした新たな「育成就労制度」を創設するとの最終報告書をまとめている。これまで原則認められなかった転職については、1年以上働き、一定の技能や日本語能力があることなどを条件に認めるとしている。日本の人手不足も外国人労働者に頼らざるを得なくなり、これまでの技能実習制度では対処しきれなくなっているのだ。
来年4月には大阪万博が開幕となるが、能登半島大地震や今年4月から始まる時間外労働禁止の厳格化と重なり、遅れ気味の建設遅れが一層大きくなる見込みだ。岸田首相は能登半島大地震の復興と大阪万博の準備を共に急げと号令をかけているが、優先順位を付ける等、具体的な指示をすればこそ、リーダシップの発揮であるが、共に急げとは情けない。
26日、通常国会が始まった。異常円安等の経済対策、殺人武器の輸出等の安全保障問題、統一教会問題等、議論すべき問題は山積しているが、自民党派閥の政治資金パーティーの裏金問題で、本質から外れた派閥を解消するしない等で無駄な議論に明け暮れている。情けない。
2024.01.27(犬賀 大好ー979)
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