10月20日(水) ときどき
小雨がパラパラして、アスファルトが乾く間はなかった。止み間を見て、菜花の不織布を剥がし、間引きをする。ここも、ダイコンと同じに、サルハムシ、ヨトウムシが侵入し、喰い荒している所が多い。よさそうな株を整理し、葉物として出荷する。出荷作業が終わっても、外仕事をするには、濡れてしまうほどに、雨は続いている。ハウス内で、キュウリの整枝や、苗の移植などをして、早めに部屋に入る。
所で、今朝のこと。
朝食の御膳を持って行ってから、しばらくして、声がかかる。何だと尋ねると、
「歯を下さい」
(入れ歯のことだ。ショートステイに行っている間は、夜間、入れ歯は、施設で管理するらしい。就寝中に、飲み込んだりされると困るからだそうだ。しかし、我が家では、入れ歯の管理までは、やっていない。この数カ月、何度か、「歯を下さい」と云われ、そろそろ、こちらで、管理した方が良いのか、と思い始めていた所だ。)
入れ歯は、自分で外して、どこかに置いたのだから、よく探すように言う。
しばらくして、
「夜、寝るときに、歯をそっちに持って行ったんですよ」
もう何度も、繰り返された会話が始まる。
「あんたの入れ歯なんか知らない。机の周りを良く探しなさい」
「私がやったのなら、よく覚えていますよ。昨日、持って行ったでしょう」
「そんなことはないから、よく探しなさい」
「私が、どこかに置いたりするはずはありませんよ」
そろそろ、いらいらしてくる。今朝も、朝起きてトイレに行きながら、小便を漏らし、雑巾で拭いた所だし、洗濯機は、母のパジャマとシーツを、回している。
「お前の入れ歯など知らん! 自分でよく探すんだよ!」
と怒鳴り声。と、ふてくされるような声で、
「今に、判りますよ。私は、預けたのだから」
本人は、動いて探そうという気配は全くなく、ただただ座ったまま、口だけは、ぺらぺらと。そのうち、こちらから、歯が出てくると、云いはる。
一事が万事、この口達者。限界は、4~5回だ。
今朝は、ここで、切れてしまう。母の脇の一畳ほどの座り机。持ち上げて、放り投げる。
机の下は、ちり紙の山。パンパンのレジ袋や、ティッシュの箱、むき身のちぎられたトイレットペーパーや、ティッシュペーパー。
「このゴミはなんだ」
「私の大事な鼻紙ですよ」
以前に何度か見つけてやった経験から、
「このゴミの中に、お前の入れ歯はあるんだよ!!」
「こんなところに、あるわけありませんよ」
ポリ袋に入った、ティッシュの塊をつかんで、
「これはなんだ!」
目の前に付きだす。
「、、、、、、、、、、、、。」
無言を貫こうとするふくれっ面に、
「これは何だと聞いているんだ!」
「、、、。入れ歯です」
「誰が、こうして置いたんだ」
「、、、、。私です」
今朝の、入歯騒動の、顛末。
小雨がパラパラして、アスファルトが乾く間はなかった。止み間を見て、菜花の不織布を剥がし、間引きをする。ここも、ダイコンと同じに、サルハムシ、ヨトウムシが侵入し、喰い荒している所が多い。よさそうな株を整理し、葉物として出荷する。出荷作業が終わっても、外仕事をするには、濡れてしまうほどに、雨は続いている。ハウス内で、キュウリの整枝や、苗の移植などをして、早めに部屋に入る。
所で、今朝のこと。
朝食の御膳を持って行ってから、しばらくして、声がかかる。何だと尋ねると、
「歯を下さい」
(入れ歯のことだ。ショートステイに行っている間は、夜間、入れ歯は、施設で管理するらしい。就寝中に、飲み込んだりされると困るからだそうだ。しかし、我が家では、入れ歯の管理までは、やっていない。この数カ月、何度か、「歯を下さい」と云われ、そろそろ、こちらで、管理した方が良いのか、と思い始めていた所だ。)
入れ歯は、自分で外して、どこかに置いたのだから、よく探すように言う。
しばらくして、
「夜、寝るときに、歯をそっちに持って行ったんですよ」
もう何度も、繰り返された会話が始まる。
「あんたの入れ歯なんか知らない。机の周りを良く探しなさい」
「私がやったのなら、よく覚えていますよ。昨日、持って行ったでしょう」
「そんなことはないから、よく探しなさい」
「私が、どこかに置いたりするはずはありませんよ」
そろそろ、いらいらしてくる。今朝も、朝起きてトイレに行きながら、小便を漏らし、雑巾で拭いた所だし、洗濯機は、母のパジャマとシーツを、回している。
「お前の入れ歯など知らん! 自分でよく探すんだよ!」
と怒鳴り声。と、ふてくされるような声で、
「今に、判りますよ。私は、預けたのだから」
本人は、動いて探そうという気配は全くなく、ただただ座ったまま、口だけは、ぺらぺらと。そのうち、こちらから、歯が出てくると、云いはる。
一事が万事、この口達者。限界は、4~5回だ。
今朝は、ここで、切れてしまう。母の脇の一畳ほどの座り机。持ち上げて、放り投げる。
机の下は、ちり紙の山。パンパンのレジ袋や、ティッシュの箱、むき身のちぎられたトイレットペーパーや、ティッシュペーパー。
「このゴミはなんだ」
「私の大事な鼻紙ですよ」
以前に何度か見つけてやった経験から、
「このゴミの中に、お前の入れ歯はあるんだよ!!」
「こんなところに、あるわけありませんよ」
ポリ袋に入った、ティッシュの塊をつかんで、
「これはなんだ!」
目の前に付きだす。
「、、、、、、、、、、、、。」
無言を貫こうとするふくれっ面に、
「これは何だと聞いているんだ!」
「、、、。入れ歯です」
「誰が、こうして置いたんだ」
「、、、、。私です」
今朝の、入歯騒動の、顛末。