ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

交信する

2015-10-21 23:49:03 | 2015年4月以降の詩

それで

いつどこの街で降りたらいいんだっけ?

流星が星のように降る夜空を仰いで

太陽が燦々と降り注ぐ青空の下で

軌道のないバスが駆け続ける

舗道すらない

 

運転席の無線機がピーガー鳴る

応答願います

北町の交差点で

コートの襟を立てた女が

いや

男かもしれない

舞っている

いや

待っている

はず

応答願います

 

バスは

停留所で止まるもの

呼び出しには対応しない

はず

あらかじめ定まった場所へ向かう

しかできない

はず

 

運転席の無線機がピーガー鳴る

応答願います

北町交差点に回送願います

北町交差点に改葬願います

底のない昏い穴に葬り込む

風が舞い上がる

舞っている

北のはずれの定点へ

待っているはずの場所へ

誰かが

 

応答願います


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