ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

二項対立

2009-03-02 22:35:01 | 寓話集まで
   
    ー非詩的にー

はじめに混沌があった
震えがあり
うねりがあり
闇雲な力があり
不分明な結節点が生じた

そこに
ことばが生れた
対峙する二つの言葉
一方は「遊び」
他方は「学び」

間もなく
もう一組の
対峙する二つの言葉が生まれる
一方は「周縁」
他方は「中心」

これら二組の対峙する言葉が
X軸Y軸の座標を構成し
するとさらにZ軸が立ち現れ
「芸術」と「自己満足」の二つの言葉が正反対の方向へ引き裂かれる

ここで肝要なのは
Z軸は
X軸Y軸に連動するが
同じ平面にはない
そのどちらにも直交するということだ

「遊び」と「学び」
「周縁」と「中心」の
一見矛盾するかりそめの二項対立の各項

ふたつながら保持する魂が
「芸術」の高みに昇華する

「学び」なくして「遊び」呆け
自らの根拠なくして「中心」に居座りつ
づける天才は
私たちには想像もつかないが
恐らく「芸術」には程遠い

「中心」に背を向けた「周縁」に引きこ
もり
「遊び」を忘れて「学び」に閉じこもる
四角四面な生き方は
それが性に合っているというひとにとや
かく言う筋合いはないが
面白いとは思えない

ところで
念のため言っておけば
「遊び」と「学び」のX軸
「周縁」と「中心」のY軸などとは
単なる虚構のまやかしなので
足下すくわれて詐欺にあわないように
「芸術」などという幻術に惑わされない
ように

あなたは
堅実な実世界で
実業の世界で生き延びていくように
生存していくように

   ※

はじめに混沌があった
震えがあり
うねりがあり
闇雲な力があり
不分明な結節点が生じた

そこに
ことばが生れた
対峙する二つの言葉
一方は「虚業」
他方は「実業」

間もなく
もう一組の
対峙する二つの言葉が
一方は「消費」
他方は「生産」

これら二組の対峙する言葉が
X軸Y軸の座標を構成し
するとさらにZ軸が立ち現れ
「利潤」と「自己破産」の二つの言葉が
正反対の方向へ引き裂かれる

これらかりそめの二項対立が・・・


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
構造主義、神話、経済学 ()
2009-05-27 00:32:08
 この詩は、文学的であるよりは、構造主義的、神話的、経済学的なタームを、分かりやすく、高校以下の初歩の幾何学風に組み立ててみただけ。ディレッタント的お遊び。
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