ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

私の詩は

2017-05-20 16:15:50 | 2015年4月以降の詩

私の詩は

私が書く詩であってはならない

何ものかに書かされる詩でなくてはならない

主体的な詩であってはならない

すみずみまでコントロールの利いた言葉であってはならない

すべて理解できる明晰判明な言葉ばかりであってはならない

暗い闇が顔をのぞかせていなければならない

妙につまづく意味の通らない場所が仕込まれていなければならない

計算の尽くされた揚句に残ってしまう不可解な謎のようでなくてはならない

私の書く詩は

受け身の詩でなくてはならない

暗渠からくみ揚げられる黒い水のようでなくてはならない

人類の意識の底の生温かな共有物でなくてはならない

 

しかし

私の書く詩は

明晰な詩でなくてはならない

分かりやすくなければならない

ああ分かるとうなづいて涙ぐみさえされる詩でなくてはならない

読み手に共有される詩でなくてはならない

 

私の書く詩は

ひとまねであってはならない

私の個人的な詩でなくてはならない

私自身が書いた詩でなくてはならない

私が誰かから習った言葉で書いてはならない

学校で習った言葉で書いてはならない

ひとに読まれるような言葉で書いてはならない

読める言葉で書いてはならない

読める言葉で書いてはいけない

○×△◆…

(以下解読不能な記号のようなもの)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (千田基嗣)
2017-05-20 17:59:49
お、そう言っていただくと有難いです。
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こんにちは (たにむらこうせつ)
2017-05-20 16:27:48
同じ詩を書くものとして、
限りなく同感です!
素敵な詩ですね(^-^)
みんなのブログからきました。
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