ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

1メートルの沈下

2021-07-28 22:08:06 | 月刊ココア共和国 投稿詩
土を盛る
華やかにデコレートする
土色の土を盛る
アスファルトで塗りたくる

全般に沈下しているから
少しばかり一部を盛っても追いつかない

お目々ぱっちり
まつげどっきり
くちもとげんなり

夜暗いときにクルマで通ると
目測の助けになるものがひとつもないので
つい踏み外しそうになる
ような気がして怖い
街路灯がない
不要な交差点に信号機はぴっかり

盛ったところはそこだけ高い
そこだけ華やか
そこだけぱっちり

あとは暗闇
高潮のあとそのままか
大雨のあとそのままか
流された跡地は低く水たまり

クルマが落ちたら水沈

※「あなたがそこに立っている」の一月前に投稿していた詩。前後、逆になってしまった。ま、いずれ選外だったので、特段の問題はない。
 2012年に書いた「1メートルの低下」という詩を書き直したもの。


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