ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

もうひとつの世界(2020・8月版)

2020-08-14 12:06:11 | 2015年4月以降の詩
もうひとつの世界が
ある
この世界は
見えない
もうひとつの世界が
ある
この世界は
冷たい

暖かな温もり
肉体の実在
あなたがいるから
ここは暖かい
屋外は
冷たい

この世界は
ない
この世界は冷たく
意味がない

もうひとつの世界が
ある
豊かな意味を育んで
もうひとつの世界が
ある

 あなたがストーブに火を灯し
灯油が燃えるから
この部屋は暖かい

想像しても
部屋は暖まらない
想像するだけでは
部屋は暖まらない

あなたが
誰かが
火を灯さなければ
 行為しなければ
冷たいまま
もっと冷たく冷え込んで
 夜が更けていく

※2011.1(震災前である)に掲載した詩を、誰かが読んでくれたようだった。着想は活かせると思えたので、書き直してみた。どうだろう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿