ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

雨 月刊ココア共和国 9月号電子版掲載詩

2020-08-21 17:55:28 | 月刊ココア共和国 投稿詩
一瞬冷たい西風が吹いて
柔らかな女神が降臨する
無数の女神が行列をなして天空から斜め下に滑り落ちる

それぞれの
地上の女神を見つけて
黒い髪を濡らす赤い唇を濡らす青いドレスを濡らす

青いドレスを濡らして
沁みとおった肩を濡らす
大理石の白い肌を濡らす

陸前リアス式海岸の大理石の岸辺の波の雫と
見分けのつかない雨の雫が
あの場所を濡らす

暖かい雨が
入り江の最奥部の
あの場所を濡らす
沁みとおって
あからさまな視線を受け止めて
あの場所を濡らす



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