ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1984年10月20日付 シカゴ Chicago - Hard habit to break

2020-10-18 21:21:31 | 1984年ビルボードTop40
1984年10月20日付ビルボード All American Top40、2週目の1位はStevie Wonderの"I just called to say I love you"。Stevie Wonderですが、もちろん皆さんご存知のスーパースター、60年代から数多くのヒットを持っていて、この曲でなんと7曲目のNo.1ヒット、初めてのNo.1は1963年に遡ります"Fingertips – Part 1"、1977年の"Sir Duke"以来久し振りとなるNo.1となりました。Top3ヒットはこの曲で12曲目。ヒット曲は数え切れません。

2位は6位からジャンプアップ、Billy Oceanの"Caribbean Queen (No More Love on the Run)"。Billy Oceanですが、初めてのヒットがファーストアルバムからのシングル曲"Love Really Hurts Without You"。1976年に最高位22位を記録。この曲が2曲目のTop40ヒットで、突然の大ヒットとなりました。
3位は4位からアップ、Chicagoの"Hard habit to break"。60年代から活躍するアメリカンロックのスーパーグループ・シカゴ、この曲で2曲の1位を含む8曲目のTop5ヒット、4曲目のTop3ヒットです。
4位は5位からアップ、Madonnaの"Lucky Star"。Madonnaですが、初めてのヒット"Holiday"が最高位16位、この曲でもちろん初めてのTop5ヒットです。
5位は2位からダウン、2週間の1位の大ヒット、Prince & The Revolutionの"Let's Go Crazy"。Prince、5週間の1位で年間チャートNo.1の特大のヒット"When Doves Cry"に続く2曲目のNo.1ヒットです

この週3位はChicagoの"Hard habit to break"。最高位は10月20日と27日の2週間の3位、年間チャートは45位。年度の途中にかかってしまいましたが、1982年に1位を獲得した"Hard to Say I'm Sorry"以来の大ヒットになりました。

Chicagoですが、デビューは1960年代に遡ります、記念すべきデビューアルバムは『Chicago Transit Authority シカゴの軌跡』、この時はバンド名がChicago Transit Authorityですので、バンド名を冠する記念アルバムです。このアルバム、デビューアルバムで、2枚組の大作、当時は2枚組自体が珍しかったです。このアルバムには、名曲"Questions 67 and 68"をはじめ、"Introduction"、"Beginnings"など、デビュー作にして名曲ぞろいでした。デビューアルバムにしていきなりの17位を記録します。

シングルヒットは次のアルバム『Chicago(Chicago II)』から"25 or 6 to 4"「長い夜」です。もちろん皆さんご存知の曲ですね。最高位4位の大ヒット曲となります。

その後順調にアルバム、シングルともヒット、ライブも大人気ロックグループとなります。
そして、70年代半ば以降、ブラスロックにポップ要素を加え、1976年のアルバム『Chicago X』からのシングル、彼らの初のバラードシングル"If You Leave Me Now"で初のNo.1を記録します。

転機は1982年、『Chicago 16』で、プロデューサーにDavid Fosterを迎え、バックにはTOTOのメンバーというAOR路線に舵を切ります。
このアルバムからは"Hard to Say I'm Sorry"が2曲目のNo.1を記録します。このアルバムにも良い曲たくさんありました。"Love Me Tomorrow"は特に大好きな曲だったです。こちらの記事→→→をご覧ください。昔からのシカゴファンには大不評だったこの路線変更、それでも時代の要請に合ったのでしょう、一時低迷気味だった人気も復活、大成功でした。

そして1984年にリリースしたのが『Chicago 17』。プロデューサーは引き続きのDavid Fosterです。このアルバムは前作を上回るヒットアルバムとなりました。
そのアルバムからのセカンドシングルがこの曲"Hard Habit to Break"です。
なんといってもこの曲の魅力は二枚ボーカルでしょう。もちろんシカゴの看板ボーカリストPeter Ceteraに、この前のアルバムからグループに参加したBill Champlinの二人の名ボーカリストの競演です。
このアルバムを最後にPeter Ceteraがバンドを脱退してしまいますので、この曲が二人でリードを取る最初で最後のシングルとなってしまいました。
曲の作者はいずれもソングライターのSteve KipnerとJohn Lewis Parkerの共作。Steve Kipnerは超有名ソングライターですね。あの世紀の特大ヒット曲 Olivia Newton-Johnの"Physical"の作者であります。


今週 先週 song / artist
1 1 I JUST CALLED TO SAY I LOVE YOU / STEVIE WONDER
2 6 CARIBBEAN QUEEN / BILLY OCEAN
3 4 HARD HABIT TO BREAK / CHICAGO
4 5 LUCKY STAR / MADONNA
5 2 LET'S GO CRAZY / PRINCE & THE REVOLUTION
6 3 DRIVE / CARS
7 8 COVER ME / BRUCE SPRINGSTEEN
8 12 ON THE DARK SIDE / JOHN CAFFERTY & THE BEAVER BROWN BAND
9 18 PURPLE RAIN / PRINCE & THE REVOLUTION
10 13 I'M SO EXCITED / POINTER SISTERS
11 9 THE GLAMOROUS LIFE / SHEILA E.
12 7 MISSING YOU / JOHN WAITE
13 26 WAKE ME UP BEFORE YOU GO-GO / WHAM!
14 17 SOME GUYS HAVE ALL THE LUCK / ROD STEWART
15 16 ARE WE OURSELVES? / FIXX
16 20 BLUE JEAN / DAVID BOWIE
17 10 SHE BOP / CYNDI LAUPER
18 25 WHO WEARS THESE SHOES? / ELTON JOHN
19 27 DESERT MOON / DENNIS DEYOUNG
20 22 BOP 'TIL YOU DROP / RICK SPRINGFIELD
21 24 SWEPT AWAY / DIANA ROSS
22 31 STRUT / SHEENA EASTON
23 28 BETTER BE GOOD TO ME / TINA TURNER
24 30 I FEEL FOR YOU / CHAKA KHAN
25 11 THE WARRIOR / SCANDAL
26 32 OUT OF TOUCH / DARYL HALL & JOHN OATES
27 14 CRUEL SUMMER / BANANARAMA
28 33 WHAT ABOUT ME / JAMES INGRAM/KIM CARNES/KENNY ROGERS
29 15 WHAT'S LOVE GOT TO DO WITH IT / TINA TURNER
30 38 PENNY LOVER / LIONEL RICHIE
31 35 ALL THROUGH THE NIGHT / CYNDI LAUPER
32 29 FLESH OF FANTASY / BILLY IDOL
33 21 THERE GOES MY BABY / DONNA SUMMER
34 46 THE WAR SONG / CULTURE CLUB
35 19 IF THIS IS IT / HUEY LEWIS & THE NEWS
36 44 I CAN'T HOLD BACK / SURVIVOR
37 43 IT AIN'T ENOUGH / COREY HART
38 48 NO MORE LONELY NIGHTS / PAUL MCCARTNEY
39 23 GO INSANE / LINDSEY BUCKINGHAM
40 42 A GIRL IN TROUBLE / ROMEO VOID

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20 コメント

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忘れ得ぬ君に (音時)
2020-10-18 21:38:59
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/24155448.html
"きみは止めることのできない習慣"を邦題"忘れ得ぬ君に"…なかなか名邦題だと思います。ピーター・セテラの声にビル・チャンプリンの力強いボーカルが重なる、ピーターのシカゴ時代の最後の名曲だと思っています。
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極上のバラード (hannah)
2020-10-18 22:41:04
星船さん、こんばんは。
ChicagoのD.Foster路線んは賛否ありますが、この曲はChicagoのキャリアの中でも最高レベルの極上のバラードです。
10月にヒットしましたが、秋にピッタリの曲です。
♪17♪からの1stシングルは16位止まりで、ちょっと心配しましたが、この曲のヒットで80年代のChicago路線も安泰ですね。
(次作も1stシングルは不発でした)
それから邦題、音時さん仰るように曲に負けず劣らずの名邦題です。
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Unknown (太ったボンジョビ(・ε・` ) ぬぅ)
2020-10-18 22:56:24
またまたフィリピンパブですみません。
彼女たちのシカゴNo.1はダントツで次のシングル、インスピレーションなんですよ、とにかく勝手にリクエストしては、自分がメインとりたいのでしかし私に「フォローしなさい」と…。
そりゃーもちろんハモって頑張りましたよ。
しかし欲求不満な私はある時間違い入力(たぶんリクエストマシンへの誤った指差し)このハビットをやったんですよ。もちろんこの曲の高音部は死にそうに辛いです。
しかし何とみんなステージに客を連れて上がってきて、私の周りでチークしやがるんですの。おいおい。
んで私もエスコートしてくれていたお気に入りが抱きついて寄り添ってくれたので、甘ったるい何が良いんだかわからないこの曲を今や愛してやみませぬ。
とくに2番直後のサキソフォンからの転調→ラストがいいなあ。
でもラストはしつこすぎないシングルバージョンが良いなあ。
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シングル (240)
2020-10-19 06:51:38
おはようございます。
懐かしいですね。
コレ、シングルレコード買いましたよ。当時、一発で気に入った曲です。「素直になれなくて」よりも好きかも。
あれほど好きだった曲ですが、PVは全く記憶ない(苦笑)。ツインヴォーカルが光るPVですね。あと楽曲はバラードなのに、力強いドラム、激しいギターと、サウンドは結構力強いものだったんですね。
久しぶりに聴き返しましたが、やっぱり名曲!
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Unknown (サイコチキン)
2020-10-19 12:00:29
スターシップさま…シカゴサウンド…健在ですね…💕スカスカに感じるポップス・ミュージックは、つまんねえなあ~‼…が、多く出回っている中で、変化していくmelody.を…力強く歌いあげている二人は、ヤッパリ…格好いいね…🎵🎵🎵
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Unknown (blackmore1207)
2020-10-19 13:43:32
こんばんは!次はfixxかな?と思いましたが、シカゴで来られましたね。
シカゴは後追いで初期も聴きましたが、売れた頃と違ってテリーキャスのvoも結構好きです。
やはり16辺りはデビットフォスター&ピーターセテラ&TOTO(レコーディングや曲で参加)のイメージが強いのですが、この頃からバンドとセテラの対立はかなりあったようですね(脱退後の殿堂入り時も共演なかったし)
この時期はプロデューサー主導だったのか?、ロンネヴィソンがプロデュースした19の数曲も何かハートぽかったのです(笑)
因みに昨年公開された映画を見られた方はいらっしゃるのでしょうか? 残念ながら日本語字幕入りDVD発売はないようですが…
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Unknown (太ったボンジョビ_(^○^;))
2020-10-19 21:41:23
フィリピンの人はチカゴと言うので私も真似してます。
そんなチカゴは82年に初めてリアルタイム。シングルは以下の評価です。
素直…それほどでもないなあ
ラミトゥマロウ…サビまでは最強、サビ最低
ワッチョーミッシン…最強1、セテラ楽しそう!
ステーザナイ…変なミドルテンポ
忘れ得ぬ…なんかいーなー
インスピレーション…良いか悪いか判断不能
いかした彼女…ご、これ、私は良作だと…
長い夜86…こっちの方が原曲よりドラマチックで大好き
ウィリュスチルランミー…カラオケ回数、私のチカゴではダントツ
フェイフォー…最強その2、とくにサビまでが
アドウォナリビザウチョロー…リクエストされるけどイマイチ
ルカウェー…No.1はともかく年間No.1は返上してくれ
ワッカインダマンウーラービー…良いですよね
いやー、みなさんはどーですか?
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『16』と『17』は (星船)
2020-10-19 22:00:54
音時さんこんばんは。
このアルバムの後、ピーター・セテラがバンドを抜けてソロになってから、改めて思ったのは、ピーター・セテラとビル・チャンプリン、ロバート・ラムの3人が揃ったアルバム『16』と『17』は良いアルバムだったです。名曲もたくさんありましたね。
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いろんなシカゴが (星船)
2020-10-19 22:07:31
hannahさんこんばんは。
私がChicagoを聞き始めたのは『Chicago VIII』で、ちょうどブラスロックから、ポップス色が強くなり変化している頃でした。ブラス・ロックの時代は遡って聞いたのですが、ブラス・ロックから、ポップス・ロック、デビット・フォスターのAOR路線と、時代とともに変化するシカゴが大好きでした。
いろんなシカゴが聞けるのもこのバンドの魅力だと思います。
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王道のChicago (hannah)
2020-10-19 22:11:32
星船さん、こんばんは。
82年の復活の♪Hard To Say ~♪(僕のカラオケの18番です)に始まり、♪Hard Habit ~♪、♪Will You Still ~♪、♪Look Away♪と、80年代はまさに70年代を凌ぐほどAORの王道のChicagoの時代でした。
ただ単にメロウなだけのAORではなく、ギターであったり、ホーンであったりで力強さも健在です。
♪Will You Still Love Me?♪も名曲です。
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