ミセスローゼンの道後日記

タカタカと歌ふ北窓塞ぎをり


夕べ一晩中風が吹いて、この辺りすっかり一面、枯れ木の山になりました。
いろんな物が飛んできた。うちのパンツも飛ばされた。葉っぱに隠れてたよその山荘がよく見える。こんなところにこんなお家あったんだ、と改めて、かぼちゃんの散歩しながら、別荘拝見を楽しんでます。
ふと、視線を感じて顔を上げれば、富士に見られてます。見られてます。青白~い富士山が、うちらを覗き込んでます。誰かに似てるこの感じ、と思ったら、ロード・オブ・ザ・リングのエルフの女王ガラドリエルだ!
こないだまで全然見えなかった場所からも、がらり、見えてるじゃん!
車の運転しててふっと横見たら、うわっ、あんなところにいる。だるまさんがころんだみたいに、ちょっとずつ、近づいてきてね?

昨日も、日が落ちてからまたちょろっと散歩してたら、背後から、ご、ご、ごごごーと、あれっ、富士ですか?
それとも富士山の周りの雲ですか?
巨大ヒンデンブルク号みたいな黒い富士がすぐそこにいる!怖ぇー。

ニックは今、太宰治の「富嶽百景」読んでる。

彼は富士が嫌いなんだな。富士的なもの、圧倒的なもの、権威的なものを破壊したいのだな、そうだろう?

そうね。あなたがそう感じるなら、その感じはあなた自身のもの。
私はあれ読むと、いじけてちぢかんでる自分がうざくて、たまらない気持ちになる。この感じは私のもの。

2人ブッククラブも楽しいです。ちょっとさみしいけど。
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