
雪解の足跡二つづつ続く
雛祭りだね、と笛子がイーメールをくれる。笛子のお雛様は和室まるまる一つ使って飾るみたいな壮麗なもの。それを拝見して、笛子の手料理の手毬寿司やハマグリのお吸い物とか頂いて、笛子の母上...

燕見て空つぽの町歩きけり
朗善先生は幼い頃、誰かが五十五歳の人をミドルエイジと呼ぶのを聞いて「五十五がミドルエイ...

坂道の途中に雪の残りけり
店に二人の若者が来る。 一人はアジア系二世の男の子。ストライプのボタンダウンのシャツに、...

囀に雨の激しくなりにけり
ペンシルヴァニア旅行いらい、毎朝、駅まで自分で運転している。運転は何度やってもへた。...

爪切つて時計を巻いて春寒く
古本屋の仕事を終え、エプロンと名札を外し、グランドセントラルステーションまで走って行く...

お涅槃の終点へ来て引き返す
Rain or Shineという店へこうもり傘を直しに行く先生を隣に乗せてミッドタウンまで運転する。...
暖かな路地に入りて三軒目
十年も営業してた店を昨日でたたんだ。数日前からスタッフや店内を撮影してアルバムをつく...

えらいこつちやえらいこつちやと流氷来
えらいこっちゃ。 パスオーバー(ジューイッシュホリデー)に、朗善先生が家族を下宿に招くこ...
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